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中国から帰ってきた翌日に「オデッセイユニバーシティ」

12日から18日まで、YPOのChina Business Summitに参加するために中国の西安に行きました。西安は初めて。YPOのスピーカーの一人、中国の大手携帯電話メーカー、シャオミーのCFOの話は参考になりました。観光のつもりではなかったのですが、せっかく西安まで来たので、うわさの「兵馬俑」は見学、その規模に圧倒されました。中国人にとっても一番の観光スポットだと聞いています。帰国の前日は上海に一泊し、YPOの友人に夕食に招いてもらい、中国のことをいろいろと教えてもらいました。
18日の夕方に帰国、19日午後には丸ビルのカンファランスホール(ここでイベントをやるのは10年ぶりくらい!)で統計をメインテーマとした「オデッセイユニバーシティ」(第16回目)。日ごろお世話になっている竹村先生(滋賀大学)、岩崎先生(横浜市立大学)をはじめ、大阪ガスから滋賀大学教授に転向された日本で一番有名な企業内データサイエンティスト、河本さんにも講演いただき、参加いただいた多数のみなさまにも感謝です。


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さすが秦の始皇帝!

西安の大気汚染

空港に向かうクルマの中から。大気汚染には少々閉口。

西安歴史博物館

久しぶりの中国の印象。「人、人、人」、そしてすべてのスケールがでかい。

ノーベル賞受賞者の言葉から。

昨日ノーベル医学生理学賞の受賞が発表になった本庶先生の発言には、われわれビジネスマンにも参考になる言葉がありました。

「生命科学はどういうデザインになっているかを、まだ私たちは十分理解していない。AIやロケットはデザインがあり、目標に向かってプロジェクトが組めるが、生命科学はデザインを組むこと自体が難しい。応用だけをやると大きな問題が生じると思う」
「あまり応用ではなく、なるべくたくさんばらまくべきだ。1億円を1人でなく、せめて10人くらいにやって可能性を追求した方が、ライフサイエンスは期待をもてる。多くの人にチャンスを与えるべきだ。特に若い人に」
「国内の製薬企業数が多すぎる。国内に良いシーズ(種)があるのに海外にお金を出していて見る目がない」

特に、最後の企業数が多いこと、いいシーズを見る目がないということ。製薬業界だけではないように思います。

ドビュッシー没後100年の記念コンサート

お気に入りのコンサートホール、ミューザ川崎。
ミューザ川崎のアドバイザーも務めるピアニスト、小川典子の全曲ドビュッシーというコンサート。最後にピアニストが話していましたが、30年ほどのキャリアの中でも、お気に入りのドビュッシーだけを弾くコンサートは、これで3度目くらいではないかということでした。彼女のコンサートは、これで2度目。
今日の曲目は、「版画」「映像第一集」「映像第二集」「前奏曲集第一集」「喜びの島」。アンコールで「月の光」。
小川典子による「ドビュッシー ピアノ曲全集」を注文してしまいました(CD6枚で3,669円、一枚あたり600円!)

シッダールタ・ムカジー(チャーリー・ローズのインタビュー番組にて)

『病の皇帝』の著者が出演しているPBSのテレビ番組から。
2010年以降7回の出演。

https://charlierose.com/guests/4110

イランでは犬が忌避されている?

週末、NHKのEテレで録画したイランの現状に関するドキュメンタリーをみました。フランスのチームが作った番組で、"Everthing Forbidden/Anything Possible" というタイトル。(→番組案内はこちら)「すべて禁じられているけど、なんでも可能」。宗教国家として社会的に厳しいルールが多く、女性も一歩外にでるときには肌を露出するような服は禁じられているわけですが、家の中では欧米の女性と全く変わらないような服を着用している様子をカメラは紹介していました。もっとすごいのは、アルコール、麻薬など、見つかるとむち打ち刑、ひどい場合には死刑になるようなことまで、危険を冒してまで行っている若者たちがいること。
犬と生活しているぼくとしては気になったのは、犬をコンパニオンとして飼うことがイランでは忌避されていること。それでも犬を飼っている人たちはたいくさんいるようで、深夜こっそりと犬を外に連れ出す人たちをカメラは紹介していました。
ニューヨークに住むイラン人の知人にこの番組のことをメールすると、イランでは通りや公共の場所で犬を連れているのを取締りの警官に見つかると、(犬が)殺されることもあるということでした。

イランはアメリカとの関係が非常に悪く、経済制裁をずっと受けていますが、長い歴史もあり優秀な人たちが多い国で(ニューヨークの知人もそんな優秀な人たちの一人)、一度行ってみたいところではあります。

『病の皇帝「がん」に挑む 上巻』(シッダールタ・ムカジー著)

かなり前から読み始めていたのですが、途中でほかの本に気が移っていたりして、ようやく今週末に読み終えました。でもまだ上巻だけ。これから下巻にとりかかります。
昨年、父をがんで亡くしたこともあり、がん関連の本をよく読むようになりました。きっとぼくのなかでもすでにがん細胞(悪性新生物?それとも体内エイリアン?!)は分裂を始めているのでしょう。あと30年くらいはおとなしくしていてほしいです。

著者のムカジーは、コロンビアの医学部で研究、教鞭をとるガン研究者で、腫瘍内科医。この『病の皇帝』でピューリッツアー賞を受賞しています。いろいろな雑誌や新聞で彼のインタビュー記事がでていますが、最初に彼のことを知ったのは、以下のフィナンシャルタイムズの記事。
Gene genius Siddhartha Mukherjee on why "doctors shouln't be gods"
その後も、かれの記事はFTでもなんどか読んでいます。がんに関してだけなく、公共医療制度に関しても、非常にコミュニケーション力のある専門家として評価が高まっているように思います。
上巻ではがんとの闘いの歴史をたどっています。臨床実験、データの集積、データの客観的分析、治療と予防。下巻に進むのが楽しみ。

Typhoon Jebi ってなんのこと?!

ロンドンの知人から、「Jebiの被害は大丈夫か?」とメールが来たので、「Jebiってなんのこと?」と思ったら、数日前、関西に大被害をもたらした台風21号のことだった。Jebiっていうのは誰がつけたニックネーム?今年はいったいどうなっているんだろう。水難だけではすまないで、また大地震が北海道を襲うし。2011年以来、この国は自然災害に取りつかれているような気がしてしょうがない。(データに基づいた印象ではないのだけど)
BBCニュース

佐々木閑先生の最新のご著書『ネットカルマ』

 かつて、オデッセイコミュニケーションズで出していた「オデッセイマガジン」にご登場いただいた、花園大学の佐々木閑先生からご本が送られてきました。最新のご著書である『ネットカルマ』(角川新書)。先生とお会いしたのは一回だけですが、その後も何度かメールのやり取りをさせていただき、新しい本を出されるたびに、ご案内いただいています。

 今回の本は表面的に言うと、インターネットを利用するにあたってのモラルということになるのでしょうが、実はネット上であろうと、リアルの世界においてであろうと、ブッダが説いたことはぼくらが間違った方向に進んでいくことを防いでくれるし、心の平和につながっていくのだということを教えてくれる内容になっています。

 ネット上で匿名であるからなにをやってもいいと思っていても、いつかきっとばれますよ、という話には反論もあるかもしれませんが、そう思っておいたほうが身のためだろうし、ましてや、リアルの世界においては、各所に監視カメラが設置されていて、自分の行動は誰かに見られていると思っておいたほうがいい。

 ブッダが言ったことはある意味でシンプルなことなんだけど、それを自覚し、自分をコントロールしていくことは、とても難しい。(だって、われわれみんな、良くも悪くも、物欲、性欲、食欲、名誉欲、権力欲、その他さまざまな欲を持った存在だから)たとえば、ご本の中で紹介されているこんな言葉。

 自分を救えるのは自分自身である。
 他の誰が救ってくれようか。
 自分を正しく制御して初めて、
 人は得難い救済者を
 手に入れるのだ。

 あるいはこんな言葉。

 他者から言葉で非難されたなら、 
 十分に気をつけて、そのことを喜べ。
 同じ修行をしている仲間たちに対する
 鈍感さをなくせ、
 しゃべるときは、立派で場にかなった言葉を語れ。
 世間話に関わるようなことに
 心を向けてはならない。

  
 小中学生のスマホ依存症も顕著になってきている今、スマホを通じたネットとの付き合い方、距離の取り方は、とても大事なテーマになっています。でも、スマホ依存やネット依存(ポルノ、人の悪口、買い物依存などなど)に溺れないようにしないといけないのは、子供だけじゃないからね。われわれ大人も、まったく同じ危険にさらされているわけで。

広中平祐著『学問の発見』(講談社ブルーバックス)

父の一周忌の法要のため、高知に帰省していました。昨年夏、地上でなにが起こっているのかまったく関知していないお天道様はまっさおな夏の空を用意していましたが、今週は台風と晴れたり曇ったり、時には雨という天気を用意していました。でも、無事宿毛と東京の往復ができたことに感謝です。

羽田空港の書店で買った新書の一冊です。講談社のブルーバックスの最新刊でしょうか。でも中身は1980年代前半に、広中博士がフィールド賞を受賞したあと、もっとも先生が乗りに乗っていたころのエッセイ。

いかに広中先生が努力の人であったのか、京大からハーバードに留学されていた10年ほどの間に、金字塔となる研究をされたのか、そのことに大いに感心したのですが、ぼくがそれ以上に感心したのは、この時点でバブル崩壊後の日本企業や社会の停滞とアメリカ企業の復活を予言する指摘があったことです。あまりにも正確な予言と警告であったことに驚きました。

簡単にまとめると、以下のような警告です。

1 日本はアメリカに学ぶことはないという見方に自分は反対である。あと20年足らずで迎える21世紀という超国際化の時代を考えた時、いまここで日本は米国に学んでおかなければ、とんでもない危機に立たされるのではないか、と私は思う(注意:1980年代前半に書かれた文章です!)

2 米国は優秀な人材が工業よりもサービス業に行くため、工業が弱点となっているかもしれないが、現在取り組んでいる「再工業化」が進み工業力が高まると、有能な人材をサービス産業部門に多く抱えていることが、国際関係の上で俄然米国の強みになる。

3 米国は人種問題、女性雇用問題に取り組み、それで苦労しているかもしれないが、人材発掘、効果的な人材活用に成功すれば、21世紀に入った頃には日本は大いに考え直さなければならなくなる。

4 米国企業は長期性がないといわれるが、米国政府は、長期的な、国際的な戦略を立てている。それに対抗するものが日本にあるかというと、私にはそう思えない。

5 このように考えてみると、日本はうかうかとしてはいられないはずだ。戦後30数年経って、日本経済は「米国に追いついた。今からは追い抜く時代で、米国に学ぶものは何もない」などとはいっていられないはずだ。

あまりにも広中先生の警告が的の中心を射た指摘であったのかに驚くばかりです。

そして、このような提案もされていて、これまた現在においても有効な提案となっています。

1 よくいわれることだが、米国は研究人材を輸入する国であるのに対して、日本は研究成果を輸入する国である。

2 人材輸入主義が常識の米国に、日本人は出て行って、米国社会の中で切磋琢磨しながら生活し、日本のいい点を教え、逆に米国の長所を身につけて帰ってくるべきだ。そういう互いに貢献し合う時代が、日本のこれからに訪れるべきだと思う。

3 米国と日本はチーム作りの方法が異なる。米国は、外からいろいろな人材を引っぱってくる上に、それらの人たちは優秀であり、個性が強いから、非常に扱いにくい。そういう人たちを集めてチームをつくると、実際問題として(日本のチームが求めるような)シンクロナイズさせることは不可能だ。

4 人材の能力を生かすためには、シンクロナイズさせるかわりに、ケミカライズ(chemicalize)させることが目標となる。これは異質なものが、お互いに個性をぶつけあうことによって、「化学反応」を起こさせようという考えだ。

5 化学反応の成果を期したチームづくりは、意外なものを真剣につくらねばならないという時期にさしかかっている今日、日本人が米国という国で体験を通して学びとってくるべきことの一つだと考える。

30数年前に指摘されていることが、まったく色あせることなく、いまの日本にもあてはまること、別の言い方をすれば、30数年前から本質的な進歩を日本は遂げていないのではないかということに、愕然とします。

『奇跡の脳』(ジル・ボルト・テイラー著)

脳科学者の著者が脳卒中を経験し、回復の過程で得た洞察を記した本。脳の役割を左脳と右脳と大きくわけ、「いま、ここ」にあることの喜びを感じる右脳と、論理的で(あるいは理屈っぽくって)、あるいはちょっと攻撃的で、過去・現在・未来を把握したがる左脳をどうバランスさせていくのか。
英語の本のタイトルは、とてもいい。My Stroke of Insight. 脳卒中と衝撃、一撃というニュアンスの言葉(stroke)のひっかけ。脳卒中から回復する過程で得た洞察。翻訳者もいろいろと考えてみて、結局、「奇跡の脳」となったのでしょうが、「悟り」とか、「洞察」という言葉をもっと前面に出さなかったのはどうしてでしょうか。
ぼくは左利きで、通説的には、左利きは右脳を刺激するというようなことが言われますが、どうなんでしょうか?

この本を読んでいて思ったこと。AIには右脳、左脳って、あるのでしょうか?AIは所詮左脳しか持ちえないのでしょうか?

カイの三周忌

8月15日はカイ(1999年ー2015年)の三周忌。わが家の永遠の愛犬。
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「戦後思想を考える」(日高六郎著、岩波新書)

1980年前後に各所で発表された文章をまとめたもの。
今年6月に亡くなった日高六郎の本は、これで2冊目。前回は、6月に「戦争のなかで考えたこと」。

どの文章もとても読みやすく、著者がジャーナリスティックなセンスも持っていたことをあらためて認識しました。この本が出たころは、ぼくは大学在学中で、もしかして、この本の中にはいっている文章のひとつやふたつは、最初に発表された雑誌(たとえば朝日ジャーナル)にでた時に、読んでいたかもしれません。

なお、日高六郎については、大学1年の時の、ぼくら一橋大学P9のフランス語教師だった海老坂武先生が、東京新聞に追悼の文章を書いています。

戦争中の「滅私奉公」から、戦後「滅公奉私」の時代に代わり、その傾向はますます強くなるという観察は、30年以上たったいまに続く、著者の的確な予測であったと思います。

日高の本はもうあまり読まれていないのかもしれません。まとまった著作集のようなものは出ていないようですし、アカデミックな観点からの評価には複雑なものがあるように見えます(例:ウィキペディアで紹介されている、1958年に恩師の当時東大文学部社会学科教授尾高邦雄による、以下のような言葉。「…日高君は思いつきと構想力の天才である。それなのに、まだ自分の仕事らしい仕事を発表していない。(中略)思いつきのよさはとかくジャーナリズムから重宝がられる。それだけに、社会学プロパーからやや遠ざかつたところで仕事をしている彼に、わたくしはもう一度社会学に帰れ、と呼びかけたいのだ)

象牙の塔で生きていくには、彼は向いていなかったのかもしれませんが、視点の鋭さや文章のわかりやすさには、とても魅力のある方だと思います。

久しぶりの秋田訪問、秋田犬に愛をこめて!

全国の高等学校で情報教育を行っている先生方の集まり(全国大会)に参加するために秋田訪問。
この1、2年、秋田にはご無沙汰していますが、先輩の須賀さんが国際教養大学で客員教授を行っていた間は毎年12月に、須賀さんの授業に呼んでいただきました。今回で秋田訪問は10回くらいにはなるのでは?!
専門学校、秋田大学生協など、日ごろお世話になっている関係者を訪問。
写真は長年にわたって、試験会場としてたいへんお世話になっている、株式会社アイネックスの鎌田社長と。
(市内中心部にある、エリアなかいちの「秋田犬ステーション」前で。秋田犬は大人気!)

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秋田と言えば、秋田犬。
秋田犬と言えば、この本をぜひお読みください。
Dog Man
アメリカン・ブック&シネマ(ぼくが発行人です)で出した本で一番思い入れがある本です。

5歳の女の子に叱ってほしい大人たち

7月最終週から一週間ほど、アメリカに行ってました。昨年はどうしても離れることができない理由があって欠席したMOS世界学生大会に参加するため、ニューヨーク経由でフロリダのオーランドに。東京もメチャクチャの猛暑だったので、いつもならうんざりする夏のフロリダも快適だった。今年は4名の学生を派遣。そのうち、船橋情報ビジネス専門学校の学生、大野君がエクセル2016の部門で2位入賞。残り3名の大学生たちは、残念ながらいい結果を残すことができず、大野君が専門学校生の「意地」を発揮した結果になりました。

ところで、春に始まったNHKのクイズ番組、「チコちゃんに叱られる!」にはまっています。5歳の女の子、チコちゃんがサイコー。
憲法を捻じ曲げても平気なソーリ大臣や、裏でなにやっているかわからない大学の理事長たち、規則破ったのが見つかったら勝手に自分の給料をちょこっと減らして反省してますというポーズをとる政治家たち。「国民をなめんじゃないよ~!」と、チコちゃんにぜひ叱ってもらいたいよ。

『現代アートとは何か』(小崎哲哉著)

『現代アートとは何か』(小崎哲哉著)より。

「総じて言えば、日本という国の現況が、そのまま日本のアートシーンの現況に重なって見える。いわゆる内向き志向が強く、海外に対する関心が薄い。相変わらず言語の壁が立ちはだかり、海外事情を正確に把握している者も少ない。事なかれ主義と「忖度」が蔓延し、状況を変革しようという気概を持つ者はなかなか現れない。ポピュリズムも横行し、本物志向は避けられ、軽いものばかりがもてはやされる。独創性は忌避され、何事も右へ倣えという風潮が支配的。経済格差が広がり、多くの者がその解消は不可能だと諦めている。女性の社会進出が叫ばれる一方、男性優位で男尊女卑の実態は変わらない。
日本のアートシーンにおける問題は、ほとんどが情報や知識の欠如に起因する。同時代的な情報や知識、歴史的な情報や知識の双方である。他国の状況を知らないから、自国の状況が当たり前だと信じ込んでしまう。歴史を知らないから、小さなミスや見逃しが将来に禍根を残すことに気づかない。日本は、このままでは世界のアートシーンから取り残される。日本という国が、同じ理由で世界から取り残されることもありうるのではないか。」(412-413ページ)

この本全体に言えることですが、気持ちいいほど、著者は考えをはっきりと書かれています。

『愛国心に気をつけろ!』『群れない 媚びない こうやって生きてきた』

『愛国心に気をつけろ!』は、岩波のブックレットシリーズから。このブックレットシリーズ大好き。なんと言っても読みやすく、手軽。でも一定のクオリティはちゃんとクリアしている。「右翼」鈴木邦男からの、押し付けの愛国心には気をつけろというアドバイス。愛国心もそうだけど、親を大切にしろとか、たくさん子供を産めとか、政治家に言われる筋合いはないからね。大雨で死者もでているというのに、ニヤニヤしながら酒を呑んでいる写真を平気でネットにあげる特権階級の政治家の先生たちからは特に、ね。

『群れない 媚びない こうやって生きてきた』は、同じ早稲田の教育学部で同級生だった下重暁子と黒田夏子という二人の作家の対談。下重さんが東京新聞に連載していた半生記の中で、この本の紹介があって読んでみた。結構おもしろかった。下重さんはずけずけとはっきりモノをいう方だし、黒田さんは75歳で芥川賞受賞という最年長記録保持者。黒田さんの作品論がとてもおもしろかったし、下重さんの初体験の話も。おふたりくらいの年齢の女性のお話は迫力がある。

冷房の効いた部屋で読書するに限る

先週は金曜日、土曜日、2年ぶりに熊本、鹿児島を訪問。試験会場になっていただいているお取引先の専門学校やPCスクール、新規でお取引いただきたいと希望している地元の地銀をお伺いしました。お時間いただいた熊本、鹿児島のみなさまに感謝です。

先週は機内、ホテルで、空いた時間を利用して、『ベラスケス_宮廷の中の革命者』(岩波新書)を読みました。20代後半、縁あってなんどかスペインに導かれ、プラド美術館にも行きました。今年は久しぶりにスペインに行ってみたいなとも思っています。
つぎには、手元にある神吉敬三先生の『巨匠たちのスペイン』から「ベラスケス_生涯と芸術」を読んでみよう。ちなみに、この本の終わりに付け加えられた「神吉先生を偲ぶ」は、岩波新書のベラスケスの著者である大高保二郎先生によるもの。
狂ったように暑い今年の夏は、冷房の効いた部屋で読書するに限ります。

『確率論と私』(伊藤清著)

日本が誇る数学者、伊藤清(1915-2008)のエッセイ集。先生の著作の中で、ぼくのような数学オンチが読める本はこの本一冊のみだと確信をもっていえます。お金に頓着せず、研究にすべての時間をささげた方の成果が、ご本人の意図しない形でウォールストリートのオプション理論に応用され、金もうけの武器として利用されたという皮肉。そのことをこのエッセイ集の中で、「喜びより、むしろ、大きな不安に捉えられた」と書かれています。
先生の理論をすこしでも理解できるようになりたいものです。

映画『クワイ河に虹をかけた男』と小説『奥のほそ道』

昨年でしょうか、日本映画専門チャンネルで録画したドキュメンタリー映画を今週末、ようやく観ました。
日本の戦争責任を認めることは愛国心に欠ける非国民だと考える人もいるのかもしれませんが、そういう人たちに、この映画の主人公のことを知ってもらいたいと思います。
戦争責任を認めることが非国民だとは思いませんし、愛国心に欠けるなんて、まったく思いません。過去の間違いがあったとしたら、それを認め、許しを請うことこそ、勇気ある態度であり、愛国心ある行為ではないのか。

この映画の主人公が戦時中、通訳者としてみた泰緬鉄道の工事現場で起こったさまざまな出来事を、われわれも少し知っておいたほうがいいように思います。

ちょうど、今年、「奥のほそ道」というオーストラリア作家の作品が翻訳出版されました。すでに買ってあり、夏休みには読もうと思っています。
数年前、イギリスのブッカー賞を受賞した作品で、翻訳が出るのを楽しみに待っていた作品です。この小説も、作者の父親が日本軍の捕虜として泰緬鉄道の建設に携わったことが基になっています。

映画の中で、捕虜だったイギリス人がこんなことを言います。「日本政府は、遺憾だ(regret)と言っても、申し訳なかった(sorry)ということは言わない。遺憾なのは、あんなひどい扱いを受けたわれわれ捕虜の方だ。」「これまで何人の日本人にも会ってきたけども、何も変わらなかった。この映画で何か変化が起こるのかね。」

そう言えば、エルトンジョンの歌に、Sorry Seems To Be The Hardest Word って歌がありましたね。

映画『クワイ河に虹をかけた男」公式HP
小説『奥のほそ道』

akkoは日本のアストラッド・ジルベルト?

そんなことを考えているのはぼくだけでしょうが、My Little Lover のakkoのアルバム(acoakko debut)を聴いていてそんなことを思ってしまいました。
このアルバムが出たのはもう7,8年も前のことですが、最近、彼女のことを知りました。
とても気に入っています。Destiny のビデオはとても雰囲気があって、すばらしいです。
かつて、アストラッド・ジルベルトが大好きで、クルマの中でよく聴いていました。
アストラッド・ジルベルトも、akkoも、歌唱力という意味では、力不足かもしれませんが、とても魅力がある声と歌い方。

PS
昨夜、Celine Dionの東京ドームコンサートに行ってきました。ドームでのコンサートは20年以上ぶり。Celineの歌唱力はすばらしい!

MOS世界学生大会日本代表発表会

MOS世界学生大会2018
オデッセイコミュニケーションズで一番大切なイベントのひとつが、MOS世界学生大会の日本代表発表会。例年通り、東京国際フォーラムで本日、実施。全国から学生と学校の関係者が集まってくれました。
会場内の「仕掛け」の中で一番の人気スポットがここ。この前ですべての参加者のみなさんは記念写真を撮っていました。
参加者のみなさんはもちろんですが、準備してくれた社員および毎年お手伝いいただくお取引先のみなさんにもお礼を申し上げます。

『美しい顔』(北条裕子著)

ひさしぶりに文芸誌なるものをマジで読みました。雑誌「群像」の6月号。新人賞をとった北条裕子の『美しい顔』。東京新聞の文芸コーナーでなんどが話題になっていた作品で、ぜひ読んでみたいと思っていました。期待以上。簡潔で力強いストーリーが良かった。東北の震災で母親を亡くした17歳の少女と7歳の弟の物語。作者は東京に住み、被災地には行ったことがないそうですが。単行本になったら、また読んでみたい小説。

『戦争のなかで考えたこと(ある家族の物語)』

先日101歳でお亡くなりになった日高六郎の著作の一つ。
中国の青島で生まれ、旧制高校から東京帝大を卒業する間、学校の休みには青島にある実家に帰省していたこと、日本の言語空間に制約されることなく、日本と中国の間を行き来しながら、保守的であるが中国人に親愛的な考えを持っていた父との会話から考えを深めていったことなど、作者の成長の過程において影響を与えたさまざま出来事について、たいへん興味深く読みました。

作者の本はほかにはあまり読んだ記憶がありませんし、この方に関して、さまざまな評価があるようですが、この本に関して言うと、たいへん読みやすく、また現在の日本の東アジアにおける困難な状況を歴史的なバックグラウンドから、的確に指摘されているように思います。たいへん共感を持ったとも言えます。この本の中で指摘されている日本敗戦の原因は、残念ながらいまも変わらず残っているどころか、だんだんと強くなっているように感じます。

この半自伝的な作品を読んでいて思ったのですが、この作品を基に映画を作ってみると面白い作品になるのではないかと思いました。

芝園団地(川口市)

昨日の朝日新聞「Globe」にあった「芝園団地」(川口市)に関する記事は、外国人を受け入れることはどういうことなのか(どういうことが起こりうるのか)を考えるための、とてもいい教材だと思いました。記事を書いたGlobeの副編集長自身、この竹園団地に住んでいて、外国人住民が半数を占めるこの団地で経験するさまざまな摩擦を紹介しています。外国人住民の大半は中国人ということです。古くから住む日本人たちは高齢化が進み、新しく入ってきた外国人家族たちとは、同じ団地内に住んでいたとしても、ふたつのグループは交わらない二つの世界を形作っているということでした。
ワシントン特派員として10年アメリカに滞在した記者の方が率先して体験される日本国内の外国人との摩擦の記事は、たいへん興味深いお話でした。

「日本軍兵士_アジア・太平洋戦争の現実」(吉田裕著)

昨年末に出版された本ですが、ベストセラーになっているようです。
特攻隊やインパール作戦の悲惨さはもちろんですが、前の戦争の日本軍兵士が経験した実態のひどさ、悲惨さは想像以上です。一例をあげます。戦争が終わった後にも悩まされたという水虫の話。泥沼のようなところを、軍靴を脱ぐこともできず、半年も1年も這いずり回っていた兵士の足がどんなにひどい水虫にかかっていたのか、想像しただけでも恐ろしくなってきます。
著者の吉田先生は、近現代政治史、軍事史の研究者。
著者は1944年から敗戦までを「絶望的抗戦期」と名付けています。この期間中に、兵士を含む日本人戦没者310万人の約9割がなくなっていると推定され、年次別の戦没者を公表しない政府を非難されています(アメリカは年次別どころか、月別の死亡者も発表)。そのようなデータを発表することに、何か不都合があるのでしょうか?「知らしめず」という日本の伝統か?