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ATD (Association of Talent Development)参加

デンバーであったATDの世界カンファランスに行ってきました。日本からも100名前後の、企業で人材開発を担当されている方々、コンサルタントなどが参加されていました。ATDの日本における窓口業務を担当されているIPイノベーションの浦山社長にはたいへんお世話になりました。感謝申し上げます。
5月22日から25日まであったこのカンファランスには世界から1万人をこえる参加者があり、全体講演が行われたオーディトリアムに集まった人たちの様子は、壮観でもありました。
四日間の間に、あまたの数の講演、スピーチ、プレゼンテーションが行われ、どのセッションに顔を出すのか、本当に迷ってしまいました。
昨年初めて参加したATP (Association of Test Publishers) の全米カンファランスでも感じたことですが、アメリカの各分野における専門家の層の厚み、企業内専門家のレベルの高さと普遍性(自社内だけに通用するノウハウではなく、普遍性を持ったコンテンツを作り上げていく力)、他流試合・他社(他者)との交流によって「たこつぼ」に陥ることを意識的に避けようとする努力などに特に感心します。そのあたりのことは日本人がもっとも気をつけないといけないことだと思います。

人材開発の方法論において、最新テクノロジーの利用(例:SNSを活用した協同学習)、遠隔地間の学習やノウハウの伝授(アメリカでは、遠隔地での勤務が普通になってきている)、脳科学からわかってきたことの活用など、おもしろいテーマがたくさんありました。
プログラムの内容は、ATDのHPで確認して下さい。(→ATD)

人材開発、リーダーシップ開発に関して、世界中から関心を持つ人たちが集まるこれだけ大掛かりな「勉強会」はほかにないことと思います。 来年はアトランタで行うとのことです。

いさぎよい転職

投資において一番重要なことのひとつは、「損切り」ということかと思います。いったん買ってしまった株や債券が、ずるずる値下がりし始めたとき、きっといつか好転するだろうと期待していると、ますます下がってしまい、ついには「塩漬け」状態になってしまうなんてことが、多々あります。自分自身も含めて、これを経験していないアマチュアの投資家は、ほぼゼロではないかと思います。下手すると1990年以降、この20年間、ずっと塩漬けになっている日本株を持っているという人もいるかもしれません。

「損切り」ができるようになれば、一人前だと思っています。

キャリアにおいても「損切り」が出来る人が、どのくらいいるだろうかと思います。特に日本において。

アメリカの会社(日本子会社ではなく、アメリカ本社)の、ある部門のトップが今年始めにその部門を去りました。この人の後任には、同じ部門にいた女性の部下Aさんが就任しました。それと同時に、同じ部門にいた男性の部下Bさんがこの会社を去っていきました。彼はその部門のトップになることを狙っていたようでしたが、当面、その可能性がないことが決まり、別の会社でチャンスをさがすことに決めたのではないかと想像します。

Bさんが転職を決めたのには、他にも理由があったのかもしれませんが、そのいさぎよさに、なにか晴れ晴れしいものを感じます。

日本においては、「キャリアにおける損切り」は少々難しいのではないかと思いますが、ひとつには転職市場、新たな受け入れ企業における待遇やチャンスの問題があるかもしれません。

また、経験的なところからのコメントですが、心情的、感情的に、区切りをつけることができない人が多いようにも思います。恋愛にしろ、仕事上のことにしろ、自分自身でなんらかの結論を出し、区切りをつけることは、簡単ではありません。

僕もこれまで損切りがちゃんとできてきたわけではありません。株式投資に関して言えば、一部ですが「塩漬け」になったままです。アベノミックスのお蔭で日本株が上がっているうちに、損切りをした方がいいのかもしれません。

事業も、どうしてもうまく行かない時、損切りをするのは容易いことではありません。特に社長の自分が決めたプロジェクトの場合。「君子の豹変」ではありませんが、たとえ自分が言い出したことであったとしても、過ちを認める勇気と度量を持つように、日頃から自分を鍛えていきたいです。

すべてのことには終わりがあり、継続しているように見えようとも、その内側では休むことない変化が起こっています。企業にしろ(1000年続く会社!)、野球チームにしろ(巨人軍は永遠です!)、あるいは人と人の間の愛情にしろ(永久の愛を誓います!)、永遠神話を、一時的にでも信じたいという気持ちはわからないでもありませんが、自分の存在からして、永遠不滅ではないことを忘れず、人生のいろいろな局面で、いさぎよい決断をすることを学びたいです。

メメント・モリ(memento mori)、すべての人が、いつかは必ず死んでいく。

道なきところに道を作っていく作業。

2月3日(日)付の東京新聞「あの人に迫る」というコーナーで、映画字幕翻訳者の戸田奈津子さんへのインタビューが掲載されていました。戸田さんには数年前、アメリカン・ブック&シネマで発行した書籍『ドックマン』の帯にお言葉をいただくため、都内のホテルのカフェで一度だけお目にかかったことがあります。(その時にいただいた言葉は、以下の通り。「日本人の魂が秋田犬とその血を守った一家の物語から香り立つ。」)→アメリカンブック&シネマ

映画字幕翻訳を目指した時(大学3年生)、映画界へのコネもなく、映画のクレジットによく出てくる清水俊二さんの自宅の住所を調べて手紙を書いたりしたものの、大学(津田塾だそうです)の紹介で保険会社に就職。しかし字幕への夢があきらめられず1年半で退社(このての話は、いまでもよくあるのでは?)。翻訳のアルバイトで生計を立てるようになったとのことです。

ブレイクする大きなチャンスになったのは、コッポラの映画「地獄の黙示録」。それまで道を志して20年、「長かった。夢を追い続けるのは不安だった。夢を持てばきっとかなう、という人がいるけど、それはおとぎ話。チャンスの確率は五分五分。恵まれないケースが五分あると覚悟していたけど私は人生を賭けた。」というお話でした。

キャリアや仕事の話は、いつの時代も、さきのシナリオがそれほどはっきりしていないような気がします。目の前にレッドカーペットがひかれているところは滅多にないし、もしそんなところがあったとすれば、猛烈な競争があるのではないかと思います。

新しい分野を切り開いていくことは、道なきところに道を作っていく作業のようなもの。自分の人生を賭けるに値するなにかを見つけることは難しいし、それが人生を賭けるに値するものだったかどうかは、ゲームが終わってみないとわからないのかもしれないです。

天命を知るべき年を越えても、迷うことが多いのが、僕のような凡人です。

"5 skills everyone needs to have on a resume"(「すべての人の履歴書にあるべき5つのスキル」)

US News And World Report というアメリカでは知られているけど、日本ではほとんど知られていない雑誌があります。Newsweek やTimeと比べるとマイナーな雑誌かもしれません。この雑誌のHPで、職探しやキャリアについて書かれているコーナーで、"5 skills everyone needs to have on a resume"(「すべての人の履歴書にあるべき5つのスキル」)というエッセイがありました。原文はこちら

それら5つのスキルは以下の通り。
1 Excel
2 Web Development (Java, HTML, SQL)
3 Adobe Creative Suite
4 Foreign Language
5 Google Analytics

これだけ見ていると、IT業界に入っていく人たちへのアドバイス?という印象を持つ人がほとんどかもしれませんが、このエッセイを書いた人は別にIT業界だけをターゲットにこれらのスキルを上げているわけではないことに注意をしておいた方がいいのではないかと思います。

ウェブ、アドビ、あるいはグーグル・アナリティックのスキルといっても、「とにかくやってみなさいよ、オンラインで無料の講座がたくさんありますよ」。ビジネスの総合職、あるいは中高年で転職希望なんて人たちも、これらのスキルを勉強しておいた方がいいというご意見。

日本で同様の意見を聞くと、どんなスキルが上がってくるのか?たぶん英語や中国語(外国語)は上の方に上がると思いますが、これだけIT系のスキルが上位を占めるかどうか、ちょっと疑問です。

これは一例に過ぎませんが、アメリカのビジネスのIT化がどれだけ進んでいるのか、職場の状況を反映しているとも言えるのではないかと思います。大企業の中もそうでしょうし、起業からあまり時間がたっていない会社、中小、中堅の会社では特に一人ひとりのITスキルが必要とされる状況があるのではないかと想像します。なぜか?それはコストをできるだけかけないため。

日本でも同じような状況が出てこないのか?僕は時間はかかるかもしれませんが、これだけ大企業での人減らしが進んでいくと、否が応でも起業したり、中小、中堅企業に入っていく人が増え、ITを活用してコスト削減をはかりつつ、売り上げアップのための営業に力を注いでいく必要がこれまで以上に強くなるのではないかと思います。

社会も、企業も、もっともっとIT化を進めていく必要がありますし、個々人のITスキルはまだまだ低いレベルにあるように思います。大学生、高校生レベルで、これらのスキルをある程度習得しておけば、就職してあたふたする必要はないのでしょうが、一部の学生をのぞくと、日本の大学生のITスキルレベルはアメリカの大学生と比較して低いことを危惧します。

『グローバルキャリア_ユニークな自分の見つけ方』(石倉洋子著)

 一橋大学の大学院(国際企業戦略研究科)でずっと教えていらっしゃった石倉先生からお贈りいただいたご本。今年の4月から一橋を退職され、慶応の大学院(メディアデザイン研究科)に移られたということがお手紙に書かれてありました。

 「グローバルなキャリア」も、「ユニークな自分」も、言葉ではなんとなくわかったような感じがするけど、多くの人にとっては実感が持てないことなのかもしれない。でも、この二つとも、今に始まったことではなく、何十年も前から、日本国内にとどまらず世界に飛び出した人たちは大勢いたし、ユニークな自分を作っていくという強い意欲を持っていた人たちもいた。今だって、きっとたくさんいる(そんな若い人たちが何人かこの本の中に紹介されている)。僕だってその一人だとちょっとは自負している。だからあまり難しく考える必要なんてない。

 この本の中で石倉先生が書かれているように、最初から完璧を求めすぎないことだと思う。この本で良かったのは、石倉先生ご自身の経歴を振り返っていらっしゃる箇所。1985年、先生はハーバードビジネススクールのDBA(博士課程)を卒業し、マッキンゼーに入社されたはずだけど、その時、写真週刊誌(今はなきフォーカス?)に出ていた記事を思い出します。女性で初めてハーバードビジネススクールのドクターコースを卒業した才媛がマッキンゼーに入社、なんて記事だったような記憶。同じ年、ハーバードビジネススクールに入学する前拝見したはずです。

 この本の前には、石倉先生と黒川清さんとの共著で『世界級キャリアのつくり方』という本もあります。新著ともども、大学生、20代前半で、まだ会社人間になりきっていない若い人、海外志向の方がたに、おススメ。

『転職のバイブル2012年版』(佐藤文男著)

 著者は大学の同級生です。さらには著者である佐藤君がわざわざ僕のオフィスまで来てプレゼントしてくれた本です。なので「中立」的なご紹介ではありませんが、この本は転職だけでなく、これからのキャリアを考えているすべての社会人に参考になる情報と考え方が書かれていると、心から思いました。

 この『転職のバイブル』は2006年、2008年、2010年、そしてこの2012年版とでています。これだけよく続けて出すなと感心しています。(「継続は力なり!」)

 全体を通して、著者は率直です。

 「転職あるべき論」には以下の5つがあげられています。

1今の会社で仕事がうまくいない人は、転職先でもうまくいかない

2転職は、年齢よりも実力

3年収が高い仕事はそれだけ高い成果を求められる

4人間関係がうまくいかないから転職するという人は、転職先でもうまくいかない

5仕事に対するプロフェッショナリズムが必須。

 また、「チャンスを活かす転職成功26の鉄則」(第5章)というのがあって、このなかには、「会社に退職の意志を伝えたら、決して撤回しない」(鉄則12)とか、「引き継ぎができないなら辞めてはいけない」(鉄則13)なんていうのがあって、これらは入社前編。入社後編としては、「一事が万事!初日が肝心」(鉄則16)、「フラッシュバック症候群に負けない心」(鉄則19)、「ホームランはいらない。着実なヒットを狙え」(鉄則22)などなど、これらの鉄則も非常に参考になります。

 しばらくお休みしていますが、昨年末に行ったポッドキャスティング「アイデアエクスチェンジ」にもでてもらっています。こちらもぜひお聞きいただければ幸いです。

 著者と僕のベクトルは、在学中から続く時間軸のなかで、何年かごとに交わってきました。これからもお互い、健康で、しっかりと働き続けることができればいいなと心から思っています。

アイデアエクスチェンジ

 

 

「人生のやり直し」

 ツイッターでフォローしているお一人に日本で起業家として成功された中国人の宋文州さんがいる。彼のユニークなメッセージには日頃共感を感じることが多い。その中でも今朝のツイートのひとつは、非常に大切なメッセージだと強く思う。それは以下のようなもの:

 『「人生のやり直し」とはできなかったことに拘ることではなく、違うことに意味を見出すこと』

 これは僕のように50代に入った人間にとっては非常に大切な「真理」だと思う。いや、すべての中高年、老人たちにとって大切な「真理」だ。
 
 数年前、お世話になっている先輩起業家から、「あなたも40代の後半から50代に近づいている。これから新しいことを始めるには微妙な年齢になってきたね。」と言われたとき、「あ、そうか」と感じることがあった。今朝の宋さんのツイートには、その時と同じように感じるものがあった。

 年を重ねていけばいくほど、できなかったこと、失敗したこと、得られなかったことが増えていく。それらとどのように「折り合い」を付けていくのか。

アメリカも大学生の就職は厳しい。

 アメリカに出張中ですが、こちらで何人かの人たちから聞いた話しです。
 大学生のインターンは、履歴書に書く職歴が欲しいという学生が多いため、過去、「お給料」にあたるものを払っていた会社もいっさい金銭による報酬を払わないというケースが増えたと聞きました。アメリカでも非常に就職戦線は厳しいようです。
ただ終身雇用でないからでしょうか、考え方に、日本と違って柔軟性があるように思います。今は苦しくても、役に立つ職業経験を積むことが大切だというように考えることができるのが前向きでいいなと思います。
 日本の場合には、大学卒業と同時に、「いい会社、有名な会社、大きな会社」に入れなければ、サラリーマン人生万事休すのように思い込んでいたり、親御さんたちも、そのような会社に入れないのであれば、就職しなくてもいいくらいのことを言う人がいる(それは極端な例だと思いたいですが)と聞きます。日本企業の新卒優先採用はこの意味では非常に悪い影響を学生や社会に与えているように思います。
 日本社会も相当混乱してきているのに、大企業や役所を中心として新卒採用にこだわる、それも一時期にまとまって採用活動を行う。リクルートを中心とする就職斡旋企業の功罪もありますが、企業側も横並びの採用方法を見直してもらいたいです。うちの会社のように歴史のない、まだ小さい会社は、優秀な人であれば、第二新卒であろうと、いつでも求めています。

事務職採用がシステム部へ配属。

 小社の営業担当者が、某県の商業高校の先生からお聞きしてきた話。小社で運営しているMOS、IC3を在学中に取得した卒業生が、事務職として就職した会社で、システム部に配属になったとか。本人も考えていなかった配属で、驚きはあったにしろ、会社からの期待にやりがいを感じているそうです。

 われわれが提供している資格を取得した学生のキャリアに、すこしでも積極的な影響を与えられたのであれば、たいへんうれしいお話です。

『なぜ、あの人だけが採用されるのか?』(佐藤文男著)

 大学の同級生、佐藤人材・サーチ株式会社社長の佐藤文男さんの本。副題には「失業しても、すぐ仕事に就ける法」とあります。「出口のないトンネルはない。あなたに合う仕事は必ず見つかると信じて前進し続けましょう」という著者からのメッセージも。

 自分を客観的に見つめてみること、自分のプライドや意地を横において素直な気持ちで現状を分析すること。まずそこからスタートしないと前には進めないのではないかと思います。自分の姿を鏡に映して視ることは、言うほど簡単ではないのですが。

 現役のヘッドハンターからの有益なメッセージやヒントで一杯の本です。

Great advices and insights from Microsoft employee

On his last day at Microsoft, this Microsoft employee wrote a very interesting email to his colleagues. The email contains great advices and insights. I asked my colleagues in my company to translate the English into Japanese, so that we can share it in the office. I learned about this email in the Tim O'Reilly's tweet.

ティム・オライリーのツイートでこのemailのことを知りました。マイクロソフトからフェイスブックに転職するディベロッパーが、マイクロソフトの同僚に送ったメールです。仕事だけでなく、生き方についても洞察力にあふれた内容の文章が含まれています。内容が良かったので、日本語に翻訳して社内で回覧したいと思っています。

Goodbye Microsoft, Hello Facebook

「進歩が止まらない奴」

 産経新聞の「次代への名言」のコーナーでこんな言葉が紹介されていた。(2010年10月17日)
「小澤(征爾)は卒業してからの進歩の度合いが凄いのです。徐々に徐々にでもよいから、進歩が止まらない奴が後で偉くなるんです」小澤の先生だった斎藤秀雄の言葉。
 これまで一度もウサギになれず、どちらかというとカメの人間からすると、ちょっと励まされる。

西麻布でお話をさせていただきました。そばの中国大使館前では大規模デモ。

 ある方が主催されている学生と社会人向けの勉強会でお話させていただきました。東大、早稲田、慶応などの学生と、幅広い年齢の社会人の方々の集まりでした。皆さん、問題意識の高い、真剣に仕事のことを考えている方々でした。
1時半に始まり、途中の休憩を交えて5時までお話と質疑応答。その後、テレビ朝日通りにあるピザ屋さんで懇親会。

 テレビ朝日通りにはなにがあるか? 中国大使館です。
 日本のマスコミでは一切、取り上げられていませんが、尖閣列島をめぐり東京でも大規模なデモが行われています。懇親会があったレストランから中国大使館まで200メートルほどの距離で、レストランの前の歩道には、1時間以上たっても切れないほどの人の列が続いていました。警察の警備がしっかりしていてかなり統制のとれた行進でした。家に帰ってネットでチェックすると、5800名程度のデモだという話があります。

 ボクは懇親会を途中で失礼しました。帰りの車で聴いたNHKラジオの7時のニュースでは、中国各地で行われた大規模デモのことを報道していましたが、中国大使館前で行われていた日本側の大規模デモについては一切報道がなされていません。
 ただし、海外メディアはこの東京でのデモのことを報道しています。
 日本のメディアの自制、政府からのコントロールもあるのかと想像します。今、中国問題において感情的になることは決して得策だとは思いませんので、メディアが自重あるいは自己規制することもわからなくはないのですが、海外では東京におけるデモのことが、かなり報道されているということくらいは、知っておいたほうがいいかと思います。

自分を知ることは時にはつらいけど、そこが出発点かな。

新聞の書籍広告を見ていたら、『一億総ガキ社会_「成熟拒否」という病』(光文社新書)という本の紹介文が以下のようにあった。
 「打たれ弱い、何でも人のせいにして責める、依存症。スゴイ自分という幻想をあきらめられないために起きる諸問題を分析。成熟とは何か、喪失とは何かを考える。」

 きっとどの会社にも、コミュニティにも、もしかして多くの家庭にも、この描写にあてはまるようなメンバーがいて、周りで苦労している人たちがいるのではないかと思う。

 ギリシアの哲学者がつぶやいたように、まず自分自身を知ることだと思う。残念ながら、一日や二日、座禅を組んでみても、一週間ほどの自己啓発セミナーに行ってみても、そう簡単には自分自身を知ることはできないけど。何年、下手すると何十年、日々の生活の中で自分を鍛えながら、すこしずつ自分が成長していることを感じながら、自分自身のことを知っていくのかなと思う。

 『一億総ガキ社会』の、アマゾンにある内容紹介にはいかのような文章がでていた。

精神科医である筆者が最近の臨床現場で感じている、3つの特徴的な傾向がある
1、ひきこもりの増加にみる打たれ弱さ、
2、何でも他人のせいにして切り抜けようとする他責的傾向、
3、覚醒剤や合成麻薬などにすがる依存症の増加......。
これらの根源に横たわるのは、実は同じ病理である。いずれも、「こうありたい」という自己愛的イメージと、現実の自分とのギャップが大きすぎ、ありのままの自分を受け入れられないのである。「自分は何でもできるんだ」という空虚な幼児的万能感をひきずったままの若者・大人の増加。その「成熟拒否」の背景には、親の側の過大な期待と、現在の幼・青年期には失敗や喪失体験が少なく、精神分析でいう「対象喪失」が機能しなくなっていることがある。本書では、臨床例・事件例をもとにこの問題を分析。喪失を受けとめ、地に足のついた真の再生を果たすための処方箋を示す。

 アメリカの親の多くが、子供たちにこんなことを言っているのを聞いたことがある。「この国は世界で最も偉大な国だ。この国では、お前は何でもできるし、何にでもなることができる」と。いつもこれを聞くたびに、「アメリカだなあ!」と、その楽観主義に感嘆するとともに、「挫折」という言葉が頭に浮かんでくる。
ただし、このアメリカの親が子供に伝える言葉は、この『一億総ガキ社会』のいう「自分は何でもできるんだ」とは、ちょっと違う。「努力すれば」という条件がつけられているような気がする。

 自分を主張する「ガキ」となった日本人一億は、「努力をすれば」という条件は受け入れているんだろうか。

 僕も、それなりに挫折というか、七転び八起きを経験しながらここまで来たので、「努力してもいつも希望通りになるとは限らない」ということも分かっているし、自分自身の弱さというか、情けなさというか、足りないところもたくさんあるのはわかっているつもりだ。自分を知ることは大切なんだけど、確かに、自分を知ることは時にはつらいこともある。

 でも、どうやって自分の人生に折り合いをつけていくのか、以前、村松増美先生からよくお聞きした言葉である、How to be a good loser となることを学んでいくのか。それが成熟していくことだし、自分をより深く知っていくことだと思う。
 そして、実はそこからまだまだ成長できるのが、可能性を持った人間なんじゃないかとも思っている。だから、決して、達観やあきらめの境地というつもりで言っている訳ではないからね。

「やりたいこと」症候群が不幸を増幅する(河合薫)

 昨日電車に乗ってお取引先の専門学校を訪問したのですが、車内で新宿にド派手なビルを建てた別の専門学校の広告を見かけました。この専門学校だけではないのですが、少子化で悩む学校の広告で、「なりたい自分が見つかる」、「やりたいことが見つかる」というような宣伝文句をよく見かけます。どこも似たり寄ったりの宣伝コピーしか出してこないのは、広告を作っている業者が似たり寄ったりだからでしょうか。それから、転職の斡旋で商売をしている会社は、「あなたがいまやっていることはあなたにふさわしいのか?」、「いまのままでいいのか?」と、転職をそそのかすようなささやきというか、「営業」というか、これでもかというくらい続けています。
 はっきり言って、ぼくはこんな文句は百害あって一利か、二利くらいしかない「問いかけ」だと思っています。本来、自分自身をしっかり持っている人ばかりなら、こんな文句の「ウソ」を見抜いて問題はないのでしょうが、必ずしもそうではないような感じがします。世の中全体がこんな文句で一杯になっているので、なにが「ウソ」で、なにが「ホントウ」か、よくわからなくなります。
 どんなに有名で、最高だと言われている学校であったとしても、学校に教えてもらえる程度の「なりたい自分」なんて、大した自分ではないです。学校での授業、先生や他の学生たちとの付き合いを通して、「なりたい自分」へのヒントは得られるかもしれませんが、「なりたい自分」なんて、10年、20年かけて、自分の努力でつかんでいくものです。だから、「なりたい自分」だの「やりたいこと」なんて宣伝コピーを見るたびに、「若い人達に媚びているな」、「若い人達をお客さんあつかいしているな」と、いつも思います。暴論と言われるかもしれませんが、こうやって、教育は、若い人達にとって、アルコールやパチンコ、ケータイゲームと同レベルの「商品」になっていくのではないかと思います。(それがボクの杞憂であればいいのですが)
 「あなたたちを鍛えてあげます」というくらいの広告をみたいです。

 で、タイトルの「やりたいこと」症候群が不幸を増幅するという話です。元ANAのCAで、気象予報士の河合薫さんが書かれた文章です。日経ビジネスオンラインに河合さんが書かれている文章はしばしば拝読します。非常にバランスがどれたものの見方をされる方だなと思います。
 →
“切りたい社員”を生む、オトナの勝手と新人の甘さ、「やりたいこと」症候群が不幸を増幅する

Learn how to be a good loser.

 政権交代後の自民党を見ていると、野党としてどのような存在であればいいのか、どのような時間を過ごせばいいのか、わかっていないのかなと思います。ずっと権力の座にあった人たちが負けるとこんなにも混乱してしまうのかという感じもします。
 日本の同時通訳の先駆者、村松増美さん(以下、先生)がお元気な頃、good loser であることを学ばないといけないという主旨のことをしばしばおっしゃっていました(現在健康を害されて療養中)。ボクが先生の既知を得たのは、10年ほど前で、先生のほんの一面しか存じ上げませんのでこれはボクの勝手な想像ですが、ご自分が作ったサイマルという、同時通訳派遣、通訳養成、そして出版を行っていた会社を失った影響が大きかったのかもしれません。
 名前は「勝つなり」なんてなっていますが、結構負けも多いクロイヌのボクからすると、Learn how to be a good loser というのは、生きていく上での大切なテーマのひとつです。人生の中で起きるさまざまな出来事と、どう折り合いをつけていくのかを学ぶ、失敗の経験を生かす、次回は同じ失敗は繰り返さないようにする、同じ立場の人達への思いをはせる。そんなことをgood loser として学んでいかないといけないと思っています。
 自民党は、2世、3世の苦労知らずの先生方が半分以上になってしまい、挫折をしらない人達の集まりになってしまっているのでしょうか?50年以上も天下をとっていたわけだから、good loserと言われても、まったく余裕もないのかなとは思います。でも、まずgood loser とならないと、再び政権を取ることは難しいのではないかな?
 それから村松先生は、ユーモアの大家でもありました。会話の中に、英語、日本語を行き交いながら、ユーモアが飛び交っていました。自民党にはこのユーモアも必要なような気がします。あるいは日本人全体かな?

内村鑑三の「成功の秘訣」

この前、某記念館にて自筆のコピーを読みました。(決して達筆ではありませんでした。ちょっと安心!)
以下の通り。

大正15年7月26日 星野温泉若主人のために草す              
成功の秘訣
                                     
六十六翁 内村鑑三

1.自己に頼るべし、他人に頼るべからず。

1.本を固うすべし、しからば事業は自ずから発展すべし。

1.急ぐべからず、自動車のごときもなるべく徐行すべし。

1.成功本位の米国主義に倣うべからず、誠実本位の日本主義に則るべし。

1.濫費は罪悪と知るべし。

1.よく天の命に聴いて行うべし。自ら己が運命を作らんと欲すべからず。

1.雇人は兄弟と思うべし、客人は家族として扱うべし。

1.誠実によりて得たる信用は最大の財産なりと知るべし。

1.清潔、整頓、堅実を主とすべし。

1.人もし全世界を得るともその霊魂失わば何のためあらんや。
 人生の目的は金銭を得るにあらず。品性を完成するにあり。

不況期に起業に挑む人(自転車ビジネス)

 須賀さんの紹介で、某大手メーカーを退職された40代の方が夕方来社。
自転車が好きで、自転車をテーマにした起業をしたいとか。その勇気には敬意を表します。
僕が自転車(ロードバイク)に乗り始めた6、7年前頃からすると、自転車ブームはかなりのものになったなと思います。アメリカン・ブック&シネマでもツールドフランス、ランスアームストロングの本を出していますが、好評いただいています。首都圏を中心として、自転車人口は確実に増えていると思います。
今夜いらっしゃった方は、まだ模索中ということでしたが、不況期の今、起業を志す方には心から応援したいです。

 自転車分野に関して言えば、ずっと感じていることですが、メカニックの人たちがまだ足りないのではないでしょうか。ママチャリを一台修理しても1000円、2000円かもしれませんが、手仕事ができるようになると、現金収入につながります。ママチャリから始めて、ロードバイクの修理ができるほどのテクニックを身につけると、月に10万、20万の収入も見えてくるのではないでしょうか。政府は何十億円の税金を雇用訓練に使っています。その訓練の講座の対象として、MOSやMCASを入れていただくことも増え、小社にとってはたいへんありがたいお話です。それはそれで感謝しているのですが、必ずしもデスクワークだけがいいというわけではありません。
 自転車のメカニックというのも、僕は新規分野として可能性があると思っています。どなたか雇用訓練の講座として始めてみてはいかがでしょうか?デスクワークを目指すばかりではなく、手をグリースやオイルで汚しながらの仕事をする人がもっといてもいいように思います。そしてその人たちが食っていけるようなビジネスモデルというか、商売モデルが必要だなとも思います。

 追伸 今日来社された方から、「自転車の病院」という会社のことをお聞きしました。独立支援の個人授業もされているようです。この会社の方も、非常にユニークな起業家だと思います。→自転車の病院

就活はいつから3年生からになったのか?

 今日、国際教養大、慶応や京都大学で講師として教えている須賀さんが来てくれていろいろと話をしたんだけど、一体、どうして企業は大学3年生を面接するのだろうかという話になった。僕らが一致している意見は、大学生をますます小粒にしていることのひとつにこの就活というやつがあって、特に3年生になったばかりの学生を、企業はこれだけ引き回す権利があるのだろうかということ。企業には企業の意見があるのかもしれないけど、大学生たちの勉強時間を奪っていることを十分わかっているだろう。学生時代にまずやるべきことはたくさんあって、就活は4年生になってからでは遅いのだろうか?
 この前書いたけど、僕は「戦略的留年」には決して反対じゃない。こんな閉塞感におおわれた日本社会の中に、そんなに急いで飛び込んでいくばかりが能じゃないと思うし、本当に自分の10年後、20年後のことを(たとえ答えは簡単にでないにしろ)、真剣に考えつめることなく、まわりに押されて就職活動に流されていくことだけがすべてじゃないと思う。もちろん、親御さんのすねかじりというのも難しくなっているのはわかっている。であるなら、なおさら限られた時間を、自分には社会やまわりが押し付けてくる答えしかないのかどうか、正面から問い続けるべきだ。
 どちらにしろ、企業、特に大企業なんだけど、面接開始時期をもっと遅く、日本社会お得意の「横並び」というやつで実行してもらえないものだろうか。
 先週まで2週間小社に来ていた大学生のひとり(女子学生)も、4月に3年生になると、すぐに就活が始まると言っていた。おかしいよ、これは!

「戦略的休学」のススメ

 今日の日経朝刊一面したの「春秋」に、大学生に「戦略的休学」を勧める一風変わったイベントが紹介されていた。クロイヌ、これには大賛成!僕も実は大学卒業を一年延期したくちです。

 なにをやって食って行こうか、途方に暮れていたからで、それはクロイヌが凡人だからという証拠でもあるし、終身雇用の社会に対する反発もあったからなのですが、日本社会のなかで平凡に暮らしてきて、なにをやりたいのか分かっている方が例外なのではないかとさえ思っています。

 最近は留学希望者も減少気味だとききますが、閉そく感だらけの日本から一度外に出てみるべきだと、大学生には強くすすめたいです。

成功するために大切なこと。

あまりにも単純すぎて信じている人が少ないけれど、「成功」するために大切なこと。
成功って、こんなことを毎日繰り返していくことが基礎になると思う。
1 早寝早起き
2 腹八分目
3 整理整頓
4 運動
5 笑顔
6 以上を毎日継続すること

460人のオートバイ選手たち

 年配の方が多いとある賀詞交換会で税理士事務所に勤務するという方から聞いた話。日本の代表的な公営ギャンブルは、競馬、競輪、競艇、そしてオートバイレース。この最後のオートバイレースというのを初めて聞きました。(以前聞いたことはあったかもしれないけど、記憶になし)そのオートバイレースの業界には460人のプロ選手が在籍していて、稼ぐ選手は一億円以上稼ぐとか。今日お話しした方は、オートバイレースの選手の確定申告などをお手伝いしているそうです。
 競馬は武豊みたいなスターが何億、何十億って稼いでいるみたいですし、確定申告なんてしていないウマさんたちは生涯賃金ならぬ生涯賞金何十億なんてケースもあるのでしょう。
 でギャンプルやパチンコ、カジノなどに縁のない僕がびっくりしたのは、460人ものプロのオートバイレーサーがいるということ。下位の選手たちは、何百万円の年収だと思いますが、それでも食っていけるのであれば、なんと日本は恵まれているんだと思います。だって、(こういうと失礼かもしれませんが)オートバイレースは農業のように必要なものではなく、社会の豊さというか、多様性のひとつ、それも重要性からいうとかなり下のほうに位置するのでは?と思ってしまうのです。
 オートバイレースに460人、もっとメジャーな馬、自転車、そしてボート、これらを合わせると、一体何人のプロたちがいるのか?さすがギャンブルにも不況の陰が覆いつつあるようですが、公営ギャンブルの規模からするとまだまだ日本は恵まれていると思います。
 

55人目、57人目の「仕事・働くこと」(オデッセイのリレーエッセイ)

57人目の「仕事・働くこと」は、ぐるなびの久保社長。→リレーエッセイ

55人目にご登場いただいた株式会社ジェイフィールの高橋克徳さんとの「アイデアエクスチェンジ」配信も始まっています。
「アイデアエクスチェンジ」高橋克徳さん編

Stress and risk_the secret of happiness

 Financial Times で必ず読んでいるコーナーがあります。Luke Johnson というベンチャーキャピタリストが毎週水曜日に書いている"The entrepreneur" (起業家)というコーナーです。ボクはこの人の記事(エッセイというべきか)が一冊の本になったら、ぜひ日本で出版したいと思っています。日本に足りないのは、起業家精神です。大企業での安定、役所での安定。大多数が安定を望む社会は、実は変化に対して脆弱な社会です。今の日本がまさにそうです。この閉塞感はどうしたものか?出口を見つけることが非常に難しくなっています。
 11月11日の記事は、"Stress and risk_the secret of happiness" というものでした。このエッセイの最後に、第26代米国大統領、T.ルーズベルトの言葉が引用されています。"Far better it is to dare mighty things, to win glorious triumphs, even though chequered by failure, than to rank with those poor spirits who neither enjoy much nor suffer much, because they live in a grey twilight that knows not victory nor defeat." 勝利も敗北もない、グレーの黄昏の中に住むよりも、たとえ負けたとしても、人生を生き抜く方がましだ。
Stress and risk_the secret of happiness

"The First Billion Is The Hardest" (T. Boone Pickens 著)

 アメリカからの帰りの飛行機の中で読みはじめた本です。『どん底から億万長者』というタイトルの本は、この本の翻訳本かもしれませんが、表紙のデザインはちょっと安っぽくなっている印象を受けました。
 日本では、80年代、ピケンズが小糸製作所の株を買ったことでマイナスの記憶を持っている人も多いかもしれませんが、日米問わず、大企業のサラリーマンとはまったく違う価値観と生き方をしてきた人です。まだ読み終えていませんが、印象は決して悪くないです。自分でリスクをとり、体を張って生きてきた人かと思います。
 ピケンズは、アメリカが海外(中東)の石油に依存することが、外交、防衛において危機的な状況を作り出していることを、身銭を切ってキャンペーンしています。石油マンのキャリアを持ちながら、代替エネルギー(風力、ソーラー)の開発に投資をしています。現在すでに80歳をこえていますが、そのバイタリティには敬意を表します。
 YouTubeにも彼の動画がかなりアップされています。


丸の内起業塾の卒業生から歌手

YouTube: 願い

丸の内起業塾の卒塾生からなんと歌手デビューする人がでてきました。福岡で行った第一期生(もう4、5年前になるでしょうか)のおひとり、濱田憲治さん。福岡は、エンターテーナーが多い。

はまだけんぢオフィシャルサイト

大企業以外のキャリアをもとめる京大生

 丸の内起業塾をいっしょにやっている須賀さんの紹介で、京都大学の学生たちが遊びにきてくれました。いつの時代も、どうやって生きていくのかは、学生から社会人へのボーダーラインを越えるときには悩むことだと思う。自慢じゃないけど、ボクなんて、大学4年生で、永遠のモラトリアムがないものかとぼんやり思っていた口なので、就職活動もまったくせず、結局時間切れみたいになってしまい、ひょんなことで経営コンサルティング会社で働かせてもらうようになりました。ジーンズとバックパックで面接に登場したボクによくチャンスをくれたものだと、いまでも思います。ベインの東京オフィスの立ち上げメンバーの方たちには、感謝しています。
 京大の学生たちの話では、京都はインターンシップの機会もそれほどなく、東京ほど企業や起業に関する情報もないとかで、学生もベンチャーに進もうという意思を持っているのは、ほんの一握りだとか。そんななか、今日来てくれた学生たちは、ベンチャービジネスに関心を持っているとかで、それだけでもありがたいと思うし、どんなキャリアを選ぼうとも、「君たちの未来に幸あれ!」と、先輩としてはすこしばかり親心を持ってしまいます。
 企業に就職すること、公務員になること、それしか選択肢がないと、ほぼ100%の大学生が思っていて、実際にそれ以外の選択肢は確かにとりにくい社会は、多様性がある社会とは、到底思えない。

歩くことが前提、大学同窓との夕食

 次号の「オデッセイマガジン」に出ていただく方の取材に立ち会わせていただきました。無酸素8000メートル峰への挑戦を続けている登山家、小西浩文さん。人類5万年の歴史の中で、人が歩かなくなったのは、この50年か、60年かのこと。ヨガがインドで生まれたときには、人間は一日のうちで何時間も歩いていた。歩き、足腰を鍛えていた人間を前提としたその時のヨガと、今のように一日に30分か、せいぜい1時間歩く程度の状況でヨガを行うことはまったく別物で、本来のヨガの意味は失われてしまったという話が、引っかかりました。
 夜は、大学の同窓二人と食事。二人とも転職経験者(ひとりは一回、もうひとりは二回)
。距離の違いはあるけども、3人とも、日本の企業社会の中で、ちょっと遠回りをしたり、歩き回ったりしたくちかな?ボクが一番寄り道と遠回りをしていると思うけど。

毎日執筆、本200冊読破

 今日の朝日新聞夕刊の「人生の贈りもの」で、ある作家が、「天才作家はいいでしょうけど、われわれふつうの作家は毎日、書かないといけません。バイオリニストが毎日、トレーニングするのと同じです。手を動かすことで、続きが浮かんでくるもんですから。想が浮かんだときだけ書く、それじゃあ、絶対ダメです。」
 また、ものを書くときは、その分野に関する本を100冊か200冊、読めばいい、とか。この方法論は、立花隆さんと同じ。
 すべての仕事人にヒントになる言葉!

派遣社員のままでいることを望む人たち

 今日昼食をいっしょにした、会社を経営している友人が言っていた話です。彼の会社で働いている派遣社員40名全員に、希望があれば正社員にしてあげるという提案をしたそうです。結果は、40名中8名だけが正社員希望だったそうです。

 正社員を希望しない理由としては、以下のようなものがあげられたそうです。

1 週末勤務が発生する可能性は困る

2 責任が発生する立場はいやだ、会社にコミットしたくない

3 好きな時間だけ働きたい、好きな時に休みを取りたい

 派遣会社の経営者からも聞く話ですが、これらと同様の理由で、正社員ではなく、派遣社員の立場を望んでいる人たちが結構の数いるということです。ただ、このような「贅沢な」、あるいは「恵まれた」ことを言っていられる人たちは、今の時代、少数派になりつつあるのかもしれませんが。

 昨年話題になった「派遣切り」のせいか、派遣社員、正社員の議論が、現状をしっかり把握し、事実関係を幅広く調べたうえでの議論になっているのか、少々、疑問に思うことがあります。一方的に企業側が悪いという議論には、賛成できない点もあります。就労者側の意識、ニーズに関しても、現状の正確な把握と、論理的な議論の必要を感じます。

 われわれの資格を受けてくださっている人たちの中には、多数の派遣社員の人たちがいます。彼ら、彼女たちの中にも、さまざまな理由で派遣社員であることを望んでいる人たちがいるはずです。 また、資格は派遣のライフスタイルを望む人たちにとって、会社に代わるひとつのアイデンティティになっているような気もします。

 

アイデアエクスチェンジに原正紀さん登場

 アイデアエクスチェンジに、株式会社クオリティオブライフ代表の原正紀さんにご登場いただいています。原さんは、リクルートご出身の人材ビジネスの専門家で、若者の就業支援をしているジョブカフェの代表もされています。 今日は逆に、原さんが担当されている雑誌のインタビューをボクが受けてしまいました。同年代ということもあって、日本の地方に対する思い入れなど共感する点があります。

アイデアエクスチェンジ「原正紀さんの巻」 

株式会社クオリティオブライフ 

ジョブカフェ

「楽な仕事」も、「自分にふさわしい仕事」も、もともとあるはずない。

 名古屋へ日帰り出張。お取引いただいている某派遣会社の研修担当の方たちと昼食、中京地区の派遣事情、求人求職事情を拝聴。
「今の時代、なにをさして失業というのか?」という疑問をお聞きしました。一部の業界、たとえば介護の業界は慢性的な人手不足で、仕事がないわけではない。介護分野の仕事をご紹介しても、求職者は、「自分にふさわしい仕事ではない」、「もうすこし楽な仕事がいい」と返事される方も多い。そう言う方々は、本当に仕事をもとめているのだろうか?と、クビをかしげていらっしゃいました。
 少子化の時代、これからも傾向としては、人手不足でしょう。再び好景気になると、企業側はあの手、この手で、人の募集をしていきます。ほんの1年前くらいまで、名古屋エリアも、東京エリアもそうでした。「あなたにふさわしい仕事」、「都合のいい時間だけ働ける仕事」なんて言葉が、派遣会社や人材紹介会社の広告で、踊っていました。
 ボクなんて、もう「年寄り」なので、今の20代のひとたちの気持ちはよくわからないのでしょうが、はっきり言って、「あなたにふさわしい仕事」なんて、会社側からあたえてもらうようなものじゃないですよ。だいたい、「自分にふさわしい仕事」がなんなのか、簡単にわかるものでもないし。いろいろと仕事をしてきて思うことは、「楽な仕事」も、「自分にふさわしい仕事」も、会社側(紹介会社も含め)が言うときなんて、まゆつば物だということ。楽で、責任を取らなくてもいい仕事は、もともとないんだから。
 まず自分を鍛える!なんて言っていると、「巨人の星」の一徹オヤジみたいかな?!

セカンドキャリアに備えてIT資格を

昨日昼食をごいっしょしたパソコンスクールの経営者の方からお聞きした話です。

そちらのお客さんである某銀行は、行員の退職後のセカンドキャリアの準備の一環として、マイクロソフトオフィススペシャリストを取得させているそうです。銀行にいるときには、「ねえ、これどうなってるの?」とか、「これやっといて」なんて感じでパソコン仕事は部下に任せていたようなオジサンたちも、関連会社や子会社に移るとなると、自分でやらないといけない。そこで、セカンドキャリアを紹介する条件として、MOSやMCASの取得を義務化しているという話でした。

団塊世代のPCスキルや知識はかなり高まっているとは思うのですが、まだまだこのような企業内のニーズはあるように見えます。

仕事と恋愛の違い

 仕事でお付き合いがある方(アクセンチュア出身のキャリアコンサルタント)が、本を出されたということでお贈りくださいました。羽方さん、ありがとうございます。タイトルは、羽方康著『SEの転職力』(日本実業出版社刊)。

 この本の中でおもしろかったたとえ話がひとつ。恋愛の場合には、「この人と別れたいからあの人(新しい人)とつき合いたい」ということはない。ところが仕事の場合には、「この会社がいやになったから、新しい会社に入りたい(転職したい)」という人がわんさか。

 「あの会社に入りたいからこの会社を辞める」というのが自然なのであって、「この会社を辞めたいからあの会社に入りたい」というのは不自然だ、と。

 どちらにしろ、恋愛はなくても((カレ、カノジョがいない時期はあっても)生きていけるけど、仕事はないと生きていけないものだというのが、根本にある違い。

書籍『奇跡のリンゴ』(石川拓治著)

 あけましておめでとうございます。2009年もよろしくお願いします。
『奇跡のリンゴ』は、2009年最初に読み終えた本。昨晩からずっとこの本を読みながら、新年を迎えました。
 無農薬農法によるリンゴ作りに成功した木村秋則(あきのり)さんの物語です。一人の人が、生きている間に取り組むべき仕事とは、どういうことなのか、考えてしまいます。この方のように、金も、名誉にもまったく興味を持たず、ひたすら自分が使命と信じることをやり通していく方を尊敬します。
 2008年中訪問した場所の中で、ひときわ記憶に残っているのが青森の弘前です。この木村さんがリンゴ作りに励んできたのが、この弘前の岩木山ふもと。弘前には、ほんの4時間ほどしかいませんでしたが、もう一度、きっと訪問するだろうなと思っています。青森空港からバスに乗って弘前市内に向かう途中目にした岩木山とリンゴ農園が忘れられません。
 この本を読むと、現在の農業が農薬漬けになっていて、安全なリンゴを作ることと、安全にリンゴを作ることのどちらもできていないこと、いまのようなリンゴ作りに疑問を持っている方も多いこと(自分にはできなくても、10年以上も苦節を重ねた木村さんを陰ながら応援している人たちがいた)、木村さんが自分のりんご園から学んだことが非常に普遍的な価値を持つこと、木村さんがリンゴ作りから「システム発想」をどんなシステム発想の研究者よりも体現していることを知りました。
 「人が生きていくために、経験や知識は欠かせない。(中略)けど人が真に新しい何かに挑むとき、最大の壁になるのはしばしばその経験や知識なのだ。」「パイオニアは孤独だ。何か新しいこと、人類にとって本当の意味で革新的なことを成し遂げた人は、昔からみんな孤独だった。それは既成概念を打ち壊すということだから。過去から積み上げてきた世界観や価値観を愛する人々からすれば、パイオニアとは秩序の破壊者の別名でしかない。」「岩木山で学んだのは、自然というものの驚くべき複雑さだった。その複雑な相手と、簡単に折り合いをつけようとするのがそもそもの間違いなのだ。」
 われわれ人間も、その複雑な自然の一つでしかないのだから、自分を、そして他人を理解することも、簡単なことではないということも、この本を読んで感じることの一つです。
 この本の表紙にある木村さんの顔写真から、パイオニアとしてのご苦労を想いました。たいへん立派な方だと思います。
 

An hour with Bill Gates

 ビル・ゲイツのことを好きな人、嫌いな人、尊敬している人、さまざまでしょうが、このインタビューを観ていて、ボクは好感を持ちます。それはボク自身がこの10年ほど、マイクロソフトと仕事をさせてもらい、そのことに感謝しているということもあると思いますが、決して、それだけではありません。知的好奇心の塊であり、科学やテクノロジーへの強烈な関心、勉強家であり続ける姿勢は立派だと思っています。
すべて英語ですが、ぜひご覧ください。
インタビュー("An hour with Bill Gates")

役立つのは「技能」_日経新聞夕刊より

 昨日の日経新聞夕刊(生活面)に、教育投資に関連するアンケートで、「社会に出て役立つと感じること」の筆頭(34%)に、技能や職能が挙げられていました。

 うちの会社がパソコンの資格試験をやっているからでもあるのですが、すべての職業人、特に、オフィスでパソコンを使って働くひとたちが、自動車免許を取るのと同じように、パソコンスキルをみにつけ、なかでもマイクロソフトオフィス(ワード、エクセル、パワーポイントなど)が使えるようになったほうがいいと思っています。それが、これから仕事を始めるすべての人たちにとって、基礎中の基礎のオフィス技能ではないか、と。うちの会社がMOSやMCASをやっていなかったとしても、きっと、そう申し上げると思います。

 皆さん英語にはものすごい時間を使われますが、3年やっても、仕事で使えるほどには、そう簡単にはならないです。それよりも、3か月もやれば、すぐに仕事に役立つパソコンの技能を習得された方が、ずっと時間の投資効率はいいです。

逸話として残るかもしれない手紙

サブプライムで大もうけ。もう他人の金のために、あくせく働くのは辞めると言って「引退」するファンドマネージャーの手紙がアメリカで評判になっています。結構おもしろい内容です。
Andrew Lahde:Good-bye letter

「随所に主となる」

 卒業生に送られてくる大学の会報を読んでいたら、考えさせられる話が二つ。
ひとつは、ある大企業に勤務していて、いまは退職されていると想像される方のお話。卒業年から想像するに、すでに70歳を越えられた方ですが、ご自身のうつ病経験について書かれていました。うつ病患者が増えていること、うつの問題解決に正面から立ち向かっていかないといけないと。同窓という、ある程度、「閉ざされたコミュニティ」だからかもしれませんが、実名とかつての勤務先を書かれていたことに、真摯なものを感じました。
 もうひとつは、味の素の社長を勤め、如水会の事理長をされていた故・江頭邦雄さんの追悼特集。江頭さんが、「私の履歴書」に書かれていた言葉、「随所に主となる」。『「どんなところにあっても主体的に考えることが大切」という意味だ。自分の属する集団のために何が本当に必要なのか、本当に大切なのかを考えて問題解決のために一生懸命努力すれば、人は必ず好意をもってくれるし、ついてきてくれる。』この言葉に関して、山内副学長は、「努力をしても実らないことは無数にあるが」、「随所に主となることをめざし、真剣に努力」することが大切だ、と。

勉強の時

 高級品が売れなくなっていると聞きます。ブランド商品などでは、前の年の半分しか売れていない、というような話もあるようです。表立ってはやっていないが、あのシャネルでさえもこっそりと、いわゆる「ファミリーセール」を行っている、と聞いたことがあります。(100万も200万もするようなシャネルのスーツは、たとえ安くなっても、われわれ庶民には、到底、買えるような代物ではありませんが。)銀座にオープンしたH&Mには大勢の買い物客が集まっているという記事を読みました。先日、うちに営業に来ていた、いつもセンスのいい服を着ている営業ウーマンも、「ウェブで見るH&Mの服は、安くてセンスがよさそうだから、一度行ってみたい」とか。迎え撃つユニクロ(ファーストリテーリング)の株価も、株式市場暴落の中、しっかりしています。
 世の中、完全に不景気になってきました。日銀の短観などでも、明確に、景況感の悪化が表れています。
 これから1、2年は、将来のことも考えながら、しっかり勉強する時なのではないかと思います。仕事が簡単に見つからなくなり、転職も難しくなったのであれば、まず今の仕事に、一生懸命とりくんでみればいいです。選択肢がたくさん有るように思っているから、「自分探し」なんて悠長なことを言っていられるし、「自分にふさわし仕事」がどこかにあるような錯覚を持ってしまいます。このような時期だけではありませんが、これしかないと決めることが、案外、いい結果につながるように思います。社会人であれば、消費よりも、ビジネスの勉強、スキルアップに投資をしないといけない時でしょう。うちが資格ビジネスを行っているから申し上げる訳ではありませんが、今こそ、一億人がしっかりと勉強する時だと思っています。
 

集中的なハードワークが必要な時

 7月14日号の日経ビジネス「終わらない話」に、吉野家ホールディングスの安部社長が「労働時間を限る弊害」というテーマで書かれています。以下のような点に大賛成です。

1 未来のリーダーを目指す人材には、集中的なハードワークが必要な時期がある。

2 量をこなして初めてつかめる仕事の勘所がある。量によって、質が向上する。

3 自己啓発意欲が強い人材は仕事に費やす時間が長い。同じ能力であれば時間数をこなした人が成果を出す。

 転職が一般的なことになっていますが、安部社長の書かれていることは転職にも当てはまります。転職した人は、最初の3か月から半年の間に、新しい職場で集中的にハードワークをする必要があるのではないかと思います。これまでさまざまな人たちを見てきましたが、転職しても新しい職場で活躍できる人は、入社後半年から1年の間に仕事にはげみ、量(時間)を質(結果)につなげています。

転職にはやっぱりパソコンスキル!

 転職で必要とされるスキルのナンバー1は、パソコンスキル。(とらばーゆ調査) 求人募集でパソコンスキルをあげている会社が1893件、続く英語力は409件。普段から申し上げていることですが、パソコンスキルはどの会社に入っても必要ですが、英語が日常的に必要となる職場は、実際には非常に少ないのです。

 われわれの課題は、「パソコンスキル」ではなく、MOSMCAS、あるいはIC3と固有名詞で指定していただけるほど、知名度を上げていくこと。まだまだ力不足でそこまで行っていません。これからも頑張ります!

優秀な学生は起業か、ベンチャーに行って欲しい

 時々拝見する池田信夫さんのブログで、「10年は泥のように働け」という年配の経営者の発言に、学生が反発という話を読みました。(→「泥」の話) IT企業の60歳をこえた経営者層の方々と学生たちの議論を読んでいると、経営者層が、年功序列、終身雇用的な価値観から脱皮しない限り、お互いに受け入れることはできないだろうと思います。

 世の中が安定していて、ずっと右上がりであった高度成長期にはよかったわけですが、現在、そして将来も、「会社のためにまず10年間は泥のように働け」という議論は学生、特に優秀な学生には受けないでしょう。

 ITの仕事は、よく建築にたとえられることがあります。着想から、仕事の進め方、「構築」といった言葉の共通性など、ITと建築は比ゆ的にも、近いものを共有しているようです。でも、根本的に大きな違いがあります。それは、少なくとも、僕が知っている建築家たちは、ものすごく大きな夢を建築に持っています。建築家の人間たちが、建築を通しての自己表現にかける意思は強烈だなと思います。そしてそれはカネ儲けができるからではないのです。逆に、ほんの一部の建築家を除いて、多くの建築家は、自分の家を建てることにさえ、困っている人が多いように思います。一方、ITを勉強している学生たちが、建築を勉強している学生たちのような夢を持っているようには、まったく見えません。3K仕事であるのは、双方に共通するのに。

 学生、特に優秀な学生には、大手のSIerなんかに就職しないで、ぜひ、起業するか、ベンチャーに入って、自分の力で、ビジネスを建築してもらいたいです。こう言っては先輩方に失礼ですが、勉強不足の大手組織を半分だますような手口で高い値段の仕事をぶっかけ、仕事は2次請け、3次請けに投げるようなことばかりやっていては、そこに夢も誇りも持てないのは当然かと思います。(有名な話ですが、外務省のパスポート申請のシステムは、21億円使って、結局、133人しか使わず、一人あたりの処理費用に1600万円かけたまま、結局、システム廃棄になりました。→参考ブログ

 優秀な学生には応援団が社会的にも用意され、とったリスク以上のリターンもある。そんな国に、日本がなってほしいです。格差の問題はもちろん理解していますが、みんなが平等に貧乏で、夢も枯れている、そんな社会にはなってほしくないな。

 

サッカーから音楽へ

 丸の内イターネットラジオの関係者と初めて一杯やりましたが、音響を担当していただいているJさんのキャリアを聞いてびっくり。サッカー留学でブラジルへ。U17では日本代表選抜に選ばれるも、負傷が原因でサッカー脱落。その後、20歳で音楽に挑戦。なぜ音楽か?それまで音楽の経験はなかったそうですが、不可能なことに挑戦してみたいという気持ちから音楽分野を選んだとか。ピアノ、ギター、ベース、すべて独学で習得されたそうです。独学でなにかを身につけた人が僕は好きです。現在30歳。これからどんなキャリアが開けていくのか、Good luck!

『反貧困』(湯浅誠著、岩波新書)

決してODAの本ではありません。日本国内の貧困問題の話です。日雇い労働者の過酷な話がいくつか出てきます。

 この本は、現在の日本社会の一面を正確に描写しているのかと思います。僕らのオフィスが入っている新東京ビルの周り、東京駅京葉線地下には、たくさんの中高年、老人のホームレスたちが存在しています。毎日、彼らの姿を目にしています。一見華やかになった丸の内ですが、地下にはそのような人たちが多数存在しているのが、現実です。

 気軽に転職やフリーターになることをそそのかすような人材紹介会社の広告などをみるたびに、若いひとたちに、どのような影響を与えているのかと思います。就職しなくても、「家にいればいいよ」という物わかりのいい親も増えていると聞きます。これまで当然だったことが、当然ではなくなりつつあるのでしょうか?

『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 』(城繁幸著、筑摩新書)

 前著『若者はなぜ3年で辞めるのか』からの読者です。本書も共感を持って読ませてもらいました。
 
 (著者もそのひとりですが)東大卒業の人間が、学歴社会を批判的に論ずると、必ずでてくるのが、「東大卒の人間に学歴社会の問題を指摘する資格があるのか」というような反応。東大でたからと言って、ビジネスの世界で成功している人は少ないなと、これまでの経験から思います。特に、自営業や起業の分野で、成功している人は絶対的に少数です。逆に、東大卒のプライドが、起業や自営にはマイナスになることが多いかもしれません。日本社会が、圧倒的にサラリーマン社会になってしまっていることが、議論の閉塞感の根本にあると僕は思っています。サラリーマン(含む公務員)として生きていくことが唯一の選択肢と思い込んでいる日本の悲しさ。議論もすべて、その枠の中で、生涯賃金がどうのこうのという、現状が永遠に続くという前提にたち、かつ、夢のないレベルでの話になっています。会社説明会などでも、安定しているから公務員志望などという学生の話を聞くと、君はもう棺桶に入っているね、と言ってあげたくなります。

 著者には、弊社のポッドキャスティング、「アイディア・エクスチェンジ」に登場していただく予定になっています。お話をお聞かせいただくことを、非常に楽しみにしています。

 

文科系新入社員にロボット作りの研修

オデッセイコミュニケーションズでもお付き合いがあるパソナテックさんが、文科系新入社員(新入社員19名中の18名)に、ロボット作りの研修を行ったという記事を読みました。文科系、理科系とわけることの功罪の「罪」を強く感じるこの頃です。文科系、特に入試でも理科系の科目に触れていないような大学生は、「この一冊でロジカルシンキングを身につける」というようなタイトルの安直な本を読むことよりも、基礎的なことでもいいので、理科系の勉強をしてみることが役立つと思いますよ。そんな意味で、パソナテックさんの取り組みはおもしろいと思いました。→パソナテック記事

就職活動中の大学生の皆さんへ

 今日は今年初めての会社説明会を実施。お集まりいただいた大学生の皆さん、ありがとうございました。ちょっとうれしかったのは、オデッセイで運営している試験を受験している学生さんが予想以上にいたこと。

 社員のひとたちには、

1 いつまでも、ディシプリンをもって、勉強していくことを怠らないこと

2 自分で人生を切り開いていく気持ちをなくさないこと

3 「運」のある人間になること

こんな考えをずっと持ち続けていってもらうことを要求しています。それと、社内で、「ハッピー、ラッキー、シンプル」という、カタカナ言葉になるのですが、こんなことも大切だといつも言っています。ハッピーなひと、ラッキーなひと、それと物事の本質をずばり(シンプルに)とらえるようなひと。そんなひとで、僕自身ありたいです。

 環境も、時代も、僕たちが気づかないうちに少しずつ変化しています。僕たちは現実を素直に受け止め、その現実に対応していく必要があります。そのためには、知力、体力、そして素直な、また謙虚な気持ちが必要なんだろうなと思います。

 「起業ブーム」が去り、今の学生さんたちは再び大企業志向なのかもしれませんが、そうだとしても、10年後、あるいは20年後には、必ず、それまでの自分の生き様や生き方の責任を取らないといけない時が、必ず来ること、一生、その企業におんぶにだっこなんてことがありえないことを、頭のどこかに入れておいていただきたいです。

「龍になれ、雲、おのずから集まる

朝日新聞の「仕事力」のコーナーで4回にわたって、森ビルの森稔社長の談話が紹介されていました。とてもいいお話の連載でした。「龍になれ」という言葉がよかった。最初は誰も理解してくれない、付いて来てくれない、それでも信じるところに向かっていく。→朝日新聞

台湾人のバイタリティに脱帽!

8年前、オデッセイにインターンとして来てくれたことがある高雄さんが来訪。ご自身のことやご家族のことを聞かせてくれましたが、ご両親のお話には、まったく脱帽してしまいました。

 高雄さんのご両親はもともと台湾のご出身で30年以上前に日本に来日。お父様は台湾ですでに安定した生活を持つ医者であったにもかかわらず、30歳を過ぎて日本に留学、さらには日本の医師試験に合格し、東京で開業されたとか。台湾から東京にいらっしゃった当初は、お母様が手仕事のアルバイトをしながら生計を助けたそうです。

 なぜ、台湾での安定した医師としての地位を捨てて、わざわざ苦労がある日本にいらっしゃたのか?詳細はもちろんご本人にお聞きしてみないとわかりませんが、娘さんのお話では、抑えきれない冒険心からそのような行動に出たのではないかということでした。ご親戚や友人にも、台湾国内やアメリカでビジネスで成功されている方たちが多いそうです。

 台湾人では、「老板」(中国語で社長の意味)をみんなが目指しているそうで、起業、独立が万人の夢だそうです。失敗したときのことを考えて、ぐずぐずしている日本人とは正反対みたいです。そんな話を聞いていて、本当に台湾人のバイタリティに感心してしまいました。

 日本生まれの日本育ちとはいえ、高雄さんもそんな台湾人の血をひく一人として、なにか自分でやってみたいとか。大学を卒業した後、某・大手電気通信メーカーに勤めたけども、超・安定志向のサラリーマン集団の中で勤務経験は「勉強」にはなったけども、魅力を感じなかったというのも、当然かなと思いました。

 どちらにしろ、僕も台湾に一度行ってみたくなりました。

「偽」の自分-NHK「一期一会」(東大中退し山村の生活)

僕は見なかったのですが、NHKのテレビ番組「一期一会」を見たTちゃんの話しでは、東大中退で山村に暮らす男の子にとても好感を持ったということでした。公務員になることを考えている別の大学生との会話が番組の中心だったようですが、その学生よりも、ずっといい顔(つまり活き活きとしたということ)をしていたように見えたそうです。

 別の話しですが、また「偽装」というか、企業のウソの話がでています(古紙の比率が低いにも関わらず40%利用といっていたとか)。食品に関しては厳しい見方をした僕も、この古紙の件はまだよくわかりません。確かに「偽」と言えば、「偽」なのですが、なぜこのような「ウソ」が始まったのか、本当の理由と原因を知りたいです。

 で、話は最初の男の子のことに返るのですが、僕が思うのは、企業や国の「偽」を言う前に、実は一番問いかけないといけないのは、一人ひとりの「偽」、つまり自分を「偽って」いないかどうかということ。他人や会社の「偽」を問う前に、自分の「偽」を問いかけてみることが大切なんじゃないかな。東大に本当に入りたかったの?公務員なんかに、本当になりたいの?(退屈じゃない?!)本当にその仕事がやりたいの?他人の目によく映りたいから、その選択をしたのとは違うの?

 Tちゃんの話しでは、公務員志望の大学生が、とても素直でいい子だけど、平凡でちょっとつまらなく見えたのに対して、山村で村長のもと暮らしている東大中退の男の子が、自分に偽りのない生き方をしようとしている点で、とても好感を持ったとか。

 企業や国の「偽」と、個人の生き方の「偽」とは異なる話かもしれません。でも企業や国の組織の「偽」にかかわり、あるいは「偽」を行なっている人たちは、自分自身が、「偽」の人生を生きているのではないかという気がしてしょうがないです。

スタン・ゲッツとグリーンスパン

まだ読んでいなかった7日の日経の「私の履歴書」で、前FRB議長のグリーンスパンが、16歳のとき、15歳のスタン・ゲッツと並んでサックスを習っていたとあって、びっくり!スタン・ゲッツとジョアン・ジルベルトの音楽、大好きです。スタン・ゲッツの演奏を聴いて、到底かなわないと思って、音楽の道をあきらめたなんて、おもしろい逸話。

失意泰然、得意冷然

 ある公開企業の社長をやっている知人から退任を知らせるメールが来ました。業績不振、健康問題が理由かと推察しています。

 最近の「日経ビジネス」の任天堂特集で、山内相談役がしばしば発せられる言葉として、「失意泰然、得意冷然」うまくいかない時は焦らずにゆったりとした気持ちで、好調なときにはおごることなく淡々と)があげられていました。

 僕の好きな言葉のひとつでもあります。長いキャリアのうちには、いろいろなことがありましたし、これからだってあると思っています。

地方再生物語

こんなすごい生き方をしている人がいるのかと、感動!(日経ビジネスオンライン)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20071102/139543/

「夢がなくても人は死なない」(三浦展著)

副題には、「好きな仕事を探すより、仕事を好きになりなさい」。まずこの本の冒頭にある31の、働くことに関する「教訓」が気に入りました。仕事がイヤになったときのための「御教訓カレンダー」と名づけられた、31日分の「教訓」。たとえば、こんな「教訓」が含まれています。

 人のためにするのが仕事。自分のためにするのは趣味。(第4日目)

 やりたいことがないなら、やるべきことをやれ!(第11日目)

 仕事は、その大部分が雑務である。(第16日目)

 自由は最初にあるものではなく、行為の結果である。(第20日目)

 自分らしく生きることは、孤独に生きることだ。(第26日目)

 夢は、いつか必ずかなう。ただし、ゆっくりと。(第31日目)

このあとは、著者と4人の職業人との対談。でも、この「教訓カレンダー」だけでも買ってみる価値がある本。学生は読んでも実感がないかもしれないけど、20年以上働いている身としては、これらの「教訓」には、そうだそうだと同感。

年代格差

今日の朝日新聞夕刊(社会面)によると、学生の売り手市場が続いていて、企業によっては高級ホテルで説明会を行なったり、旅行券があたる抽選会を行なったりとか。91年までが売り手市場、92年から05年くらいまでが買手市場で学生には厳しい状況(特に94年から96年は、「超氷河期!」)、それ以降は売り手市場だとか。   

 いろいろな格差が言われますが、年代による格差はひどいものだと思います。(92年以降学校を卒業した、今、30代半ば前後の年齢の諸君には同情します) 企業はこれだけ新卒採用に「熱意」を示したとしても、3年以内で2、3割が退職していくのでしょうか・・・

建築家の話

他人の仕事の話を聞くと、自分の仕事と共通する点、ユニークな点、それぞれが見えてきて、いつも勉強になります。僕が一番好きな話は、建築家が自分の仕事の写真を見せてくれながらしてくれる話です。以前、安藤忠雄の話を聞いたとき、なんてプレゼンテーションのうまい人だろうと感心したことがあります。

先月から某所で、週一回、さまざまな建築家による小規模の講演を聞いています。家を建てることは、とても複雑なプロセスで、人と人の関係(たとえば、施主と建築家、建築家と工事関係者、施主の家族関係、施主と近隣)、空間美と機能、土地の歴史、時間の経過による建物、環境、人間関係の変化など、もろもろの要因、要素を考える必要があるし、家という存在は、大きく言えば、日本人の生き方そのものの表現です。今晩は、ある若手建築家のお話をお聞きしたのですが、建築に対する思いをお聞きしていて、感動しました。建築家の仕事は決して経済的に恵まれているとは思えないのですが、それでもやり続けたいという気持ちに熱いものを感じます。家を建てることは、人生を考えることにつながると思います。

田淵節也さんの「私の履歴書」

今日から、元・野村証券会長の田淵節也さんの「私の履歴書」が始まりました。これからどのようなお話しが展開していくのか、楽しみです。「神の見えざる手」というアダムスミスの言葉が、「お天道様はお見通し」という感覚に近くて好きだ、と書かれています。

一人を以って国が興るのであれば

今朝の天声人語によると、防衛省前事務次官・守谷武昌氏の座右の銘は、「一人を以て国興り、一人を以て国亡ぶ」だったとか。中国宋代の蘇洵の言葉。

国でさえもが一人の人間によって、興亡があり、それは企業にも言えること。「一人を以って業を興す」という気概は持っていたいです。

「プログラマー現役続行」(柴田芳樹著)

初めてパソコンを買ったのは、1980年代の初め。NEC8801mk-IIで、Basicを習い始めたのですが、結局、モノに出来ませんでした。その頃は、他の勉強や遊ぶことが楽しくて、プログラミングにはどうしても興味を持てなかったのだと思います。

この本の著者、柴田芳樹さんは僕と同じ年に生まれ、九州工業大学で情報工学を専攻した方です。40代後半になった今でも、現役のプログラマーとして活躍しながら、日本で言われている「35歳プログラマー限界説」なるものは根拠なし、とされています。僕はいまさら、プログラマーを目指そうなんて、夢にも思っていないのですが、趣味ではプログラミングを勉強してみたいと思っています。

著者は、プログラマー現役続行を可能にするために、7つの要件を挙げていらっしゃいます。ただ、これらは、すべての職業人に、大なり小なり当てはまる事柄だと思います。その7つは以下のとおり。

  1. 論理思考力
  2. 読みやすいコードを書く力(ビジネスマンの場合、人に読みやすい文章、としてもいいと思います)
  3. 継続学習力
  4. コンピュータサイエンスの基礎力(コンピュータの動作原理も含めた基礎力)
  5. 朝型力(著者は朝4時に起床するそうです)
  6. コミュニケーション力
  7. 英語力

著者は、自分のお金と時間を勉強のために投資すること、それができない人間は、現役続行なんて無理だとしています。これはプログラマーだけではないと思います。われわれ一般ビジネスマンだって同じこと。グーグルで検索して、探している答えがでてこないとそのままお手上げの人間が、なんと多くなっていることか。身銭を切って勉強しない人間が伸びないのは、どの分野でも同じです。

和田裕美さんにとって「仕事・働くこと」

株式会社ペリエの和田裕美さんに、「仕事・働くこと」をお聞きしています。オデッセイコミュニケーションズのHPに掲載している、リレー・エッセーをご覧ください。→こちら

東京でラーメン屋を開いたアメリカ人

先週末のウォール・ストリート・ジャーナルに、東京でラーメン屋に挑戦しているアメリカ人の紹介記事が出ていました。日本人女性と結婚しているとか。新聞の記事はすべてオンラインで読むことができます。ウェブの記事では本人とのインタビューやラーメンを作っているシーンも動画で見ることができます。

3年は我慢

第二新卒と言われるグループの人たちを面接することがありますが、ほとんどの場合、「どうしてもうすこし我慢できないのかな?」と思うことがあります。生まれてからずっと、「消費者は神様です」という社会でお客さん扱いされてきた人たち。

25日の日経新聞夕刊(Nipponビジネス戦記)で、オーストラリア人の女性が、転職率の高いオーストラリアでも、3年という数字はキャリアアップに欠かせない期間であると、書かれていました。かの国でも、3年は仕事の成果や能力を判断するうえでの目安にされていて、3年足らずでの転職には否定的なイメージを持たれるとか。

「石の上にも3年」は、日本だけでもないようです。