ゴジラ-1.0(モノクロ版)

モノクロ版を観てよかったと思う。カラー版とどちらが人気があるのか知らないが、カラー版よりもずっと戦後の風景がしっくりと伝わってきたように思う。
「らんまん」の二人(神木隆之介、浜辺美波)だから最後はハッピーエンド。途中から「永遠のゼロ」になってしまうのかと心配したけどそれは杞憂に終わって良かった。特攻隊員の生き残り(いや、特攻から逃げた男)が罪悪感に悩まされながらも勇気をもって生きることを選んだことに拍手喝采したい。
伊福部昭の音楽はいつ聴いても身心を揺さぶってくれる。

映画『ある男』

平野啓一郎原作の小説の映画化。いまちょうどオーディオブックでこの小説を聴いていてちょうど半分くらいのところ。日本アカデミー賞の主要部門を総なめしたことで「凱旋上映」の最中ということだったので(いつまで上映が続くのかわからないということもあり)この時点で映画を観ることにした。

安藤サクラの演技が良かった。力が入ってなくて、リアル感があった。主演の妻夫木聡の弁護士役はどうかな?(あんな美男子の弁護士は珍しいだろうな!)真木よう子、清野菜名がきれい!

平野作品を読むのは初めて。ミステリーあるストーリー展開でエンターテインメント性も高い。Twitterで政治的な発言が多い平野さん。死刑制度や在日へのヘイトスピーチなどにもしばしば言及されているように思うが、この小説の中でも現代日本社会の課題を取り上げている。
人は過去の桎梏から解放されて新しい人生を生きられるのか?家族とは?親子や夫婦のつながりは?
文庫本とオーディオブックの両方をそろえてこの小説にとりかかっている。原作の最後まで行くのも楽しみ。

映画『Winny』を見る

金曜日から始まった映画を観に行きました。かなりの客の入り。始まって3日目ということもあるのかもしれませんが、関心の高さを感じました。来週以降どうなるのか?
愛媛県の松山警察署であった裏金作りのための領収書偽造とWinnyの訴訟が結び付けられていたのですが、実際はどうだったのでしょうか。
KDDIがこの映画の製作に関係しているようですが、KDDIとして金子勇さんに深い思いがあるのか?
ひとりの天才プログラマーだけでは大きなビジネスや産業を興すことは不可能なので、しばしばこの映画の主人公に関して言われること(たとえば金子さんの逮捕が日本のソフトウェア産業を取り返しがつかないほどのダメージを与えた)はすこし誇張されているのではないかと思うのですが、どのように考えるべきなのか?

映画「エルヴィス」

エルヴィス・プレスリーが亡くなったのは一年の高校留学から帰国した1977年の夏だったことは覚えていたけども、その時彼が42歳だったとまでは記憶していなかった。17歳の少年にとって42歳の大人は想像ができないほど大人の存在。
いま自分が62歳になり、エルヴィスがどれだけ若くして亡くなったのかということ、スターは若くして人生で行うべき仕事をほとんど済ませていたということを想う。
今夜、映画「エルヴィス」を観てとてもいい作品だと思った。エルヴィスが革命的なアーティストだったことを実感したし、彼の歌、歌い方をあらためて聴きなおしてみたいとも思う。
エルヴィス役のオースティン・バトラーが目茶苦茶かっこよくて、エルヴィスのマネージャー役のトム・ハンクスがカネに汚い悪役で登場し、かれも年老いたなと思った。

映画漬けの週末

この週末は録画していた映画を見ています。大林宣彦監督の『時をかける少女』。原田知世を世にだした映画。いまは歌手としての原田知世が好き。もう100%大林宣彦の世界!
二つ目はクロード・ルルーシュ監督の1981年公開の映画『愛と哀しみのボレロ』。大学生のころ映画館で観たような気もするけどはっきりしていないので、観ていないのかもしれない。この映画は1930年代から1980年代までの50年にわたる人間ドラマを描いた大河作品で、クロード・ルルーシュの「戦争と平和」だ。
3時間近くの長編で登場する人物たちも多数にわたるので見る側にも忍耐力と体力が必要なんだけど、もう一度観てみたい。
そして三つ目が『ドラゴン危機一髪』。ブルース・リーのデビュー作品。このころの香港映画の手作り感がなんとも言えない。

コロナのおかげでこれまで以上に家の中に閉じこもり、「不要不急」の外出はしないようにしている。
結果、録画したまま見ていなかった映画を見たり、積読になっていた長編小説を読んだり。コロナがもたらした(いや、「強いている」といった方がいい)数少ないプラス面か。

「ビル・ゲイツの頭の中」

新聞か雑誌か、どこでその記事を読んだのか忘れましたが、ネットフリックス(Netflix)が制作した「Inside Bill's Brain」(ビルの頭の中)という、ビル・ゲイツのドキュメンタリー番組がおもしろいという記事を読み、その番組が見たいのでNetflixに登録してみました。最初の一か月は無料でそのあと、正会員になるかどうか、決めることができます。
Netflixは以前から知っていましたし、かれらが制作した映画『Roma』(アカデミー賞受賞)は、特別に映画館で上映されていた時、作品を観てとても印象に残っています。
今回、ネットで申し込みをし、とてもスムーズな登録プロセスに感心しました。
さて肝心のビル・ゲイツに関するドキュメンタリーですが、ゲイツとの長時間にわたるインタビューに加えて、彼の幼少期、マイクロソフトの歴史を丁寧に紹介するもので、ビル・ゲイツがゲイツ財団を通して、なにを成し遂げようとしているのか、よくわかる内容でした。
ぼくはこの番組を見るためにNetflixに登録しましたが、その価値はあったなと思っています。一か月後、正会員になるかどうか、それまでにこれ以外のコンテンツものぞいてみようと思います。
先月、Malcom Gladwellの「Outliers」をオーディオブックで「読んだ」のですが、ビル・ゲイツはこの本の中でも取り上げられています。特に、彼が13歳から18歳になるまでの数年間の間に、Lakeside という私立学校で、その当時大学生や社会人たちでも好きなだけコンピューターを使うことができなかった時代、いかに彼が有利な利用環境に恵まれていたのか、それが著者がいう「一万時間」という「訓練期間」を達成する「雌伏」期間になったのか。
「ビル・ゲイツの頭の中」と「Outliers」をまとめてみると、いかにビル・ゲイツが努力の人なのか、とてもよくわかります。

映画「存在のない子供たち」

久しぶりに映画館でみた映画。新聞各紙では非常に高い評価を受け、紹介もされている映画ですが、ぼくが入った時間は館内はがらがらで残念な気持ちになりました。
中身は、監督の発言を引用しながらの中東を専門にするジャーナリスト、川上泰徳さんによる記事を読んでいただけるとよくわかります。
→川上泰徳 「中東ウォッチ」(検索をしてください)
また公式ホームページもあります。
映画公式ホームページ
主人公の男の子の存在がとてもたくましく、優しくて、感動的。試練が彼を鍛えていき、大人になった時、彼がどんな仕事をするのか、とても楽しみ。

熱い8月、そして映画「スター誕生」

いつの間にか2019年も8月半ばになろうとしていますね。8月はたいせつな月。わが家の最初の♀の甲斐犬カイさんも、高知の父も、月の世界に旅立っていったのはこの月。
♂の甲斐犬クウ太郎は今年11月の誕生日で16歳。あんなに元気だったクウ太郎も、年と暑さには勝てません。(飼い主も同様!)
冷房を適度に使いながら、彼(彼の飼い主も含めて)の体調管理に気をつけるようにしています。

先月は2度アメリカに仕事で行ったのですが、2度目、ニューヨークからの帰国便の機内で、映画「スター誕生」を観ました。Lady Gagaが主演している映画で、彼女のことは名前くらいであまりよく知らなかったのですが、とてもいい映画で感動しました。
共演した男優であり監督でもあるブラッドリー・クーパーが素晴らしい!ちょっとカッコよすぎるよ。終盤、悲劇が起こるけども、それを乗り越えていくであろう主人公アリー(Lady Gaga)の歌もとてもよかった。
主題歌「Shallow」はお気に入りの歌になりました。
Shallow

映画「ROMA」

昨晩、久しぶりに映画を観にいった。家の近くの映画館では昨晩がこの映画の最終日だったので。
ネットフリックスがカネを出して作った映画で、アカデミー賞を受賞した。
タイトルは「ROMA」とあるけど、舞台はメキシコ。白人家庭でメイドとして働く若い原住民の女の悲哀を柱に描いたもの。でも雇い主である白人家庭も夫は別の女のもとにさり、妻は4人の子供を抱えて仕事を始めないといけない。
メイドは家族の一員として受け入れられていて、子供たちも彼女にはとてもなついている。哀しいこと、楽しいこと、危険なことが起こり、そのなかで裏切りがあり、逃避があり、でも一方では喜びや笑顔や決意もある。
タイトルがなぜ「ROMA」なのかは知らないけど、きっとローマ時代から同じようなドラマを人間は繰り返してきたのだ。永遠の道はROMAに通じる。そんな言葉があったような気がする。だからこの映画のタイトルはROMAでいいのだと思った。

今週末のマイブーム→「若尾文子主演映画」

先月、「映画女優若尾文子」(四方田犬彦・斎藤綾子編著、みすず書房刊)を読んだことで、若尾文子がでている映画に大いに関心を持つようになり「日本映画専門チャンネル」で録画して何本かみています。この週末は、「しとやかな獣」(1964年)「最高殊勲夫人」(1959年)「「女の小箱」より夫が見た」(1964年)「赤線地帯」(1956年)の4本をまとめてみました。いずれもおもしろい作品ですが、特に「しとやなか獣」(川島雄三監督)はすごい映画だなと感動してしまいました。でてくる俳優、女優たちがみんな一癖も二癖もある存在で、物語の展開にもスピード感があり、この監督の代表作の一つという触れ込みに納得しました。また「女の小箱」での、迷いつつも自分の意思を貫かんとする若尾文子の人妻役、生と死の間を突っ走っていく田宮二郎演ずる成り上がりの男も、感動もの。