社長室は簡素でいい

20年ほど前、ニューヨークの非常に有名な投資銀行のパートナーだった知人の招きで、その会社を訪問したことがあります。ここは、M&Aで欧米では有名なところで、その頃はまだパートナー制をとった未上場の会社でした。

その会社のパートナーたちは皆、最低でも年収数億から、上は数十億円のビジネスマンたちで、ビジネスウィークなどでもしばしば取り上げられるような組織でした。そこから内定をもらったのですが、自分に自信がなくて、結局、友人に迷惑をかけるような形で、そこで働く話は立ち消えになってしまいました。僕のキャリアにおける後悔のひとつです。

その会社は、オフィスにカネをかけないことで有名で、パートナーの方たちの部屋も、本当に質素なのに驚きました。それを実際に拝見したことは、その後の僕にとっては、とてもいい経験になっています。

英会話スクールNOVAの社長の部屋が、弁護士によって公開されています。正直言って、趣味が悪いなというのが印象ですが、それは別にしても、社長室に6000万も、7000万もかけるなんて、信じられない話です。いくら儲かっていたとしても。

知り合いの会社などを訪問して、社長室に通されると、その人の趣味や、社員の人たちの部屋と比べて、どのくらいお金をかけているのかが分かって、おもしろく思います。僕の会社よりも小さな会社の社長が、立派な部屋を作っているのをみて、驚くことがしばしばあります。

僕は社長室は簡素で、機能的であれば、それで十分だと思っています。