ユタ訪問

 サンフランシスコ2泊後、昨晩は取引先訪問のためにユタに移動。サンフランシスコからの飛行機が2時間遅れたので、ユタのホテルに着いたのは真夜中を過ぎていました。われわれビジネスマンは体力勝負です。明日土曜日の飛行機で帰ります。日曜日の夕方に成田です。移動は週末に、そして月曜日から仕事。これからもしばらくは、こんなペースで仕事ができればありがたいです。
 今日は取引先の方たちとのミーティングのあと、ちょっと時間が空いたので、ホテルのそばの書店(Barnes & Noble)に連れて行ってもらいました。ここでは車なしではまったくなにもできません。写真は町と町を結ぶ道路。車に頼り切るここの人たちにとって、ガソリンの値段が上がることは生活から安定を奪っていくことを意味します。

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 どの町に行っても本屋にだけは足を運びます(自分でも書店中毒という病気だと思っています)。来月American Book & Cinema で発行することになっているビジネス本は、Knackという本です。今年発行したSmall Giants の著者による新刊です。日本語訳は、『経営の才覚』というタイトルになります。(→American Book & Cinema
Barnes & Noble でも、ビジネスコーナーにありましたよ!

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 同じくAmerican Book & Cinema で出した『ツールドフランス_勝利の礎』。ここの本屋でもサイクリングコーナーにはありました。
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サンフランシスコのボーダー書店で

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サンフランシスコのボーダーズ(本屋)の中で見かけたラブラドール。
2階に上がるエスカレーターに無理やり乗せられたときにはどうなるかなと後ろから見ていて心配になりましたが、写真の通り無事に上がることができました。(下りは大丈夫だったかな?)

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『ツールドフランス_勝利の礎』(アメリカン・ブック&シネマ刊)の英語版もちゃんとありました。

『公務員大崩落』(中野雅至著、朝日新書)

 長崎出張の行き帰りの機内で読みました。

 ポッドキャスティング「アイデアエクスチェンジ」にもご登場いただいたことがある、兵庫県立大学大学院教授、中野雅至先生による、われわれ一般向けの本。前後して、論文『天下りの研究』(明石書店)も出されていますが、これはじっくり読まないといけない本。

 帯には、「奴隷化する公務員」、霞が関、地方自治体、特殊法人、三セク、全公務員必読!とあります。

 テレビのニュースをより深く理解するために読んでおいた方がいい本です。僕は公務員志望の学生たちと、その親御さんたちにこそ、薦めたいです。公務員、特に地方公務員ですが、自宅通勤で安定した人生を送ろうなんて思っている学生と親たちに、「喝!」。

アイデアエクスチェンジ「中野雅至さんの巻」

『日本人はなぜ日本を愛せないのか』(鈴木孝夫著)

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 3、4年前に新潮社からでている本です。言語社会学者である鈴木先生の一般向けの書籍はほとんど読んでいるファンの一人です。神戸往復の飛行機の中で読み終えました。このブログでも以前書いたのですが、偶然、ある食堂で鈴木先生がご家族と食事されているのを拝見したことがあります。とても愉快なおじいちゃまという感じでの方でした。
 この本でもこれまでの鈴木先生のご意見が繰り返しでてきますので、まだ鈴木先生の本をお読みになられていない方には入門書としてオススメします。
 ボクが一層鈴木先生に親しみを感じたのは、以下の文章です。
「私は昭和のはじめ、小学生だった頃に、クロという名をつけた小型の甲斐虎(日本犬の一種)を飼っていました。私はこの犬を近くに住む桝富(ますとみ)さんという老婦人から頂いたのですが、この方は書家であった私の父のお弟子さんでした。」なんと、鈴木先生も我が家の黒犬たちと同じ甲斐犬を飼っていらっしゃったのだ!鈴木先生のファンとしてはうれしいお話。

『がんと闘った科学者の記録』(戸塚洋二著、立花隆編)

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 お取引先の皆さんとの会合のために高松訪問。ご参加いただいた皆様、ありがとうございます。相変わらず日帰り、空港と市内の往復。もう少し時間があれば、四国村に行きたかったのですが、次の機会まで待ちます。
 写真は、高松駅前のビル29階のがら空きのレストランで撮った写真。窓の向こうは、瀬戸内海です。
 先日から読みはじめた『がんと闘った科学者の記録』を高松で読み終えました。昨年お亡くなりになられた日本を代表する物理学者のお一人がブログに書かれた文章を、生前からお付き合いがあった立花隆が編集した本。
 ご自身のガンの分析やニュートリノの研究のために20年も過ごされた奥飛騨の神岡鉱山周辺の植物の紹介、ご自宅の庭で育つ花々の写真の他、神の存在に関する思索(マザーテレサは、ミッションを始めた直後から死ぬまで、神は存在しないのではないかという懐疑の念を持ち続けていたのか?)、佐々木閑先生(先日紹介した『日々是修行』の著者)との交流、科学者という人種のこと、科学者の仕事についてなど、感動しながら読み終えました。
 ご自分が到達したいと努力している人生の終末として、正岡子規の言葉を紹介されています。「悟りといふ事は如何なる場合にも平気で死ぬる事かと思って居たのは間違ひで、悟りといふ事は如何なる場合にも平気で生きて居る事であった。」(『病牀六尺』)
 先週、『病牀六尺』を含む正岡子規の本(すべて岩波文庫)を三冊買ってあります。

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『星守る犬』(村上たかし著)

 普段マンガは「読まない、買わない」ですが、数週間前に、本屋のマンガコーナーで表紙を見て買っておいた単行本。(ちなみに、その時は、めずらしくマンガを目的に本屋に行ったのです。目当ては、「パーマン」と「おばQ」。どちらも小学生の頃読んでいたマンガ)

 そのあと、新聞でこの単行本の広告を見たこともあり、昨晩、ぱっと読み、なんともいたたまれない気持ちに。弱い父親像、失業、家庭崩壊、そして自殺という話が、愛犬の目を通して描かれています。
 今日は、今年1月から8月までの自殺者が2万2千人と、最悪のペースで推移しているという記事を読みました。たまらない話です。
ロイター記事
 

Microsoft Press とオライリー出版の提携

マイクロソフトの出版部門であるMS Press が、オライリー出版と提携するようです。
ティム・オライリーのブログ

『小林多喜二_21世紀にどう読むか』(ノーマ・フィールド著)

 その人の作品がでると必ず買って読む著者のひとりが、この本のノーマ・フィールド。『天皇の逝く国で』、『祖母の国』、『へんな子じゃないもん』、すべて素晴らしい翻訳者の手によって日本語で読むことができる、この日米混血の著者による作品です。先週小樽に行ったことを書いたばかりですが、この『小林多喜二_21世紀にどう読むか』は、この本がでた今年の始めにすぐ買っておいたままになっていて、札幌への行き帰りをはさんで読み終えました。ノーマ・フィールドが英語ではなく、日本語で書いた本です。
 小林多喜二に「プロレタリア作家」とレッテルを貼る人たちに、抵抗を感じます。そんなレッテルだけで彼を論じないでくれ、と。青春のうちに死んでしまった、躍動し、正義感にあふれた精神が、「プロレタリア作家」とだけ決めつけられるなんて。昨今の格差問題に関連付けてブームになっていますが、彼を読むきっかけがそうであったとしても、彼の作品はもっと広がりを持っていると思います。
 ノーマ・フィールドの本を読むと、なぜか故・須賀敦子さんを思い出します。須賀さんも、作品がでるたびに必ず読んだ著作者のおひとり。

『脂肪と言う名の服を着て』(安野モヨコ著)

 毎週朝日新聞の日曜版にでている「オチビサン」という漫画を楽しみに見ています。主人公のオチビさんの仲間には「ナゼニ」という黒犬の友人がいます。いつも本を持ち歩いていて、調べるのが好きです。(誰かさんみたい!)
 (世の中の常識なのかもしれませんが)この前、「オチビサン」の作者の安野モヨコさんが、「働きマン」の原作者であることを知りました。そしてオデッセイマガジンの巻頭インタビューに菅野美穂さんが出てくれたとき、「働きマン」のテレビドラマが日本テレビ系列で放送されようとしていたことを思い出しました。
 オチビサンの世界を作り出している安野さんが、いろいろな漫画を書いていることを知り、ブックオフで偶然見つけて買った(100円で買いました!)のが、『脂肪と言う名の服を着て』。オチビサンの世界がユートピアとすると、『脂肪』の世界はストレスといじめのグロテスクな社会でした。
 ボクはオチビサンの世界で生きていきたいです。ちなみに、オチビサンの単行本は2巻まででていて、明日にはアマゾンから届くことになっています。
オチビサン

『たった一人の正論が日本を変える?』(吉永圭著)

 著者は、立教大学法学部法哲学の若き研究者。本の副題(「出でよ!現代の石橋湛山」)とあるように、開戦前、雑誌「東洋経済新報」に、「大日本主義の幻想」、「一切を捨つるの覚悟」の論陣をはった石橋湛山について、ゼミの学生たち、恩師である東大法学部教授・北岡伸一さん、ジャーナリスト・櫻井よしこさんとのインタビューを収録したもの。

 この本の冒頭に、日本人の特徴を表す言葉として、「村八分」、「隣百姓」という二つの言葉が紹介されています。残念ながら、現在もあてはまる言葉でしょうか?