海外通販で靴を買う

先月、「ロンドンでデザイン、ポルトガルで製造」を売りにしているスリッパを買いました。偶然ネット広告で見つけたブランドで、北欧風のリラックスした雰囲気。海外の初めて目にするブランドで買い物をするのに少々躊躇しましたが、それほど大きな金額でもないので、試しに買い物をしてみました。スリッパといっても、靴底にプラスチックのソールをくっつけることで、外履きの靴にもなります。

この会社、海外の顧客にも送料は無料となっています。その分、少々値段は高くなっているのかもしれません。

送られてくるまで2週間ほどかかったでしょうか。大丈夫かなとちょっと気になっていたのですが、郵便物としてきちんと届きました。

アマゾンを除くと国内通販でさせもそれほど利用しているわけではなく、ましてや海外から取り寄せるなんてことは、これまでeBayでアメリカからモハメド・アリの試合のポスター数点を購入したことがあるだけ。今回、初めてヨーロッパの会社から靴を買いましたが、きちんと届き、当然といえば当然ですが感心しました。

この会社の広告が、雑誌The New Yorkerのウェブサイトで見つけたことも、試してみようと思った理由のひとつかもしれません。

日本もクールジャパンだと騒いでいますが、英語でサイトを作り海外顧客までターゲットにしている会社はどのくらいあるのでしょうか?

夏の朝に想う。

若い頃は夏が一番好きな季節だったのに、年をとるに連れて東京の夏の暑さに耐えられなくなって、冬が一番好きな季節になった。とは言っても、夏の朝は気持ちがいい。犬たちにせかされるように5時前には起きて外に出てみると、とても爽やかな朝だった。ただ6時を過ぎるとだんだん暑くなってくる。暑苦しいというほど気温はまだ高くないけど、6時半から始まるラジオ体操をやっていると、第一だけでも汗がじわっと出て来る。

新聞を読むと、東芝の歴代3社長が辞任することになったという記事が一面に出ている。利益至上主義が今回の会計操作につながっているという記事が目立つ。
ルール違反というか、反則はよくないのは当然なんだけど、利益への強い志向は企業であるかぎり当然だとも思うし、より高いレベルへの「チャレンジ」も必要だ。
東芝ほどの規模と歴史の会社の経営者は大変だろうなと想像する。バブル崩壊後、経営環境はまったく変わってしまったのに、「人を大切にする」ことを求められることで事業のドラスティックな変化はそう簡単ではない。製造業のイノベーションは、金融やサービス業の「イノベーション」と比べると、地道なR&Dが必要だろうし、長い時間もかかることだろう。社員の人たちは年功序列と終身雇用を前提として考える人たちが多いだろうから、社内から変えていくことはものすごい時間がかかるような気がする。
結果、大きな事業変革にはM&Aということになるんだけど、ほかの会社、特に欧米の会社を買ってうまく経営していくことは決して簡単じゃない。

利益を至上とすることは別にしても、利益を強く求めていくこと(もちろん反則なしでなんだけど)は、決して間違っていない。アメリカはもちろん、ヨーロッパの会社と比べても、日本企業の利益率はまだまだ低いんだから。問題は、利益率の高い事業をどうやって作っていき、使命が終わった(と思われる)事業をどうやって終了していくのか。どちらも根本には人の問題(課題)があって、新しい考えの人たちが登場し、変化していくことができない人たちは舞台から退場し、同じ社名、ブランドであったとしても、中身はすごく変わったよね、という会社であることは、とても難しい。

ニュースを聞いていると、東芝は社外取締役の数を増やすみたいだけど、事業内容をよく理解していない社外取締役をいくら増やしたって中身は変わっていかない。会社が根っこから変わっていくことは本当に難しいし、それをやり遂げることができる経営者は大したものだと思う。ぼくも会社をやっていてその難しさをとても感じている。

夏の朝、日の出前後はとてもすごしやすいけど、すぐに厳しい暑さがやってくる。ほんのひと時の心地よさを楽しんだら、忍耐の一日が始まるね。

予定通りに行かないのが人生ゲームでしょう?!2月に行けなかった金沢へ。

ベンチャー企業への投資機会があったとして、「優秀な経営陣たちと平凡なビジネスプラン」の組み合わせと、「平凡な経営陣と優れたビジネスプラン」の組み合わせの、どちらに投資すべきか?という定番のような質問があります。「正解」は、たとえ平凡なビジネスプランであっても、優秀な経営陣たちに懸けるべし、ということになっています。それは、たとえ優れたビジネスプランであっても、プラン通りに行くことなんてほとんどない。現実がプランとは違って展開していくとき、優秀な経営陣であれば、それなりに対応していくことができるだろうけど、平凡な経営陣では、想定していない状況にうまく対応していけないだろうから、ということらしいです。

いいことも、起こってほしくないことも、考えていた以上にゆれてしまうことがあるのが、人生かと思います。
なので、サッカーニッポン代表メンバーたちが、「自分たちのサッカーができなかった」という言葉をはいているのを聞くと、「そんなこと当然じゃない?!」といまさらながらあきれてしまいます。

サッカーの試合も、プラン通りにいくはずがない。だって、相手があるんだもの!ビジネスだって、相手(マクロの経済状況、競争相手、お客さん、取引先などなど)がある話で、自分たちが思い描いたとおりになんて、なることの方が珍しい。特に始めた当初は。

2月はじめに脊柱管狭窄症から来る腰痛で動けなくなり、2月中に予定していた金沢訪問はキャンセルすることになりました。明日、その金沢に行くことになっています。お会いすることになっていたお取引先の方々にお会いします。今年前半の腰痛(いまもそれは続いているのですが、少なくとも日常生活は大丈夫)も、まったく予定外。

ところで、最初にご紹介した投資に関する組み合わせですが、この設定は現実とはちょっと違っているかなという気がします。
「優秀な経営陣と優秀なビジネスプラン」の組み合わせはあっても、「平凡な経営陣と優秀なビジネスプラン」の組み合わせは、例外ではないかな?平凡な経営陣が、優秀な経営陣たちが作った優秀なビジネスプランを、失敬してきたのでない限りは。

砂漠の中の農地「サークル」

先日このブログで、砂漠らしき場所にある「サークル」について、どなたかご存知の方、お教えくださいと書きました。

ダラスからサンフランシスコまでの機内から見た風景なのですが、お二人から、これらの「サークル」が、ネバダの砂漠に作られつつある「農地」であることをお教えいただきました。東十条の王子さま、スタンフォードでお会いした伊藤さま、ご教示いただき、ありがとうございました。

American Crop Circles, Nevada

Wiki

ASTD初参加。

以前から一度行ってみたいと思っていた、ASTD(American Society for Training & Development) の全国大会に初めて参加。(会場ダラスコンベンションセンター、2013年5月20、21、22日)

オデッセイコミュニケーションズが昨年出資したアレン・インターアクションズもブースを出展。

ASTDは世界でも有数の人材育成に携わる職業人たちの集まりで、アメリカだけでなく、アジア(韓国、台湾、中国、日本など)、ヨーロッパ、ラテンアメリカからも参加者がありました。毎朝8時から講演があり、おもしろい会社や個人の方とお会いすることができました。

アレンは創業者のマイケル・アレンが主要講演者のひとりで、彼の講演には多数の人が集まり、ぎりぎりに行った僕は、一回目の講演には入場制限にひっかかり、翌日あった同じ内容の講演を聴くことになりました。

マイケルは一昨年のASTDの大会でこれまでの功績に対して表彰もされています(以下、記事へのリンク)

ASTD Presents Michael Allen with its Distinguished Contribution to Workplace Learning and Performance Award

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内からの「グローバル化」を怖れる必要はない。

うちの会社も時々新聞広告を出すので、新聞社の広告局のひとたちと、すこしばかりはおつきあいがあります。今日も、某全国紙の方がお見えになりましたが、「グローバル化の必要性を言っているうちの会社も、経営陣はまったく国際化する気なんて、ないんです」という話を聞かされました。

「どうしてないんですか?」というボクの質問に、「外の人に内情をみられると、恥ずかしいので、できないのです」というお答え。

それに対して、「大丈夫、絶対にお宅の新聞社にも、自分たちが気づいていない、素晴らしいところがあるはずだ。ひとつだけでなく、きっといくつもいいところがあるはずだ。それを自分たちがわかっていないのではないか?怖れることはない、優秀な外部の人間にも、すこしずつ見せていけばいい」と、ボクの意見を言わせてもらいました。

江戸時代の終わり、欧米諸国の力を見せられたとき、われわれの先輩たちは、必死に追いつく努力をしました。

でも、彼らは大きな間違いも犯しました。それは自分たちのいいところ、素晴らしいところを、捨てようとしたり、過小評価したこと。素晴らしい芸術作品が、二束三文の値段で海外に売られていったことは、その一例です。自分たちの歴史や文化作品の、「普遍的価値」をよくわかっていなかった。それら作品の価値を認め、評価したのは、欧米の審美家たちだった。

また、太平洋戦争では、正反対に、自分たちの立場を、相対的に観ようとせず、独りよがりになってしまったのではないか?欧米の植民地主義にたいする大義名分がなかったわけではないけども、普遍的な魅力を持つ議論に発展させ、さらにそれを自らが実践しようとしなかったことに、大きな失敗の原因があるのではないか?

うちの会社のレベルでも、海外のお取り引き先から、非常に高く評価されていることが、いくつもあります。彼らに、まねることの出来ないことが、いくつもあります。

独りよがりの自信やうぬぼれではなく、まず自分自身を知ること、自分自身を大切にすること(甘やかすことではありません)。誰にも、どの企業にも、必ずいいところはある。ましてや何十年も存在してきた企業には、絶対に素晴らしいところがあるはず。

もっと自信をもって、内側に、自分たちとは異なる人材も入れてみること。きっとそこから、本当の意味でのグローバル化が始まると思う。

これぞ「商売の心構え」!

「資本主義の精神とはなにか?」なんて大きく構えることは、ボクみたいなクロイヌには似合わないと思っているので、「商売の心構え、とは」ということで書きますが、この「謙虚、誠実、勤勉」という言葉は、ほぼ毎週末買い物に行くスーパーマーケット「OK」にある看板で、まさに「商売の心構え」そのものではないかと、いつも思っています。

それも単に「謙虚、誠実、勤勉」であれ、というのではありません。

「極めて謙虚、極めて誠実、極めて勤勉であれ」と、これ以上ないほどに、強烈なメッセージなのです。

この会社の社長は飯田勧さんと言って、ボクはお会いしたことはありませんが、新聞の広告でお顔を拝見したことがあります。飯田さんのご兄弟は、日本でも有数の起業家たちの集まりで、長兄・博さんは「岡永」会長兼「日本名門酒会」最高顧問、次兄・保さんは居酒屋チェーン「天狗」のテンアライドの最高顧問。末弟の飯田亮さんはセコムの創業者で現在最高顧問となられていますが、実際はいまなおセコムの最高実力者です。ちょっと自慢させてもらうと、数年前、ボクはこの飯田亮さんには一度だけお目にかかったことがあり、1時間ほどマンツーマンでお話させていただきました。クロイヌは飯田兄弟のファンです。


毎週末、オーケーに翌週の「ご飯」を仕入れにいくのが、クロイヌの楽しみの一つ。写真は今朝撮りました。(写真をクリックしていただくと、メッセージがよく読めます)


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Img_1179クウ太郎、今朝、動物病院で。

エチオピアから来た靴-SoleRebels

先日、BBC World Newsチャンネルの"Ideas Exchange"という番組で、30代のエチオピア女性起業家が始めたオーガニックな靴の会社のことを初めて知りました。(見た番組は、こちら→BBC News)まだ年商は決して大きくないようですが、関心を持ったのでネットで調べてみると日本でもこの会社の靴が販売されているので注文してみました。先ほど届いたのですぐに試してみましたが、柔らかく、裸足で履くのが気持ちいい靴で、とても気に入りました。

テレビで観た創業者の女性も魅力的でした。これからの展開が楽しみにな、アフリカのemerging company!

SoleRebels Japan

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空港も変わっていく予感。

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この前羽田で国内便に乗ったとき、ターミナルに伊勢丹が入っていて驚きました。セレクトショップ風の品揃えで、「ゲーテ」や「レオン」で紹介されているような「男の小物」もあり、財布を引き締めながらさっさと店内を見て歩きました。

ここ数年、鉄道や地下鉄の駅構内がどんどんシッピングエリア化しています。デパートもうかうかしていられない状況です。

国際線のターミナル内には、免税店があって、空いた時間にウィンドーショッピングを楽しんでいましたが、これからは空港内で買い物をすることがますます増えるような気がします。買い物をゆっくり楽しむというような時間的余裕がなくなっていて、移動中の「すき間時間」を利用してでも買い物をしようという消費者のニーズを、企業側が掘り起こしているということでしょうか。

海外の空港内にはミニ美術館が入っていたりします。ヒースローのターミナルにはハロッズが入っていたりもします。先日の新聞によると、羽田空港で移動中の著名人に講演をおこなってもらおうという考えもあるようです。買い物はもちろんのこと、空港内における「婚活」、「コンサート」、「講演・講義」、「写真展」などなど、いろいろなイベントがでてくるかもしれません。これまで顧客を安全に、気持ちよく移動させることが主たる役目だった航空会社や空港管理会社の提供する価値が、すこしずつ変わっていくような気がします。

サイズのインフレ

先日、雑誌「エコノミスト」を読んでいたら、過去何十年かの間で、表示されている服のサイズが大きく変わってきているという記事がありました。("Size inflation": Why a size 10 is really a size 14)サイズ10と表示してあっても、かつてのサイズ14と同じ大きさからもしれないから、自分はかつてと同じスタイルを維持できているなんて、幻想を持たないことだという趣旨の記事でした。

リンクを貼った記事にあるグラフを見てもらいたいのですが、イギリスにおいて、1975年、女性服のサイズ10はウェストが24インチだったのが、2010年には28インチちかくにまでなっています。

女性服だけでなく、男性服にも言えることらしいのです。サイズがどんどん大きくなっていくと、購買意欲に悪影響があるので、小さめのサイズ表示でお客さんをいい気持ちにしようとする風潮が続いているということです。

減量に成功する(→スタイルが改善する)と、新しいファッションに挑戦したくなるのが人間の心理かと思います。

僕の場合は、まだそれほど減量に成功していないし、たとえ減量できたとしてもいまのスタイルが改善するかどうか、怪しいもの。最近はカジュアルな服で会社に行くことが多いので、かつてほど、スーツを買ったりすることはなくなりました。でも、たまに買うときには、ひとつでも小さめのサイズの服が入ると、うれしくなったりするので、「サイズのインフレ」(あるいは「まやかしのサイズ表示」と言った方が正確かな?)の心理的効果は確かにあるなと思います。