『ドッグマン』が秋田魁新報で紹介されました。

秋田県を代表する新聞・秋田魁新報で、アメリカン・ブック&シネマの新刊『ドッグマン』が紹介されました。5月15日(日曜日)付けの書評欄(8ページ)にでています。ご紹介ありがとうございました。

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「ドッグマン」@アマゾン

アメリカン・ブック&シネマ

『ネットで生保を売ろう!』(岩瀬大輔著)

今日はネットライフの岩瀬さんを訪問。今年の夏か秋に、アメリカン・ブック&シネマから翻訳出版予定の"MBA Oath"の監訳をお願いした。(快諾いただき、ありがとうございました。岩瀬さんには、以前、小社のリレーエッセイにもご登場いただいたことがあります。→小社HP

『ネットで生保を売ろう!』は、副題に「’76生まれ、ライフネット生命を立ち上げる」とあるように、1976年生まれの岩瀬さんと、元・日本生命のエリート社員だった出口さんが、インターネットで生命保険を販売するベンチャーを立ち上げる物語で、起業を目指している人たちにはきっと参考になる本だと思う。このふたりを結びつけたあすかアセットの谷家さんは僕もちょっとおつきあいがある。30代の岩瀬さんと、50代の出口さんを結びつけたのが、ベンチャー投資やヘッジファンドを経営している40代の谷家さんというわけで、優秀な人たちが、世代を超えて結びつくというすごくおもしろい話。

起業と言えば、来週から丸の内起業塾がスタートする。塾長の須賀さんが頑張っているので、副塾長の僕も微力ながらサポートしないといけない。(→丸の内起業塾HP

「秋田犬保存会」会報

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アメリカン・ブック&シネマの新刊「ドッグマン」の広告を、社団法人秋田犬保存会の会報(平成23年3・4月号)に出稿したこともあり、会報誌を一部いただきました。ありがとうございます。

我が家の犬たちが甲斐犬ということで、我が家は甲斐犬愛護会の会員ですが、甲斐犬愛護会の会報よりも、秋田犬保存会の会報はサイズが一回り大きく、カラー写真がたくさん使われていて、ちょっと立派です。

ちなみに我が家の長男・クウ太郎君は、甲斐犬愛護会の展覧会に参加したこともありますよ(幼犬の部で入賞!)。

あ、先日、NHK「小さな旅」で、秋田犬のふるさと、大館市が紹介されていました。秋田犬といっしょに過ごす方たちが紹介されていました。とてもいい番組でした。

秋田犬保存会
アメリカン・ブック&シネマ

『変容』(伊藤整著、岩波文庫)

いま、伊藤整 (1905-1969) の作品を読む人がどれだけ残っているのか知らない。昔々読んだ、『若い詩人の肖像』からずっと気になっている作家。小樽出身、一橋大学を中退されたということも気に留まっている理由のひとつ。商売人(ビジネスマン?)を作る学校からはそれほど多くの文学者は出ていないけど、案外、文学好きは多いのではないかと思う。(僕もその末席にいる一人かもしれない)

『変容』、今回初めて、じっくり味わいながら読んだ。やはりまとまった時間がないと、いい小説は読めない。GWは本を読むためにある?

60になろうとする画家と彼を巡る同年代の男女たちの話し。今風に言うと「シニア」。この作品が発表された1968年には、シニアなんて言葉は使われていなかっただろうけど、今の「シニア」たちのために書かれた小説かと思いながら読み進んだ。この小説に書かれた世界や時間は、今年52歳になろうとする僕にとっては近未来でもある人生におけるひとつのステージ。

渡辺淳一の小説は、伊藤整のこの小説に源流があると言ったら、言い過ぎだろうか。手を替え品を替えながら『変容』のテーマに向き合い、そしてもっとエロチックな要素で読者を楽しませてくれるのが渡辺淳一かと思う。

戦後東京の交通機関が発達していく様子や新しいビルが建っていく様子も書かれていて、都市空間の小説としても読んでしまった。

久しぶりに読んだ小説らしい小説。また繰り返し読みたいと思う。

『平成幸福論ノート』(田中理恵子著)

 著者には、小社から出していた『オデッセイマガジン』の取材の際、昨年、お会いさせていただきました。1970年神奈川生まれの詩人・社会学者。以前、このグログでもご紹介した『黒山もこもこ、抜けたら荒野』(光文社新書)では、水無田気流という筆名で出版されていましたが、今回同じく光文社新書で出されたこの本では、田中理恵子という筆名(ご本名?)を使われています。どのような理由があるのか、お聞きしてみたいです。

 著者によると、『黒山もこもと、抜けたら荒野』と本書は、「昭和の鎮魂」を裏テーマとするということです。なぜ「昭和の鎮魂」が必要なのか?それは、現在の「内向き」「懐古趣味」「過度の安定志向」「保守化」という現象は、昭和が怨念化し、人々や組織にとりついているからで、その結果、幸福は遠ざけられているから。(第5章「昭和の鎮魂」から「つながりの再編」へ)

 昭和の時代、それは日本にとって歴史的にあまりにも幸運な時代環境を提供してくれた時代で、その時代環境は一変してしまった(日本をリードしてきたアメリカの凋落、右あがりの経済とピラミッド型の人口構成を前提とした年金や健康保険制度の崩壊、グローバル化の変化に取り残された日本の雇用制度などなど)にも関わらず、あるいはそうだからこそ、ますます、日本人は昭和の時代の夢から覚めようとしない。

 「昭和の鎮魂」という言葉が適当なのかどうか?1959年、昭和34年生まれの僕は、まさに昭和の時代の人間だなと、この本であらためて認識した次第ですが、僕たちから上の世代は、まだまだ昭和の時代を生きているのかもしれません。昭和の時代に区切りを付け、新しい現実の中で、新しい目標を見つけ、平成の時代にあった幸福論を作っていくことを、「昭和の鎮魂」というのであれば、まさに「昭和の鎮魂」は必要とされている作業でしょう。

 このような大きなテーマを新書で論ずるということで、浅くなりがちというところはありますが、著者のセンスやスピード感ある言葉の使い方、断定の仕方が好きです。もし機会があれば、僕のやっているポッドキャスティング「アイデアエクスチェンジ」に出ていただきたいくらいです。

『若き芸術家たちへ』(佐藤忠良、安野光雅著)

 3月30日、98歳でなくなった彫刻家・佐藤忠良と、画家・安野光雅の対談集。今月初め、中公文庫の一冊として出版された。もともと、『ねがいは「普通」」というタイトルで2002年に出版されたものを、文庫化するにあたって改題したもの。
奇をてらわず、ゆっくりと時間をかけながら、本質を極める仕事を求めつづけた「職人」の言葉。ストイックさに敬服する。

 ちなみにシベリアに3年間抑留された佐藤忠良は、その経験のことを、「彫刻家になる苦労を思えば、あんなことはなんでもないですよ」と言ったそうだ。

佐藤忠良館(佐川美術館)
佐藤忠良記念こどもアトリエ@札幌芸術の森

『グローバルキャリア_ユニークな自分の見つけ方』(石倉洋子著)

 一橋大学の大学院(国際企業戦略研究科)でずっと教えていらっしゃった石倉先生からお贈りいただいたご本。今年の4月から一橋を退職され、慶応の大学院(メディアデザイン研究科)に移られたということがお手紙に書かれてありました。

 「グローバルなキャリア」も、「ユニークな自分」も、言葉ではなんとなくわかったような感じがするけど、多くの人にとっては実感が持てないことなのかもしれない。でも、この二つとも、今に始まったことではなく、何十年も前から、日本国内にとどまらず世界に飛び出した人たちは大勢いたし、ユニークな自分を作っていくという強い意欲を持っていた人たちもいた。今だって、きっとたくさんいる(そんな若い人たちが何人かこの本の中に紹介されている)。僕だってその一人だとちょっとは自負している。だからあまり難しく考える必要なんてない。

 この本の中で石倉先生が書かれているように、最初から完璧を求めすぎないことだと思う。この本で良かったのは、石倉先生ご自身の経歴を振り返っていらっしゃる箇所。1985年、先生はハーバードビジネススクールのDBA(博士課程)を卒業し、マッキンゼーに入社されたはずだけど、その時、写真週刊誌(今はなきフォーカス?)に出ていた記事を思い出します。女性で初めてハーバードビジネススクールのドクターコースを卒業した才媛がマッキンゼーに入社、なんて記事だったような記憶。同じ年、ハーバードビジネススクールに入学する前拝見したはずです。

 この本の前には、石倉先生と黒川清さんとの共著で『世界級キャリアのつくり方』という本もあります。新著ともども、大学生、20代前半で、まだ会社人間になりきっていない若い人、海外志向の方がたに、おススメ。

『転職のバイブル2012年版』(佐藤文男著)

 著者は大学の同級生です。さらには著者である佐藤君がわざわざ僕のオフィスまで来てプレゼントしてくれた本です。なので「中立」的なご紹介ではありませんが、この本は転職だけでなく、これからのキャリアを考えているすべての社会人に参考になる情報と考え方が書かれていると、心から思いました。

 この『転職のバイブル』は2006年、2008年、2010年、そしてこの2012年版とでています。これだけよく続けて出すなと感心しています。(「継続は力なり!」)

 全体を通して、著者は率直です。

 「転職あるべき論」には以下の5つがあげられています。

1今の会社で仕事がうまくいない人は、転職先でもうまくいかない

2転職は、年齢よりも実力

3年収が高い仕事はそれだけ高い成果を求められる

4人間関係がうまくいかないから転職するという人は、転職先でもうまくいかない

5仕事に対するプロフェッショナリズムが必須。

 また、「チャンスを活かす転職成功26の鉄則」(第5章)というのがあって、このなかには、「会社に退職の意志を伝えたら、決して撤回しない」(鉄則12)とか、「引き継ぎができないなら辞めてはいけない」(鉄則13)なんていうのがあって、これらは入社前編。入社後編としては、「一事が万事!初日が肝心」(鉄則16)、「フラッシュバック症候群に負けない心」(鉄則19)、「ホームランはいらない。着実なヒットを狙え」(鉄則22)などなど、これらの鉄則も非常に参考になります。

 しばらくお休みしていますが、昨年末に行ったポッドキャスティング「アイデアエクスチェンジ」にもでてもらっています。こちらもぜひお聞きいただければ幸いです。

 著者と僕のベクトルは、在学中から続く時間軸のなかで、何年かごとに交わってきました。これからもお互い、健康で、しっかりと働き続けることができればいいなと心から思っています。

アイデアエクスチェンジ

 

 

「はやぶさ」式思考法(川口淳一郎著)

 久しぶりに心の底から共感し、同感し、また称賛する本に出会った。副題には「日本を復活させる24の提言」とあるけども、日本の復活の前に、まず個人の力の復活が必要で、ここにある24の提言はまず我々個々人の復活のために重要な提言だと思いながら読んだ。

 僕自身、日本の学校教育の産物の一人だと自覚している。その結果として、減点法の思考の罠に陥りがちだし、教科書に書かれた過去のことを学ぶことを良しとしてきたのかもしれない。そんな風に自分自身のことをずっと感じ、自分自身の「バカの壁」はそんなところにあるとも思ってきた人間なので、この本を読みながら著者の提言には心から同感もし、著者の提言をどう自分の日々の仕事の中、生き方の中に生かしていくべきかを考え続けていきたいと思っている。

 はやぶさプロジェクトのことなど、昨年新聞等で騒がれるまで一切知らなかった。最近、著者である川口さんが新聞に書かれたエッセイやコメントを読んで非常におもしろい方だなと思い、この本を読んでみたが、期待以上の内容の本だった。社内でも非常におススメの本として紹介している。

 今朝、同じ著者による別の本(『はやぶさ、そうまでして君は』)という本を買った。この本の副題は、「生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話」とある。この本もすごく楽しみ。

『シンプルに生きる』(ドミニック・ローホー著)

 シンプルに生きるというのは、ずっと憧れていることのひとつだけど、なかなか実行できてこなかった。つまるところ、単なる憧れ程度にしか思っていなかったから、実行してこなかったのかと反省してる。でも、51歳にもなり自分の人生の時間がもう永遠ではないことも実感するようになると、そういつまでも引き延ばしていくことはできなくなってきている。
 そもそもシンプルに生きるということが具体的にどういうことか、それを考えることが大切。そんなこともあって、いま話題になっているフランス人女性による本を読んでみた。

 アマゾンとかのコメントをチェックしてみると、この本に対して否定的なコメントが多い。でも、僕はこの本に書かれていることにはすごく共感を持つし、本当に大切なことは実行してみることだと思う。「ものを過剰に所有することをやめると、ものに対して使っていた時間が減り、自分自身にかける時間が増やせる」こと。「シンプルにすることは、暮らし全体の風通しを良くすること。ものを減らすことからはじめて、時間の使い方やひとづきあい、自分との向き合い方までシンプルにすると、心が豊かになる」こと。
 ファッションや美容のことにも具体的に触れていて、これらの章は女性を対象に書かれているのかもしれないけど、われわれ男にとっても参考になる考え方だと思った。

 各文章の最後に、先人たちの言葉、小説からの引用などがあるのだけど、クンデラの小説からは以下のような引用がある。「私は質素を私の存在の統一原則とした。必要不可欠な基本的なもののみを取っておくことに徹した。この禁欲的かつスパルタ的な方法にはどこか天の恵みが秘められていて、私はこの恵みが自分のものとなるようにこれについて瞑想した。」残念ながら、まだ僕にはこの天の恵みの後ろ姿さえも見えていない。

 この本の中にはすごく目新しいことが書かれているわけではないけども、何度も繰り返し読んでみる価値があることが書かれている。何度も読み返し、すこしずつ実行していくこと。それが一番大切。実行してみないとわからない。