集中的なハードワークが必要な時

 7月14日号の日経ビジネス「終わらない話」に、吉野家ホールディングスの安部社長が「労働時間を限る弊害」というテーマで書かれています。以下のような点に大賛成です。

1 未来のリーダーを目指す人材には、集中的なハードワークが必要な時期がある。

2 量をこなして初めてつかめる仕事の勘所がある。量によって、質が向上する。

3 自己啓発意欲が強い人材は仕事に費やす時間が長い。同じ能力であれば時間数をこなした人が成果を出す。

 転職が一般的なことになっていますが、安部社長の書かれていることは転職にも当てはまります。転職した人は、最初の3か月から半年の間に、新しい職場で集中的にハードワークをする必要があるのではないかと思います。これまでさまざまな人たちを見てきましたが、転職しても新しい職場で活躍できる人は、入社後半年から1年の間に仕事にはげみ、量(時間)を質(結果)につなげています。

転職にはやっぱりパソコンスキル!

 転職で必要とされるスキルのナンバー1は、パソコンスキル。(とらばーゆ調査) 求人募集でパソコンスキルをあげている会社が1893件、続く英語力は409件。普段から申し上げていることですが、パソコンスキルはどの会社に入っても必要ですが、英語が日常的に必要となる職場は、実際には非常に少ないのです。

 われわれの課題は、「パソコンスキル」ではなく、MOSMCAS、あるいはIC3と固有名詞で指定していただけるほど、知名度を上げていくこと。まだまだ力不足でそこまで行っていません。これからも頑張ります!

優秀な学生は起業か、ベンチャーに行って欲しい

 時々拝見する池田信夫さんのブログで、「10年は泥のように働け」という年配の経営者の発言に、学生が反発という話を読みました。(→「泥」の話) IT企業の60歳をこえた経営者層の方々と学生たちの議論を読んでいると、経営者層が、年功序列、終身雇用的な価値観から脱皮しない限り、お互いに受け入れることはできないだろうと思います。

 世の中が安定していて、ずっと右上がりであった高度成長期にはよかったわけですが、現在、そして将来も、「会社のためにまず10年間は泥のように働け」という議論は学生、特に優秀な学生には受けないでしょう。

 ITの仕事は、よく建築にたとえられることがあります。着想から、仕事の進め方、「構築」といった言葉の共通性など、ITと建築は比ゆ的にも、近いものを共有しているようです。でも、根本的に大きな違いがあります。それは、少なくとも、僕が知っている建築家たちは、ものすごく大きな夢を建築に持っています。建築家の人間たちが、建築を通しての自己表現にかける意思は強烈だなと思います。そしてそれはカネ儲けができるからではないのです。逆に、ほんの一部の建築家を除いて、多くの建築家は、自分の家を建てることにさえ、困っている人が多いように思います。一方、ITを勉強している学生たちが、建築を勉強している学生たちのような夢を持っているようには、まったく見えません。3K仕事であるのは、双方に共通するのに。

 学生、特に優秀な学生には、大手のSIerなんかに就職しないで、ぜひ、起業するか、ベンチャーに入って、自分の力で、ビジネスを建築してもらいたいです。こう言っては先輩方に失礼ですが、勉強不足の大手組織を半分だますような手口で高い値段の仕事をぶっかけ、仕事は2次請け、3次請けに投げるようなことばかりやっていては、そこに夢も誇りも持てないのは当然かと思います。(有名な話ですが、外務省のパスポート申請のシステムは、21億円使って、結局、133人しか使わず、一人あたりの処理費用に1600万円かけたまま、結局、システム廃棄になりました。→参考ブログ

 優秀な学生には応援団が社会的にも用意され、とったリスク以上のリターンもある。そんな国に、日本がなってほしいです。格差の問題はもちろん理解していますが、みんなが平等に貧乏で、夢も枯れている、そんな社会にはなってほしくないな。

 

サッカーから音楽へ

 丸の内イターネットラジオの関係者と初めて一杯やりましたが、音響を担当していただいているJさんのキャリアを聞いてびっくり。サッカー留学でブラジルへ。U17では日本代表選抜に選ばれるも、負傷が原因でサッカー脱落。その後、20歳で音楽に挑戦。なぜ音楽か?それまで音楽の経験はなかったそうですが、不可能なことに挑戦してみたいという気持ちから音楽分野を選んだとか。ピアノ、ギター、ベース、すべて独学で習得されたそうです。独学でなにかを身につけた人が僕は好きです。現在30歳。これからどんなキャリアが開けていくのか、Good luck!

『反貧困』(湯浅誠著、岩波新書)

決してODAの本ではありません。日本国内の貧困問題の話です。日雇い労働者の過酷な話がいくつか出てきます。

 この本は、現在の日本社会の一面を正確に描写しているのかと思います。僕らのオフィスが入っている新東京ビルの周り、東京駅京葉線地下には、たくさんの中高年、老人のホームレスたちが存在しています。毎日、彼らの姿を目にしています。一見華やかになった丸の内ですが、地下にはそのような人たちが多数存在しているのが、現実です。

 気軽に転職やフリーターになることをそそのかすような人材紹介会社の広告などをみるたびに、若いひとたちに、どのような影響を与えているのかと思います。就職しなくても、「家にいればいいよ」という物わかりのいい親も増えていると聞きます。これまで当然だったことが、当然ではなくなりつつあるのでしょうか?

『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 』(城繁幸著、筑摩新書)

 前著『若者はなぜ3年で辞めるのか』からの読者です。本書も共感を持って読ませてもらいました。
 
 (著者もそのひとりですが)東大卒業の人間が、学歴社会を批判的に論ずると、必ずでてくるのが、「東大卒の人間に学歴社会の問題を指摘する資格があるのか」というような反応。東大でたからと言って、ビジネスの世界で成功している人は少ないなと、これまでの経験から思います。特に、自営業や起業の分野で、成功している人は絶対的に少数です。逆に、東大卒のプライドが、起業や自営にはマイナスになることが多いかもしれません。日本社会が、圧倒的にサラリーマン社会になってしまっていることが、議論の閉塞感の根本にあると僕は思っています。サラリーマン(含む公務員)として生きていくことが唯一の選択肢と思い込んでいる日本の悲しさ。議論もすべて、その枠の中で、生涯賃金がどうのこうのという、現状が永遠に続くという前提にたち、かつ、夢のないレベルでの話になっています。会社説明会などでも、安定しているから公務員志望などという学生の話を聞くと、君はもう棺桶に入っているね、と言ってあげたくなります。

 著者には、弊社のポッドキャスティング、「アイディア・エクスチェンジ」に登場していただく予定になっています。お話をお聞かせいただくことを、非常に楽しみにしています。

 

文科系新入社員にロボット作りの研修

オデッセイコミュニケーションズでもお付き合いがあるパソナテックさんが、文科系新入社員(新入社員19名中の18名)に、ロボット作りの研修を行ったという記事を読みました。文科系、理科系とわけることの功罪の「罪」を強く感じるこの頃です。文科系、特に入試でも理科系の科目に触れていないような大学生は、「この一冊でロジカルシンキングを身につける」というようなタイトルの安直な本を読むことよりも、基礎的なことでもいいので、理科系の勉強をしてみることが役立つと思いますよ。そんな意味で、パソナテックさんの取り組みはおもしろいと思いました。→パソナテック記事

就職活動中の大学生の皆さんへ

 今日は今年初めての会社説明会を実施。お集まりいただいた大学生の皆さん、ありがとうございました。ちょっとうれしかったのは、オデッセイで運営している試験を受験している学生さんが予想以上にいたこと。

 社員のひとたちには、

1 いつまでも、ディシプリンをもって、勉強していくことを怠らないこと

2 自分で人生を切り開いていく気持ちをなくさないこと

3 「運」のある人間になること

こんな考えをずっと持ち続けていってもらうことを要求しています。それと、社内で、「ハッピー、ラッキー、シンプル」という、カタカナ言葉になるのですが、こんなことも大切だといつも言っています。ハッピーなひと、ラッキーなひと、それと物事の本質をずばり(シンプルに)とらえるようなひと。そんなひとで、僕自身ありたいです。

 環境も、時代も、僕たちが気づかないうちに少しずつ変化しています。僕たちは現実を素直に受け止め、その現実に対応していく必要があります。そのためには、知力、体力、そして素直な、また謙虚な気持ちが必要なんだろうなと思います。

 「起業ブーム」が去り、今の学生さんたちは再び大企業志向なのかもしれませんが、そうだとしても、10年後、あるいは20年後には、必ず、それまでの自分の生き様や生き方の責任を取らないといけない時が、必ず来ること、一生、その企業におんぶにだっこなんてことがありえないことを、頭のどこかに入れておいていただきたいです。

「龍になれ、雲、おのずから集まる

朝日新聞の「仕事力」のコーナーで4回にわたって、森ビルの森稔社長の談話が紹介されていました。とてもいいお話の連載でした。「龍になれ」という言葉がよかった。最初は誰も理解してくれない、付いて来てくれない、それでも信じるところに向かっていく。→朝日新聞

台湾人のバイタリティに脱帽!

8年前、オデッセイにインターンとして来てくれたことがある高雄さんが来訪。ご自身のことやご家族のことを聞かせてくれましたが、ご両親のお話には、まったく脱帽してしまいました。

 高雄さんのご両親はもともと台湾のご出身で30年以上前に日本に来日。お父様は台湾ですでに安定した生活を持つ医者であったにもかかわらず、30歳を過ぎて日本に留学、さらには日本の医師試験に合格し、東京で開業されたとか。台湾から東京にいらっしゃった当初は、お母様が手仕事のアルバイトをしながら生計を助けたそうです。

 なぜ、台湾での安定した医師としての地位を捨てて、わざわざ苦労がある日本にいらっしゃたのか?詳細はもちろんご本人にお聞きしてみないとわかりませんが、娘さんのお話では、抑えきれない冒険心からそのような行動に出たのではないかということでした。ご親戚や友人にも、台湾国内やアメリカでビジネスで成功されている方たちが多いそうです。

 台湾人では、「老板」(中国語で社長の意味)をみんなが目指しているそうで、起業、独立が万人の夢だそうです。失敗したときのことを考えて、ぐずぐずしている日本人とは正反対みたいです。そんな話を聞いていて、本当に台湾人のバイタリティに感心してしまいました。

 日本生まれの日本育ちとはいえ、高雄さんもそんな台湾人の血をひく一人として、なにか自分でやってみたいとか。大学を卒業した後、某・大手電気通信メーカーに勤めたけども、超・安定志向のサラリーマン集団の中で勤務経験は「勉強」にはなったけども、魅力を感じなかったというのも、当然かなと思いました。

 どちらにしろ、僕も台湾に一度行ってみたくなりました。