Fake

GW前半は四国に帰省。春になってお遍路さんたちの姿を目にすることが増えています。ただ黙々と道を歩き続けることは、いまのぼくには考えられませんが、いつか自分の足で四国を一周してみたいという気持ちになるかもしれません。88ヶ所を開いた空海ほど、四国に最大の貢献をした歴史的人物はいないのではないかと思います。

日本の政治で一気にメジャーの言葉になったのが、「忖度」(そんたく)だとしたら、トランプ大統領の登場でしばしば出てくるのは、Fakeという言葉かな。フェイスブックへの書き込み、メディアの報道で、fake、つまりうそ、偽り、ニセの話が堂々とまかり通るという話。

同じようにずっと気になっているfakeがあります。それはサプリメント。サプリの市場は何兆円とはいかないでしょうが、何千億円にはなっているのではないかと思います。
最近、気になってよく読んでいるブログに、ジャーナリスト・松浦晋也さんの「介護生活敗北記」というエッセイがあります。5月11日付けの「父の死で知った『代替療法』に意味なし」という文章もいい内容だと思いました。この中で、以下のような記述があります。

「薬効のない物質でも信じてしまえば効くというプラシーボ効果が存在するので、実際は効かなくても全然構わない。集まってきた患者はプラシーボ効果で勝手に「効いた」と思ってくれるので、放っておいても「医者でも直らなかった病気が治った」と宣伝してくれる。うまくすれば歌手や俳優、スポーツ選手などの有名人が引っかかって、広告塔として役に立ってくれる。効果的な集金マシンの完成だ。」

この「プラシーボ効果」ほど、無責任な話はないとずっと思っています。これを言い逃れにして、効きもししないことがわかっているサプリメントを売り続ける企業、それを何も規制しようとしない政府。それをFakeと言わずして何がFakeなのか?

松浦さんは科学技術分野を専門とするジャーナリストだけあって、ずっとお書きになられているお母様を見送るまでの介護体験の記述もFakeではなく、Realなものだという感想を持っています。

「介護生活敗戦記」(日経ビジネスオンライン)

新入社員の力

4月が新年度の始まりという会社は多いことだろう。朝、体に馴染んでいないスーツ姿の若い人たちが街を歩いていた。
新入社員には力がある。本人たちが自覚していないだけで、周りの人間に目に見えない影響を与える。
先輩社員たちに自らが新人だった頃を思い起こさせる。それは往往にしてプラスの影響を与えてくれる力だ。
でもその力も、新人たちが職場に慣れ始めた頃には、すこしずつ弱まっていくかもしれない。中には最初から新人たちの力を感じない先輩社員もいるかもしれない。

うちの会社にも2名の新人が入って来た。彼らを迎えた我々はもっと頑張らなくちゃ。

プラスの印とマイナスの印

生まれてから死ぬまで、先生、同僚、知人・友人たち、あるいは両親から、何らかの評価を受けながら生きていくのが人間だとすると、その評価にはプラスの印となるものと、マイナスの印となるものがある。

うちの会社の事業である資格試験は、合格者に認定証という印を差し上げていて、履歴書にも合格の履歴を書く事ができる。それはプラスの印となる。

ただ、生きていく上では、マイナスの印を受けてしまう事もある。

先日、半日で終わる簡単な人間ドックを受けた際に、「医者というのは一定の異常値が見つかった時には、それに病名をつけるのが商売なので、あなたのこの数値は、◯◯症と言います。でもたいしたことではないので、気にしないで下さい」と、訳の分からないことを言われた。たいしたことないのだったら、病名をつけて呼ぶなよ、と言いたくなった。これなど、勝手にマイナスの印をつけられたようなもので、これほどいい加減でなかったとしても、世の中では、「あの人は、どこどこのエリアの出身だから」とか、「ちょっと変わった性癖がある」とか、マイナスの印(あるいはマイナスのニュアンスを持つ印)をつけたがる人も多い。

プラスでも、マイナスでもないはずの血液型、本来なら中性と言える属性なども多いのだけど、そういうものにさえ、プラスであったり、マイナスであったりの印を付けたがる人もいる。

少なくとも、プラスの印を発行していくことを生業としていることに感謝したい。特に、うちの会社で運営している資格は、一定期間頑張れば、きっと合格することができる、そんな資格がほとんどのはずだから。

Don't Stop Believing.

Happy New Year!
今年は愉快に仕事をしていきますよ。
一年を通して聞き続けようと思っている歌はこれ。
https://youtu.be/VcjzHMhBtf0

ジャパンハートの吉岡医師とワタナベさん。

久しぶりに国内のベンチャーの集まりに参加しました。今週京都で行われているInfinity Venture Summitというベンチャー・カンファレンスに初めて顔を出してみました。
ビジネスの話はもちろん面白いのですが(ドローンの話には引き込まれました!)、一番感動したのは、ミャンマーやカンボジアで小児医療にあたってきたジャパンハートの吉岡医師のプレゼンテーションでした。(→ジャパンハート代表のメッセージ

これらの国々の貧しい人たちの多くは適切な医療サービスを受ける事ができず、毎年何千人という子供たちが命を失っているということでした。心臓病を持って生まれたり、小児がんにかかった幼児たちとその親たちには悲劇的な結末が待っていて、その結末をどうにか変えようと闘っている吉岡医師の姿には感動しました。
吉岡さんの行動力やリアリズムには感心しましたし、お話をお聴きしながら、近しいひとたちの死を通して(のみ)、ぼくたちは成長するということをあらためて感じました。
また、カンボジアの医療水準が低い理由として、ポルポト政権が多くの医師を虐殺したことにあることを知り、あらためてポルポトが行った史上稀に見る残虐な行為を思い出しました。
プログラムの最後のいくつかには参加せず、京都から少し早く帰京したのですが、帰宅後夕刊をみると、月間140時間もの残業を行った末に自殺した娘さんのご両親と当時の社長だったワタナベさんが和解に同意したという記事を読みました。
ミャンマーやカンボジアの親たちが、町から遠い、遠いところにある村々から、ときには半日あるいは一日もかけて、不治の病の子供を連れて吉岡医師のところに、まさに神にもすがる気持ちでやって来る。でも多くの場合、医師には子供たちを救ってあげる事ができない。そんな話を(子供たち、家族たちの写真を見せられながら)お聴きした日に、いわゆるブラック企業に圧し潰されて亡くなっていった娘を持つ日本の親御さんの話を読み、子の健康と成長を思う親の気持ちはどこの国でも同じという普遍的な「真理」を想いました。

ワタナベさんも、吉岡さんも「強い人」だと思います。
でもその強さは、まったく違う向きに発揮されているように見えます。一方は「自分の子供」である企業の発展のために(ご自身のブログで会社と自分の関係は親と子の関係のようなものだとされています)、もう一方は貧しい国の厳しい環境の中で生きざるをえない、「他人の子供」とその母親たちのために。
政治家の仕事はとても大切だと思いますが、ワタナベさんは権力や名誉とは離れたところでご自身の強さと能力を発揮されると、もっと立派なのになと思います。

心の習慣。

習慣にはふたつある。
ひとつは心の習慣。もうひとつは身体の習慣。心の習慣をソフトウェア、身体の習慣をハードウェアというふうに安直に分けてしまうと、つまるところソフトウェアである心の習慣が身体の習慣をコントロールしているのでしょう、と言うことができるのかな。

そんな屁理屈は横においても、「心の習慣」という言葉そのものになんとなく惹かれる。平常心、動じない心、素直な心、静かに物事を受け入れる心、必要以上にものごとを悪くとらえない心、他人と自分を比較しない心、一日一日を大切にしたいと思う心、すべての生きものをいとおしく思う心。

「習慣は第二の天性」。好ましい心の習慣を持ちたい。

「飛ぶのが怖い」?!

『飛ぶのが怖い』っていうのは、20代の頃の「愛読書」のひとつ、エリカ・ジョングのベストセラー本のタイトル。
今週はその「飛ぶのが怖い」っていう心配をかかえながら、昨年末以来のアメリカ訪問を無事終了。良かった!
毎年恒例になっているマイクロソフト本社内のラーニング部門の人たちとのミーティングを済ませてきました。
2月の腰痛悪化以来、まだまったくもって本調子ではなく、このままずっと腰や足のしびれや鈍痛がずっと続くのではないかとも心配しているのですが、どうにか無事にシアトルと東京の間の往復フライトをこなすことができました。
日本のエアラインでシアトルとの直行便があるのはANAなので、もちろん、ANAにしたんだけど、使用機種がB787なので、バッテリーの故障があるといやだなと思いつつ乗りましたが、特に問題もなく快適だったのも、ラッキー!
今年はこのアメリカ訪問でGWがつぶれたんだけど、とにかく問題なく日米間のフライトをこなせたのがうれしかった。
次回のアメリカ訪問は8月第一週に予定されているMOS/ACAの世界学生大会。その前にも一度行くことがあるかもしれないけど。
しかし、今回の腰痛は本当にしぶといというか、大変だわ。さすがに今回は自分の年を実感しています。
この一週間、毎朝の水泳からも離れていたので、明日の朝からは仕事前の30分の水泳を開始します。

チャリティ・ディナーで感じたこと。

先週土曜日、都内のとある場所であったある国際的な非営利団体のチャリティ・ディナーに行きました。主にアジアの発展途上国で、子供たちの教育支援を行っている団体です。この団体のことは新聞などで知っていましたが、初めて接する機会になり、いくつか感心したことがありました。
簡単に列挙しておきます。

1今回で東京における資金集めは3回目になるとか。前回は一日で1億8千万円集めたということにびっくり。
2参加者数は300から400名程度か?半数は東京で働く外国人。(外国人の方がチャリティには積極的な印象)
3企業から寄付してもらった商品(例:海外リゾートホテル宿泊)をオークションするのだが、実際の価値の10倍にあたるような値段で落札する人たちが多かった。
4この団体は日本では寄付金が所得税控除の対象になっていないので、日本人でオークションに参加する人は少なかったのでは?
5オークションの商品の数が多数あったこと、オークションをリードしたこの団体の創設者が、参加者にむかって挑発するくらいの勢いで迫り、粘り強く高い値段で落札してもらおうとしたこともあって、終了したのは夜の11時になろうとする時間だったこと。
6団体創設者のセールスマンシップが素晴らしかったこと。

一般論ですが、しっかり稼ぎ、気前よく使うことに関しては、どうも日本人よりも海外のエリートたち(特にアメリカン人?)の方が、積極的な印象です。
カネは天下の回りモノ。しっかり稼ぎ、世の中のために使っていくことが大切かと思います。

春を望む。

2月初旬から腰痛になりこの一ヶ月ほど、さんざんな毎日が続いています。先月は数日会社を休むはめになりましたし、今月は予定していた海外出張を二つ、キャンセルすることになりました。自分の中では、飛行機に乗ることがストレス解消にもなっているところもあるので、泣く泣くあきらめました。。
鍼灸に通い、整形外科でもらったクスリはきちんと呑み、できるだけ早く良くなる努力はしています。脊柱管狭窄症という病名を言われているのですが、なんど見てもこの漢字の組み合わせって、憎々しい漢字のオンパレードだな!

これまでも何度も腰痛になっているのですが、さすが50も半ばほどになってきたためか、これま以上に回復に時間がかかっているような気がします。こうやってだんだん体力も抵抗力も回復力も落ち、そしてすこしずつ最期に向かって人間は歩んでいくのか?

この腰痛になるまでは、冬が大好きと公言していましたが、天候も腰痛には関係しているせいで、今日のように春めいた一日だと、すこし良くなったような気がしてきます。早く暖かい春になってくれないものか。桜の季節になると、腰の調子もかなりよくなりそうだし、気持ち的にも軽くなるかな。

腰痛で呻いているこの間、漫画や絵本にちょっとこっています。先週実写の映画も始まった『銀の匙」は9巻まで読んで、残るは10巻と11巻。絵本は、知人から教えてもらった『あらしのよるに』。20年ほど前にでた絵本のようですが、最近初めて知りました。「あらしのよるに」の第一巻から、「まんげつのよるに」の第7巻まで、とても楽しみました。50も半ばになろうとするのに、メイとガブのおとぎ話に感動してしまった!この絵本、どの年齢の人たちが読んでいるのだろうか?絵本の体裁をとっているけども、かなり上の年齢の人が読んで心を動かされるストーリーになっているように思うんだけど。もしかして一番感動しているのは、純真さを失った自分自身を自覚している大人たちかな?!ガブのやさしさと孤独に耐える力を持ちたい。

誕生日は札幌です。

54歳の誕生日は札幌で、お取引先の皆さんとの夕食会。
これまでのご愛顧に感謝しています!