『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 』(城繁幸著、筑摩新書)

 前著『若者はなぜ3年で辞めるのか』からの読者です。本書も共感を持って読ませてもらいました。
 
 (著者もそのひとりですが)東大卒業の人間が、学歴社会を批判的に論ずると、必ずでてくるのが、「東大卒の人間に学歴社会の問題を指摘する資格があるのか」というような反応。東大でたからと言って、ビジネスの世界で成功している人は少ないなと、これまでの経験から思います。特に、自営業や起業の分野で、成功している人は絶対的に少数です。逆に、東大卒のプライドが、起業や自営にはマイナスになることが多いかもしれません。日本社会が、圧倒的にサラリーマン社会になってしまっていることが、議論の閉塞感の根本にあると僕は思っています。サラリーマン(含む公務員)として生きていくことが唯一の選択肢と思い込んでいる日本の悲しさ。議論もすべて、その枠の中で、生涯賃金がどうのこうのという、現状が永遠に続くという前提にたち、かつ、夢のないレベルでの話になっています。会社説明会などでも、安定しているから公務員志望などという学生の話を聞くと、君はもう棺桶に入っているね、と言ってあげたくなります。

 著者には、弊社のポッドキャスティング、「アイディア・エクスチェンジ」に登場していただく予定になっています。お話をお聞かせいただくことを、非常に楽しみにしています。