開高健が言ったこと、仲代達矢インタビュー

 今日の朝日新聞朝刊で紹介されていますが、作家・開高健が以下のようなことを書いています。「現代人は頭ばかりで生きることをしいられ、自分からもそれを選び、それだけに執して暮らしています。(中略) 部屋の中で寝てばかりいないで、立ちなさい。立つことです。部屋から出ることです。そして、何でもいい、手と足を使う仕事を見つけなさい。」(知的経験のすすめ)
 会社で仕事する多くの人には、このように言い換えてもいいかなと思います。「パソコンの前に座っているだけでなく、立ちなさい。パソコンから離れることです。一度、現場にでてみなさい。お客さんと面と向き合ってみることです。」キャノン電子の坂巻社長は、『椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる』という本を書かれました。(→
黒犬通信バックナンバー
 
 反対側のページにある『仕事力』というコーナーでは、俳優仲代達矢のインタビューの連載が出ています。「人間の野性と本能を描く」というタイトルの3回目。無名塾という名前に込めた気持ち(「マンネリになって壁にぶつかったときには、もう一度、無名になって修行に帰ってこい」)もすごい。このかたは、もう76歳になられていますが、とてもいい顔をされている。年をとれば取るほど、どのように生きてきたかが、そのまま顔にでていて、恐ろしく思います。→
仲代達矢インタビュー

マックのコーヒーまで、値上げ!

0164 毎朝、マックの100円コーヒーを飲むのが習慣になっています。今朝、カウンターで100円を出したところ、120円に値上げになっていることを知りました。この商品以外にも、食料品などの値上げラッシュですが、切りのいい100円から、120円へのアップのせいか、この値上げは、「ガーン!」という感じです。

追記 この前、大分に行ったときに、駅前のパルコに入っているスターバックスをのぞきました。お値段は東京と同じレベル。東京でもスタバはちょっと高いと思うのですが、大分でも同じ値段では(ビジネスが)厳しい印象を受けました。

夏の終わり

早朝、犬たちの散歩にでかけるため、玄関のドアを開けたときに感じる空気が、もうすっかり秋です。
近所の公園では、蝉たちが最後の力を振り絞って、鳴き、そして飛んでいます。もう今年の夏も終わりましたね。
この一週間ほど、興奮させてくれたオリンピックも、あと数日で終わり。

御巣鷹山は遠く

23年前の今日、大阪行きの日航機が御巣鷹山に墜落。

土砂崩れのため、当面、山頂まで歩くことはできないようです。今日は、遺族の方々のために、特別の登山道が用意されているとか。御巣鷹山に登ろうと知人と話をしていますが、年内に登ることができるかどうか。

木と水の大地

 「日いずる国」はきっと世界でもっともかっこいい名前のひとつです。それだけでも、日本はユニークな国だと思います。

 カリブの国ジャマイカは、先住民が「木と水の大地=Xamayca(ザマイカ)」と呼んだ島だということを、あるところで読みました。これも素敵な名前だなと思います。もともとそこに住んでいた人たちが付けた名前をそのまま使えばいいのに。

詩人の言葉

 2年前になくなられた茨木のり子さんの言葉。まだお会いしたことのない方のブログで発見。茨木さんの詩集では、「倚りかからず」は読んだことがありました。最後の「ばかものよ」が好き。

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
*

気難しくなってきたのを

友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
*
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
*

初心消えかかるのを

暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
*

駄目なことの一切を

時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
*
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

世界経済はどうなるのか?

今週のニュースウィーク日本語版のタイトルは、『「大恐慌の足音」ー1930年代そっくりの連鎖破綻危機。世界経済は金融パニックを逃げられるか』。アメリカのサブプライム問題は、日本のバブル崩壊と同じ轍を進んでてきているという意見もかなり出てきています。→ロイター記事

ところで日本のマスコミ論調でよく読むのは、「アメリカの市場主義は崩壊したのに、どうして日本はそのアメリカの後をおって市場主義をとらないといけないのか」というような意見。でも、こんなたとえで、考えてみてはどうでしょうか?

 確かに運動のやり過ぎは健康によくないかもしれない。特に、運動というよりも、競技となってしまった場合。でも、日本の場合はと言えば、運動不足でメタボなのでは?つまり市場主義からはほど遠く、自由な資本主義経済とは言えないのが日本で、もっと資本主義の精神を勉強した方がいいように思うんだけど。比喩を使うことは時には議論をおおざっぱにしてしまうから気をつけないといけないけども、お上が重要なことを決める日本の社会主義的傾向は、アメリカの行き過ぎた市場主義同様、破綻してしまっているのに。とにかく「小さな政府」を目標に定める政治家の先生たちに頑張っていただきたい。そして我々ビジネスマンは、自立しながらしっかりビジネスをやっていき、安定した職場を作っていくこと。

 蛇足ですが、今夜は、今年オープンした赤坂Sacasにあるベルギービール屋さんで、社員の人たちといっぱいやったのですが、このお店もほぼ満員でした。日本経済の見通しは暗いと思っていますが、東京の一部のエリアはにぎやかです。写真は、このビル開発の目玉のひとつになっている(だろう)、映し出された絵が変化する階段。

Tbs1

Tbs2

映画「狩人と犬、最後の旅」

 北アメリカ版のマタギの話。パソコンも、インターネットも登場しないのですが、そのかわり、落ちこぼれだの、格差だのという言葉も存在しない世界が描かれています。ここにあるのは、自然の中で全力で生きていこうとする人間と犬たちです。禅問答のような話になりますが、自然の中には、悲しさも、喜びもなくて、ただ自然の営みが淡々と進行していきます。人間が存在したとき、その人間だけが感じる、悲しみや苦しみが発生するのであって、自然は人間のささいな感情にはいっさい動揺することがありません。YouTubeにこの映画の感動的なシーン(湖をわたろうとした主人公の犬ぞりが、湖の氷の割れ目に落ちてしまうシーン)がアップされています。

 PCやケータイをすべてて放り投げて、白神山地あたりに、うちの黒犬たちと一ヶ月ほど行ってみたいというのが、最近の僕のちょっとした憧れです。それはちょっと今すぐにはできないことなので、世界の3大自転車レースのひとつ、先週終わった2008年ジロ・デ・イタリアの再放送を見始めました。イタリアの美しい自然の中を走っていく選手たちを見ているだけでも、ちょっとした解放感があります。

アオテンストア

冷静と情熱の間

 昨晩夕食をご一緒した人からお聞きした話です。ある防虫剤のメーカーでは、「虫供養」の日を設けているとか。そのメーカーの仕事は、人間にとって、「うざったい」存在である虫たちを駆除していくことで、それは殺生につながる。自分たちが食っていけるのは、虫たちのおかげで、その虫たちがいなくなったら、自分たちの仕事はなくなる。でも、自分たちは虫たちを殺生しながら、生きている存在。1年に一度、そんな自分たちの矛盾した存在を忘れないように、「虫供養」の日を設けている。そんな話でした。

 自分たちのやっていることを時には冷めた目で見ることができる人と仕事をするのが、好きです。決して自分を卑下するということではなく、自分のやっていることの限界を知っておくことは大切なことだと思います。(世界を変えるようなものを作りたいとか、人を感動させたいという情熱は、素晴らしいのですが、往々にして、自分の仕事の過大評価につながることも見受けられます。若いうちはそれくらいの野心がなくちゃ、ダメだとも言えますが。)

 任天堂の山内さんが時々言われるそうですが、任天堂のゲームなんてなくなっても、人は生きていけるのだから、分をわきまえないといけないというのは、ものすごく真っ当な感覚だと思います。今後、任天堂の商品やサービスが、われわれの生活のインフラになってきた場合は別として、いまのところであれば、任天堂がなくなっても、僕らは生きていけます。(でも、電力会社や石油会社、あるいは食品メーカーがなくなると、僕らは生きていくことができなくなるでしょう。)そんな任天堂の時価総額が、日本の株式市場で3位にあるということは、日本がまだまだ平和で安心していられる社会だということなのでしょう。

男は車好きが多い

 午後、青山ツインタワーにはいっている某社を訪問。今日はめずらしく10分前に現地についてしまったので、交差点を越えたところにあるホンダの本社ビルにあるショールームをのぞいてみました。ホンダのフィット(FIT)、今一番気になる車です。気になるというのは、運転しているとき、見かけた車をちらっと見てしまうということ。
 コンパクトで、シャープなスタイリングが気に入っています。もちろん、燃費のよさも。
 でも、今乗っている車も大切にしたいので、そう簡単に換えるわけにもいかず、ホンダのショールームでは、かわいいショールームの女性からカタログをいただき、写真のミニカーを買ってきました。2010年前後には、フィットにハイブリッド車が登場、さらにバブル期にホンダが出したスポーツカーNSXが、アキュラブランドのフラッグシップカーとして復活予定なんて記事(社長とのインタビュー)を先日読みました。ホンダに期待しています。
 しばしば車の話をするので、周りからはあきれられることもしばしばですが、男は車好きが多いものなのです。

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Fit