アイデアエクスチェンジに村藤功さん登場

「アイデアエクスチェンジ」に村藤功さんが登場。「さん」と書くと、ちょっと「違和感」があります。彼とボクとは、社会人として初めて職を得た会社で、ふたりだけの「同期」。1983年、もう26年前の話です。なので、村藤クンと書かせていただきます。
 村藤クンは、いまでは九州大学のビジネススクールの責任者として、大先生になっています。ボクと違って、とても勉強家なので、大学教授というのは、彼には天職なのではないかと思います。
 4回分の配信では、毎回、話題が飛び跳ねていますが、彼の関心の広さや問題意識をご理解いただけるのではないかと思います。司会役不在で、お聞き苦しいところもあるかもしれませんが、あと2、3年で30年にもなろうとする長き友人です。ぜひお聞きください。
アイデアエクスチェンジ「村藤教授の巻」

百年に一度の不況でも、化粧品ビジネスは不況知らず?

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 今月に入って、知人から紹介された整体院に通うため、時々表参道周辺に出没しています。腰痛のためですが、文字通り、体の姿勢を正しく整えるための「指導」を受けている感じです。あらためて分かったことはこれまでの姿勢がよくないこと、体が非常に硬いこと。股関節を中心とした屈伸運動を、一回ごとにはわずかの時間を利用しながら、1日のうちで何度か行っています。おかげですこしずつ明かりが見えてきました。来月あたりからは、少しずつ、サイクリングを始めようかと思っています。
 整体院までの道の途中で、シャネルの店の前を通るのですが、写真のような列ができていました。不況になっても、女性は化粧をやめない、あきらめないと聞きます。(それだけ化粧に関する刷り込みが行われているということか?)新聞の広告からは、化粧品、健康食品、そして団塊の世代をあてにした旅行は、ビジネスとして、ちゃんと成立しているように見えます。
 今回整体の指導を受けて思ったことですが、へたな食品ダイエットなど行うよりも、きちんと姿勢を整えることから始めた方が、根本的なダイエットになりそうです。ボクの場合、体重計の数字としてはそれほど減っていませんが、体の筋肉がしまってきたかと思います。正しい姿勢を取るようにし、適度な運動をすることが、ダイエットにつながるかと思います。
 

金本位制(40年前、グリーンスパンが言ったこと)

 FRB前議長で、今回の金融不安の張本人の一人とさえも言われるようになったグリーンスパンが、1966年、金本位制の役割と信用創造の危うさについて行った講演。グリーンスパンが、ウォールストリートに取り込まれる前の話。今また、金本位制の復活が一部で真剣に議論されるようになっています。

http://financialsense.com/metals/greenspan1966.html

ブランドの力

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これだけだと、ただのプラスチックゴミ箱。(150円くらい?!)

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メリルリンチの社長が、ゴミ箱に10万円使っていたという記事がありました。アップルのシールだけでは10万円には見えてきませんが、楽しい雰囲気にはなります。ちょっとした工夫。

ただのオプション

 今回のアメリカの金融危機に関していろいろな議論が出ています。資本主義の終焉だと言い出したり、懺悔本を出して印税を稼いでいる経済学者までいるわけですが、ボクは単純なので、根本の問題のひとつは、金融機関におけるボーナスの払い方にあると思っています。いくらかの修正はあったとしても、資本主義にとってかわる経済や会社の仕組みなんて、そう簡単には出てこないはずです。
 将来にわたって利益が実現されていく金融商品の製造、販売、あるいは売り買いにおいて、担当者は想定される利益の現在価値の何割かを、年末のボーナスとしてもらう仕組みになっています。ところが将来にわたって想定される利益は、大きく市場が変化する中で必ずしも確実なわけではありません。大きなリスクを持つ商品、別の言葉で言うと非常にギャンブル性の高い商品を作っても、一見、非常に大きな利益がでている時、金融機関はその担当者に大きなボーナスを払ってきました。ましてや、自分が作った非常にリスクが高い商品を無知蒙昧なる投資家に売り払ったあとは、知らぬ存ぜぬです。
 世界的に有名な金融機関がそんなバカなことをやっているはずないよね、なんて思うのは部外者だからで、実態は本当にずさんだったと言えます。
 個々人の社員には、実は「ただのオプション」(free option) が与えられているようなもので、会社のリスクと費用で大きな利益を上げた時にはその何割かをもらう、大きな損失を出したときには仕事を失うだけという、非常に一方的な関係がずっと成立していました。ボーナスは、現金で支払われます。ここで、ボーナスの支払いを現金ではなく、自分たちが作った商品で受け取るような仕組みにすれば、きっと金融機関に働く人間たちは商品の設計にもっと責任を持ったはずです。
 この前、大阪のクラブの女性が帰宅途中、350万円もの現金を奪われる事件がありました。水商売の人たちは、現金で給料やボーナスを取っていらっしゃるのかと思いますが、実はこの方たちのほうが、ある意味ではアメリカの金融機関の連中よりも、自分の仕事に責任をとっていらっしゃいます。ボクは夜のお仕事の詳細はよく知りませんが、お客さんがツケのお金を払わないときには担当のおねえさんたちは自腹でお店に支払いをしていると聞きます。ところが金融機関の連中は、会社にリスクを背負わせ、損をした場合にも、いっさい自腹で穴埋めをしたりはしません。
 この仕組みは別の言い方をすれば、「利益は資本主義、損失は社会主義」、あるいは「会社の利益は自分のもの、会社の損は会社のもの」という仕組みです。まさにモラルハザードです。こんなことを何年、何十年もやっている業界が、高給を取り続けること自体が犯罪的なことだと思います。メリルの前の社長は、自分の社長室を変えるのに億単位の金を使い、10万円のゴミ箱を使っていたという記事を読んだことがあります。今回のアメリカの金融危機で、1、2の例外をのぞけば逮捕された人間が出ていないことが不思議なくらいで、そんな業界が世界をリードしてきたことも、ふざけたことだと思っています。

 

「よい商品ほど広告をしなければならない。」

前佐賀市市長の木下敏之さんのメルマガに、含蓄ある言葉が紹介されていました。
「よい商品ほど広告をしなければならない。」松下幸之助の言葉だそうです。
メルマガ「夕張希望の杜の毎日」

『まぐれ』(ナシーム・ニコラス・タレブ著)

 原題は、"Fooled by Randomness_The Hidden Role of Chance in Life and in the Markets"。日本語の副タイトルには、「投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか」とあります。日本語の『まぐれ』というタイトルでいいのか、少々疑問です。ボクだったら『偶然』というタイトルにするかな。
 内容は金融における確率(あるいは偶然性)を取り上げているようで、本当のテーマは、理性と懐疑をもって生きることです。サブプライムで世界経済をメチャクチャにした金融界で働くすべての人たちは、この本を読んだ方がいいのではないかと思います。
 この著者のことは、2007年、ハーバードビジネススクールのリユニオン(同窓会)に参加した際、金融の先生が特別授業の中で紹介してくれました。この『まぐれ』に次ぐ最新作品である"The Black Swan"を非常に高く評価されていました。この最新作も、ダイヤモンド社から翻訳出版される予定のようですから、楽しみにしています。
 2度繰り返して読んでみようと思うビジネスの本はそれほどないのですが、この本は再度読んでみようと思っている一冊です。
 最後にもうひとつ。著者はあとがきで、「私たちは、目に見えるものや組み込まれたもの、個人的なもの、説明できるもの、そして手に取ってさわれるものが好きだ。私たちのいいところも悪いところも、みんな、そこから湧いて出ているように思う」と記しています。ボクたちの会社が扱っている「資格」というサービスは、形のない目には見えないもので、個人的なものでもあり社会の中で認知されるものでもあり、時にその不思議さを想うことがあります。

消費は感情に左右される(なじみのお店によると)

 昨日は久しぶりに洋服を買いに。毎年バーゲンセールのときに買い物をするのですが、今年は5割引と、例年以上に値引き販売をしています。このお店とは、おつきあいが長いので、どちらかというと顔なじみです。
 で、店長のお話によると、やっぱりリーマンショックのあとの数ヶ月、昨年の10月、11月頃が最悪で、1月に入ってようやく息をつくことができたそうです。小売りは、株が下がったりすると、大きな影響がでるそうで、感情や気分の揺れに左右されるとか。「30年以上この商売をやっているが、こんなに急激に落ち込むのは、初めての経験」と、おっしゃっていました。(小売りではありませんが、この前、オフィスのそばにある東京会館に、海外からのお客さんを連れて昼食に行った時、ここもリーマン倒産のあとから、2、3割、お客が減っているとお聞きしました。)
 景「気」というくらいだから、「気」分というか、感情が与える影響は、大きいということでしょうか。

『日本の優秀企業研究_企業経営の原点6つの条件』(新原浩朗著)

 優秀企業とそうでない企業を分ける一般法則は、所属する業界の差に関わりなく見られ、以下のような6つの共通点が見られる、とする研究結果を書籍にしたもの。
1 分からないことは分けること
2 自分の頭で考えて考えて考え抜くこと
3 客観的に眺め不合理な点を見つけられること
4 危機をもって企業のチャンスに転化すること
5 身の丈に合った成長をはかり、事業リスクを直視すること
6 世のため、人のためという自発性の企業文化を埋め込んでいること

 まとめて言えば、「自分たちが分かる事業を、愚直に、まじめに自分たちの頭で考え抜き、情熱をもって取り組む」こと。

 この本の中には、ボクが尊敬している企業、企業家が紹介されています。任天堂(山内前社長)、信越化学(金川千尋現社長)、ヤマト運輸(故小倉社長)、マブチモーター、ホンダ、トヨタ、シマノなどなど。任天堂の山内さんにとっても、最初の30年は苦労の連続だったこと(トランプや花札事業にかわる新規事業として、タクシー事業、インスタントライスの製造にトライした)が紹介されています。また、マブチモーターの製品標準化の話も、おもしろかったです。
 任天堂やマブチモーターは、Big Giants になっていますが、"Small Giants"たちと同じなにかを、共有していると思います。

伊那食品工業_日本のSmall Giants(スモールジャイアンツ)

 アメリカン・ブック&シネマの新刊本「Small Giants」。おかげさまで、日本経済新聞の書評欄でも取り上げていただきました(1月18日付)。この本の中で紹介されているのは、アメリカの企業ばかりですが、日本に、Small Giantsがないわけではありません。それどころか、たくさんあるはずです。

 で、そのような日本のSmall Giantsのひとつが、この伊那食品工業なのではないかと、ロイターのHPに掲載されていた、雑誌「プレジデント」の記事から思った次第です。しっかりした哲学をお持ちの社長に感心しました。事業の深堀、地元に根付いた経営などが印象的です。

(→伊那食品工業記事