Let Detroit Go Bankrupt by Mitt Romney

政府に支援を求めにワシントンに飛ぶため、会社所有のプライベートジェット機を使ったということで、大手自動車メーカーの首脳たちは、マスコミからだけでなく、議員たちからも追求されているようです。(BBCビデオでその様子が見られます。先生からしかられて、にやにやしている悪ガキ以上に見えず、この人たちが本当にシリアスなのか、疑問を持ったくらいです)
共和党の大統領候補選挙に立候補していた元マサチューセッツ州知事のラムニーも、
Let Detroit Go bankrupt という投稿を、ニューヨークタイムズにしています。このなかに、彼の父親は、アメリカンモータースの立て直しを、苦労しながら行ったと出ています。
アメリカの自動車メーカーの場合は、経営側だけでなく、労働者側も過大な企業年金を放棄し、ドラスティックにコスト構造を変えない限りは、再生はありえないのではないかと言われています。GMが特に危ないのでしょうが、GMにしろ、シティバンクにしろ、過去、アメリカの代名詞だった企業が潰れそうになっているなんて、ベルリンの壁の崩壊とまでは言いませんが、かなりショッキングな状況です。

オプションは買うもので、売るものではない(われわれ素人にとっては)。

 駒沢大学、立正大学で150億円前後の運用損がでていることが報道されています。駒沢大学の場合、バランスシート全体の大きさが950億前後のようですから、そのサイズで150億円の損失とは、かなり痛い! 過去、本業の不振をカバーするために、無理な不動産投資を行って倒産した専門学校の記事をなんどか読んだことがあります。駒沢大学の場合には、そのようなことにはならないでしょうが、損失をカバーするために、銀行借り入れを行ったようなので、今後、その借り入れの返済が非常に大きな負担になってきます。
 さらに、今朝の新聞によると、サイゼリアでも140億円の為替損だとか。
 これらの記事では、損がどうしてでているのか、詳細は報道されていませんが、ほとんどが、資金運用あるいは為替取引等において、リターンをよくする、あるいはコストをすこし下げるために、銀行あるいは証券会社に対して、オプションを売っています。サイゼリアの社長さんは、ここまで豪ドルが円に対して安くなるとは思っていなかったと言っていますが、たぶん、ほとんどの人は同様に感じているはずです。でも、ただでリターンがよくなったり、コストがさがったりなんてことは絶対になく、あるいは、一般の学校法人、事業法人や個人が、プロの金融機関に勝てることは通常なく、また、金融機関は自分たちに都合のいい話以外をもってくるはずもなく(と思っていれば、裏切られたなんと思うこともない!)、われわれアマチュアが、最悪のケースを想定しないまま、オプションを売ることは、絶対にやってはいけないことだと思います。オプションを売ることは、想定以上の変化がおこった時、信じられないような損を被ることになります(実需なくして、オプションを売る取引を行うなんて、怖くてできません)。
 私立大学は資金運用のため、かなりが「財テク」を行っているはずです。駒沢、立正以外にも、実はボロボロ出ていると思います。横並びの日本社会、証券界社や銀行は、「この商品が、売れています」なんて言って、担当者を安心させてくれます。最終的な意思決定者も、ITや金融のことは、十分に勉強していないことが多く、現場に任せきりということがまだまだ多いのではないかと思います。
 ハーバード大学も、資産運用には相当力を入れていますが、彼らのところでも、かなり損失が発生しているのではないかと思います。ただしその理由は、マーケット全体が大きくさがっているからで、不用意にオプションを売っているからではないはずです。

まだまだグーグルドック利用率は低いという調査結果

 アメリカのインターネットユーザーの調査(Click Stream 社調査)で、無料のオフィス製品に対して、圧倒的にマイクロソフトのオフィス製品が使われていると結果がでています。詳細は、こちらを。→Web Guild

Web 2.0 Summit


 本日からここサンフランシスコで始まったWeb 2.0 Summit に参加しています。不況、ネットビジネスに対する悲観論などもありますが、頑張っているベンチャーもまだまだあるようです。夕食後のゲストは、あのランス・アームストロングでした。彼のファンは、ここシリコンバレーにもたくさんいます。ボクは参加しませんでしたが、ランスにサインしてもらうトレックの自転車(定価だと30万円くらいかな?)が、チャリティオークションで90万円近くで落札されました。
 詳細はこちらのサイトへ。→web2summit

 それと、昨日の大統領選挙の結果には、ほとんどすべての人たちが喜んでいるようです。朝食の席でいっしょになったマイクロソフトの女性社員は、「アメリカ人として誇れる出来事ができた」とまで言っていました。結構、そう思っている人は多いのではないかと思います。

追記
今日は、グーグルとのパートナーシップの可能性がなくなったヤフーcEOのジェフリー・ヤンも予定通りスピーカーとして参加していました。司会役のジョン・バッテルに、シビアな質問の連続を受け、気の毒な場面もありました。厳しい立場に置かれているという印象でした。
Dscf1408

恐慌の足音

 きのうは泊まりで新潟訪問。初めての新潟、日頃お世話になっているお取引先の方々にお会いでき、勉強になりました。新潟で泊まったホテルでは、オープン30周年記念ということでしょうか、新米のコシヒカリ(450グラム)をいただきました。新潟は、お米、魚がおいしくて、最高です。
 で、今朝8時台の新幹線で帰ってきたのですが、10時半過ぎに東京に着いて、会社の近くにあるビックカメラに立ち寄ってみると、どうも人(客)の姿が、普段の週末よりもかなり少ない印象を持ちました(午前11時前後)。その前に立ち寄った、三省堂(有楽町店)でも、立ち読みをしている人の姿も心なしか、少ない。(ここでは、今話題になっている副島隆彦著「恐慌前夜」を購入。ちなみに、三省堂のスポーツコーナーでは、『ツールドフランス_勝利の礎』(アメリカンブック&シネマ刊)が、何冊か棚に立てて置かれているのを見て、うれしくなりました。三省堂さん、ありがとうございます!)
 きのうは、ずっと新潟でお取引先を何カ所か訪問していたので、株式市場が再び暴落し、ドル円が90円台に一時なっていたことなどは、後で知りました。これだけ株が下がると、急速に心理状況が悪化しますね。海外市場が全滅状況で、相対的に傷ついていない日本に海外のお金が緊急避難先として入ってきているのかもしれませんが、輸出で支えられてきた日本の景気なので、日本の景気もこれからかなり悪くなるのではないかと思います。年末のボーナスは厳しいだろうから、ビックカメラの年末商戦も厳しくなるだろうね。
 新潟で泊まったホテルには、コリアンエアーのクルーたちの姿がありました。クルーだけでなく、韓国や中国からの観光客の姿もありました。ここ数年、日本にたくさん来ていたアジアの観光客も、これから減っていくのではないでしょうか。ラスベガスを抜いたと言われていたマカオも、客足が遠のいていると聞きます。
 世界全体、パーティ・モードから、お葬式モードに入ってきているように見えます。

バフェットからのアドバイス

以前、黒犬通信で書いた、任天堂の山内さんが座右の銘としている(とお聞きしている)、「失意泰然、得意冷然」。それと同じような意味の言葉を、ウォーレン・バフェットも言っています。ただし、こちらは投資に関してですが。"Be fearful when others are greedy, and be greedy when others are fearful."

逸話として残るかもしれない手紙

サブプライムで大もうけ。もう他人の金のために、あくせく働くのは辞めると言って「引退」するファンドマネージャーの手紙がアメリカで評判になっています。結構おもしろい内容です。
Andrew Lahde:Good-bye letter

フランクフルトブックフェア訪問

 Dscf1384 Dscf1365
社員のSさんと、60回を誇る、フランクフルトブックフェアを訪問し、さきほど帰ってきました。とんぼ返りのヨーロッパ訪問で、体はがたがた(腰痛!)ですが、出展している多くのブースの素晴らしさに驚きつつ、ヨーロッパの知的水準の高さ(の表れだと、ボクは感じました)に、あらためて感心しました。本を読まなくなっているのは、世界的な傾向のはずですが、ドイツの出版社および一部英米の出版社の力の入れようをみていると、東京国際ブックフェアでの日本の大手出版社のブースが、非常に寂しく思えてきます。
 幕張メッセのメッセという言葉のもとになっているフランクフルトのメッセ。数日、ここに通うだけで、フランクフルトの中心地には一度も足を踏み入れることなく、空港、ホテル、メッセしかみることがありませんでした。が、豊かなヨーロッパの出版文化にすこし触れることができたことがうれしいです。
 今週は、ヨーロッパでも、テレビを見ても、新聞を読んでも、世界の金融市場のニュースばかりでした。日頃読んでいるFinancial Timesの記事で、アメリカにおいても、格差問題を、大きな社会問題と考える人口が増えていること。自分は、持たないグループに入っていると感じている人が増えていること。そして、新しい大統領の政策いかんでは、アメリカも、ヨーロッッパ並みの規制を持つようになるかもしれないこと。そのような記事が気になりました。
 この記事の中で、アメリカにおいて、social contract、つまり(ルソーの著作でも有名な)「社会契約」が、新たに出来上がるかもしれない、という文章が記憶に残りました。日本には、われわれ国民と、政府の間に、「社会契約」というような概念があるのでしょうか? 日本の新聞で、連日のように報道されている公務員による不正記事を読んでいると、われわれ国民の税金をいったい、何だと考えているのか、それとも、考えていないのか。「契約」というような考えは、われわれの税金の使い方に関しては、まったく存在していないから、こそどろをやっても、なんら罪の意識さえもなくなっているのかとさえ、想像しています。かつての社会主義国の腐敗した役人たちのレベルのように見えてくるのが、残念でたまりません。

歯科技工士がいらなくなる日

 数日前、知人から紹介してもらった歯科診療所で、最新医療の一端を経験。虫歯の詰め物であるセラミック(修復物)を、CAD/CAMで作成するのですが、口の中の写真撮影から修復物の製作まで、短時間(約30分)。噛み合わせをチェックし、歯科医が微妙な修正してくれて、はい、終わり。ドイツのシロナというメーカーの製品で、この技術をずっと研究している先生にお世話になりました。歯科技工士による作業が完全に不要になります。さらに患者としては、来診が一回分減り、精度の高い修復物をえることができます。保険外診療ですが、非常に値段もリーズナブルで、驚きました。(その晩、いっしょに夕食をした取引先の方たちにこの話をしたら、その値段のリーズナブルさに、皆さん、驚いていました。)
 世の中でお世話になりたくないことのひとつは、歯の治療ですが、このような最先端の技術を使う歯科医が増えていくことは、大歓迎です。
 →
シロナHP

Dscf1328_2

Dscf1327_2

Is this the selling climax?

 日本人ノーベル賞受賞者の朗報が続いていますが、株式市場は「ボロボロ」です。弊社担当の若手証券マンは、「入社以来、初めて経験するマーケットです。」なんて言っています。いま、われわれが見ている相場は、10年、あるいは20年に一度あるかないかのマーケットです。ボクがビジネススクールを卒業した1987年にも、「ブラックマンデー」がありました。その後、90年代、日本の株式市場は10年間にわたって、「植物人間状態」でした。若いうちに、厳しいマーケットを経験すること、その中で、人間がどのような心理状況に陥り、どのような行動をとるのか、しっかり観察すること。それがいい勉強になるはずです。
 今日の日本の株式市場(終値は、9203円)に関して、麻生総理は、「普通じゃない。想像を絶する。」と言ったとか。英語にselling climax という表現があります。定義は、A period of very high volume and sharp downward movement in the stock market. A selling climax generally signals the end of a prolonged bear market. Also called climax. あとから振り返ってみた時、定義通り、パニック売りの終わりの段階だったのかどうか。それは、only time will tell. (時間がたってみて、わかること)
ピンチはチャンスになりえます。ボクらも、このピンチを新しいチャンスに変えていきたいな。