ハワイから帰りの機内で読んだ新聞記事です。機内では普段とっていない、読売新聞などを読むようにしています。10月1日付けの一面で、エール大学のポール・ケネディ(歴史学者)が紹介していた話、二つです。
パレスチナ・ガザ地区では、1950年から2007年までの間に、人口が24万人から150万人に増加。同じようなペースでアメリカの人口が増えていたら、1億5200万人(1950年)が、9億4500万人になっていたことになるそうです。(実際は、現人口は3億100万人)。そして、ガザ地区に住む多くの若者たちは、失業などから、怒りや大きな欲求不満を抱えています。これまでと同じようなペースで人口が増え、現状に絶望している若者たちが増えていくとしたら、対立するイスラエルが、どれだけ武器をそろえたとしても、心安らかに日々を送ることは不可能だと思います。
パレスチナは日本からは遠く、日本赤軍がまだ活動していた70年代以降、ほとんどの人、特に今30代以下の人たちは、この場所の歴史や現状について、まったく無知な状態なのではないかと思うのですが、この地域が、世界にとって重要な意味を持っているのは確かで、僕らも知らぬ存ぜぬでは、済まされない日が来るのではないかと思います。
それから、もうひとつ、ポール・ケネディが紹介している話があります。アメリカには220万人ほどの囚人がいるそうです(2005年時点)。この数は、絶対数で世界一、人口比で、アメリカの囚人数は、ヨーロッパ諸国の大半よりも、7、8倍多いとのことです。
人間の歴史上、これまでない豊かさが実現されている世界があり(過去から見るとユートピアとも言えるほどの豊かさ)、同時に、鬼畜同様の人間が増えているという現実が、日本も含めた多くの国であるように見えます。