日経新聞の「忖度」

3月も明日で終わり。もう今年の四分の1が終了する。
日経新聞が数年前に買収したFinancial Timesを読んでいます。買収後、Martin Wolfを始めとするFTの代表的なジャーナリストたちの記事が、日本語翻訳されて日経本紙にしばしば出ています。でも、ちょっと日本の政治に厳しかったりする記事はあまり見かけないような気もします。ボクの勘違いかな・・・

3月30日付のFTに、Leo Lewisという東京にいる記者(ちょっと日本に辛口の記事を書く傾向がある印象)が、日本で話題になっている言葉として、「忖度」という言葉を紹介してありました。安倍総理に対する遠慮や配慮から、周りの人間たちを始めとして多くの人間たちが行う「忖度」。

英語でこの言葉の説明として、以下のように紹介しています。

"Sontaku refers to the pre-emptive, placatory following of an order that has not been given."
"The word may not have been widely used by Japanese, but everyone instinctively gets its sinuous prevalence in government and private sectors."
"While the concept is not uniquely Japanese, few terms resonate so well in explaining Japan in the era of Shinzo Abe, the prime minister."

簡単にいうと、自己検閲。勝手に自分自身で、自分の手足を縛っていき、いつのまにか、自分の頭の中まで縛っていくような行為でしょうか。
この「忖度」という言葉は、日本人お得意の「おもてなし」と表裏の関係にあると、ボクは思っています。

FTでは、しばしば皮肉に飛んだ囲み記事やエッセイを読むことがあります。FTのジャーナリストはあまり「忖度」していないように思います。
日経新聞の皆さんも、時の権力に関する過剰な忖度をされることがないように。ご自分たちの名前では、率直でちょっとシニカルな記事を書くことに気がひけるのであれば、FTの記者たちの囲み記事でも翻訳して出されては?!