アメリカ滞在中、ホテルのテレビでCNNの株式情報をみていたら、コメンテーターが「アメリカは消費経済。皆さんが消費しないと経済は良くなりません!」と叫んでいた。確かに、日本企業もアメリカの皆さんにモノを買ってもらって助かっているのはわかっているけど、「アリとキリギリス」の話に例えて言うと、キリギリスの役を続け過ぎではないかと思う。またわれわれ(日本、ドイツ、中国など、過剰貯蓄、過剰生産の国々)も、過度なほどにアリであり続けることを良しとしてきた面もあるかもしれないし、アメリカの消費市場に頼りすぎたし、アメリカの消費社会を「容認」し過ぎてきたと思う。アメリカと日独はどちらもバランスがとれていない。
アメリカで買って来た本の一冊は、"TINY Houses" (RIZZOLI 発行)という本なんだけど、この本は世界中の「小さな家」(100平方メートル以下の家で、7平米の家なんてのも含まれている)を紹介した写真集で、この本の前書きに著者がこんなことを書いていた。
"It seems that given an economy that runs on consumption, even the consumption of green products, there is a general feeling that it is miserly and judgmental, somehow against the American Dream, to reduce how much we take in and how much space we take up. According to the National Association of Home Builders, the average home size in the United States was 2,330 square feet in 2004, up from 1,400 square fee in 1970."
「消費社会のアメリカで、モノや空間を節約しよう、もったいないなんて言葉は、アメリカン・ドリームに反するって言われるかもしれない。アメリカの家の平均的な広さは1970年には130平方メートルだったのに、2004年には216.5平方メートルになっている。」
日本の平均的な家の広さは、100平方メートルにも達していないのではないか?
多くのアメリカ人にいくら説教しても消費社会からは抜け出せないだろうなと思う。アル中、麻薬中毒にかかっているようなものだから。(日本のパチンコ中毒やギャンブル中毒、ケータイ中毒みたいなもの?!)特に、一部の裕福な連中の消費行動にはあきれる。だからアメリカ人お得意の言い方をすれば、市場が強制しない限り、アメリカの消費社会は変わらないのだろうと思う。
もうすでに「消費から投資」の時代をさけんでいるアメリカの金融関係者はいるので、すこしずつ変わっていくことを期待しているけど、アメリカも日本同様、「ポピュリズム政治」(投票権者に厳しいことは言わず、聞きたいことだけを約束する政治、別名、増税なしのばらまき政治)だから、2012年の大統領選挙に向けて、どのような展開になるのか。
国や他の人たちのことはいいとしても、すくなくとも我が家というか、クロイヌたちと僕はモノの消費時代から卒業しつつある。「モノよりもサービス、モノよりも経験、思い出」!
→"TINY Houses"