社長室は簡素でいい

20年ほど前、ニューヨークの非常に有名な投資銀行のパートナーだった知人の招きで、その会社を訪問したことがあります。ここは、M&Aで欧米では有名なところで、その頃はまだパートナー制をとった未上場の会社でした。

その会社のパートナーたちは皆、最低でも年収数億から、上は数十億円のビジネスマンたちで、ビジネスウィークなどでもしばしば取り上げられるような組織でした。そこから内定をもらったのですが、自分に自信がなくて、結局、友人に迷惑をかけるような形で、そこで働く話は立ち消えになってしまいました。僕のキャリアにおける後悔のひとつです。

その会社は、オフィスにカネをかけないことで有名で、パートナーの方たちの部屋も、本当に質素なのに驚きました。それを実際に拝見したことは、その後の僕にとっては、とてもいい経験になっています。

英会話スクールNOVAの社長の部屋が、弁護士によって公開されています。正直言って、趣味が悪いなというのが印象ですが、それは別にしても、社長室に6000万も、7000万もかけるなんて、信じられない話です。いくら儲かっていたとしても。

知り合いの会社などを訪問して、社長室に通されると、その人の趣味や、社員の人たちの部屋と比べて、どのくらいお金をかけているのかが分かって、おもしろく思います。僕の会社よりも小さな会社の社長が、立派な部屋を作っているのをみて、驚くことがしばしばあります。

僕は社長室は簡素で、機能的であれば、それで十分だと思っています。

ふわり

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Wired Vision編集長の江坂さんと久しぶりに会って昼食。Hot Wired(アメリカのWired日本語版)を一度終了し、最近、新たに立ち上げたのが、Wired Vision。ご自身のブログで紹介されている、ヨーロッパと日本におけるCSRの背景の違いを論じた本(「ヨーロッパのCSRと日本のCSR」)のことなど、昼食をしながらとりとめのない議論。こんな時間が僕の楽しみのひとつ。

写真はふわりと空間に浮かぶイス。(表参道)

一人を以って国が興るのであれば

今朝の天声人語によると、防衛省前事務次官・守谷武昌氏の座右の銘は、「一人を以て国興り、一人を以て国亡ぶ」だったとか。中国宋代の蘇洵の言葉。

国でさえもが一人の人間によって、興亡があり、それは企業にも言えること。「一人を以って業を興す」という気概は持っていたいです。

お世話になっている赤坂動物病院

Img_2747 カイ(我が家の♀の甲斐犬)がお世話になっている赤坂動物病院が、10月21日放送のフジテレビのドキュメンタリーで大々的に取り上げられていたようです(番組タイトルは、「動物病院の四季」)。僕は、録画で一部を拝見しました。お世話になっている柴内晶子先生の活躍ぶりも紹介されています。

カイもあと数ヶ月で9歳になろうとしています。最近、調子がわるそうなので、昨日赤坂動物病院で見てもらったら、更年期障害かもしれないということでした。赤坂動物病院のしつけ教室に通ったのが、ついこの前のことのように思っていたのですが、まさにドッグ・イヤー。人間の六倍も、七倍ものスピードで年をとっていきます。

柴内先生には、オデッセイでコンテンツを提供しているヤフーの「検定王国」でも出題していただいています。猫と犬の飼い主のための検定試験は、「検定王国」の定番コンテンツになっています。

写真は、数年前撮ったカイの写真です。首を傾げています。

「プログラマー現役続行」(柴田芳樹著)

初めてパソコンを買ったのは、1980年代の初め。NEC8801mk-IIで、Basicを習い始めたのですが、結局、モノに出来ませんでした。その頃は、他の勉強や遊ぶことが楽しくて、プログラミングにはどうしても興味を持てなかったのだと思います。

この本の著者、柴田芳樹さんは僕と同じ年に生まれ、九州工業大学で情報工学を専攻した方です。40代後半になった今でも、現役のプログラマーとして活躍しながら、日本で言われている「35歳プログラマー限界説」なるものは根拠なし、とされています。僕はいまさら、プログラマーを目指そうなんて、夢にも思っていないのですが、趣味ではプログラミングを勉強してみたいと思っています。

著者は、プログラマー現役続行を可能にするために、7つの要件を挙げていらっしゃいます。ただ、これらは、すべての職業人に、大なり小なり当てはまる事柄だと思います。その7つは以下のとおり。

  1. 論理思考力
  2. 読みやすいコードを書く力(ビジネスマンの場合、人に読みやすい文章、としてもいいと思います)
  3. 継続学習力
  4. コンピュータサイエンスの基礎力(コンピュータの動作原理も含めた基礎力)
  5. 朝型力(著者は朝4時に起床するそうです)
  6. コミュニケーション力
  7. 英語力

著者は、自分のお金と時間を勉強のために投資すること、それができない人間は、現役続行なんて無理だとしています。これはプログラマーだけではないと思います。われわれ一般ビジネスマンだって同じこと。グーグルで検索して、探している答えがでてこないとそのままお手上げの人間が、なんと多くなっていることか。身銭を切って勉強しない人間が伸びないのは、どの分野でも同じです。

日本の食は危ない?!

このブログ(黒犬通信)のテーマなんて、特にこれといったものはなく、実は、誰に読んでもらうということも意識して書いていません。(しいて言えば、会社のひとたちのことは意識しているでしょうか?)その日、その日、感じたことを、自分のためにメモしているというありさまなのですが、あえて一つテーマをあげるとすれば、「日本はヤバイ!われわれ一人ひとりがなにかやらなくては。」ということかなと思います。80年代、アメリカの学校に行っていた頃、「アメリカはヤバイ。このままでは、日本にしてやられる!」という声が、アメリカ国内に多くありました。そのときには、他人事でしたが、20年経って、立場は逆転しています。

10月1日付けの日経新聞を読んでいたら、日本の食品安全基準は、まったく当てにならない、という記事がありました。(「経営の視点」編集委員・太田泰彦) この記事によると、アセアン(東南アジア)の食品加工会社の経営者の発言として、「日本は残り物の市場。食のゴミ箱と呼ぶ人もいる」とか。日本人は、国内の安全基準が、国際的にみて極めて甘いことを知らない、ということのようです。たとえば、醤油(しょうゆ)に含まれる「3-MCPD」という化学物質は、発がん性の疑いを受けて、EUが真っ先に含有量の規制策を打ち出したそうです。この基準は、0.02ppmなのに対して、日本の業界自主規制では、1ppmとなっているそうです。

全国的にビジネスを行なっている、ある製パン会社の菓子パンは、一週間経ってもカビがはえてきません。僕が時々買う、ある小さなパン屋さんのパンは、翌日にはもう硬くなります。夏場などは油断していると、2日目にはもうカビがはえています。それに対して、一週間経ってもカビがはえてこない某大手製パンメーカーの菓子パンには、一体、どれだけの防腐剤が加えられているのでしょうか?国の基準、あるいは業界の自主規制はクリアしているのかもしれませんが、そのような基準は、上記の醤油の例同様、他の国では許されているレベルなのでしょうか?(冗談半分に、この全国展開している会社の経営者は絶対にこのパンなんて食べないだろうなと、社員のひとたちと話したことがあります。)

日本は80年代のアメリカになってしまったのでしょうか?その後、アメリカは再生を繰り返し、特に、金融とIT分野においては、圧倒的な強さを誇っています。日本の再生は?昨日、ビジョンのことを書きましたが、根本的なことから考え直す時期に日本はあるのだと思います。

ビジョンを提示する企業

きのう見たBizInnovation 2007だけでなく、各種イベント、特にIT関係のイベントなのですが、新しい生き方を訴えかけてくるようなビジョンの提案に出会うことがほとんどありません。そんなことは、本当に稀な話なのかとは思います。でも、言葉だけが上滑りしている「イノベーション」や「ブレイクスルー」でなく、自分の生活スタイルや生き方そのものを変えてみようと思わせるビジョンを提示してくれる企業がないものかと思います。残念ながら、僕の会社にはまだそのような力はありませんが、新しいビジョンを作りだしていくという気持ちだけは持ち続けていたいです。それがなくなったら、きっと会社は黒字を出していたとしても、あるいはどれだけ利益をあげていたとしても、お金儲けがうまかった会社ということで終わるのかと思います。(それだって悪くはないのですが)

BizInnovation 2007

0058 午前中に、東京ビッグサイトで開催中のイベントに立ち寄りました。「ビジネスのイノベーション」を感じるお話しは、あまり聞けませんでしたが、アスキーと日経BPの本を買ってきました。

若いうちの苦労は買わなくてもいい

「若いうちの苦労は、買ってでもしたほうがいい」というのは、日本人の好きなことわざのひとつかもしれません。かつては、僕もそう思っていました。が、この頃は、必ずしもそうとは言えないと思うようになりました。

若いうちの苦労を糧にして、大きく成長する人も確かにいます。でも、苦労を乗り越えられる人は、案外、少ないのではないでしょうか?それよりも、苦労が原因で、すねてしまったり、被害者意識を持つようになったりする人のほうが、多いような気がします。これは僕の偏見かもしれません。反対意見の方もいらっしゃることと思います。

若いうちに買うべきなのは、「苦労」ではなく、成功している人たちから学ぶ機会のように思います。僕の周りを見ていても、若いうちに、成功している人たちに接することが出来た人、彼らを身近に見ることの出来た人のほうが、成功する確率が高いように思います。若い頃に接した成功者たちは、若者にとっての夢となり、目標となります。成功した人たちが、なぜ成功したのか、どれだけ努力しているのか、そういうことを見聞きしながら、勉強していくことのほうが、「苦労」なんかよりも、ずっと価値があります。

つまらない「苦労」は、弱い凡人にとっては、プラスよりも、マイナスの結果につながるように思います。素晴らしい師に恵まれ、すくすくと育った素直な人は、幸せです。

yaginuma.comの写真

元・マイクロソフトで、山形県在住の柳沼さんのブログからアクセスが増えているので、どうしたのかと思って久しぶりにチェックすると、黒犬通信にリンクを貼っていただいていました。(→-1℃は寒い) 柳沼さん、ありがとうございます。

柳沼さんのお撮りになられた写真を拝見していると、丸の内界隈から、つかの間でいいので、山形の大井沢町にワープしたくなります。

yaginuma.com

追記

マイクロソフトのある南新宿についで、有楽町の丸井の地下にも、話題のドーナッツ屋ができています。1時間も、2時間も待っても食べたくなるほど、ここのドーナッツはおいしいのでしょうか?柳沼さんではありませんが、1時間も、2時間も待って買うので、おいしくなるのでしょうか?そんな時間の余裕がない大人になってしまった黒犬には、1、2時間も待つ人たちは、理解できなくなりました。

丸の内夜景

0055 オデッセイコミュニケーションズのオフィスから歩いて数分のところに、最近できた話題のホテル、ペニンシュラ。オープンして数週間ほどの頃、一度、ロビーを歩いてみましたが、ミーハーのおばさん、お姉さんたちで一杯!このホテルの敷地面積はそれほど大きくなく、ロビーもかなりこじんまりしています。ロビーのカフェで軽い食事や飲み物をしたい女性たちの列が、ホテル内で、50メートルくらい続いているのは、異常な風景でした。ペニンシュラほどのホテルであれば、入場制限すればいいのにと思ったくらい。

写真は、タクシーの車中からケータイ・カメラで撮ったペニンシュラホテル(右側)。

「反骨のコツ」(朝日新書)

1913年生まれ、今年93歳になる元・最高裁判事であり、日本の刑事訴訟法の大家である團藤重光と、65年生まれで、音楽家でもあり、東大大学院情報学環准教授でもある伊藤乾(「東大式絶対情報学」著者)の対談。團藤先生が熱心な死刑廃止論者であることを知りました。陽明学を支えとする先生が、勧める反骨のコツ。法学部でありながら、まじめに法律を勉強しなかった僕が、今頃、團藤先生の本を買うなんて、夢にも思っていなかったです。

なお、以下のブログには、東大式絶対情報学の読者ブログに、著者の伊藤氏からのコメントが届き、こういう形で、著者と読者が結びつきうるのかと、おもしろく拝見しました。→40代真面目気分

「天才数学者・失踪の謎」

昨晩見逃したNHKスペシャル。明日深夜の再放送を楽しみにしています。昨年、9月3日の黒犬通信で紹介した、グレゴリー・ペレルマンを取り上げたテレビ番組です。

和田裕美さんにとって「仕事・働くこと」

株式会社ペリエの和田裕美さんに、「仕事・働くこと」をお聞きしています。オデッセイコミュニケーションズのHPに掲載している、リレー・エッセーをご覧ください。→こちら

パソコン「自作派」の広がり

[E:pc]パソコンのハード、ソフトのビジネスは、この10年間ほどで大きく変わってきましたが、こんな記事からも、それを感じました。(9月28日日経産業)

パソコンの自作派(必要な部品を買いそろえて組み立てる自作パソコン市場)が広がっているという記事です。自作パソコン用の部品は今年1月以降、前年期を上回っているそうです(BCN調べ)。パソコン市場全体に占める自作パソコンの比率が、昨年9月の15%から、今年7月には17%にアップ。こんなところにも、パソコン市場の変化を感じます。

「暴走老人!」(藤原智美著)

10月8日号の日経ビジネス(「著者に聞く」のコーナー)で、ノンフィクション作家・藤原智美さんの話しを読みました。

今の世の中、老人にとって暮らしにくい社会になっている。それはITを使いこなせているかどうかが原因のひとつだ。携帯電話やパソコンは単なる便利な道具ではなく、生活の基盤になりつつあり、この事態に対応できない老人は焦りを抱えているのではないか?情報難民となっていることが、老人の暴走につながっている。こういう趣旨のお話でした。

老人がITを使えること、あるいは老人にも使えるITであること。子供や学生だけにとってのITリテラシーではなく、老人にとってこそ、ITリテラシーは切実な話しだとあらためて思いました。

仕事、健康、家族のバランス

朝日新聞夕刊の「ニッポン人脈記」で過剰なほど勤務時間の長い職場の話がでています。この10年ほどで急成長した人材派遣会社で、ある社員が、食事も睡眠もとらず、20キロもやせるほど働いたというのは、異常です。(この派遣会社の多くの社員がそのような働き方をしているのかどうか、それは記事からはわかりませんんが)

仕事、健康、家族との時間、それらのバランスが取れないと、長期安定的に仕事を続けていくことは難しいのではないかと思います。もちろん、短期的には、集中してやらないといけない時期もあります。それは当然なのですが、会社しかない人生で、いいのでしょうか?会社の経営者である僕が言うのもおかしな話かもしれませんが、会社のためだけ、言い換えると、会社に利益をあげるためだけの人生なんて、ごめんこうむりたいです。社員のひとたちには、当然、ベストを求めますが、かつてバブルの頃に使われた言葉で言えば、「社畜」なんかに、絶対、なってほしくないです。

われわれには、生きていくためには会社が必要ですし、会社は利益を上げていかないといけません。でも、仕事、健康、家族のバランスが必要だし、仕事の生産性を挙げていくこと、ユニークな商品やサービスを提供することで、価格だけ、労働時間だけの競争に陥らないことが大切です。蛇足ですが、家族をばらばらにするという意味で、日本ではめずらしくない単身赴任は、決して、ほめられた話ではないと思っています。

MCASで(Vistaを除く)すべての科目がそろいました

会社の宣伝をさせてください。

マイクロソフト・オフィスの最新版、オフィス2007対応のエンドユーザー試験、Microsoft Certified Application Specialist (MCAS)の試験がそろいました(MCASから追加されたVista試験を除く)。すでにスタートしているExcel 2007、Word 2007に加えて、Powerpoint 2007, Access 2007, Outlook 2007対応の試験が、先週、リリースされました。詳細は、こちらへ。

[E:sun]今日はいい天気でしたね。朝7時半から、オデッセイ社員のHさんといっしょに、2時間ほどサイクリングをしました。少々風が強かった以外は、楽しい時間でした。最近、すれ違う他の自転車の人たちと、挨拶をすることが増えています。知らない同士でもかわす挨拶が、とても気持ちがいいです。[E:happy01]

「NYブックピープル物語」

副題は、「ベストセラーたちと私の4000日」。講談社アメリカの社長として、活躍された浅川港さんの、アメリカの出版界における奮闘記。一橋大学の卒業生で、出版の世界でこのような活躍をされている方を知って、驚きました。アメリカの出版ビジネスのことも勉強になりました。

ところで、名前にNTTとある会社は、イノベーションとは遠い、官僚的な組織が多い印象がありますが、この本の出版元であるNTT出版は、とてもおもしろい、イノベーティブな内容の本をたくさん出しています。先週アマゾンで買った、池上英子著「名誉と順応(サムライ精神の歴史社会学)」も、NTT出版の本です。

正解にたどり着くために、まず行動する

今よりも若かった頃、「正解がわかるまで行動に移れない」という時期が、僕にも長くありました。頭だけの勉強だけの弊害かと思います。でも、考えただけで正解が分かるほど、僕は頭がいいわけでもないし、想像力や洞察力があるわけでもありません。それに気づいていなかったわけでもないのですが、ただ、行動に移して失敗することを恐れていたのだと思います。

うちの会社にも、「答えがわかるまで行動できない」という人が結構いて、よく言えば、慎重な性格で、完璧主義なのかと思います。でも、頭で考えただけで、正解が分かる人は、本当に少ないのが、この世の中ではないでしょうか。僕ら凡人は、ある程度、行動してみて初めて、正解にたどり着くきっかけやヒントが見えてきます。

それに考えた末に正解が見つかったときには、すでにビジネスチャンスを逃していることもあります。考え始めたときとは異なる状況が生まれていて、別の正解を新たに求めないといけないなんてことも多々あります。時に、マーケットは瞬時に変わってしまいます。

ビジネス(つまり、現実の社会)においては、行動なくして正解がわかるほど、僕らは賢くはない。正解にたどり着くためには、まず行動。

山形の黒犬

B090107 山形の柳沼さんから、ブルーノ君の近況。うちの黒犬も、くつだとか、室内のスリッパだとかをくわえては、これ見よがしに、逃げ回るのが好きです。スニーカーのかかとの部分などは、噛みちぎられています。柳沼さんのメールでは、「家中のソファは全て自分の場所だと勝手に決めていて、カバーは、はずすことが出来ません」とか。我が家の黒犬もまったく同様です。

zadig & voltaire

0049 仕事で久しぶりに六本木ヒルズへ。

これまでずっと気になっていたヒルズに入っているアパレルショップの名前が、zadig & voltaire. ヴォルテールはもちろん、フランスの哲学者・作家ですが、zadigというのは、そのヴォルテールの作品の主人公の名前だということを知りました(wikipedia 参照)。ヴォルテールの別の小説に、キャンディード(Candide)という作品があり、こちらは日本語訳もでていて、岩波文庫で読んだ記憶があります。また、レナード・バーンスタインがヴォルテールの小説から作った「キャンディード」があり、このCDの最後に入っているMake Our Garden Grow という歌は、名曲です。

zadigのほうは日本語訳も出ていないようですので、一度、英訳を読んでみようと思います。ウィキペディアには、「キャンディードに次ぐ、ヴォルテールの評価作品だ」とあります。

オデッセイIT奨学金の山下君(ドイツ)からの写真

Dscf0123 先月、ドイツに1年間のAFS留学に出発した、愛媛県立伊予高校の山下君から写真が届きました。お母さんからいただいたメールによると、ホストファミリーにもとけこみ、体重も1.5キロ増えたとか。黒犬フォトギャラリーにも出した、ドイツの黒犬は、ホストファミリーで飼っている、Joshiという♂犬だそうです。

今のところ、ドイツ語で苦労しているそうですが、1年後には、ドイツ語ペラペラで帰ってくるかな?!

人のミスよりも、セキュリティ・リスクをとる考え方

シリコンバレー在住で今年は「ヒューマン2.0-web新時代の働き方」を出版された渡辺千賀さんが来社。渡辺さんはオンラインバンキングなどもバンバン利用されているとかで、その理由は、銀行窓口のクラークのミスのほうが、ネット上のセキュリティリスクよりも、頻発するから、とか。とてもわかりやすいというか、大胆な考え方というか・・・ネットでさまざまな注文が可能になりつつあるアメリカ社会は、情報処理のスピードとコストが、日本よりもどんどん低くなっているように見えます。日本も、印鑑証明、住民票などの行政サービスは、どうにかならないものでしょうか?パスポート、免許証なども含めて、本当にやろうと思えば、可能なはずなのですが・・・

がん患者とツール

知人から教えてもらった話です。テレビで紹介されたそうですが、ある中高年のがん患者の男性が、ツール・ド・能登というサイクリング大会に出場されたと聞きました。結果はどうなったのか?ツール・ド・フランス7連覇のランス・アームストロングの最大の功績のひとつは、世界中のがん患者に、がんと闘う気力を与えてくれたことだと思います。

追伸

今日から、都内主要地下鉄駅に置かれているメトロポリターナ。中身は、弊社がスポンサーとなっているもので、Odyssey Magazine として、全国の主要PCスクールなどで入手可能です。今回の巻頭インタビューは、菅野美穂さん。

「携帯・ネットなし」

雑誌「日経ビジネス」の新人記者が、「携帯・ネットなし」の仕事生活に数日間挑戦した記事が、9月24日号にでています。取材には、ネットやケータイがなくても大丈夫だったけども、困ったのは、使っていない本人よりも、その人の周りで仕事をする人たちだったかもしれない、とありました。また、取材先のグーグルのある社員が、「携帯なし、ネットなしデーを社内で設けたら面白そうね。うちもやってみようかしら。」

再び「走ることについて語るときに僕の語ること」について

村上春樹のこのエッセイ(彼はこの本のことを、ランニングという行為を軸にした一種の「メモワール」として読んでもらっていい、と言っていますが)には、村上春樹の「哲学」のようなものが含まれていて、それがこの本の魅力のひとつになっています。たとえば、こんな文章があります。

  • 真に不健康なものを扱うためには、人はできるだけ健康でなくてはならない。それが僕のテーゼである。つまり不健全な魂もまた、健全な肉体を必要としているわけだ。(中略) 健康なるものと不健康なるものは決して対極に位置しているわけではない。対立しているわけでもない。それらはお互いを補完し、ある場合にはお互いを自然に含みあうことができるものなのだ。往々にして健康を指向する人々は健康のことだけを考え、不健康を志向する人々は不健康のことだけを考える。しかしそのような偏りは、人生を真に実りあるものにはしない。

あと10年、いや、あと5年でも、僕がサイクリングを継続することができたなら、村上春樹にならって、サイクリングという行為と自転車という道具との付き合い方を主題としたエッセイを書いてみたいと思います。

書いたケースがまだ残っていてびっくり!(ハーバードビジネススクール)

ハーバードビジネススールの2年目の1987年、同学年だった青木さん(彼は当時の東京銀行からの企業派遣)といっしょに書いた、The World VCR Industry (なぜ、ベータがVHSに敗れたか)というケースが、ハーバードビジネススクールのケースとしてまだ販売されていることを偶然見つけました。author のひとりとして、僕の名前がクレジットされています。驚きです!(あんなひどい内容で、申し訳ない気分で一杯です) それとも、当時まだAssociate Professor で、今では大家となっているDavid Yoffie教授が、大幅に内容を改善してくれたのか?

ハーバードビジネススクールに在籍していたことを思い出させてくれる 「証拠物」のひとつです。

村上春樹著「走ることについて語るときに僕の語ること」

司馬遼太郎もそうだけど、僕は村上春樹についても熱心な小説の読者ではありません。20年ほど前、「羊をめぐる冒険」と「ノルウェーの森」のほか、一、二冊読んだかどうかです。でも、村上春樹のエッセイ、特に走ることに関して書かれた文章を読むのは、大好きです。99年6月1日号の雑誌『ブルータス』にでていた村上春樹の特集は、走ることでどのように文体が変わってきたかについて彼が語っていたことがとても印象に残っていて、今でも本棚のどこかにしまってあるはずです。

村上春樹には勝手に親近感を感じている点がいくつかあります。彼も一人っ子であること、早寝早起きの、かなりストイックな生活を継続していること。

この本は昨日、いつもお世話になっている新東京ビル地下一階の大手町書房で、表紙だけをみてぱっと買った本。今日一日で読み終えてしまいそうなほど、共感を覚えています。蛇足ですが、この本の中に、「筋肉はつきにくく、落ち易い。贅肉はつき易く、落ちにくい」という言葉がでてきます。人間の体だけでなく、会社組織にも当てはまります。

国際的に見たら日本は安くなっている

30年ほど前まで、アイルランドはヨーロッパでももっとも失業率が高く、これといった産業のない国だったと記憶しています。ビジネススクールの同級生で、アイルランドからアメリカに渡って来た友人がいるのですが、彼の兄弟姉妹も、イギリスに出稼ぎに行ったりしていました。

ところが、この20数年間で、アイルランドは大手アメリカ企業などの誘致をどんどん進め、非常に活気のある国に変身しています。信じられないことに、今では、一人あたりGDPにおいては、日本よりもずっと上になってしまっています。

で、先日ご紹介した、Mad or fit? (10月3日の黒犬通信)のイギリス人と朝食をしながら話していたら、イギリス人の彼から見ても、経済の成功によって、アイルランドの首都ダブリンはとても物価の高い都市になってしまっているということでした。

ロンドンも、この数年間で、不動産価格が高騰していて、場所によっては2倍になっているようです。知人のイギリス人は、対円でポンドが強くなっていることとあわせて、東京の物価が非常に低くなっているという印象を持ったそうです。東京の知人で、あるアパレルブランドメーカーの社長がいるのですが、その方の直営のお店にも海外の顧客が一度に何十万円という買い物をしていく人たちが、たくさんいるそうで、円での買い物が安くなっている、ということでした。

バブル崩壊後、少なくとも、経済的な意味では、日本の地位は完全にひっくり返っています。

ダイエットの方法論とビジネス

『いつまでもデブと思うなよ』がきっかけで、社内の何人かと、レコーディング・ダイエットを始めています。つまりその日食べた食事を簡単にメモしていくことから始めるダイエット方法です。僕は一週間になろうとしていますが、今のところ、一キロ強の減量効果がでています。(分母からすると、ほとんど意味をなさない減量です)

このレコーディング・ダイエットのポイントは、自分が口に入れているものが何なのか、その事実関係を忘れないようにしましょう、きちんと把握しておきましょう、ということです。それをメモに書いて、時々見るようにします。

この方法論、ビジネスにも大いに役立つ話で、なにをやっているのか、さっぱりわからなくなったときには、まず事実関係を冷静に把握すること、自分がやっていることを客観的に視るクセをつけることかと思います。鍵となるいくつかの数字を記録してき、一定の間隔で振り返ってみると、たいした努力をしていないな、と気づくことがしばしばあります。一方、食事のほうは、毎日こまごまと、カロリーの高いものを口にしていることに気づきます。

ダイエットもビジネスも、物事を複雑にしないで、事実から本質を取り出して、行動に移していくことが大切なだなと感じています。社内では、Make it simple (物事をシンプルにする)ということを掲げています。

「4分の3黒犬」のルビー

Ruby20071011_01 Ruby20071011_02 静岡のルビー(ボーダーコリーの子犬)の近況写真が届きました。中野さん、ありがとうございます。まだ耳が半分たれているようなのが、かわいい。でも、両耳が立ってしまうと、もう大人で、その日はもうすぐ。明日土曜日でちょうど4ヶ月目に入るそうですが、しっかり訓練して、フリスビー犬にしていくと、きっと楽しいと思います。

競争が自分を育ててくれる

ニートやフリーターに関するある本の中で、「犠牲者のでない競争はないんでしょうか?」という発言を読んで、複雑な気持ちになりました。それは僕自身が、これまで恵まれた、ラッキーな人生を送ってきている、どちらかと言えば、「強者」の立場の人間に属すること。この発言者の気持ちが十二分に汲み取ってあげられないだろう人間が、このような意見に対する、批判的なコメントは控えるべきかとも思うから。

でも、残念ながら、この世の中で、「敗者」のない競争はない。100メートル走をみんなで同時にテープをきりましょうなんて話は、子供に悪平等を教えること。世の中で生きていくことを学ばないといけない子供たち、学生たちに、そんなことを教えていても、プラスになることなんて、何一つない。古今東西、人類は、「適者生存」で生き抜いてきたのだから。

ただ問題は、「敗者」にも存在していくための最低限の水準の生活は必要だということ。その最低限の水準がどのあたりなのか、これも定義が難しい。

これまでも人類は競争を経て成長してきたし、これからもそうでしょう。日本の産業も国際的に競争しているところだけが生き残るでしょう。保護された業界や会社の正社員に、これまで同様の終身雇用なんて、ありえないです。ニートやフリーターの方たちの中には、「正社員になるのが夢だ」という人たちがいるようですが、政府や業界内の自主規制で自分たちを守っている業界は、これから先、終身雇用を維持できることはないですよ。そんな会社の正社員になっても意味はないことが、これからますますはっきりしてくるのではないかと思います。

グローバル化を直視しないで、規制や保護を強めたとしても、競争力のない産業、会社は守りきれないです。これから地方自治体を始めとして、守られてきた組織の倒産や破産がでてくるでしょう。そんな中で、どうやって自分の力をつけていくのか。政府なんて、一番頼れないと僕は思っています。

(お金儲けが得意でなくても、社会に貢献すること、自分の個性を生かせる方法は、他にもあることは覚えておいたほうがいい。それが多様性ということだから。競争の種類は、お金儲けだけじゃないから。もちろん、自分が生活していくお金を稼ぐ力は、言うまでもなく、身につけないといけないけど。会社の中も、営業の得意なひとも必要だし、人付き合いはヘタだけど、商品開発が得意な人、我慢強く事務作業をやっていく人も必要。多様性は組織の存続のために大切なことだと、10年間会社をやっていて実感します。)

丸の内風景

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お昼にビジネススクールの知人を訪問。知人のオフィスが入る、東京駅八重洲側にある、パシフィック・センチュリー・プレイスから見た風景です。

東京国際フォーラム側(右の写真)と、東京駅側。上からみた国際フォーラムが美しいです。

ついに時価総額3位

7月14日の黒犬通信で、任天堂の株価のことを書きました。一時、下降しましたが再び、上昇気流に乗り、ついに一株6万円の半ばになろうとしています。そして時価総額は9兆円を超え、日本で3番目の時価総額の会社になっています。あえて挑発的ないい方をすれば、かつて「花札」を作っていた、たかがゲームの会社が、NTTや東京電力、キャノン、三菱商事といった大企業を抑えているのです。任天堂の上をいくのは、トヨタ自動車と三菱UFJフィナンシャルグループの2社のみです。

任天堂の作り上げたビジネスモデルやサービスには、「ブラボー!」の一言あるのみです。ちなみにネット企業の代名詞、ヤフーは時価総額3兆円で、31位です。(10月10日現在)

菅野美穂主役「働きマン」

今夜から日本テレビ系列でテレビドラマ「働きマン」が始まります。来週都内の主要地下鉄駅で配布される、メトロポリターナ増刊号、中身はオデッセイマガジン5号目なんですが、巻頭インタビューにでていただいているのが、「働きマン」で主役を演じる菅野美穂さんです。

オデッセイマガジンですが、マイクロソフトオフィススペシャリスト合格のOLの方たちをご紹介するほか、楽しい情報が一杯です。ちなみに、菅野美穂さんの写真撮影の際には、立ち会いましたが、大きな目をした、かわいい方でした。

斎藤純『銀輪の覇者』

昨日読み始めてほとんど読んだ後、今日、残りの50ページほどを読み終えた本。戦前の昭和9年に時代設定した、日本縦断自転車レースに絡ませた冒険小説。アマゾンでもいいコメントを集めていますが、サイクリングをやっている人間は、結構熱中して読める小説。ハヤカワ文庫で上下2巻です。

梶山季之『ルポ戦後縦断』

45歳の若さで1975年になくなった作家が、おもに1950年代終わりから60年代にかけて、雑誌(中央公論、週刊文春、文藝春秋など)に書いた記事を集めたもの。「丸ビル物語」(昭和33年、1958年5月発表)に引かれて買ったのですが、もちろん、この丸ビルは今の丸ビルではなく、初代の丸ビルのこと。今にも共通する丸の内界隈の勤め人の様子が伝わってきて、おもしろく読みました。そのほか、「ブラジル勝ち組を繰った黒い魔手」(昭和41年、1966年発表)というのも、本当にこんな荒唐無稽の話があったのかと、ちょっと信じられない話です(上海で、日本の軍票や紙幣を集めていたユダヤ系ビジネスマンが、予想よりもはやい日本軍の降伏のため、無価値になったそれらのお金を、ブラジルにいる日本人移民に、日本軍が勝ったことにして、大量に売りつけていたという話)。

そのほか、14の話が収められていて、どれもおもしろい話ばかりです。さすが、「トップ屋」といわれて、スクープ記事を連発した作家です。

ジョージ・バーナード・ショーが言ったこと

The reasonable man adapts himself to the world, the unreasonable one persists in trying to adapt the world to himself.  Therefore all progress depends on the unreasonable man. 世界を変えていくのは、現状の不合理さを拒絶し続ける人。

日本政府こそ、最大の円キャリ・トレーダー

昨日(10月5日)の日経新聞『経済教室』に、「外貨準備を考える」というテーマで、早稲田大学の谷内満さんが、明快な論旨を展開されていました。僕はこの方のご意見に賛成の立場です。なお、内容のすべては、こちらのサイトに掲載されています。

以下、要約。

1 外貨準備とは、民間からの借入れで政府が投資・保有している外貨資産である。外貨準備の為替リスクはヘッジされておらず、政府による円キャリトレードである。

2 これまでのところ、運用純益の累計が評価損を上回っているが、今後もし円高になれば評価損が拡大するリスクがあり、その場合は、国民の負担になる。

3 政府による為替相場への介入の結果、外貨準備が起こっているが、介入が為替相場に与える影響は非常に小さい。政府の介入は大きな意味を持たない。

4 これまでの介入の結果として、日本が保有する外貨準備は他の先進国と比べ、金額だけでなく経済規模に比べてもケタ違いに大きい。

5 外貨準備は民間の資金を借りて政府が運用している資産であり、民間が資産運用するより政府がやるほうがうまくいくというようなことはない。

6 現在の外貨準備の8割を売却し、現在の5分の1ほどの水準にすることを提案する。現在、円は主要通貨に対して大幅な円安の水準にあり、外貨準備を売却する好機である。

人材の流動化

なんども繰り返しでてくるテーマですが、人材の流動化、とくに大企業が抱えて、十分に活用されていない人材を、新興企業やリストラを必要とする企業に、もっと流せないものかと思います。

今月の11日にソニーフィナンシャルホールディングスが東証に上場します。その取締役で、傘下のソニー銀行の社長を兼ねる石井さんという方は、10年前に破綻した山一證券出身です。山一、長銀、日債銀など、破綻した大手金融機関出身の方たちの中には、新しい職場や起業を通して、活躍されている方たちが、かなりいらっしゃいます。「終身雇用」という、人材の飼い殺し(少々強い言い方になりますが)という側面を持つ日本の大手企業に見られる制度から逃れるのは、個人にとってかなり勇気を必要とすることかとも思います。だから、倒産という天災のような出来事がないと、ほとんどの人がふんぎることができないのでしょう。

他の会社経営者の話を聞いていても、必ず出てくる話題は人材のことです。これは100%の経営者から出てくる課題です。マクロ的に見たとき、人材の適正配分ができていないことが原因になって、新しい価値の創造がなかなか進まないのが、日本社会の問題の一つかと思います。こうやって書いていると、評論家の話のように聞こえるかもしれませんが、他人事ではなく、人材の流動化がひとつの推進力となって、人材の多様化、人材の専門化をもっともっと進めることができれば、うちの会社にもプラスになると考えています。

「私の誕生プレゼント」

今日の朝日新聞朝刊からです。生活面の「ひととき」というコーナーで、53歳の誕生日に、弊社で運営しているマイクロソフト・オフィス・スペシャリストをご受験いただいたという方の投書を拝見しました。これまでご事情があって働くことができなかったが、「ワード」と「エクセル」に合格したので、自由に働ける時間帯で年齢不問の職場を探して、少しは社会参加したいということでした。

われわれがいっしょにお仕事をしているマイクロソフトのSさん、オデッセイの社員一同、投書をされた横浜市にお住まいの河野さんに、感動をいただきました。こころよりお礼申し上げます。

相撲、柔道、教科書検定

最近の話題から。

相撲界:国内から入門する人が減り、横綱になるのは外国人ばかり。究極の体育会的シゴキで若者一人が亡くなり、ますますのイメージダウン。

柔道:国際的な協会で発言できる日本人理事は落選。日本の関係者の手から離れていくお家芸。

教科書検定:今度は中国、韓国ではなく、国内の沖縄からだけど、歴史的に本土とは異なるものを持つ人たちの反発。

それぞれ別々のことですが、共通するテーマと課題には、同じものがあるように思います。

パレスチナ・ガザ地区での人口爆発

ハワイから帰りの機内で読んだ新聞記事です。機内では普段とっていない、読売新聞などを読むようにしています。10月1日付けの一面で、エール大学のポール・ケネディ(歴史学者)が紹介していた話、二つです。

パレスチナ・ガザ地区では、1950年から2007年までの間に、人口が24万人から150万人に増加。同じようなペースでアメリカの人口が増えていたら、1億5200万人(1950年)が、9億4500万人になっていたことになるそうです。(実際は、現人口は3億100万人)。そして、ガザ地区に住む多くの若者たちは、失業などから、怒りや大きな欲求不満を抱えています。これまでと同じようなペースで人口が増え、現状に絶望している若者たちが増えていくとしたら、対立するイスラエルが、どれだけ武器をそろえたとしても、心安らかに日々を送ることは不可能だと思います。

パレスチナは日本からは遠く、日本赤軍がまだ活動していた70年代以降、ほとんどの人、特に今30代以下の人たちは、この場所の歴史や現状について、まったく無知な状態なのではないかと思うのですが、この地域が、世界にとって重要な意味を持っているのは確かで、僕らも知らぬ存ぜぬでは、済まされない日が来るのではないかと思います。

それから、もうひとつ、ポール・ケネディが紹介している話があります。アメリカには220万人ほどの囚人がいるそうです(2005年時点)。この数は、絶対数で世界一、人口比で、アメリカの囚人数は、ヨーロッパ諸国の大半よりも、7、8倍多いとのことです。

人間の歴史上、これまでない豊かさが実現されている世界があり(過去から見るとユートピアとも言えるほどの豊かさ)、同時に、鬼畜同様の人間が増えているという現実が、日本も含めた多くの国であるように見えます。

Mad or fit?

来週日本に来ることになっているイギリス人に、自転車で160キロ走る大会に出ることをメールで伝えると、You must be either mad or fit.(そりゃ君はキチガイか、体が引き締まっているんだわ)と言ってきたので、You know I am rather mad than fit. (体が引き締まっているんではなく、キチガイなのは、ご存知でしょう)と返事をしておきました。このイギリス人のユーモアが好きです。

ところで、知人の会社経営者には、この前、「160キロも自転車で走ろうと言っている割には、痩せてないじゃない!」とはっきりと言われてしまいました。だからというわけでもないのですが、今話題の本、『いつまでもデブと思うなよ』(岡田斗司夫著、新潮新書)を買ってしまいました。著者は、僕よりも一つ年上ですが、1年間で50キロもの減量を成功させたのは、本当に立派だと思います。ちょっと真剣に読んでみます。まわりには、この黒犬通信で、僕自身のダイエット話を書けばいいプレッシャーになるという意見もあるのですが、まだダイエット宣言をする勇気がありません。

東京でラーメン屋を開いたアメリカ人

先週末のウォール・ストリート・ジャーナルに、東京でラーメン屋に挑戦しているアメリカ人の紹介記事が出ていました。日本人女性と結婚しているとか。新聞の記事はすべてオンラインで読むことができます。ウェブの記事では本人とのインタビューやラーメンを作っているシーンも動画で見ることができます。

お疲れ様の自転車

R0010410_2 これから空港ですが、自転車は写真にあるような専用段ボールに分解して運びます。きっと今日の飛行機には、ホノルルセンチュリーライドに参加した人たちの自転車が、何百というほど運び込まれることと思います。

先ほど、白戸太郎さん(トライアスロン選手)からも電話があって、「昨年よりも30分以上、短縮できた」と話すと、昨日は風が強かったのによかったですね、とお褒めの言葉をもらいました。

160キロ完走

R0010405_2 R0010403 おかげさまで、ホノルル・センチュリーライド160キロコースを今年も完走することができました。走行時間7時間17分。去年よりも30分ほど、時間を短縮できました。足、腰、手首などは筋肉痛です。明日の飛行機で帰国しますが、機内でゆっくり休みたいと思います。写真は160キロ走破の「認定証」と、昨年同様、今年も無事によく走ってくれたキャノンデールです。