日本の食は危ない?!

このブログ(黒犬通信)のテーマなんて、特にこれといったものはなく、実は、誰に読んでもらうということも意識して書いていません。(しいて言えば、会社のひとたちのことは意識しているでしょうか?)その日、その日、感じたことを、自分のためにメモしているというありさまなのですが、あえて一つテーマをあげるとすれば、「日本はヤバイ!われわれ一人ひとりがなにかやらなくては。」ということかなと思います。80年代、アメリカの学校に行っていた頃、「アメリカはヤバイ。このままでは、日本にしてやられる!」という声が、アメリカ国内に多くありました。そのときには、他人事でしたが、20年経って、立場は逆転しています。

10月1日付けの日経新聞を読んでいたら、日本の食品安全基準は、まったく当てにならない、という記事がありました。(「経営の視点」編集委員・太田泰彦) この記事によると、アセアン(東南アジア)の食品加工会社の経営者の発言として、「日本は残り物の市場。食のゴミ箱と呼ぶ人もいる」とか。日本人は、国内の安全基準が、国際的にみて極めて甘いことを知らない、ということのようです。たとえば、醤油(しょうゆ)に含まれる「3-MCPD」という化学物質は、発がん性の疑いを受けて、EUが真っ先に含有量の規制策を打ち出したそうです。この基準は、0.02ppmなのに対して、日本の業界自主規制では、1ppmとなっているそうです。

全国的にビジネスを行なっている、ある製パン会社の菓子パンは、一週間経ってもカビがはえてきません。僕が時々買う、ある小さなパン屋さんのパンは、翌日にはもう硬くなります。夏場などは油断していると、2日目にはもうカビがはえています。それに対して、一週間経ってもカビがはえてこない某大手製パンメーカーの菓子パンには、一体、どれだけの防腐剤が加えられているのでしょうか?国の基準、あるいは業界の自主規制はクリアしているのかもしれませんが、そのような基準は、上記の醤油の例同様、他の国では許されているレベルなのでしょうか?(冗談半分に、この全国展開している会社の経営者は絶対にこのパンなんて食べないだろうなと、社員のひとたちと話したことがあります。)

日本は80年代のアメリカになってしまったのでしょうか?その後、アメリカは再生を繰り返し、特に、金融とIT分野においては、圧倒的な強さを誇っています。日本の再生は?昨日、ビジョンのことを書きましたが、根本的なことから考え直す時期に日本はあるのだと思います。

yaginuma.comの写真

元・マイクロソフトで、山形県在住の柳沼さんのブログからアクセスが増えているので、どうしたのかと思って久しぶりにチェックすると、黒犬通信にリンクを貼っていただいていました。(→-1℃は寒い) 柳沼さん、ありがとうございます。

柳沼さんのお撮りになられた写真を拝見していると、丸の内界隈から、つかの間でいいので、山形の大井沢町にワープしたくなります。

yaginuma.com

追記

マイクロソフトのある南新宿についで、有楽町の丸井の地下にも、話題のドーナッツ屋ができています。1時間も、2時間も待っても食べたくなるほど、ここのドーナッツはおいしいのでしょうか?柳沼さんではありませんが、1時間も、2時間も待って買うので、おいしくなるのでしょうか?そんな時間の余裕がない大人になってしまった黒犬には、1、2時間も待つ人たちは、理解できなくなりました。

相撲、柔道、教科書検定

最近の話題から。

相撲界:国内から入門する人が減り、横綱になるのは外国人ばかり。究極の体育会的シゴキで若者一人が亡くなり、ますますのイメージダウン。

柔道:国際的な協会で発言できる日本人理事は落選。日本の関係者の手から離れていくお家芸。

教科書検定:今度は中国、韓国ではなく、国内の沖縄からだけど、歴史的に本土とは異なるものを持つ人たちの反発。

それぞれ別々のことですが、共通するテーマと課題には、同じものがあるように思います。

パレスチナ・ガザ地区での人口爆発

ハワイから帰りの機内で読んだ新聞記事です。機内では普段とっていない、読売新聞などを読むようにしています。10月1日付けの一面で、エール大学のポール・ケネディ(歴史学者)が紹介していた話、二つです。

パレスチナ・ガザ地区では、1950年から2007年までの間に、人口が24万人から150万人に増加。同じようなペースでアメリカの人口が増えていたら、1億5200万人(1950年)が、9億4500万人になっていたことになるそうです。(実際は、現人口は3億100万人)。そして、ガザ地区に住む多くの若者たちは、失業などから、怒りや大きな欲求不満を抱えています。これまでと同じようなペースで人口が増え、現状に絶望している若者たちが増えていくとしたら、対立するイスラエルが、どれだけ武器をそろえたとしても、心安らかに日々を送ることは不可能だと思います。

パレスチナは日本からは遠く、日本赤軍がまだ活動していた70年代以降、ほとんどの人、特に今30代以下の人たちは、この場所の歴史や現状について、まったく無知な状態なのではないかと思うのですが、この地域が、世界にとって重要な意味を持っているのは確かで、僕らも知らぬ存ぜぬでは、済まされない日が来るのではないかと思います。

それから、もうひとつ、ポール・ケネディが紹介している話があります。アメリカには220万人ほどの囚人がいるそうです(2005年時点)。この数は、絶対数で世界一、人口比で、アメリカの囚人数は、ヨーロッパ諸国の大半よりも、7、8倍多いとのことです。

人間の歴史上、これまでない豊かさが実現されている世界があり(過去から見るとユートピアとも言えるほどの豊かさ)、同時に、鬼畜同様の人間が増えているという現実が、日本も含めた多くの国であるように見えます。

天国から地獄へ

昨年4月、新宿御苑であった、「首相と桜を見る会」に参加したとき、次期総理の期待が高かった安倍さんに対する人気は、ものすごいものがありました。(2006年4月16日の黒犬通信)それから今日に至るまでの1年半に起こったことは、安倍さんにとって、まさに天国から地獄へ突き落とされたような展開ではないでしょうか?

アメリカ海軍のHPでの情報公開

田原総一郎が日経BPのサイトで書いている文章で、初めて以下のことを知りました。

8月31日深夜放送の「朝まで生テレビ」で、橋本元首相の秘書官だった江田けんじ衆議院議員(無所属)が驚くべき資料を出してきた。それは、アメリカの第5艦隊の正式なホームページに掲載されていた情報で、「日本からインド洋に出ているイージス艦が給油をしている油の85パーセントにあたる8662万9675ガロン(約30万キロリットル)がアフガン戦争ではなく、イラク戦争に送られている」というものだった。

これが本当だとしたら、日本の新聞もテレビも、秋の国会の最重要の議題に関して、ろくな報道をしていないということになりますし、相変わらず、政府はわれわれ国民には本当のことを知らせていないということになります。アメリカ政府はおろか、韓国政府のほうが、まだ日本政府よりも情報公開が進んでいるという記事を最近よく目にします。西山元毎日新聞記者が報道した、沖縄返還に関わる日米間の密約に関しても、アメリカ政府の公文書で確認され、さらに日本側の外務省担当者も認めているにも関わらず、外務省は知らぬ存ぜぬを決め込んでいます。

アメリカ海軍のHPというものを、初めてチェックしてみたのですが、いろいろな情報が公開されています。(もちろん、不都合な事実は公開などしていないでしょうが) 給油問題に関して、どこに記述があるのか、時間があるときに、調べてみたいとものです。

会社が危機にあるとき、社員に状況をきちんと説明することが、危機に対応するための大前提のように思います。同様に、国と国民の関係も、長い目で見たときには、きちんと説明してくれたほうが、国に対する信頼が育つと思うのですが、この国の政治家や役人はそうは考えないのでしょうか。