ドルのゆくえ

 ここ数日、冬らしい天気になってきました。今週中には衣替えをしなくっちゃ!
季節の変化は確実に起こっていますが、世界経済のゆくえはどうでしょうか。最悪期は脱したという声もあるのですが、どうなのかな。経済は来年も引き続き冬なのではないかという予感がします。
「日経ビジネス」(11月2日号)で、「ドル最終章_1ドル=50円の恐怖」という特集記事がありました。ドルが基軸通貨の時代が終わりを迎えつつあるという話です。金本位制復活の話もでていて、そうなると、1オンス=2000ドル(現在は約1000ドル)なんてこともありえます。90年代、世界の中央銀行も金を売却していた頃からは想像もつかない状況になっています。
 ボクらの世代は一ドル300円代、200円台、100円台、そして80円台も経験していますが、この間、ずっとドルが基軸通貨として世界経済の中心にありました。そのドルがいったいこれからどうなっていくのか。ボクらよりも上の世代は、アメリカ信仰の人たちが多いので、ドルに変わる基軸通貨は考えられないのではないかと思います。どちらにしろ、為替はボクらの生活をおおきく変えていくと思います。
 「日経ビジネス」の特集号の巻頭インタビューには、「帝国以後_アメリカ・システムの崩壊」の著者、エマニュエル・トッドがでていました。かれは経済学者ではなく歴史と人類学の学者ですが、経済を中心とする経済の大きな方向性を見る目には確かなものがあるように思います。彼は、ドルの大崩壊を予想しています。軍事的、経済的にアメリカに頼り切っている日本に対する警鐘とも言えます。彼もこのインタビューの中で言っていますが、アフガニスタンはアメリカ帝国の墓場となるかもしれません。
 休日の今日、これから福岡に出張です。福岡のお取引先の皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。

本気ですか?

経済産業省がこんな試みを始めています。今のところ、あまり投稿がないようです。本気でやるのなら、期間限定でなく、永続的にトライしてください。

電子経済産業省アイデアボックス

アンチ・オバマのアメリカ人たち

 日本やヨーロッパでは人気が高いオバマですが、アメリカ国内にはオバマが大嫌いな人たちがたくさんいます。マスコミで煽動的な発言をして金儲けに励んでいる人たちがいるのは日本だけでなく、アメリカではもっとすごい規模で金儲けをしています。ユーチューブにもたくさんの動画がでているこのアメリカ人は、アンチ・オバマの急先鋒のひとりで、どちらというと貧困層、アンチインテリの白人を中心として人気があるそうです。本人は百億円単位の収入、パームビーチに豪邸、高級車のコレクションを持つとか。共和党の副大統領候補だったサラ・ペイリンが大好きと公言するこの男のラジオトークショーを毎週2千万人のアメリカ人が聞いているそうです。アメリカの病的な現象の一つにしか見えないです。

 オバマのスピーチを英語教材として出版して儲かっている出版社があるようですが、アンチ・オバマの連中のスピーチも見ては? アメリカ国内の現実は複雑だなと思います。
 最初の動画はバーバラ・ウォルターズとのインタビュー、その次は彼のラジオトークショーの様子。



オバマに与えられるノーベル平和賞

オバマにノーベル平和賞が与えられると聞きました。核兵器廃絶にむけてのオバマのodeに、追い風を吹かそうというノーベル財団の意思表明でしょうか。
オバマはもうひとつ大きな挑戦を目の前にしています。それはアフガニスタンです。内戦状態にあるこの国からどのように撤退していくのか。
オバマが任期を終えるとき、ノーベル財団の応援歌は役割を果たしたのかいなか、そしてアフガニスタンがどのような状況にあるのか(いったい、何人の犠牲をはらってアメリカはアフガニスタンから撤退するのか)、過大な期待を持つことなく、悲観するばかりでもなく、見ていたいです。

『星守る犬』(村上たかし著)

 普段マンガは「読まない、買わない」ですが、数週間前に、本屋のマンガコーナーで表紙を見て買っておいた単行本。(ちなみに、その時は、めずらしくマンガを目的に本屋に行ったのです。目当ては、「パーマン」と「おばQ」。どちらも小学生の頃読んでいたマンガ)

 そのあと、新聞でこの単行本の広告を見たこともあり、昨晩、ぱっと読み、なんともいたたまれない気持ちに。弱い父親像、失業、家庭崩壊、そして自殺という話が、愛犬の目を通して描かれています。
 今日は、今年1月から8月までの自殺者が2万2千人と、最悪のペースで推移しているという記事を読みました。たまらない話です。
ロイター記事
 

国土交通省関東地方整備局 八ッ場ダム工事事務所

 50年を超える時間を費やし、幾多の過ちを重ねていったプロジェクトとして、ぜひ歴史に残してもらいたいです。過去建設に反対してきた住民が、今となっては、建設推進派となっているという、何と皮肉な展開!
 グーグルマップで長野原町の国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所(B)の位置を確認することができます。(軽井沢(A)からもほんの1時間程度の距離)。国家予算の壮大な無駄遣い(そのほんの一例に過ぎない!)の現場を一度見てみたいです。
大きな地図で見る

Dog Yearと考えると

 最近まったく使われていませんが、Dog Yearという言葉があります。変化の激しいインターネットビジネスを象徴する言葉として、犬の成長(老化とも言えるのですが!)において、犬にとっての1年は人間の6、7年に相当するという議論です。(我が家のクロイヌたちも、どんどん、老化しています。)
 この前の選挙結果のことを考えているのですが、戦後ほぼ60年にわたって自民党は日本の政権を担当してきました。この60年間は、日本にとって、ものすごくラッキーな時代だったように思います。(もちろん、その時代を生きてきた先輩方にとっては、ご苦労もあったとは思いますが)
 Dog Year というコンセプトを当てはめると、戦後60年間というのは、200年、あるいは300年とも言えるような長さです。この戦後の時代を、徳川幕府が日本を統治し260年ほど続いた江戸時代と考えてみると、「自民党幕府」の寿命もそろそろというタイミングであったようにも思えてきます。
 明治維新のときのような切迫感は今の日本にはないように見えます。「たった四杯で、夜も眠れず」というような差し迫った不安感もないのかもしれません。多くの人の気持ちが自分のことに集中していて、日本のことなんて考える余裕があまりないのかもしれません。
 でも、今ボクらが置かれた時代環境を客観的に見ることは必要で、そうして初めてこれからどうやって日本の発展を維持していくことができるのかということを議論できると思います。
 一度民主党にやらせてみよう、というのが今回の選挙における国民の意思でした。自民、民主問わず、政治家の先生たちには、しっかりした歴史観の上に立って、日本の将来を議論していただきたいです。

次の選挙で関心がある選挙区のひとつ

 近くある選挙で、この人がどれだけ戦うのか、興味があります。小泉さんのファンでしたが、最後の最後で裏切られた感があります。それはご自身のお子さんを後継に指名し、議席を継がそうとしていることです。僕の周りでもそう感じている人は結構多いのではないかと思います。

 (世襲にもいい面はありますが)基本的に世襲反対、親が与えてくれる教育以外、財産の相続を不可にしてもいいくらいに思っています。(子供に美田なんて残す必要なし!) 

よこくめ勝仁HP

韓国企業の野心的な農業投資

3月19日のフィナンシャルタイムスに出ていた記事ですが、韓国の大宇ロジスティックスという会社がマダガスカル(インド洋に浮かぶ島の国)で、ベルギーの半分ほどの広さの土地を99年間借款して農業事業を行おうとしていたことを知りました。ところが、これを植民地主義だとするマダガスカルの新大統領がこの契約を一方的に破棄したということです。
 韓国は世界で4番目のトウモロコシ輸入国で、マダガスカルでトウモロコシを生産しようとしていたようです。これからどうなるのかわかりませんが、韓国のある意味、攻撃的な政策には驚きます。日本の商社も同じような規模の投資を行っているのか?
FT

『日米同盟の正体_迷走する安全保障』(孫崎亨著)

 著者は1966年外務省入省、2002年防衛大学校教授に就任、そして今月退官予定。帯には「アメリカ一辺倒では国益を損なう大きな理由。インテリジェンスのプロだからこそ書けた日本の外交と安全保障の危機」とあります。著者はオバマ政権の外交も過去の政権から大きく変わることがないこと、アメリカの利害と日本の利害は必ずしも一致しないにも関わらず、日本はアメリカ一辺倒の罠に絡めとられていることを繰り返し説いています。
 北方領土に関する英米の「陰謀」(ロシアと日本の間に溝を作り、両国の間に問題を残しておこうという)、アメリカの本当の意図を理解することなくアメリカの外交政策に乗っかっていく日本、都合の悪い政治家を排除しようとする対日政策など、国際政治はボクらの理解を超えた深みがあるのかもしれません。
 大学でちょっとだけ国際関係論を勉強したボクには、おもしろい本でした。