外交問題評議会シーラ・スミス発言「辺野古案は無理」

先日、サッカー日韓戦のあと、ひさしぶりに見たニュース番組で紹介されていたアメリカ人外交専門家の意見。このかたの話し振り、滑らかに出てくる地名、日本人名を聞いていると、沖縄のことはかなりお詳しい印象を持ちました。こういう方の意見はマスコミではあまり紹介されません。常に鳩山首相の手際のまずさ、ぶれを叩く記事ばかり。決して鳩山さんを擁護しようなんて考えている訳ではないですが、これを機に、防衛のこと、沖縄のこと、本当に海兵隊員が沖縄に必要なのか、彼らの役割は本当はなんなのか?そんなことをもっと知りたいです。
日本が連合国側の占領から「独立」してもう60年だというのに、まだまだアメリカに占領されていた頃の仕組みを、日本人自身が唯々諾々と受け入れているようにも思います。




YouTube: シーラ・スミス女史:「辺野古案は無理」

新党を作ってもらいたいと思っている人。

 このごろ、新党設立ブームで、昨夜は舛添さんも新党設立を発表されています。坂本龍馬になりたいという方は多いようなのですが、みなさん、「私心」が透けて見える方が多いので、どうもいまひとつ心が躍りません。坂本龍馬だって、司馬遼太郎のおかげでひとつのイメージが出来上がっていますが、「風のようにさわやかな男」だったのかどうか、真実はよくわからない。まあ、それでも龍馬はいいなと思ったりもしています。
 で、僕はこの先生に新党を立ち上げてもらえればいいなと、まったく実現性ゼロのことを考えています。
90年代の前半から養老先生のファンで、本はかなり読みましたし、講演を一度お聞きしたこともあります(90年代半ば、先生が今のようなマスコミデビューを果たされる前後)。一昨年は偶然、小社のオフィスが入っている新東京ビルあたりで、よれよれのコート姿を拝見したこともあります。
 養老先生なんて、虫取りの時間の方がずっと大切で、政治にはあまり期待もされていないし、興味もお持ちではないと思うのですが、この程度の「常識」を基本理念にした政治を行ってもらわないと、本質的な社会改革(とまで言わなかったとしても改善)はできないし、本当の意味で一人ひとりの生活もよくならないと思っています。スローガンと言っても、投票する人に対しての期待というか、要求だから、投票する側に受けるかわかりませんが。きっとそんな理念を掲げる政党からは誰も当選しないでしょうね。
 党首は養老先生で、副党首は鈴木孝夫先生(慶応文学部の名誉教授で、野鳥のファン)ですかね。鈴木先生は本格的なエコロジストだから、これまで以上に、本が読まれてもいいと思うんだけど。
「甘ったれるな!中年」

A Strategy Minister With A Strategy

日本の政治家に関して、めずらしくお褒めの記事。(イギリスのエコノミスト誌)

「戦略を持った戦略担当大臣がいた!」という当然と言えば当然のことに驚いたという話。

A Strategy Minister With A Strategy

Washington Post 記事

「一国の首相に失礼だ」藤崎駐米大使が米紙のコラムに不快感(産経新聞)→このもとになっているワシントンポストのコラム記事で、「失礼な部分」は以下の通り。紙面ではできないけども、ネットであれば簡単に元記事を参照できるわけで、新聞はどんどん元記事を、元記事の言語で紹介してほしい。そうすることで、日本でも英語に直接接することができる。ニュースの元を読んでいかないとダメ。少なくとも英語であれば、そのくらいのことやらないと。原文に当たって砕けろだ!

By far the biggest loser of the extravaganza was the hapless and (in the opinion of some Obama administration officials) increasingly loopy Japanese Prime Minister Yukio Hatoyama. He reportedly requested but got no bilat. The only consolation prize was that he got an "unofficial" meeting during Monday night's working dinner. Maybe somewhere between the main course and dessert?

A rich man's son, Hatoyama has impressed Obama administration officials with his unreliability on a major issue dividing Japan and the United States: the future of a Marine Corps air station in Okinawa. Hatoyama promised Obama twice that he'd solve the issue. According to a long-standing agreement with Japan, the Futenma air base is supposed to be moved to an isolated part of Okinawa. (It now sits in the middle of a city of more than 80,000.)

But Hatoyama's party, the Democratic Party of Japan, said it wanted to reexamine the agreement and to propose a different plan. It is supposed to do that by May. So far, nothing has come in over the transom. Uh, Yukio, you're supposed to be an ally, remember? Saved you countless billions with that expensive U.S. nuclear umbrella? Still buy Toyotas and such?

Meanwhile, who did give Hatoyama some love at the nuclear summit? Hu did. Yes, China's president met privately with the Japanese prime minister on Monday.

首相小話

今朝の朝日新聞でも編集委員の星浩さんが紹介されている鳩山首相についての小話。
「日本の首相は、自分を平和の象徴のハトだと思っている。日本国民は選挙の公約が守られなかったからサギだと感じている。アメリカ人は弱虫という意味のチキンだと見ている。そして中国人は格好のカモだと考えている。」

クロイヌはサギだなんて感じていないけども、カメにいいようにやられているなとは思います。この話、つい最近、別の人からも聞きました。ちなみに、星さんが首相小話を集めているとして紹介してる吉崎さん(双日総研)は、クロイヌの同級生。

後は野となれ山となれ。

 鳩山さんも、小泉さんと同じように、自分の在任中には増税をしないとおっしゃっている。政治家の先生方は、どうしても選挙のことがあるから、厳しいことを言えないのはわかっていますが、嘘もほうべん、選挙が終わると「君子の豹変」で、ほんとうに必要なことを議論し、提案していただきたい。60年安保のとき、条約の成立後退任した岸内閣のように、やるべきことをやって退任してもらいたい。
もちろん僕だって税金が増えるのは勘弁してほしい。特にかなりの部分の税金が無駄に使われたり、乗数効果が低い事業に使われたりしていることがあきらかだから。さらに、実質的に税金と同じインフラ(たとえば高速道路、公共の駐車場)の使用料金の高いこと。それらの事業からの収益はすべてお役人たちが天下っている組織のものになる。
でも、グロスでGDPの2倍、ネットでみてもほぼ120%になろうとする日本の財政赤字を考えたとき、のばせばのばすほど問題は悪化していくことは、誰だってわかっている。
だから「自分の任期中には増税はしない。」という首相たちの発言は、「後は野となれ山となれ」とおっしゃっていることと同じだと思う。
次の選挙では、財政赤字と増税に関して、正直に問題提起する政治家、政党に投票しないか?!

青臭い議論だとわかっていますが。

青臭いことをなに言っているのか?と逆に皮肉られそうですが、こんなことをずっとやってきているから、「10年後には日本は破綻する」(今日の朝日新聞朝刊記事)というような状況になっていることを、あらためて覚えておきたいです。僕の周りでは、高負担でもいいという意見もあります。ただ、その前提は、役人天国、地元のエゴ優先政治は終わりにしてほしいということかと思います。


昨日、羽田のエアラインラウンジで読んだ東京新聞朝刊記事です。

 『全国で空港の需要予測を手掛けてきた財団法人「運輸政策研究機構」(東京都港区)の羽生(はにゅう)次郎会長(元国土交通審議官)が本紙の取材に応じ、機構自らの予測の多くが過大だったことを認めた。その背景について、空港建設を進めたい国の意図に配慮し、過大な数字を出してしまう現実があると言明した。』
東京新聞HP

 いまさら、静岡、茨城の空港は無駄だと認めるのは、もう時効だとでも思っているからでしょうか。あるいはこうして認めるだけでも、この方はその他だまってほくそ笑んでいる連中よりかは「良心的」なのでしょうか。

 土建屋も、天下り役人も、あるいは国や県に土地を買い上げてもらう農民たちにも、それぞれに言い分があって、議論には一分の理はあると思います。最近まったく報道されなくなった八ツ場ダムでさえも、100%無駄というわけではなく、いい点もあるのでしょう。でも、コストのこと、そして日本の自然への永久的な破壊を考えてほしいし、もう「たかりの構造」はいい加減にして欲しいです。
 「利益は自分、負担は税金」の構造がある限り、まじめに税金を払っているわれわれ給与所得者は救われないです。

徴兵制の復活?

以前は受験戦争という言葉があったけど、希望者は全員大学生になれる時代になり、この言葉も死語となったのでしょうか?
自民党で、徴兵制検討を持ち出そうとすると、党内から選挙に勝てなくなるということですぐに反対の意見がでて取り消しというニュースを見ました。徴兵制が復活する日は、いつか来ることはあるのか?
黒犬たちも飼い主も、戦争は大反対!だけど体を鍛え、精神を鍛えることは賛成!
それが兵役以外のことで行われるという前提であればですが。

若者たちを大切にしているのだろうか?

「スポーツ予算をムダ食いするJOCの役員メンバー」という記事を何度か読んでいて、JOC関係者たちによる「若者消費」の一例とさえ言えるようなものを感じた(石原都知事にもぜひお読みいただきたい)。一番大切にしないといけない選手たちの利害よりも、自分たちの利害を優先させているのではないか、と。
世代間においての格差は、年配者による若者たちの「搾取」とまで言わなかったとしても「消費」と言えるほどのものがあるのではないかとさえ思えることがある。年金問題はそのひとつ。あまりにも世代間の不公平感が強すぎる。失業率もある。若年層(15〜24歳)の失業率は全体平均の倍くらいあると聞く。親たちが若者たちを地元におきたがるという気持ちも、それが自分たちの老後の面倒をみてもらいたという気持ちから出ているのであれば、ある種の若者消費のようにも見えてしまう。寺山修司は書を捨てて街にでよと言ったけど、「親たちのペットになるな」と言いたくなる。

18歳に投票年齢を引き下げようとする動きに賛成する理由の一つは、若者に自分たちの未来を真剣に考える機会を与えていかないと、年配者たちの利害ばかりを優先する国になってしまうからだろう(いや、もうすでにそうなっているか。今発行されている国債発行は、将来の世代への負担を真剣に考慮していない訳だから)。投票権が与えられる年齢があるのであれば、投票権を「返上」してもらう年齢があってもおもしろいかもしれない。議論のための議論だけど、そんなことを考えてみる価値はあるのではないか?
ある意味、若い人たちはものすごく甘やかされているところもあって、少子化で経営が厳しくなっている学校は、ここまでやるのかと思えるほど、お客さんたちにへりくだっていて威厳も権威も吹っ飛んでしまっている感もある。でも、本当に若者たちを大切にしているのではなく、単に親たちといっしょにペット扱い、あるいは「消費者」扱いしているような印象もなきにあらず。
どっちにしても、若者を大切にすること、若者のことを考えることって、日本の未来を大切にすることだと思うんだけど。

『若者を喰い物にし続ける社会』(立木信著、洋泉社)

 お年寄りを大切にしないといけないのは言わずもがななんだけど、あまりにも世代間の不公平感が強くなりすぎていて、年金問題に現れている世代間格差はもう限界だとずっと思っています。そんななか、昨年買っていた本ですがようやく今日手に取って読んでみました。大きなテーマを新書で取り上げているので展開のしかたは荒っぽいところがありますが、僕より4歳下の著者の議論には同感です。
 日本が滅びていくとしたら、第三国からの攻撃だとか、資源の高騰とか、自然災害からよりも、内部矛盾から崩壊していくのではないかと思います。現在ある最大の内部矛盾が世代間格差。若者が夢を持っていない国がどうして栄えようか!
 いまの日本の状況は、JALの倒産に至るまでのプロセスがいい例なのですが、これまで恵まれていた時代に経営していた人たちが残していった負の遺産を、われわれ現役世代および若者世代が背負わされながら、国際的な競争も非常に激しくなったこの厳しい時代をサバイブしないといけないことかと思っています。戦後、焼け野原から立ち上がってきた過去の世代の方達の努力には感謝をしつつも、彼らの老後を支えていく負担があまりにも大きすぎる現状をどうにかしないと。
 現在、有権者の平均年齢が44歳、実際に投票する人間の平均年齢は50歳を過ぎているというような話がこの本の中に出てきます。政治家の方達も、老人ホームをまめにまわって票をかせごうとします。日本が活力をなくしている大きな原因のひとつは若者の声が十分政治に反映されていないことだとしたら、若者は絶対に投票すべきだし、20歳からではなく18歳から投票できるようにすることもひとつの方法かもしれません。
 以前このブログにも書いたことがあるのですが、若いうちに必要なのは苦労だと言われてきましたが、それは時代が右上がりの時の話です。それは終身雇用、年功序列でもそれなりに社会が続いていたときのこと。若いうちにへたに苦労すると折れたり、へこんだり、すねたりすることの方が多いし、マイナスの効果の方が多いのではないかと思います。それよりも、若いうちに必要なのは、いわゆるロールモデルではないかと思います。成功している人、活躍している人、いい仕事をしている人たちのそばで、彼らがどのように仕事をし、人と付き合い、どんな本を読み、どんな食事をしているのか。そんなことをすこしでも知ることができる機会を与えてあげること。ただ、ロールモデルを身近に探すことも非常に難しい時代になっていることも確かかもしれません。少しでも、後輩たちのロールモデルになれるように努力はしていきたいです。