青野さんお薦めの、松下幸之助

 

産経新聞に連載中の「同行二人ー松下幸之助と歩む旅」という、作家・北康利さんによるノンフィクションを愛読しています。生誕から企業人としての松下幸之助の歩みを紹介してくれています。これを読んでいると、人間・松下幸之助の魅力と経営者・松下幸之助の偉大さを感じます。

 松下幸之助は、常日ごろ、「素直な心」を説いていたそうです。

 「素直な心」というのは、単に道徳やお説教の話ではなく、「物事の実相を見誤ることなく、強く正しい聡明な人生の歩みを可能にする心」ということ。松下幸之助が作ったPHP研究所から、松下幸之助の言葉を集めた文庫本がでていますので、おススメです。

Photo3_3

 この前、丸の内インターネットラジオの「アイディア・エクスチェンジ」にでていただいたサイボウズ社長の青野さんも、大学卒業後、松下電器産業のグループ会社、松下電工で働いた経験があります。そのとき、松下幸之助の本などを「読まされ」、いやでしょうがなかったそうですが、今になってみると、松下幸之助の偉大さがわかるようになり、松下電工が行なっていたさまざまな社内のイベント(たとえば、社員旅行や、社内運動会)の重要性を認識し、サイボウズ内でも取り入れようとしているというお話でした。

 松下幸之助と直接のお付き合いはなかったようですが、京セラの稲盛さんは、ある講演会で松下幸之助の話を聞いて、とても感銘を受けたということを、「同行二人」で読みました。こうやって、世代から世代へ、ひとつの想いがつながれていくのかと思います。

 

オフィスの掃除

 会社で社員に掃除をさせる会社があります。もしかして、結構多いのかもしれません。楽天の三木谷さんからも、社内の掃除は社員でやるようにしているとある朝食会で聞いたことがあります。(実際にそうしているのかどうか、詳細は知りませんが) 工場を持つメーカーなどでは、掃除がとても大切な業務の一つになっているのではないかと思います。日本の成功しているメーカーの工場は、とてもきれいです。

 僕が尊敬している経営者のお一人、日本電産の永守社長も、ダメな会社(特にメーカー)に共通している点として、社員の遅刻と汚い工場をあげていらっしゃいます。

 社内の規律や情報の漏洩、セキュリティ、社員間のコミュニケーション、そのようなことを、ずっと、いろいろと考えていて、社員(もちろん、社長も含む)が、掃除をやることのメリットはかなりあるなと思うようになりました。掃除というのは、実は奥が深い作業ではないか?!

 話が飛びますが、家の中で、掃除や皿洗いなど、子どもに手伝わせている家庭はどのくらいあるのでしょうか?子どもが自分の部屋で勉強を適当にやっていれば、大体の日本の親御さんはそれで良しとしているのでしょうか?そのような親御さんたちは、実は生きていく上で一番大切な成功の秘訣のひとつを子どもたちに教えないまま終わっていますよ!

 掃除や皿洗いを家庭でもやらないので、会社でも当然、そんなことはやらないでいい、ビル管理会社が派遣してくる清掃担当の人たちがやってくれるもの、自分はもっと「偉いのだ」と思っているサラリーマンが大半なのかもしれません。掃除をやる時間があるなら、もっと「付加価値の高い作業」を自分はやっているべきだ、と主張する声も聞こえてきそうです。

 あるいは、そのような人たちは、たぶん、「仕事をきちんとしているのだから、なんで、俺(私)が掃除なんてしないといけないのか?」となるのでしょう。そのセリフって、「勉強やっているのだから、掃除はお母さんがやってよ!」という子どもに通じるものを感じるのですが、いかがでしょうか?

 僕自身、掃除の価値を十二分に理解していませんでした。「もっと付加価値の高いことを、俺はやるべきだ!」という声の主の気持ちが分からないわけでもありません。僕もかつては結構そう思っていました。でも、実際には、掃除はすべての高付加価値作業や仕事の前提条件ですね。お寺などで修行すると、早朝から掃除をやりますが、普段の生活(家庭とオフィス)でも同じことが大切だなと思います。

 

シンガポールの活気

Singapore 昨日からシンガポールに2泊で来ています。初めてここに来たのは25年前、大学4年生のときでした。それ以来、何度か仕事で来ていますが、華僑をはじめとする複数民族が必死に働くビジネスの街として、どんどん発展していくのを感じます。こちらで会う人たちが自信に溢れているのに対して、日本は短い成熟期から衰退期にあるのではないかと怖くなってきます。頑張れ、ニッポン!

台湾での日本語学習熱

今朝の朝日新聞記事(「奔流中国21」台湾いずこへ)によると、日本語科を置く大学は台湾で50を数え、学生獲得を狙った新設が相次ぐとか。日本のアニメやドラマが好きだというのが理由。日本がハリウッド映画に憧れたように、もし日本のポップカルチャーを好きな人が世界各地で増えてくれば、さまざまなビジネスチャンスが広がっていくはず。

中国最大のクレジットカード会社

Union_pay この前、野村総研の方から、中国最大のクレジットカード会社のこと(カードの発行枚数、なんと13億枚)をお聞きしたのですが、有楽町のコメ兵でも、この会社のカード、Union Payが使えることを発見。このあたりにも、中国人観光客が多い証拠か?!

投資効果が見えない広告

大学のある集まりで、日本を代表する広告代理店の社長をされている卒業生のお話を拝聴。広告代理店の方のお話をお聞きしてよく思うこと。

1 カタカナの連発で、新しいコンセプトを打ち出そうとする。でも、どこに本質的な変化があるのか、こちらの理解不足のせいか、不明。

2 大衆、分衆、固衆、あるいは生活者など、消費者にさまざまな名前をつけたりして、個人も賢くなってきたというようなことを強調されるけど、どうやって圧倒的な広告の力でモノを買わせるかという、消費を強制する対象としての「消費者」以上の見方が感じられない。

3 時代の変化で一番分かりやすいことは、インターネットが登場したこと。そして、新聞、テレビ、ラジオ、雑誌の4媒体の中でテレビの力は若干落ちて、他は急激に落ち込んでいるということ。「広告費の使い道としてネットを入れましょう」。

4 そして一番肝心なこととして、広告の効果をはっきりとご説明いただけないこと。

 

教育と広告というのは、投資効果の測定が難しい。どちらも一定の期間、粘り強く行なわないといけないこと、ところがほんのちょっとしたことが大きな結果につながることもあるなど、その不確実性が高い。(「あの一言で、自分はやる気になった」ということもありますから)

 大学の同級生で、某社のO君の話では、「さまざまな求人媒体を使ったあげく、採用した人材は某大学の校門前に張っていたビラを見てきたひとだった。そのほか、採用した人材も、どの求人媒体を見て、面接に来たのか、それさえ、ろくに答えられない面接者ばかり」。求人媒体の商売をしているO君の会社にとっては、実に恐ろしい話だ、とか。

 そのほか、どの会社に面接に来ているのかさえ、はっきり自覚していない面接者の話とか、まあ、おもしろいというか、おかしくなった日本の現状の話をしながら、「こんな状況はおかしい」という彼の意見に頷いていた黒犬でした。

ルーマニアからの来客

2年前、大学時代の友人の紹介で東京に来たルーマニアのIT会社の連中が、今週、再来日しています。彼らは医療分野へのソリューション提供を得意とするのですが、彼らと話をしていて、優秀なだけでなく、我慢強いことに感心します。昨年夏、思ってもみなかったことですが、初めてルーマニアを訪問したときに、この会社の創業者と話をしていて、いろいろと勉強になりました。この方は、南アフリカ生まれのユダヤ人で、イギリス国籍、仕事でチャウチェスク時代のルーマニアを訪問し始め、ルーマニア人と結婚して、ルーマニアで創業。優秀な人材はいたるところにいるものだなと思います。

これまでの経験でいうと、国の経済は必ずしも大国規模でなかったり、何らかの理由で「遅れている」と見られていても、その国のトップクラスの人材は、日本に来ても必ず優秀なグループに入ると思うことがほとんどです。欧米はもちろんですが、いわゆる途上国と言われている国のリーダーたちも非常に優秀です。

 僕は政治を批判したり、マクロ経済を語るほど見識を持っているわけでもなく、自分の会社をしっかりやっていくことが第一。日本国内はもちろんのこと、結果を出している海外の経営者たちからも学ぶことはたくさんあります。

 

丸の内起業塾・須賀さんが起業家支援賞を受賞

Suga_1 Suga_2 丸の内起業塾・塾長の須賀さんが先週、中小企業庁長官から、起業家支援賞を受賞。会場が国際フォーラムだったので、僕も顔を出しました。須賀さん、これからも頑張ってください。(右の写真で前列右から3番目が須賀さん)

重視していないのは株主だけか?

ハーバードビジネススクールでは僕のひとつ上の学年で、現在はHBSリサーチセンター所属の江川雅子さんが、「株主を重視しない経営―株式市場の歪みが生み出した日本型ガバナンス (日本経済新聞社刊)を先日出されました。近いうちに拝読しようと思っています。

 海外の投資家からの圧力に対して、日本の経営者の多くが強い反発や抵抗をしめしています。僕が思うのは、それではこれら日本の経営者たちは、株主を重視しなかったとして、社員や取引先、あるいは環境問題や社会的な企業責任を本当に重視しているのだろうか?ということです。

 バブル崩壊後の多くの日本企業は、それまでのように社員(特に社員教育)を大切にしていないのではないか?取引先、特に下請け企業に対する姿勢は公正なのか?環境問題は本気になって対応しているのか?(いたるところにある偽装!)

 依然として、多くの上場企業においては、株主を重視していないだけでなく、社員をはじめとする他の関係者も重視していない企業が多いのではないだろうか、という疑問があります。80年代のアメリカでは上場企業の敵対的M&Aが増えました。敵対的M&Aにはさまざまな見方がありますが、M&Aそのものには、経営に創造的な刺激をもたらし、新しい変化を生み出すプラスの面が大きいのではないかと思っています。アメリカにおけるM&Aが生み出した価値(市場価値の増大)は、それまで企業内に隠されていた非効率を大きく上回るものである、という学術的な研究結果も発表されています。日本でもそのような調査結果が、もっと知られ、積極的な議論がされてもいいのではないかと思います。

 

地方分権の難しさ

ある中央官庁の方とITを含めた経済、経営のことをお話していてでてきた話題。それは地方における経営を担える人材枯渇の問題。地方分権や地方への権限委譲をするにも、その受け皿になる人材が地方にいないということ。そして現在、地方において政治や行政を行なっている人たちに任せてしまうと、これまで以上に利権化と腐敗がひどくなるのではないかという畏れ。

 このテーマは正面から切り出せない、ある意味タブーになってしまっているテーマかもしれません。いつの時代も、どこの組織でも、つまるところ問題になるのは、人材のこと。