外交専門誌『外交』
posted at 2010.10.07
知人が教えてくれた外務省発行の専門誌です。
アマゾンでも購入できますし、時事通信社出版局でも発売しています。
時事通信社出版局で、創刊号から6号まで注文しました。
→外務省
posted at 2010.10.07
知人が教えてくれた外務省発行の専門誌です。
アマゾンでも購入できますし、時事通信社出版局でも発売しています。
時事通信社出版局で、創刊号から6号まで注文しました。
→外務省
posted at 2010.10.06
試験を採用いただいている京都、大阪の大学、短大、それからお世話になっているお取引先訪問。日頃のご愛顧に心より感謝申し上げます。京都では夕食をお取引先の社長とごいっしょし、東京駅に夜11時前着の新幹線で帰ってきました。自分自身に「お疲れさま」。
行き帰りの新幹線の中で読んだのが、『日本人のための戦略的思考入門_日米同盟を超えて』。著者は『日米同盟の正体』を書かれた元外務省高官の孫崎享氏。驚いたのは、戦略的思考を学ぶために、マイケル・ポーターなどの経営理論も勉強した方がいいと、外交、防衛の専門家が書かれていること。その理由のひとつは、この本の中でも紹介されている、ベトナム戦争の責任者のひとりでもあったロバート・マクナマラ(『ベスト&ブライテスト』の主人公!)が、国防省に移る前、ハーバードビジネススクール卒業生で、フォードの社長として活躍したということもあるかな。
「日米同盟」とは、「従属関係における虚構の同盟」がその本質であるとされていて、これまで、日本がノー天気に戦略もなく金儲けに集中する事ができたのは歴史的な幸運にすぎないこと、中国が台頭し、アメリカにとってのアジアの最重要パートナーが中国にとって代わっていくなか、日本は「誰が」「なぜ、いかなる方法で日本を脅かすのか」「どう対処するのか」を考えつづける必要があるとされています。
本書の中で紹介されていることで驚いたのは、1960年代、外務省の主流派と思われるような方々の間で、対米従属路線を良しとしない考えの方たちがまだ健在だったこと。もうそのような考え方をする人は、外務省にはいなくなっていて、対米従属を続けていくことしか考えていないのではないかと、少々悲観的なコメントも。
孫崎さんは最近ネットメディアでの発言回数を増やしているようで、この前は、Uストリームで1時間ほどのインタビューを拝見しました。尖閣諸島問題でもツイッターでかなり発言されています。
京都でお取引先の社長さんからは、大学関係者も現状認識があまい方が多く、これから倒産する大学がでてくるのではないかという話がありました。さらには、日本全体がゆでカエル状況にあって、目にはっきりとは見えなくても、すこしずつ落ちている、その様子は5年、10年単位で見た時によりはっきりとしてくる。一気に落っこちるのであれば、人は対応するけども、そうでないとただ現状の中で漫然と時間を使っていく。日本の将来に非常に不安を持つ、さらには「孫の世代はだいじょうぶだろうか?」とさえおっしゃっていました。
孫崎さんの本の中で繰り返し出てくる、日本人は長期的戦略思考をいっさいしてこなかったという話に通じるものを感じます。日本全体で、戦略もふくめた経営力がますます必須になっています。
posted at 2010.10.01
朝日新聞夕刊文化ページの「私の収穫」というコラムに、大学1年生のときのフランス語の先生だった海老坂先生の連載が始まった。(海老坂先生に関しては、なんどかこのブログで書いた)
一回目の今日は、ピカソが晩年を過ごした南仏のシャトー訪問時に感じた事を書かれている。このシャトーは、セザンヌがなんども描いたサント・ヴィクトワール山の真ん前に位置し、テラスからはその山と対峙することができるそうだ。「そうか、生活のあらゆる虚飾を捨ててこうやってセザンヌと向かい合っていたのか…ピカソの精神の姿勢に触れる思いがした。どうやって裸になるか。捨てられるか。裸になったとてピカソに近づけるわけではないのだが。」
去年、今年と、海老坂ゼミだった同級生と会い、食事をすることができたのはうれしかった(その一人は、卒業以来の出会い)。
今週は、新訳がでたサルトルの「嘔吐」(人文書院)を注文した。海老坂先生はサルトルの研究者の一人で、「自由への道」の新訳を岩波文庫で出されたけど、この「嘔吐」は鈴木道彦先生の訳。鈴木先生も僕が大学在学中にはフランス語の授業を担当されていたお一人。
posted at 2010.09.30
この前上海を訪問した際に朝食をご一緒したコンサルタントの方が、「日台合併の真価」というニュースレターを書かれていました。その中で紹介されていた華人のことわざが、「寒さが骨身にしみる時期を経ずに、梅の花がどうして濃厚な香りを発するというのか」。味わいのある、いい言葉だと思いました。何度も読み返してみたいことわざです。(ちなみに、このニュースレターの中では、中国市場で一番成功しているかに見える台湾企業たちも、骨身にしみる失敗を乗り越えて来たところが多いという話が紹介されています。)
言葉と言えば、「声に出して読みたい日本語」の斎藤孝さんの『孤独のチカラ』という本が、新潮文庫の最新刊としてでています。この本は、若い人たちにおススメしたいです。生きていく過程では、必ず一度や二度は孤独の時期があります。そんな時期を持ったことがないなんて人は、よっぽどオメデタイ、薄っぺらな人です。また事をなすには、ただ一人で、水底に向かって深く、深く沈んでいき、そしてもう一度、水上に跳ね上がっていくようなプロセスを、どうしても経ないといけないのではないかとも思います。その孤独と恐怖を克服していくことが、必要になってきます。
「和して同ぜず」という言葉も好きです。表面だけでも同じことを言っていないと仲間はずれにされるような社会からは、飛び抜けて優れた人材は育ってこないです。これからの世界で、日本がこれまで同様に豊かで平和な国であるためには、もっともっと優秀な人材が必要になるはずです。たとえ「同ぜず」とも、きっと友人は見つかると思います。その友人がたった一人であったとしても、それだけでもきっと生きていく勇気になるような気がします。
最初の華人の言葉に返りますが、「寒さが骨身にしみる時期を経ずに、梅の花がどうして濃厚な香りを発するというのか」。とてもいい言葉です。
posted at 2010.09.28
今月の「私の履歴書」(日経新聞)は哲学者の木田元さん。あと数日で終わってしまうけど、今朝の回ではこれまでお世話になった編集者の方たちへのお礼の気持ちを表されている。僕の好きなみすず書房(小尾俊人さん!)、そのほか青土社、平凡社などの担当編集者のお名前がでてくる。
木田先生の「ひどく汚い原稿」を、徹夜で清書しなおして印刷に回す編集者の心配り。表にでてくるのは、スターの名前だけど、実は裏方さんたちの支えがあって作家(それは音楽家だって、スポーツ選手だってそうだろうし、会社経営における社長の立場もそうです)は仕事を進めていくことができる。
僕らの会社も、文字通り細々とですが、翻訳出版事業を行っていて、年に2冊程度、自転車や経営に関する書籍を出しています。本の選定の一番楽しい部分は僕がやらせてもらっていますが、そのあとの販売に至るまでの仕事は、一人の専任社員が汗をかいています。翻訳者の仕事もそうですが、本づくりと本の販売ほど、単純にカネのことを考えると、割に合わない仕事もないかもしれないです。
それでもやっていきたいと思うのは、魅力もあるから。
ネットと本は違う。Digital Native (生まれた時からのネット世代)もいいけど、本を買う、本を読む、本を持ち歩く、そんな楽しさを知らないなんて、ものすごい損をしていると思うけどな。
posted at 2010.09.25
今年7月にでた中公文庫からの一冊です。
2年ほど前にも黒犬通信で書いたことがある仲代達矢の自伝です。(→バックナンバー)
日本を代表する俳優の一人。彼が奥さん(元女優の宮崎恭子)といっしょに作った無名塾もすばらしいと思います。この本を読んで演技とは別のところでも彼のファンになりました。先に逝ってしまった奥さんの存在の大きかったこと!
posted at 2010.09.19
日経新聞日曜日版に連載されいている傑作エッセイ集、第一弾。今日はどこにもでないで、犬たちと遊びながらこの本を読んで過ごした。(夜は、レイソル対ジェフの千葉ダービーをテレビで観戦)
作家たちの付き合いの内幕、作家たちの個性の一部を伺うことができる。この巻で取り上げられている作家たちは、島崎藤村、間正宗白鳥、川端康成、三島由紀夫、谷崎潤一郎、佐藤春夫、舟橋聖一、丹羽文雄、稲垣足穂、宇野千代、今東光、松本清張、河盛好蔵、里見弴、荒畑寒村、岡本太郎、檀一雄、平林たい子、平野謙、遠藤周作、そして水上勉。豪華絢爛!
このエッセイだけとりあげると、瀬戸内寂聴は文壇レポーターかと、思えてくる。内容は滅茶苦茶おもしろい。そして横尾忠則の絵がいいのだ!
続編を読むのも楽しみ。
posted at 2010.09.17
株式会社アメリカン・ブック&シネマの出版作品のひとつ、『経営の才覚』。著者のひとりであるノーム・ブロドスキーは、起業家向け雑誌として有名なInc. 誌でコーナーを持っています。アメリカでももっとも有名な起業家アドバイザーです。ご参考までに。
→株式会社アメリカン・ブック&シネマ「経営の才覚」
→Inc. 誌上のノーム・ブロドスキーのコーナー
posted at 2010.09.01
副題に「資格とスキルに頼るな!」とあって、ちっと気になって読んでみましたが、合理主義者(であると、著者のことを想像しています。お会いしたことがありませんが)らしい、またいい意味での常識人である、結果を残された経営者のお話です。(著者はトリンプインターナショナルの、それこそ、「伝説的な」経営者。2006年に退任)
資格に関しては以下のようなことを述べられています。
・日本のビジネス社会で案外役に立つのが「資格」です。
・「資格」は、転職先に自分を売り込むときにも、有利に働きます。
・社内においても、資格を持っていることが昇進の際に有利に働くことはありうることです。
・世の中には疑問符の付く資格もありますが、TOEICなど、自分の知識レベルの証明になるようなものは活用してみてはどうでしょうか。
・職務経歴書に書ける専門性を身につけにくい日本のビジネス社会では、資格は自分のチャンスを広げていく上でかなり有効です。
・ないよりはあったほうが得をすることが多いですから、知識のベンチマークのつもりで、資格取得を目指してみるのも一つの方法だと思います。
お会いする機会があれば、小社で行っている資格についてもご紹介させていただきたく存じます。
posted at 2010.08.31
1961年生まれで、『「東京裁判」を読む』を半藤一利、保坂正康と共著した日経新聞の記者が、1930年生まれで昭和史をライフワークとする著作家・半藤一利に質問するインタビューをまとめたもの。
この本で半藤一利が語る日露戦争から太平洋戦争にいたるまでのリーダーたちの話を読んでいると、本当に暗い気持ちになってきます。どうしてこれだけ愚かで無責任な軍人や政治家たちが日本のトップに立っていたのか、と。それは日露戦争の勝利が危ういものだったという事実を覆い隠し、自らが作りだした「神話」と「ウソ」にのめり込んでいき、リアリズムから遠ざかっていったプロセスでもありました。
それが過去の事だけではなく、もしかして、それは現在も進行中なのではないかと思うと、さらにぞっとしてくるのです。
各章のはじめに、半藤一利の発言の引用があるのですが、以下のような言葉があります。
「戦後は戦争というものが日本人の意識からなくなっちゃった。あるのはただ悲惨とか悲劇であるとかそういうことばかりです。そこから来る平和というのは観念なんです。本当の平和論というのはそうじゃない。」(第10章平和主義こそ日本の基軸)
「近代日本は外圧によって無理やり国をこじ開けられた。日本人は一度押しつぶしされて、はい上がって、この国家を作ってきたんだという思いがあるみたいですね。そういう思いから脱却しているのは、漱石や荷風などごく少数でした。」(第8章作家たちの歴史観)
すべての章において共感する指摘を見いだしましたし、原爆投下(6日、9日)、ポツダム宣言受諾による終戦(15日)の8月に読んでおく価値のある本でした。本の帯にあるように、「大切なのはリアリズムと常識。歴史を知ることは日本人を知ること。」まったく同感です。