グーグルのマーケットシェア

日本を含めて、すべての市場でグーグルの圧勝とは限らないようです。(9月17日付け、フィナンシャルタイムスより)
中国:Baidu.com (66.5%), Google (11.3%)
韓国:Naver (57.7%), Google (8.5%)
日本:Yahoo Japan (51.0%), Google (39.5%)
ロシア:Yandex (45.9%), Google (33.0%)
チェコ;Seznam (62.5%), Google (24.8%)

"Is Google Making Us Stupid?"

 "IT Doesn't Matter" (邦訳タイトル『ITにお金を使うのはもうおやめなさい』)で有名になったジャーナリストが、雑誌「アトランティックマンスリー」(2008年7/8月号)に発表したエッセイ。→Is Google Making Us Stupid?
 メディアは情報のチャンネルであるだけでなく、読者の思考プロセスを形作っていくこと。なにを読むのか、どのように読むのか(例:インターネットか書籍か)ということが、われわれの自己形成に大きな影響を与えていくこと。(メディアの重要性の例として、ニーチェがタイプライターを使い始めてから書いた文章がそれ以前とは異なることをあげています。
 著者も、インターネットが読書経験に、さらには人物形成にどのような影響を与えつつあるのか、時間がたってみないとまだはっきりしたことは言えないとしていますが、Mayanne Wolf (タフツ大学の発達心理学者)の以下のような言葉を引用しています。"Deep reading is indistinguishable from deep thinking."(深い読書というものは、深い思考と切っても切りはなせないものだ)
 ネットサーフィンに代表されるように、長いものを読まなくなった人がアメリカでも増えているようです。ネットが人類にどのような影響を与えていくのかは、まだ見えないということでしょうか。

Facebookの日本における可能性と、匿名性の話

 海外の知り合いからはこれまでもFacebookへの招待であるとか、案内メッセージを受け取っています。Web2.0 Expoへの参加にあたって、Facebbokへの登録が薦められていて、その際、Facebookに入っています。先日は、ビジネススクールに行く前にお世話になった経営コンサルティング会社のFacebookネットワークへの招待が来ていました(かつて勤務したOB 、OGたちのネットワーク化にコンサルティング会社は熱心です)。
 これからすこしずつ、日本人の知人たちからのお誘いも増えていくのではないかと思います。日本でFacebookがどの程度の成功を収めるのか、匿名での情報発信が多い日本のネット文化が変化するきっかけになるのかどうか、関心をもってみていきたいです。

キューバでPC解禁

YouTube: Computers on Sale in Cuba for First Time

キューバでPCの一般販売が初めて許可されたそうです。
今のところ一種類のみ、モニターとあわせて800ドルの価格。カストロの弟にかわって解放政策が始まっています。これからどこまで進んでいくのか?

高精度計算サイト

カシオがおもしろい計算サイトを作ってくれています。サイトには、以下のような「決意表明」が出されていて、たいへん好感を持ちました。

 「計算に困ったらkeisanへ」「計算のことならkeisanへ」をキャッチフレーズに、今後もさらに「計算の正確さ、使い易さ、楽しさ」を追求しながら、ライブラリーの充実と計算への親しみを提供していきます。

 オデッセイコミュニケーションズで運営しているMOUG(モーグ)も、ぜひご愛顧ください。「マイクロソフトオフィスのことならMOUGへ」!

高精度計算サイト
MOUG (モーグ)

Web 2.0 Expo で使われたスライド

Web 2.0 Expo から帰国。会場でプレゼンテーションを行った人たちが、Slideshareというサイトに自分たちのスライドをアップしています。→Slideshare

Web2.0 Expo (2008_San Francisco)

R001046723日から、オライリーメディア主催のWeb2.0 Expo (サンフランシスコ)に来ています。今日(25日)が最終日。今回で2回目の参加ですが、昨年の方が大掛かりで、熱気があったように感じます。キーノート・スピーチのプレゼンテーションも業界のスターたちというよりも、より実務的な存在の方たちが中心でした。それでもベンチャー企業のプレゼンテーション・ブースには、いくつかおもしろいことを初めている企業がありました。今回は、日本からも知人の春山さんが来ていたほか、丸の内インターネットラジオ『アイディア・エクスチェンジ』にでてくれた、こちらに住んでいる海部さん(『パラダイス鎖国』の著者)たちとも、いっしょでした。

OfficeLive Workspace

マイクロソフトが現在英語版で提供していて、今後日本語版もでてくるものです。

MOS/MCASにご関心をお持ちのすべての皆さん、ぜひ、一度ご覧ください。

http://workspace.officelive.com/

「ウェブ時代‐5つの定理」(産経新聞連載記事)

 シンガポールから帰ったばかりで、昨日は新聞も読んでなかったのですが、産経新聞一面で、梅田望夫さんの連載が始まっているのに気づきました。梅田さんが、シリコンバレーで出会った言葉たちが紹介されています。一回目の昨日は、「アントレプレナーシップ」、2回目の今日は、「チーム力」について。今日の記事には大いに同意する点があります。たとえば、以下のような言葉です。

「Aクラスの人はAクラスの人と一緒に仕事をしたがる。Bクラスの人はCクラスの人を採用したがる。」(Aクラスの人は、自分を向上させたいと思っているので、自分より優れた人と働きたいと思うのに対して、Bクラスの人は、自信がないので自分よりも劣ったひとを採用する)

「世界を変えるものも、常に小さく始まる。」

 創造的な仕事は、チームワークから生まれると考える割合が、日本人はアメリカ人よりも低いというデータをある本で読んだことがあります。日本人は、創造的な仕事は、個性的な人が一人で作り出していくというイメージがありますが、これは間違いではないかと、常日頃、感じています。

 もうひとつ、日本人が「誤解」していることは、チームワークの前提となっているのは、「優秀な個人」の集りであるということで、単なる仲良し集団ではないということかもしれません。

 梅田さんの産経新聞の記事、この続きも楽しみにしています。

 

「ウェブ社会をどう生きるか」(西垣通著、岩波新書)

 昨年出た本で、出た直後に買っていたのですが、今頃になって拝読。インターネットのことになると、メディアのことが当然入ってきて、アメリカ論、英語論、そして民主主義のことにもふれざるを得なくなります。この本でも、これらの話題が取り上げられます。

 この本でおもしろかった事柄はいくつかあるのですが、そのひとつは近代国民国家成立において新聞の果たした役割。「新大陸では、ばらばらに住んでいた何十万人の開拓民どうしを英語の新聞が結びつけ、アメリカ独立戦争をたたかう共同体意識を育てたのでした」(ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体』-NTT出版)という話が紹介されています。

 もうひとつは西洋人にとって、「コンピュータは宇宙の森羅万象を論理的に秩序づける機械、いわば一種の”普遍論理機械”としても位置づけられる」という意見。

 また、「ウェブ空間を新たなフロンティアと見なす米国流のすさまじい拡張主義」という見方。特にこの意見はおもしろいと思いました。

 著者はスタンフォード留学の経験をお持ちだそうですが、アメリカの拡張主義的なところには非常に批判的で、アメリカが米西戦争後、フィリピンを支配したことを、日本人の目から見た小説もお書きになられていることを初めて知りました。