日本製鉄のUSスティール買収案件について思う
posted at 2025.01.16
日本製鉄のUSスティール買収案件。高額の買収案件になっているなと思ってきたが、アメリカ企業の買収につきもののプレミアムを払うのはしかたないかなとも考えていた。政治家たちや労働組合の反対があり、非常にきびしい状況になっている。
市場が縮小していく日本から、世界でいちばんの成長市場であり、ルールも比較的明確なアメリカに投資する、さらには進出すると考えるのは当然だ。
でも、日本はアメリカの同盟国なんだ、USスティールのためにもなる買収を、どうして反対するのだ、と感情的になるのは間違っている。日本製鉄のトップが、バイデンと呼ぶのはよろしくない。公式発言では、バイデン大統領と呼ぶべきだ。
来週一週間ほどイギリスに行くのだが、ETA(Electric Travel Authorization)というものが必要になったことを知り、昨晩急いでオンラインで申請した。自分のパスポート写真ページやパスポートのチップに含まれる情報をスマホのセンサーで探知し、当局側のサーバーにアップして申請を行う。
アメリカも同様のESTAが必要だけど、イギリスのETAはもっと情報を提供しないといけなかった。
国境はなくならない。主権国家のしくみも変わらない。グローバル化は進むけど、それに反する動きも当然の反作用として起こってくる。ヨーロッパ主要国の中でのいわゆる右翼的、国粋主義的動きも目立つ。
国を超えての買収は当然の権利だと考えるのは気をつけた方がいい。日本製鉄の買収はいい動きだと考えているけど、それは当然の権利だと日本製鉄のトップが考え、感情的な発言につながるのはとても危ないと思う。
日本はイスラエルではないのだから。イスラエルとアメリカの関係はわれわれにはとうてい想像でもなきないほどの人的、文化的にも深いつながりがある。日本はアメリカに歯向かい、徹底的に破壊され、そしていまだに軍事的には支配されている「占領地」のような地位にある。
気をつけないと、いつまた反日的なコトバがアメリカ国内で飛び交うような時代が来るのか、わかったものではない。謙虚さを忘れないことだ。