映画「狩人と犬、最後の旅」

 北アメリカ版のマタギの話。パソコンも、インターネットも登場しないのですが、そのかわり、落ちこぼれだの、格差だのという言葉も存在しない世界が描かれています。ここにあるのは、自然の中で全力で生きていこうとする人間と犬たちです。禅問答のような話になりますが、自然の中には、悲しさも、喜びもなくて、ただ自然の営みが淡々と進行していきます。人間が存在したとき、その人間だけが感じる、悲しみや苦しみが発生するのであって、自然は人間のささいな感情にはいっさい動揺することがありません。YouTubeにこの映画の感動的なシーン(湖をわたろうとした主人公の犬ぞりが、湖の氷の割れ目に落ちてしまうシーン)がアップされています。

 PCやケータイをすべてて放り投げて、白神山地あたりに、うちの黒犬たちと一ヶ月ほど行ってみたいというのが、最近の僕のちょっとした憧れです。それはちょっと今すぐにはできないことなので、世界の3大自転車レースのひとつ、先週終わった2008年ジロ・デ・イタリアの再放送を見始めました。イタリアの美しい自然の中を走っていく選手たちを見ているだけでも、ちょっとした解放感があります。

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