John Sculley On Steve Jobs

かつて一時期アップルの社長だったジョン・スカリーが語ったスティーブ・ジョブス。
John Sculley On Steve Jobs

以下、オライリーのメルマガでの紹介文。

"the full interview text is fascinating reading. Sculley gives Jobs full respect, and his insights make for very interesting reading. It’s okay to be driven a little crazy by someone who is so consistently right. What I’ve learned in high tech is that there’s a very, very thin line between success and failure. It’s an industry where you are constantly taking risks, particularly if you’re a company like Apple, which is constantly living out on the edge. Your chance of being on one side of that line or the other side of the line is about equal."

『これを見ればドラッカーが60分で分かるDVD』(PETER DRUCKER: AN INTELLECTUAL JOURNEY)

 ほとんどの経営者は、自社が永続性を持った強い組織であり、社員、取引先、そして社会にとって価値ある組織でありたいと希望しているはずです。ボクもそんな経営者の一人です。多くの経営者にとって、経営(=マネジメント)を考えつづけていく上で多くのヒントを与えてくれるのか、ピーター・ドラッカーです。ドラッカーについては、これまで何度も書いてきました。(→一番最近ドラッカーについてかいたものは、2009.11.29 ドラッカー生誕100周年記念の国際会議
 DVDのタイトル、少々安直な感じがする日本語タイトルですが、英語の原題は、"PETER DRUCKER: AN INTELLECTUAL JOURNEY" という真面目なものです。
 このDVDの中には、ドラッカー自身の発言と、彼から多大な影響を受けた主にアメリカの経営者たち(GEのジャック・ウェウルチを含む)のコメントが紹介されています。たとえば、ドラッカーはこんな発言をしています。「長過ぎた成功は、新陳代謝の妨げになる」(バブル崩壊後20年にもなろうとする日本のことでしょうか?)。あるいはこんな言葉があります。「中国ではかつては自動車は贅沢だったが、今では人々は必需品と見なしている。これがグローバル化だ。それは経済現象ではなく、心理現象だ」。
 60分の短いビデオですが、あらためてドラッカーの魅力を認識します。
 僭越ですが、ぜひ現在の日本政府の中枢にいらっしゃる政治家の皆さんに、ドラッカーを勉強していただきたいです。労働運動、学生運動のご経験はお持ちの方々は多いようですが、起業やビジネス経験をお持ちの方は少ないようにお見受けします。政府関係の方々は、ビジネスを「商売」として、官の仕事には劣るものであるとお考えの方が多いように思いますが、国益といわれるものは実はその大部分が経済的な利益のことです(特に、戦後日本において)。「雇用、雇用」と叫ぶのはいいのですが、雇用を作り、雇用を増やしていくために、どのような考え方があり、なにをしないといけないのか、ぜひドラッカーから「マネジメント」について学んでいただきたいです。かれには、非営利法人のマネジメントについても数多くの発言と著作があります。

学び続ける組織。

『ザ・トヨタウェイ』(日経BP)の著者、ジェフリー・ライカーが、「日経ビジネス」(2010年10月18日号)の巻頭インタビューで以下のような発言をしています。

1 「トヨタの強みは規模の大きさにあるのではありません。問題点を発見して、『カイゼン』を続ける企業文化にあると考えています。」

2 「米国は転職社会ですが、トヨタは長期雇用を前提に、従業員を雇っています。ベテラン社員が若手を熱心に指導して育てる。だからトヨタが重視する価値観や技能が伝承される。この文化があれば、時間がかかっても、トヨタの収益力は再び高まるでしょう。」

こういうことが、「学び続ける組織」ということだと思います。
当社も、見習いたいと思っている点です。

銀座三越を訪問した外人は日本が不況とは信じない。

 先日、テレビで特集されていたリニューアル後の銀座三越に、昼休みを利用して行ってみました。すごい人、人、人。
これだけ見ていると、日本が不況だとは誰一人、信じないと思います。絶対に確信をもって言えます。リニューアル後、まだ一週間程度だとはいえ、たいへんにぎわっていました。海外の旅行者であれば、日本のどこが不況なのかと不思議に思うはずです。今年の春、ニューヨークから来日したお取引先の方をデパ地下に案内したら、「日本は不況なんかじゃない!」とひとこと。
 うちの会社がある丸の内、そこから歩いてすぐのところにある銀座、このあたりで毎日生活している限り、日本の不況は見えてきません。(ただし、注意しているとちょっとだけ見えてきます。東京駅周辺にはホームレスが結構います)
 ここ数年、全国各地のお取引先を訪問していますが、東京だけです、それなりに回っているのは。大阪だって、福岡だって、リーマンショック以降は名古屋でさえも、調子はイマイチ。東京と東京以外の格差こそ、日本の最大の課題の一つだと思います。
 銀座三越の話に返ると、百貨店にはぜひ頑張ってもらいたいです。それほど百貨店で買い物をしたりするわけではないのですが、百貨店の良さは大切にしたいです。日本の大切な買い物文化の一つだと思います。ユニクロ、コンビニ、ネット通販だけになってしまったら、買い物はつまらなくなってしまいます。(もちろん、それらも重宝しているのですが)

 写真は、3連休中、のんびり昼寝をしていたカイ(♀甲斐犬)。(首の周りのプラスチックは、エリザベス・カラー。失明後、顔を守るために我慢して付けてもらっています) 飼い主もこんな感じで休みたいです。

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円高なのか、円安なのか?

 FTやEconomistを読んでいると、名目的には円高になっているかもしれないが、実質的にはまだ円安である、この10年ほどずっと円安であったにもかかわらず日本経済は拡大しなかった、海外市場でも日本製品のシェアはどんどん低下してきた、日本は世界の消費者が求める商品を提供できていない、グローバル市場への対応に遅れをとった。そんな記事が目につきます。
 一方、日本の新聞を読んでいると、15年ぶりの円高水準だ、急激な円高に政府はまったくの無策だ、このままでは企業はやっていけない、中小企業はもう死にそうだ。そんな記事ばかりです。
 立場が違うとこれだけ見方、感じ方が違うものかとも思います。頭では円安(理論値ではそうかもしれない)、でも気持ちで感じるものは円高(だからもっと円安にしてくれ!)というところでしょうか。
 確かに、何年か前から昨年くらいまで、日本に来る海外の友人、知人たちが口を揃えていっていたことは、「日本のホテルは安くなった」ということ。彼らにとっては円安だったのかも。彼らの羽振りもよかったのでしょうが。
 主要国の自国通貨を安くしようとする競争はどうなっていくのか?お互い、自国通貨を低くして輸出で稼いで時間稼ぎということを、順番にやりあいっこできればいいのですが。
 日本に対する主要国の本音は、これまでさんざん円安を容認してきたじゃないか、時間をあげたのに国内の規制緩和は進めず、自分から変化しようとしない、小泉以降は総理をとっかえひっかえしている。リーマン以降、こっちだって余裕ないんだからしばらく円高を受け入れなさいよ、というところでしょうか。

Jリーグの経済学(2)ー「社長・溝畑宏の天国と地獄」(木村元彦著)

 この前、レイソルの試合を観たあと思ったことを「Jリーグの経済学」として書いたら、お読みいただいた何人かの方がリンクを張ってくださいました。ありがとうございます。

 先週末、「社長・溝畑宏の天国と地獄」(木村元彦著)という本を、興味深く読みました。溝畑という人に関しては、新聞紙上で読んだこと以上は知りませんでしたが、非常に面白い人物だなと思います。大分FCの社長をやめた後、今年の1月に国土交通省観光庁長官に就任されています。新しい職務でのご活躍を心からお祈りしています。

 大分のサポーターの方々、および県関係者たちは、溝畑さんに対するさまざまなご意見があることと思いますが、木村さんがこの本で書かれている「事実」をどのように受け止められるのでしょうか。

 プロスポーツチーム、あるいはプロスポーツを主要な事業とする会社の経営は非常に困難なことだなと、あらためて思います。映画や音楽のビジネス以上に難しいのではないか?サッカーチームを経営する主要な国の企業で黒字を継続できている会社はどのくらいあるのでしょうか。

 この本に関してですが、溝畑さんという稀有なキャリア官僚以外にも、ユニークな人物が登場してきます。朝日ソーラー創業者の林さん、マルハン創業者の韓さん、市民運動家(オンブズマン)の永井さん、平松前知事などなど。皆さん、とてもユニークな方たちで、それぞれが魅力もお持ちです。特に、著者がかなりのページを使って紹介されている、マルハンの韓会長のお考えは立派だなと、共感を覚えるところがありました。在日韓国人として差別と闘いながら会社を大きくされた経営手腕や経営努力には敬意を表します。(ただ、僕の個人的な価値観としては、パチンコにはもろ手をあげて賛成というわけではありませんし、Jリーグのスポンサーの業種に関する「規制」には賛同しています)

 J2に落ちた大分はかなり苦戦しているように見えますが、ぜひJ1復帰を目指して、県、サポーター、地元企業は、一体(トリニティ)となって頑張ってください。小社はアビスパ福岡のユニフォームスポンサーとなっていますが、Jのすべてのチームを心情的には応援しています。特にこの本を読んだあとには、大分トリニータも。

 

『問題は、ビジネスセンスを磨くことだ!』(吉越浩一郎著)

 副題に「資格とスキルに頼るな!」とあって、ちっと気になって読んでみましたが、合理主義者(であると、著者のことを想像しています。お会いしたことがありませんが)らしい、またいい意味での常識人である、結果を残された経営者のお話です。(著者はトリンプインターナショナルの、それこそ、「伝説的な」経営者。2006年に退任)

 資格に関しては以下のようなことを述べられています。

・日本のビジネス社会で案外役に立つのが「資格」です。

・「資格」は、転職先に自分を売り込むときにも、有利に働きます。

・社内においても、資格を持っていることが昇進の際に有利に働くことはありうることです。

・世の中には疑問符の付く資格もありますが、TOEICなど、自分の知識レベルの証明になるようなものは活用してみてはどうでしょうか。

・職務経歴書に書ける専門性を身につけにくい日本のビジネス社会では、資格は自分のチャンスを広げていく上でかなり有効です。

・ないよりはあったほうが得をすることが多いですから、知識のベンチマークのつもりで、資格取得を目指してみるのも一つの方法だと思います。

 お会いする機会があれば、小社で行っている資格についてもご紹介させていただきたく存じます。

Jリーグの経済学。

 今日はある方にお会いさせていただくために午後都内へ。大学生のころからファンだったかたなので、お会いできてうれしかった。

 その後、柏まで行ってレイソルとヴァンフォーレのJ2一位、二位対決を見た。アウェー側には、写真のとおり、山梨から大勢のファンが来ていて力の入れようがしっかりと伝わってくる。甲府は甲斐犬たちのふるさとということもあり、甲斐犬愛護会の展覧会にもなんどか参加している我が家としてはひいきにしているチームというか、フランチャイズのひとつ。

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試合はレイソル楽勝ムードだったのに、一人退場者がでてからは完全にヴァンフォーレに試合は傾き、終わってみると2−2。最後の10分程度でやられてしまった。終了後はヴァンフォーレ勝利のムードが漂っていた。
ナイターの試合としては最高の天気で空には写真のような月が。

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 ところで、Jリーグは、一体、なんのためにやっているのだろうか?
というのは、最近発表された昨年度の各チームの収支報告を見ながら、これだけ赤字でいいのだろうか?!という素朴な質問があるからだ。これだけの規模で行われている活動であればおカネの帳尻があわないものは長続きできない。厳しい言い方をすると、黒字でないものは社会から求められていないのかもしれない。

 一見黒字になっているチームも、広告収入の比率が異常に高いところは、株主となっている企業や自治体からの実質的な補助金で支えられているということだろう。そんなところは、親の考えが変われば(日本テレビ)、子どものサッカーチームはたいへんなことになる(ヴェルディ)。

 カネの亡者なんて大嫌いだけど、カネの帳尻があっていない人間の活動は、継続できない。カネのことを忘れていられるのは子どもの特権で、大人になるとそういうわけにはいかないよ。

 J1チームの中で感心するのは山形。ここは入場料収入(3億39百万円)が、広告収入(1億94百万円)を上回る。僕の会社がユニフォームスポンサーになっている福岡よりも、入場料は多い(福岡は入場料収入2億1百万円、広告収入4億24百万円)。人口でいうと圧倒的に大きな福岡のチームが、絶対金額でも、山形のチームよりも少ないとは、残念な話だ。福岡のみなさん、もっとレベスタに行って下さい。(そして当社の資格試験も受けて下さい!)

 入場料収入>広告収入となっているチームは、山形以外では、仙台、東京Vしかない。

 プロ野球チームの経営はどうなっているのだろうか?野球の場合には、チーム名の一部に、株主企業の名前をつけることができ、それが大きな広告効果を生んでいるのだろうし、株主側には大きな満足感もあるのかもしれないが、Jリーグの場合、背中や胸にスポンサー名が入ったりする程度。アビスパの場合も、福岡市がかなりの資金援助をしてきたとお聞きしている(それは公表されていることだけど)。
 
 Jリーグの理念は立派だと思うけど、あまり「清貧の思想」にとらわれていると、継続できないし、考える事、やる事のスケールも小さくなってしまう。

 もう一度、最初の質問にかえるのだけど、Jリーグは一体なんのためにやっているのだろうか?

 土曜日の夜、満月の夜空のもと、「そこそこのレベル」の試合を楽しみ、なんとなくハッピーな気持ちなって家路に着く人達は、もしJリーグの試合がもう見られなくなったとしたら、どうするだろうか。スペインやイタリアでは、サッカーは人生の一部になっているといわれるけど、日本ではどうなんだろうか?日本にはバレーもあれば、バスケットもあり、柔道、相撲、野球などなど、遊びというか、楽しませてくれるものが、実に多い。だからサッカーがなくなると、ちょっと寂しくはあるけど、他のもので代替できるだろうか?

 試合後、グループで来ているサポーターたちの楽しそうな話に耳を傾けながら、日立のグラウンドから駅近くの駐車場まで歩いている間、そんなことを考えていた。

クルーグマンの「斬り捨て御免」

ノーベル賞受賞者は、紹介されるときには必ずそのことが枕詞になる。クルーグマンも、名前の前に「ノーベル経済学賞受賞」あるいは「ノーベル賞経済学者」がつく。この記事によると日銀なんてけちょんけちょんにされていて、ノーベル賞経済学者になると、「斬り捨て御免」なのかね。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/994

このなかで、ひとつ共感する点がある。それは以下の文章。

 「今の景気停滞は、特に若い人々をひどく傷つけている。日本だけでなく、アメリカでも大学を卒業した若者たちに仕事がない。実証的に言えることですが、これは彼らの一生をねじ曲げてしまいます。卒業後、長期間にわたって就職に失敗し続けたら、その後遺症からは一生回復できない。」

 一生回復できないかどうかはわからないけど、最初につまずくと、面倒なのは確か。だからこんな言葉も紹介しておきたい。

 「人生でもっとも輝かしい時は、いわゆる栄光の時でなく、落胆や絶望の中で人生への挑戦と未来への完遂の展望がわき上がるのを感じたときだ。」(ナイチンゲール)

Five hallmarks of the great CEOs.

From the FT article by Robert Sutton ("Separating the best CEOs from the dolts")

1 They have what psychologist John Meacham calls "the attitude of wisdom"-the courage and confidence to act on what they believe, in concert with the humility and self-doubt.

2 Good bosses do not deny or gloss over their own weaknesses.

3 They devote seemingly compulsive attention to how others respond to their words and expressions.

4 They know how to lead and join a good fight. Good bosses "fight as if you are right, and listen as if you are wrong."

5 Regardless of how well their company is doing, good leaders keep challenging their assumptions.