日本経済についての認識を決定的にあらためる。

9月29日の日経新聞夕刊の二つの記事を読んで、日本経済に関する認識を根本的に改めないといけない時期にあるのだと感じた。遅すぎるのだけど。

ひとつ目は一面中ほどにある「マイクロンに1920億円補助_経産省・広島で最先端半導体」という記事。かつて、通産省(現在の経産省)は、外資系企業の日本進出を防ぎながら、日本企業が先端分野に橋頭保を築き、世界にうって出るのをサポートするのが役割だったのではないか?それが日本の産業政策として、海外の研究者にも評価されていたのではなかったか?記事によると、経産省はすでにマイクロンの広島工場に最大およそ465億円の補助を決めていたが、さらに支援を手厚くするのだそうだ。さらに記事によると、「経産省は半導体関連んお投資の補助などに2年で2兆円の予算を用意する」とか。この2兆円のうち日本企業にいく税金はあるのだろうか?一体いつから日本政府はアメリカ企業のための産業政策を実施するようになったのだ。富士通やNECはどうなったのだ。

ふたつ目の記事はマーケット・投資ページにあるコラム「十字路」に、ニッセイアセットマネジメントの社長、大関洋さんが書かれていた「円安と闘わず活用する視点を」という記事。為替相場は1980年代以来の歴史的円安水準にあるが、この基調は長期化するだろうという見方。その理由として、まず産業に占めるデジタルの役割が大きくなり、この分野の収支で米国が日本を圧倒していること。次に、モノづくりの領域で安定して外貨を稼いでいる産業が自動車と一般機械だけになっていること。そしてこのような構造変化もあって、ドル高・円安の反転を望む米国関係者が見当たらないこと。

円安の時代は始まったばかりで、これから何年続くのか?これまでの日本経済に関する認識を根本的に変えないといけない。