「映画女優若尾文子」(四方田犬彦・斎藤綾子編著)

もしかして10年以上前に買っておいたかもしれない本。発行は2003年になっている。
先週末、偶然衛星放送で視た『女は二度生まれる』(1961年、川島雄三監督)という映画の主演女優が若尾文子で、その映画が結構おもしろかった。「そういえば若尾文子についての本を買っていたな」と思い出して、本棚から取り出してここ数日熱心に読んだ本がこの「映画女優若尾文子」(みすず書房)。

ぼくの世代にとっては若尾文子はTVで見知っているだけで、映画はあまり見たことがなかった。彼女が大映の看板女優の一人として大活躍していたのは1950年代から60年代。この本のフィルモグラフィーによると、ぼくが生まれる前から彼女は活躍していた。(初めての映画は1952年の『死の街を逃れて』)。
この本で取り上げられている映画は、まったくと言っていいほど見ていないのだけど、若尾文子と彼女が大映時代に組んだ増村保造監督をめぐる女優論、監督論がとてもおもしろく、このふたりが作ったいくつかの映画をぜひ見てみたいと思った。(若尾文子がでていない増村保造監督の映画はひとつ観たことがある。『曾根崎心中』!)

表紙にでている若尾文子の写真が素敵だ。おいくつの頃の写真かわからないのだけど、とてもいい。なんども見ていて、ぼくの勝手な連想なんだけど内山理名を思ってしまった。内山理名の顔立ちは好きなタイプ。

Jane Fonda

図書館から借りてきたHarvard Business Review (March-April 2018)に女優ジェーン・フォンダとのインタビュー記事が出ていて、やっぱりいいこと言うなと感心。(前から彼女のファン) 苦労しないと人間成長しないし、強くなれない。

"God comes to us through our scars and wounds, not our awards and our acclamations."

"Resillient people can turn their wounds into swords and ploughshares (鋤の刃). They can become the most powerful warriors for good."

映画『クワイ河に虹をかけた男』と小説『奥のほそ道』

昨年でしょうか、日本映画専門チャンネルで録画したドキュメンタリー映画を今週末、ようやく観ました。
日本の戦争責任を認めることは愛国心に欠ける非国民だと考える人もいるのかもしれませんが、そういう人たちに、この映画の主人公のことを知ってもらいたいと思います。
戦争責任を認めることが非国民だとは思いませんし、愛国心に欠けるなんて、まったく思いません。過去の間違いがあったとしたら、それを認め、許しを請うことこそ、勇気ある態度であり、愛国心ある行為ではないのか。

この映画の主人公が戦時中、通訳者としてみた泰緬鉄道の工事現場で起こったさまざまな出来事を、われわれも少し知っておいたほうがいいように思います。

ちょうど、今年、「奥のほそ道」というオーストラリア作家の作品が翻訳出版されました。すでに買ってあり、夏休みには読もうと思っています。
数年前、イギリスのブッカー賞を受賞した作品で、翻訳が出るのを楽しみに待っていた作品です。この小説も、作者の父親が日本軍の捕虜として泰緬鉄道の建設に携わったことが基になっています。

映画の中で、捕虜だったイギリス人がこんなことを言います。「日本政府は、遺憾だ(regret)と言っても、申し訳なかった(sorry)ということは言わない。遺憾なのは、あんなひどい扱いを受けたわれわれ捕虜の方だ。」「これまで何人の日本人にも会ってきたけども、何も変わらなかった。この映画で何か変化が起こるのかね。」

そう言えば、エルトンジョンの歌に、Sorry Seems To Be The Hardest Word って歌がありましたね。

映画『クワイ河に虹をかけた男」公式HP
小説『奥のほそ道』

書籍「High Line」 と映画「ジェイン・ジェイコブス」

ぼくが発行人を務めているアメリカン・ブック&シネマで数年前発行した本で、「High Line」という作品があります。
チェルシーからウェスト・ヴィレッジにかけてHigh Line があるエリアは、マンハッタンでももっとも「ホット」なスポットになっています。この本を読んでニューヨークに行ってもらいたいなと思っています。
この本を出していたことで、昨年、映画「ジェイン・ジェイコブス」を日本で配給する会社の関係者とお会いする機会がありました。ジェイン・ジェイコブスはあまり日本では知られていないと思いますが(ぼくはよく知らなかったので、お会いした後に、彼女の本を1、2冊読みました)、ニューヨークの建築や都市計画について、積極的な市民運動を行った方です。
まだ映画を見に行っていないのですが、必ず見に行こうと思っています。
映画「ジェイン・ジェイコブス」

映画「レオン」

ナタリー・ポートマン13歳の映画デビュー作。衛星放送で録画溜めしていた一作。この映画、映画館で観たはずなんだけど・・・
2010年の「ブラックスワン」についで彼女の映画は2回目。エンディングで使われているスティングの
Shape of My Heart」がしぶい!

わが家のパディングトン

この前、映画「パディングトン2」を観に行きました。実は2回も。パディングトンはずっとファン。ナチスの魔の手から逃れるために、チェコからロンドンに逃れて来たユダヤ系の子供たちの話がヒントになって原作が書かれたということを知ってからは、ますますファンになっています。

今週は名古屋に行く用事があり、ちょっと足を伸ばして、岐阜の大垣に長年お世話になっているお取引先を訪問しました。大垣の企業の一つ、大垣共立銀行が使っているキャラクターがパディングトン。同行のホームページをみると、パディングトンとのお付き合いは、20年ほどのようですからかなりの長さになります。(→大垣共立銀行のパディングトンタイムズ
大垣駅にはこんな看板もありました。

大垣駅のパディングトン

映画のパディングトンは目がパッチリと丸く、とてもキュートなクマで、原作のクマよりもスマートな感じになっています。最初映画を見たときにはちょっと違和感がありましたが、いまでは映画のパディングトンにすっかり慣れてしまって、ファンになっています。

わが家のクウ太郎くんもちょっとパディングトンに見えるときがあります。パディングトンと一緒に暮らすことはできませんが、クウ太郎くんと一緒にいられることでとてもハッピーです。

映画「おクジラさま」(ふたつの正義の物語)

オデッセイコミュニケーションズは、映画「おクジラさま」(ふたつの正義の物語)のクラウドファンディングに参加しています。
先週土曜日から渋谷ユーロスペースでの上映が始まっています。ぼくはまだ映画館に足を運んでいませんが、必ず行きます。
映画公式サイト

映画「LaLa Land」

あまり期待しないで、深夜終了で料金が安くなる最終回に観た映画。期待よりもずっと気にいる映画だった。
お気に入り映画の一つの「アーティスト」と同じように、スタジオを舞台にした作品。成功を夢見る若い男女の切ない出会いと別れ。もう永遠のテーマだよね。

この韓国映画のレベルの高さに驚きました。

ちょっと話題になっているエロティックサスペンススリラー映画「お嬢さん」(原題は英語では、The Handmaiden)を見ました。
イギリス作家Sarah WatersのFinger Smith (日本語訳タイトル「荊の城」)という小説からヒントを得た映画。この映画のレベルの高さにびっくりしました。
以前、日本の映画業界で仕事をされている方から、韓国のエンタメ業界の仕事の質の高さをお聞きしていたのですが、テレビなどでもあまり韓流番組を見たことがなく、映画もあまり見た記憶がありませんでした。
ダイナミックなストリー展開、ファッションも含むデコレーションの美しさ、映像の透明感など、非常にレベルが高いです。
同じ韓国の監督のほかの作品も見てみたいですし、原作になったSarah Watersの「荊の城」も読んでみようと思います。

映画「沈黙」 映画「スノーデン」

マーティン・スコセッシが、遠藤周作の代表作を映画化。お恥ずかしながら、遠藤周作のこの作品をまだ読んでいないまま、封切り日の昨晩観ることになりました。日本のキリスト教人口は10%どころか、数パーセントにとどまっているのではないかと思います。どうして日本ではキリスト教が根付かなかったのか?
信仰とは、神とは、日本人とは、というような大命題から、現世ご利益、転向、権力との対峙方法などなど、さまざまテーマを考えさせられる映画。決して17世紀のことではなく、いまにも続く考えるテーマ。
昨年春、長崎を訪問し、長崎のある大学の学長を務められたある知識人から隠れキリシタンのことをお聞きする機会がありました。長崎の歴史をまた尋ねてみたいと思います。

来週からは映画「スノーデン」が公開されるようですが、この映画は昨年秋サンフランシスコで観ています。ぼくはこの映画を観て、スノーデンに好意的な印象を持っています。彼はカネのためにやったのではない。ただひとつ彼が犯した間違いは、ロシアに「亡命」したことでしょうか。ロシアしか選択肢がなかったのかもしれませんが、政治的にどのような意味を持ちうるのか、その点をどのように考えているのか、聴いてみたいところです。

「沈黙」公式サイト

「スノーデン」公式サイト