円安の根本的な問題

円安が止まらない。周辺のアドバイザーたちの言うことしか聞かず、彼らは「リフレ派」ばかりだという高市早苗が首相になってから、円安が止まらない。日銀は彼女の脅しに「ビビり」、植田総
裁は病院に逃げ込んだというような「噂」さえでている。(←本当なのか?)

日本の実質金利はいまだマイナスレベルで、日米の金利差がある限り円は当面弱いとみなが口にしている。短期的(半年、1年単位の意味で使っている)にはそうなのだろうが、長期的(10年単位で使っている)理由はもっと根本的なところにあるのではないかと思う。
世界競争で見た時の日本企業の競争力の低下(アメリカと中国の企業の圧倒的存在)、デジタル分野での日本企業の存在感のなさとその結果としての「デジタル赤字」、企業の海外投資や個人の(NISAを通しての)海外株式投資。日本からどんどんお金が出ていくばかり。そしてそれらのお金の多くは、円になって返ってくることはないだろう。まさに、「縁の切れ目」!

構造的な要因、要素を見ていくと、1ドル100円前後の「円高」の時代はもう終わり、これからは1ドル150円から200円の「円安」時代に入ったと言えるのかもしれない。この「円安」というコトバは、100-120円くらいの数字になれてしまった人間が使うコトバであって、そういう人間(自分!)は、その慣れをきれいさっぱり捨て去らないといけない、と考えるようになってきた。この20年ほど慣れていた為替相場、相対的日本企業の強さの見方、モノやサービスの価格に関する感じ方を大きく書き換える必要があり、いま起こっている変化がこれから続く「現実」になるのだということ。

気軽に使っている「Unlearn」というコトバ。自分の感覚、自分のアタマの中の常識。
それらを書き換えるのは簡単ではない。

2025年を振り返る(2)

今年も円安が続いた。数日前に日銀が0.25%の利上げを発表したが円安を続いている。利上げをめぐっては大騒ぎをしているけども、他の主要経済とくらべても日本の実質金利の低さは際立っている。

先日、経団連が主催した経済セミナーで、高市政権の経済ブレーンと言われている3名のエコノミストのプレゼンとパネルディスカッションを聴く機会があった。2時間ほどの時間のなかで為替に関する議論はほとんどされなかった。「責任ある積極財政」がいかに正当なものであるかという話ばかり。ステージ上の3名は所属する組織は違えど、「同じ穴のムジナ」と言っては失礼だが、現政権の経済政策のアドバイザーと言われている人たちだ。

彼らから為替の話がほとんどなかったことはどう理解すればいいのか?彼らは世の中で一定の評価がある人たちであり、経済政策が国内だけで完結しているわけではなく、国際経済の中で日本経済があること、円安がいまの物価高の最大要因のひとつであることをよくわかっている人たちだ。そして現政権にとって物価高対策は優先事項の一つのはずだ。

いまのような状況が続く限り、来年以降も円安は続くだろう。円安が加速し、止められなくなるかもしれない。あるいはヘッジファンドがさらに円安を加速させるような動きを強めることで一ドル200円というような水準にさえ近づくことが来年はあるのかもしれない。

日本経済の停滞はもう30年になろうとしている。これまでさんざん財政政策、金融政策を繰り出してみても、根本的な経済の改善にはつながっていない。日本株が4万円、5万円と上がってきたのは、政府の経済政策のおかげではなく、個別企業の努力であったり、いわゆるコーポレート・ガバナンスや東証の改革の成果によるのではないかと思うのだが、どうだろうか。

アベノミクスからはじまりいまの高市政権の経済政策を好意的に見ている人たちも、海外旅行に行くだろう。海外の物価が日本とは比較にならないほど高く、円が現地通貨に対して悲しいほど弱いことを体験してどう考えるのだろうか。アベノミクスがいまのような円安を招いた原因だとは考えないのだろうか。

ぼくが初めてアメリカの高校に留学した1976年は一ドルあたり290円から300円前後。その次にアメリカに留学した1985年から1987年は240円前後から145円前後と、プラザ合意を経て大きく円高に動いた時期だった。

最高値だったときには一ドル78円前後まで上がった円の価値はいまその半分になった。

来年も引き続き円安がつづくのだろうか。

金融業界の「不思議な」人材交流

今日(2025年7月16日)の朝日新聞朝刊一面に、「日生社員、出向先情報持ち出し_三菱UFJ銀の社外秘資料営業利用」という記事があった。まったく理解できない習慣が続いていると思う。

この数年の間、保険業界で出向社員が出向先の企業の社外秘資料を持ち出して所属企業(出向元)に還流させていたという話がなんども出ている。
受け入れた人間に社外秘の情報を扱わせる、それも所属企業が欲しがる情報を取り扱う部門に受け入れたならば、どのような行動をとるのか、だれにだった想像できること。

どうしてこんな「人材交流」がずっと続いてきたのだろうか。これからも続くのだろうか。

銀行側に保険に詳しい人材がいないから受け入れてきたのか?それならどうして保険に詳しい人材を中途採用しないのだろうか。過去においては、三菱銀行が日本生命の社員を中途採用することはかなった(できなかった)だろうけども、いまはそういう転職もありえる時代になっている。

社外秘には個人情報や顧客企業情報もはいっているだろうか?個人情報保護はどうなっているのだろうか。これらの会社は、個人情報の保護はまったく無視なのか。(口先だけの話?)

詳しい方にこういう人材交流や出向が始まった背景をお聞きしたい。

「縮小均衡が間違いのもと」

2025年もまだ半分が終わったところだけど、CEO Of The Year という賞が贈られるとしたら、きっと日本製鉄の橋本英二会長だろう。US Steelの買収にかけた執念には感動した。もちろん、この「世紀の買収」が成功するかどうかは、10年後を見てみないとわからない。日本製鉄の株主として損した得したは二の次として、経営者の信念がどのように結実するのかをぜひ見てみたい。

今日の朝日新聞朝刊に橋本さんのインタビュー記事が出ていた。以下、印象に残った彼の発言。

*政府が鉄鋼業に関与するのは、1破綻した時の影響が大きいこと、2生産が余剰になりやすい構造であること(生産過剰をコントルールする必要があっても政府は税収や雇用への影響を考える。いまの中国)

*ビジネスは、国際的なルール、貿易のルールを見極め、その作り手に寄り添わないと負けてしまう。米国シフトはその結果である。

*新日本製鉄は、かつて日本一の製造企業だったが、トヨタ自動車に売上高で逆転された。トヨタへの営業を担当していた自分は、逆転されたのは自動車メーカーが海外事業にどんどん挑戦したきたからだ、と思い至った。

*「縮小均衡」が間違いのもと。縮小すると人材力は落ち、活力が下がり、さらなる縮小を生む。会社は、リスクを取って成長にチャレンジしないといけない。

*(日本製鉄にとって)海外事業の拡大と国内事業の維持は、車の両輪である。

週末の高知訪問

先週金曜日(3月7日)から2泊で高知に「帰省」。高知国際高校で、オデッセイコミュニケーションズの資格試験「ビジネス統計スペシャリスト」に200数十名の高校2年生たちが挑戦してくれた。試験は土曜日終日、日曜日は午前中を使って学内で実施。ぼくは土曜日午前中試験に立ち会ったあと、14時に約束していた黒潮町を訪問、大西勝也町長と面談。企業版ふるさと納税を使って町内にある県立大方高校の女子サッカー部に寄付したことで今回の面談実現となった。
黒潮町のあとには宿毛に移動。南宇和高校の同級生と夕食。
日曜日朝には宿毛から高知国際高校に引き返し、社員と合流。担当の先生方とも今回の取り組みについてお話を伺ったあと、社員たちと高知で一番の観光スポットとなっている「ひろめ市場」でかつおの藁焼きを食して空港に向かう。
今回の取り組みは高知国際高校関係者、特に高野校長先生の英断で実現した。関係者のみなさんのご決断とご協力に感謝申し上げたい。

ロンドンから帰国

ここ数年(コロナ期間中を除く)毎年この時期には、ロンドンで行われるEdutechのイベントに通っている。ロンドン中心部から地下鉄で20分ほど離れた細長いイベント会場で行われる。三日間、イベント会場内を歩き回っり疲れ切ってしまった。夕方ホテルに帰ると9時前後には寝てしまうのだけど、時差ボケがあるから2時から3時には起きてしまうという日が続いた。
右をみても、左をみても、AIというコトバが聞こえてくるイベントだった。

良品計画の株主総会、清水和音のピアノコンサート

今日はとてもいい休日だった。

今回が初めてになるが、Mujiブランドを展開する株式会社良品計画の株主総会にオンラインで参加した。ここ数年オンラインでも株主総会を公開する会社が増えとても傾向だと思う。オンラインだと質問することはできないけども、それでも十分参加する意義がある。
Twitterでも書いたのだけど、今日の株主総会には非常に満足した。株主総会の意義は、株主が普段会うこともできない会社の経営陣に直接質問することができること。にもかかわらず、株主からの質問に正面から答えようとしない経営者のいかに多いことか!
議長の堂前さんの対応がいい。経営者として自信があるから堂々とした対応ができるのだ。とてもいい印象を持った。この会社の株式は買い増ししてもいいなと思ったくらいだ。

午後からはサントリーホールであった清水和音さんのピアノリサイタルに。
お気に入りの「展覧会の絵」を聴きたくてチケットを買ったのだけど、前半に演奏されたレスピーギの「リュートのための古風な舞曲とアリア」よりと、ベートーベンの「ピアノソナタ第32番ハ短調」がものすごく良くて、とてもいいコンサートだった。
今回試しに2階の後方の席を買って聴いてみたのだけど、非常に満足した。後方席、それも2階の後方席で聴いていると、暗くなったホールが宇宙空間のように思え、ピアノから流れてくる音楽は宇宙から届く音の流れのようにも思えた。
実は先週もサントリーホールでウィーンフィルの演奏を聴いたのだけど、これは一階席の中ほどの「いい席」で聴くことができた。機会を見つけて2階席の後方で交響曲の演奏を聴いてみたい。

安田隆夫著『運』

今日から9月。今年も残り4か月。ここ数週間の日本の天候はいったいどうしたのだろうか。日本列島は台風銀座になってしまっている。

ドンキ・ホーテには数えるほどしか足を踏み入れたことがないけども企業としてはたいへん成功していることは知っていたし、創業者の本を読んであらためて認識した。タイトルは誤解を生みやすい。中身はある意味オーソドックスな経営指南書と読んだ。

Chip War: The Fight for the World's Most Critical Technology

オーディオブックで耳から読書。翻訳読むよりも値段も安かったし、翻訳版のオーディオブックよりも英語版の方が安い!
半導体が重要なことはわかっているけども、ちょっとフィーバーしすぎ。経産省もなかなか産業政策がうまくいかないから半導体では頑張ろうということなんだろうけど、ラピダスは大丈夫かな?
コロナ騒ぎの渦中では半導体不足で自動車の製造がストップしたし、いまでも手元に届くまで時間がかなりかかっていると理解している。戦争においても勝敗の行方を左右するほどの影響力があるのだろう。
お話の半分は台湾のTSMCのことで、残念ながら日本の企業については過去の栄光を語ることに重きが置かれている。ソニーの盛田さんがなんども出てくるのは、海外の読者を意識してかな。

木次乳業の創業者

不在中の新聞(1月20日の朝日新聞夕刊)に、昨年秋に亡くなった木次乳業の創業者、佐藤忠吉さんを偲ぶ記事を読んで、初めてこれまでなんども飲んできた牛乳を作る会社のことを知った。8000冊の蔵書を残した創業者のことばは、平易だけども物事の本質を突くものだ。「よく噛むこと、人の悪口を言わぬこと」「下座して学べ」。
「忠吉語録」を読んでみたいと思う。