「日経ビジネス、お前もか?!」
posted at 2011.10.24
オリンパスが過去におこなったM&Aに関する疑惑の報道について、フィナンシャルタイムスと比較し、日本の新聞、特に日経新聞および日経ビジネスが及び腰だという意見があります。『「日経ビジネス」を発行する日経BP社の辣腕副社長として現在の日経ビジネスの局長以上の人事に深く関われた方が、今年の6月からオリンパスの社外取締役になっている。』という情報もあります。(→JB Press)
日頃、日本の新聞数紙に加えてフィナンシャルタイムス(FT)も読んでいますが、FTは1ページ全面でオリンパス疑惑を報道したり、社説で論ずるなど、日本の新聞よりもずっと大きな取り上げ方をしています。日本の新聞は一見中立なポーズをとりながら、まったく真実に迫ろうという意欲がない記事が多いなと思います。もしそのような意図ではないのだとすれば、コーポレートガバナンス、M&Aについての専門知識や見識がなさすぎです。
まさか、日経ビジネスあるいは日経新聞が、日経グループOBがオリンパスの社外取締役に就任しているということで、お茶を濁すような報道で済ましているとは考えたくない話です。ボクも日経ビジネスの購読者のひとりですし、途中、読まなかった時期もあるとは言え、20年以上にわたって日経ビジネスを読んできました。
日経ビジネスには、OBがオリンパスに関連しているから、手ぬるい報道でお茶を濁しているなんて批判には、しっかりした報道で反論していただきたいです。
今年、日経ビジネスには、こんな「汚点」があります。
3月14日号(「中高年は席を譲れ」特集)には、2ページにわたる「プルサーマル」プロパガンダの東電の広告、1ページの東芝の原子力事業広告がでています。日経ビジネスにとって皮肉なことに、この3月14日号は、3月11日の東日本大震災直後に発売されています。あまりにもタイミングがよすぎる広告でした。
繰り返しますが、日経ビジネスの長年の読者のひとりとして、今回のオリンパス事件に関して、背景の闇に切り込む勇気ある報道が行われることを期待しています。
「新聞なんかいらない。肝心なことが載ってない。」(宇多田ヒカル『Beautiful World』)なんてことだと、若い人たちだけでなく、われわれ中高年からだって、新聞・雑誌は捨てられていきますよ。
東京電力の「プルサーマル」プロパガンダ広告