「偽」の自分-NHK「一期一会」(東大中退し山村の生活)

僕は見なかったのですが、NHKのテレビ番組「一期一会」を見たTちゃんの話しでは、東大中退で山村に暮らす男の子にとても好感を持ったということでした。公務員になることを考えている別の大学生との会話が番組の中心だったようですが、その学生よりも、ずっといい顔(つまり活き活きとしたということ)をしていたように見えたそうです。

 別の話しですが、また「偽装」というか、企業のウソの話がでています(古紙の比率が低いにも関わらず40%利用といっていたとか)。食品に関しては厳しい見方をした僕も、この古紙の件はまだよくわかりません。確かに「偽」と言えば、「偽」なのですが、なぜこのような「ウソ」が始まったのか、本当の理由と原因を知りたいです。

 で、話は最初の男の子のことに返るのですが、僕が思うのは、企業や国の「偽」を言う前に、実は一番問いかけないといけないのは、一人ひとりの「偽」、つまり自分を「偽って」いないかどうかということ。他人や会社の「偽」を問う前に、自分の「偽」を問いかけてみることが大切なんじゃないかな。東大に本当に入りたかったの?公務員なんかに、本当になりたいの?(退屈じゃない?!)本当にその仕事がやりたいの?他人の目によく映りたいから、その選択をしたのとは違うの?

 Tちゃんの話しでは、公務員志望の大学生が、とても素直でいい子だけど、平凡でちょっとつまらなく見えたのに対して、山村で村長のもと暮らしている東大中退の男の子が、自分に偽りのない生き方をしようとしている点で、とても好感を持ったとか。

 企業や国の「偽」と、個人の生き方の「偽」とは異なる話かもしれません。でも企業や国の組織の「偽」にかかわり、あるいは「偽」を行なっている人たちは、自分自身が、「偽」の人生を生きているのではないかという気がしてしょうがないです。

スタン・ゲッツとグリーンスパン

まだ読んでいなかった7日の日経の「私の履歴書」で、前FRB議長のグリーンスパンが、16歳のとき、15歳のスタン・ゲッツと並んでサックスを習っていたとあって、びっくり!スタン・ゲッツとジョアン・ジルベルトの音楽、大好きです。スタン・ゲッツの演奏を聴いて、到底かなわないと思って、音楽の道をあきらめたなんて、おもしろい逸話。

失意泰然、得意冷然

 ある公開企業の社長をやっている知人から退任を知らせるメールが来ました。業績不振、健康問題が理由かと推察しています。

 最近の「日経ビジネス」の任天堂特集で、山内相談役がしばしば発せられる言葉として、「失意泰然、得意冷然」うまくいかない時は焦らずにゆったりとした気持ちで、好調なときにはおごることなく淡々と)があげられていました。

 僕の好きな言葉のひとつでもあります。長いキャリアのうちには、いろいろなことがありましたし、これからだってあると思っています。

地方再生物語

こんなすごい生き方をしている人がいるのかと、感動!(日経ビジネスオンライン)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20071102/139543/

「夢がなくても人は死なない」(三浦展著)

副題には、「好きな仕事を探すより、仕事を好きになりなさい」。まずこの本の冒頭にある31の、働くことに関する「教訓」が気に入りました。仕事がイヤになったときのための「御教訓カレンダー」と名づけられた、31日分の「教訓」。たとえば、こんな「教訓」が含まれています。

 人のためにするのが仕事。自分のためにするのは趣味。(第4日目)

 やりたいことがないなら、やるべきことをやれ!(第11日目)

 仕事は、その大部分が雑務である。(第16日目)

 自由は最初にあるものではなく、行為の結果である。(第20日目)

 自分らしく生きることは、孤独に生きることだ。(第26日目)

 夢は、いつか必ずかなう。ただし、ゆっくりと。(第31日目)

このあとは、著者と4人の職業人との対談。でも、この「教訓カレンダー」だけでも買ってみる価値がある本。学生は読んでも実感がないかもしれないけど、20年以上働いている身としては、これらの「教訓」には、そうだそうだと同感。

年代格差

今日の朝日新聞夕刊(社会面)によると、学生の売り手市場が続いていて、企業によっては高級ホテルで説明会を行なったり、旅行券があたる抽選会を行なったりとか。91年までが売り手市場、92年から05年くらいまでが買手市場で学生には厳しい状況(特に94年から96年は、「超氷河期!」)、それ以降は売り手市場だとか。   

 いろいろな格差が言われますが、年代による格差はひどいものだと思います。(92年以降学校を卒業した、今、30代半ば前後の年齢の諸君には同情します) 企業はこれだけ新卒採用に「熱意」を示したとしても、3年以内で2、3割が退職していくのでしょうか・・・

建築家の話

他人の仕事の話を聞くと、自分の仕事と共通する点、ユニークな点、それぞれが見えてきて、いつも勉強になります。僕が一番好きな話は、建築家が自分の仕事の写真を見せてくれながらしてくれる話です。以前、安藤忠雄の話を聞いたとき、なんてプレゼンテーションのうまい人だろうと感心したことがあります。

先月から某所で、週一回、さまざまな建築家による小規模の講演を聞いています。家を建てることは、とても複雑なプロセスで、人と人の関係(たとえば、施主と建築家、建築家と工事関係者、施主の家族関係、施主と近隣)、空間美と機能、土地の歴史、時間の経過による建物、環境、人間関係の変化など、もろもろの要因、要素を考える必要があるし、家という存在は、大きく言えば、日本人の生き方そのものの表現です。今晩は、ある若手建築家のお話をお聞きしたのですが、建築に対する思いをお聞きしていて、感動しました。建築家の仕事は決して経済的に恵まれているとは思えないのですが、それでもやり続けたいという気持ちに熱いものを感じます。家を建てることは、人生を考えることにつながると思います。

田淵節也さんの「私の履歴書」

今日から、元・野村証券会長の田淵節也さんの「私の履歴書」が始まりました。これからどのようなお話しが展開していくのか、楽しみです。「神の見えざる手」というアダムスミスの言葉が、「お天道様はお見通し」という感覚に近くて好きだ、と書かれています。

一人を以って国が興るのであれば

今朝の天声人語によると、防衛省前事務次官・守谷武昌氏の座右の銘は、「一人を以て国興り、一人を以て国亡ぶ」だったとか。中国宋代の蘇洵の言葉。

国でさえもが一人の人間によって、興亡があり、それは企業にも言えること。「一人を以って業を興す」という気概は持っていたいです。

「プログラマー現役続行」(柴田芳樹著)

初めてパソコンを買ったのは、1980年代の初め。NEC8801mk-IIで、Basicを習い始めたのですが、結局、モノに出来ませんでした。その頃は、他の勉強や遊ぶことが楽しくて、プログラミングにはどうしても興味を持てなかったのだと思います。

この本の著者、柴田芳樹さんは僕と同じ年に生まれ、九州工業大学で情報工学を専攻した方です。40代後半になった今でも、現役のプログラマーとして活躍しながら、日本で言われている「35歳プログラマー限界説」なるものは根拠なし、とされています。僕はいまさら、プログラマーを目指そうなんて、夢にも思っていないのですが、趣味ではプログラミングを勉強してみたいと思っています。

著者は、プログラマー現役続行を可能にするために、7つの要件を挙げていらっしゃいます。ただ、これらは、すべての職業人に、大なり小なり当てはまる事柄だと思います。その7つは以下のとおり。

  1. 論理思考力
  2. 読みやすいコードを書く力(ビジネスマンの場合、人に読みやすい文章、としてもいいと思います)
  3. 継続学習力
  4. コンピュータサイエンスの基礎力(コンピュータの動作原理も含めた基礎力)
  5. 朝型力(著者は朝4時に起床するそうです)
  6. コミュニケーション力
  7. 英語力

著者は、自分のお金と時間を勉強のために投資すること、それができない人間は、現役続行なんて無理だとしています。これはプログラマーだけではないと思います。われわれ一般ビジネスマンだって同じこと。グーグルで検索して、探している答えがでてこないとそのままお手上げの人間が、なんと多くなっていることか。身銭を切って勉強しない人間が伸びないのは、どの分野でも同じです。