アイデアエクスチェンジに原正紀さん登場

 アイデアエクスチェンジに、株式会社クオリティオブライフ代表の原正紀さんにご登場いただいています。原さんは、リクルートご出身の人材ビジネスの専門家で、若者の就業支援をしているジョブカフェの代表もされています。 今日は逆に、原さんが担当されている雑誌のインタビューをボクが受けてしまいました。同年代ということもあって、日本の地方に対する思い入れなど共感する点があります。

アイデアエクスチェンジ「原正紀さんの巻」 

株式会社クオリティオブライフ 

ジョブカフェ

「楽な仕事」も、「自分にふさわしい仕事」も、もともとあるはずない。

 名古屋へ日帰り出張。お取引いただいている某派遣会社の研修担当の方たちと昼食、中京地区の派遣事情、求人求職事情を拝聴。
「今の時代、なにをさして失業というのか?」という疑問をお聞きしました。一部の業界、たとえば介護の業界は慢性的な人手不足で、仕事がないわけではない。介護分野の仕事をご紹介しても、求職者は、「自分にふさわしい仕事ではない」、「もうすこし楽な仕事がいい」と返事される方も多い。そう言う方々は、本当に仕事をもとめているのだろうか?と、クビをかしげていらっしゃいました。
 少子化の時代、これからも傾向としては、人手不足でしょう。再び好景気になると、企業側はあの手、この手で、人の募集をしていきます。ほんの1年前くらいまで、名古屋エリアも、東京エリアもそうでした。「あなたにふさわしい仕事」、「都合のいい時間だけ働ける仕事」なんて言葉が、派遣会社や人材紹介会社の広告で、踊っていました。
 ボクなんて、もう「年寄り」なので、今の20代のひとたちの気持ちはよくわからないのでしょうが、はっきり言って、「あなたにふさわしい仕事」なんて、会社側からあたえてもらうようなものじゃないですよ。だいたい、「自分にふさわしい仕事」がなんなのか、簡単にわかるものでもないし。いろいろと仕事をしてきて思うことは、「楽な仕事」も、「自分にふさわしい仕事」も、会社側(紹介会社も含め)が言うときなんて、まゆつば物だということ。楽で、責任を取らなくてもいい仕事は、もともとないんだから。
 まず自分を鍛える!なんて言っていると、「巨人の星」の一徹オヤジみたいかな?!

セカンドキャリアに備えてIT資格を

昨日昼食をごいっしょしたパソコンスクールの経営者の方からお聞きした話です。

そちらのお客さんである某銀行は、行員の退職後のセカンドキャリアの準備の一環として、マイクロソフトオフィススペシャリストを取得させているそうです。銀行にいるときには、「ねえ、これどうなってるの?」とか、「これやっといて」なんて感じでパソコン仕事は部下に任せていたようなオジサンたちも、関連会社や子会社に移るとなると、自分でやらないといけない。そこで、セカンドキャリアを紹介する条件として、MOSやMCASの取得を義務化しているという話でした。

団塊世代のPCスキルや知識はかなり高まっているとは思うのですが、まだまだこのような企業内のニーズはあるように見えます。

仕事と恋愛の違い

 仕事でお付き合いがある方(アクセンチュア出身のキャリアコンサルタント)が、本を出されたということでお贈りくださいました。羽方さん、ありがとうございます。タイトルは、羽方康著『SEの転職力』(日本実業出版社刊)。

 この本の中でおもしろかったたとえ話がひとつ。恋愛の場合には、「この人と別れたいからあの人(新しい人)とつき合いたい」ということはない。ところが仕事の場合には、「この会社がいやになったから、新しい会社に入りたい(転職したい)」という人がわんさか。

 「あの会社に入りたいからこの会社を辞める」というのが自然なのであって、「この会社を辞めたいからあの会社に入りたい」というのは不自然だ、と。

 どちらにしろ、恋愛はなくても((カレ、カノジョがいない時期はあっても)生きていけるけど、仕事はないと生きていけないものだというのが、根本にある違い。

書籍『奇跡のリンゴ』(石川拓治著)

 あけましておめでとうございます。2009年もよろしくお願いします。
『奇跡のリンゴ』は、2009年最初に読み終えた本。昨晩からずっとこの本を読みながら、新年を迎えました。
 無農薬農法によるリンゴ作りに成功した木村秋則(あきのり)さんの物語です。一人の人が、生きている間に取り組むべき仕事とは、どういうことなのか、考えてしまいます。この方のように、金も、名誉にもまったく興味を持たず、ひたすら自分が使命と信じることをやり通していく方を尊敬します。
 2008年中訪問した場所の中で、ひときわ記憶に残っているのが青森の弘前です。この木村さんがリンゴ作りに励んできたのが、この弘前の岩木山ふもと。弘前には、ほんの4時間ほどしかいませんでしたが、もう一度、きっと訪問するだろうなと思っています。青森空港からバスに乗って弘前市内に向かう途中目にした岩木山とリンゴ農園が忘れられません。
 この本を読むと、現在の農業が農薬漬けになっていて、安全なリンゴを作ることと、安全にリンゴを作ることのどちらもできていないこと、いまのようなリンゴ作りに疑問を持っている方も多いこと(自分にはできなくても、10年以上も苦節を重ねた木村さんを陰ながら応援している人たちがいた)、木村さんが自分のりんご園から学んだことが非常に普遍的な価値を持つこと、木村さんがリンゴ作りから「システム発想」をどんなシステム発想の研究者よりも体現していることを知りました。
 「人が生きていくために、経験や知識は欠かせない。(中略)けど人が真に新しい何かに挑むとき、最大の壁になるのはしばしばその経験や知識なのだ。」「パイオニアは孤独だ。何か新しいこと、人類にとって本当の意味で革新的なことを成し遂げた人は、昔からみんな孤独だった。それは既成概念を打ち壊すということだから。過去から積み上げてきた世界観や価値観を愛する人々からすれば、パイオニアとは秩序の破壊者の別名でしかない。」「岩木山で学んだのは、自然というものの驚くべき複雑さだった。その複雑な相手と、簡単に折り合いをつけようとするのがそもそもの間違いなのだ。」
 われわれ人間も、その複雑な自然の一つでしかないのだから、自分を、そして他人を理解することも、簡単なことではないということも、この本を読んで感じることの一つです。
 この本の表紙にある木村さんの顔写真から、パイオニアとしてのご苦労を想いました。たいへん立派な方だと思います。
 

An hour with Bill Gates

 ビル・ゲイツのことを好きな人、嫌いな人、尊敬している人、さまざまでしょうが、このインタビューを観ていて、ボクは好感を持ちます。それはボク自身がこの10年ほど、マイクロソフトと仕事をさせてもらい、そのことに感謝しているということもあると思いますが、決して、それだけではありません。知的好奇心の塊であり、科学やテクノロジーへの強烈な関心、勉強家であり続ける姿勢は立派だと思っています。
すべて英語ですが、ぜひご覧ください。
インタビュー("An hour with Bill Gates")

役立つのは「技能」_日経新聞夕刊より

 昨日の日経新聞夕刊(生活面)に、教育投資に関連するアンケートで、「社会に出て役立つと感じること」の筆頭(34%)に、技能や職能が挙げられていました。

 うちの会社がパソコンの資格試験をやっているからでもあるのですが、すべての職業人、特に、オフィスでパソコンを使って働くひとたちが、自動車免許を取るのと同じように、パソコンスキルをみにつけ、なかでもマイクロソフトオフィス(ワード、エクセル、パワーポイントなど)が使えるようになったほうがいいと思っています。それが、これから仕事を始めるすべての人たちにとって、基礎中の基礎のオフィス技能ではないか、と。うちの会社がMOSやMCASをやっていなかったとしても、きっと、そう申し上げると思います。

 皆さん英語にはものすごい時間を使われますが、3年やっても、仕事で使えるほどには、そう簡単にはならないです。それよりも、3か月もやれば、すぐに仕事に役立つパソコンの技能を習得された方が、ずっと時間の投資効率はいいです。

逸話として残るかもしれない手紙

サブプライムで大もうけ。もう他人の金のために、あくせく働くのは辞めると言って「引退」するファンドマネージャーの手紙がアメリカで評判になっています。結構おもしろい内容です。
Andrew Lahde:Good-bye letter

「随所に主となる」

 卒業生に送られてくる大学の会報を読んでいたら、考えさせられる話が二つ。
ひとつは、ある大企業に勤務していて、いまは退職されていると想像される方のお話。卒業年から想像するに、すでに70歳を越えられた方ですが、ご自身のうつ病経験について書かれていました。うつ病患者が増えていること、うつの問題解決に正面から立ち向かっていかないといけないと。同窓という、ある程度、「閉ざされたコミュニティ」だからかもしれませんが、実名とかつての勤務先を書かれていたことに、真摯なものを感じました。
 もうひとつは、味の素の社長を勤め、如水会の事理長をされていた故・江頭邦雄さんの追悼特集。江頭さんが、「私の履歴書」に書かれていた言葉、「随所に主となる」。『「どんなところにあっても主体的に考えることが大切」という意味だ。自分の属する集団のために何が本当に必要なのか、本当に大切なのかを考えて問題解決のために一生懸命努力すれば、人は必ず好意をもってくれるし、ついてきてくれる。』この言葉に関して、山内副学長は、「努力をしても実らないことは無数にあるが」、「随所に主となることをめざし、真剣に努力」することが大切だ、と。

勉強の時

 高級品が売れなくなっていると聞きます。ブランド商品などでは、前の年の半分しか売れていない、というような話もあるようです。表立ってはやっていないが、あのシャネルでさえもこっそりと、いわゆる「ファミリーセール」を行っている、と聞いたことがあります。(100万も200万もするようなシャネルのスーツは、たとえ安くなっても、われわれ庶民には、到底、買えるような代物ではありませんが。)銀座にオープンしたH&Mには大勢の買い物客が集まっているという記事を読みました。先日、うちに営業に来ていた、いつもセンスのいい服を着ている営業ウーマンも、「ウェブで見るH&Mの服は、安くてセンスがよさそうだから、一度行ってみたい」とか。迎え撃つユニクロ(ファーストリテーリング)の株価も、株式市場暴落の中、しっかりしています。
 世の中、完全に不景気になってきました。日銀の短観などでも、明確に、景況感の悪化が表れています。
 これから1、2年は、将来のことも考えながら、しっかり勉強する時なのではないかと思います。仕事が簡単に見つからなくなり、転職も難しくなったのであれば、まず今の仕事に、一生懸命とりくんでみればいいです。選択肢がたくさん有るように思っているから、「自分探し」なんて悠長なことを言っていられるし、「自分にふさわし仕事」がどこかにあるような錯覚を持ってしまいます。このような時期だけではありませんが、これしかないと決めることが、案外、いい結果につながるように思います。社会人であれば、消費よりも、ビジネスの勉強、スキルアップに投資をしないといけない時でしょう。うちが資格ビジネスを行っているから申し上げる訳ではありませんが、今こそ、一億人がしっかりと勉強する時だと思っています。