人間関係のメインテナンスコスト

アメリカの経営者の話を聞いていても、必ずしも長時間働いているというわけではなく、朝早く(たとえば、7時とか、7時半とか)出社、6時には帰宅、なんて人が多いようです。翻って、なぜ、こんなに日本のビジネスマンは、長時間、会社に拘束されているのでしょうか?どうも社内、社外の人間関係の(時間的な)メインテナンスコストが高いように思えてなりません。

問題解決の手段は、「飲みコミュニケーション」という人が多いようです。人間関係はビジネスの基本。でも、飲みコミュニケーションは、あくまで潤滑油で、本質的な問題解決にはなりえない。「商品開発であり、マーケティングであり、技術開発であり、もっと自分の頭でしっかり考える時間を作っていかないといけないね。」そんなことを、某社のCIOの方と話しながら、おいしい食事をごいっしょさせていただきました。

「24時間戦えますか?!」

バブルのピーク時に流行ったリゲインのCMコピーが、これ。時任三郎がでていたと記憶しています。今月連載中の、田淵節也元野村證券会長の「私の履歴書」を読んでいると、まさにこの「24時間戦えますか?」を彷彿させます。いくら仕事が好きとはいえ、毎晩宴会を済ませてまた会社に帰り、11時過ぎに田淵さんの家に立ち寄って、翌日の営業戦略を話して家路に着いていた豊田善一さん(元・野村證券副社長、その後国際証券社長)なんて、このCMそのもの。

今、このCMを生きているのは、トヨタのひとたちかな?

追伸 このCMに関して、懐かしんでいるひとたちが結構僕の周りでもいますし、ネットでもこんなページがありました。CMソングの歌詞もネットで見ることができます。懐かしい。でも今これを読んで多くの人はどう感じるのでしょうか?

「ニッポンIT業界絶望論」

先日書いた「若い人に人気のない産業は衰退する」に関連する記事。コメントの多いこと。

ニッポンIT業界絶望論

自己否定の可能性

お世話になっている先輩ビジネスマンから、企業の成功に関して、自己否定ができるかどうかということについて、以下のようなコメントをいただきました。

  • 「マイクロソフトやアップルの成功の元になっているのは、自分たちの技術や業績、成功を常に疑い、否定し続けてきたことにあるような気がしています。」

自己否定を恐れず、自分を革新していくこと。難しいけど、これを続けていくしか、企業も個人もないのかなと思います。

「若い人に人気のない産業は衰退する」

ミラクルリナックスの役員の方が書かれたブログ「ユメのチカラ」(「若い人に人気のない産業は減衰するを読んでいて、ここに書かれていることはIT業界だけの話ではないなと思います。政治、農業、漁業、役人の世界にしたって、今、その業界で働いている人たち自身が、夢を持って働いているのか、現状を変えていくための努力をしているのか(努力はしているけども、力が足りないケースも多々あると思います)。制度疲労という言い方がしばしばされますが、制度にがんじがらめにされ、創意工夫ができない状況がいたるところで見られます。そんな業界には、若い人たちは入っていかない。だから、新陳代謝も起こらない。

そんな日本の業界に入っていく必要なんてないのでは?IT業界の「重鎮」と言われている人たちの意見(@ITの記事)を読んでいても、この人たちがいる限りは駄目だなと思います。決して、銀行や大企業のシステムを作ることに価値がないと思うのではありません。でも、それら以外にもっと新しいITサービスや価値を作っていくことはこれまでも機会があったし、これからもあると思います。NTTにしろ、日立にしろ、日本の優秀なエンジニアたちの集団であるにも関わらず、シリコンバレーのようなダイナミックな新事業創出が出来てこなかったことが残念です。

僕自身は、ギークでもなく、エンジニアでもなく、野球をやったことがない人間で、球団経営を論じているようなものかもしれませんが、変革が必要なとき、その業界の人間には、必要とされる変化を起こせないということが多々あると思います。日本の課題は、異なる業界の間でのコミュニケーションがないことです。いつまでも同業の村社会の地位から外に出て行こうとしない業界の重鎮たちが、さまざまな業界の沈滞を招いています。その中には、マスコミ(新聞、放送)も含まれます。

そういう意味で、先日参加したグロビス主催のSILC(Service Industry Leaders Conference)のようなイベントには価値があります。

ここで書いたことって、実は会社にも言えます。僕の会社だって、若い人たちに、夢を持ってもらえる会社にならないと、これまで以上の発展はないと思っています。

2008年はもう始まっている

先日、『オデッセイマガジン』最新号を関係各位にお送りしました。一橋大学ビジネススクールの石倉先生から、僕が添付した手紙に書いた、「2008年はもうすでに始まっている」という言葉が心に響いた、というメールをいただきました。

「一年の計は元旦にあり」といいますが、その元旦を迎えるための準備はもうすでに始めないといけません。急に物事が変わるわけではなく、自分自身だって急に変えられるわけではないです。日常の継続的な努力が一番大切かと思います。2007年残りの時間の中、2008年のための助走開始!

5%のカイゼン(あるいはちょっとした「背伸び」)

われわれ庶民には、貯金すると利子が付くということを忘れてしまうほど、この10年以上、超低空飛行の利率しかないという状況が続いています。だから、「複利の力」なんて言われても、「それなんのこと?」という反応が当然かと思います。でも、利子の上にさらに利子が付く、複利計算を続けていると、いつの間にか、ものすごい差が出てきます。

今のような変動期の時代には、われわれ働くものは、これまで以上に、頑張っていかないと、世の中を乗り切っていけないのは確かで、銀行の利率と同じ調子で働いているようでは、サバイブなんてできないです。

貯金では、5%なんて金利は当面、無理ですが、僕らが仕事で、「毎月5%ずつ仕事のカイゼン(改善)を行っていく」としたら、1年後、どれだけ「カイゼン指数」(僕が勝手に使っている言葉です)があがるかというと、複利計算では、約1.8倍になるのです。毎月、仕事において、5%程度の背伸びをしてみる。ちょっとハードルが高いかなと思っても、5%くらいなら、「カイゼン」していく余地は誰にもあるはずです。

5%のカイゼン率を続けていくと、1年後、2年後には、その努力をしていない人の2倍、3倍の仕事力になっています。ちょっとこの差って、すごいと思いませんか?トヨタ自動車のすごいところは、この「カイゼン」を、たゆまず続けてきたことかと思います。僕はトヨタのクルマには乗っていませんが、この姿勢だけは、絶対に「買いだ!」と信じています。

名古屋経済が元気な証し

名古屋経済が元気なことは知れ渡っていることですが、こんなところにもその証しがみられるのではないかと思います。

クレジットカード会社が発行する月刊誌には、必ずレストラン紹介ページがあります。基本的に、これらはレストラン側の広告として、成り立っているはずです。僕のところに送られてくる、ある航空会社系カード会社の雑誌を見ていたら、東京のレストラン紹介が6つ、大阪1、京都2、福岡1、札幌3、横浜1、そして名古屋は東京と同じ6つ。

経済が潤うことで、名古屋にもおいしいレストランが増えていることもあるのでしょうが、広告は元気度のバロメーターでもあります。こんなところにも、名古屋経済圏が元気であることが表れているように思います。

BizInnovation 2007

0058 午前中に、東京ビッグサイトで開催中のイベントに立ち寄りました。「ビジネスのイノベーション」を感じるお話しは、あまり聞けませんでしたが、アスキーと日経BPの本を買ってきました。

パソコン「自作派」の広がり

[E:pc]パソコンのハード、ソフトのビジネスは、この10年間ほどで大きく変わってきましたが、こんな記事からも、それを感じました。(9月28日日経産業)

パソコンの自作派(必要な部品を買いそろえて組み立てる自作パソコン市場)が広がっているという記事です。自作パソコン用の部品は今年1月以降、前年期を上回っているそうです(BCN調べ)。パソコン市場全体に占める自作パソコンの比率が、昨年9月の15%から、今年7月には17%にアップ。こんなところにも、パソコン市場の変化を感じます。