見城徹『編集者という病』

角川のスター編集長を経て、出版社・幻冬舎を創業した見城さんのエッセイ集。情熱的な生き方と仕事の仕方について熱く語った、文章やインタビューを集めたもので、重複がかなりありますが、作者のファンにはたまらない本になっています。なんだかんだと言って、僕も幻冬舎の本は結構読んでいますから、この熱い魂の持ち主のファンと言えるかもしれません。仕事において、これと思った相手を「落とす」までラブコールを送り続ける、その情熱には感心します。誤解を恐れずに言うと、ものすごい「人間たらし」です。もちろん、女性関係も激しいことを、本の中では、ほのめかしていらっしゃいますが。

これまで黒犬通信で、読んだ本の一部をご紹介していましたが、近々、アオテンのなかで、「今週の1冊」というブログを書くことになります。読んでいる本(の一部になると思いますが)、ビジネス、政治、歴史、小説、ITなど、読んでみておもしろかった本を、幅広くご紹介させていただきます。そちらのブログもご覧いただければ、うれしいです。

初めての広島

お取引先との会合に出席するために、初めて広島を訪れました。1時間ほど会場から抜け出して、平和記念公園を訪問。広島出身の知人も多く、これまで何度も広島のことを聞いたり、読んだりしていましたので、実際にその地を踏むことができたことに、感激しました。

広島18時発の飛行機からは、夕闇迫る19時ごろ、かなり東京に近づいたあたりですが、富士山のシルエットがくっきりと見えました。富士のすごいところは、一瞬にしてその山が富士であることを見る者に分からせるところでしょうか。富士はそのシルエットを約10分間ほど見せてくれた後、羽田の明かりが見え始めた頃、飛行機の背景の闇の中に姿を隠していきました。

広島も、富士も、日本にしかない、日本が背負っている歴史と風景そのもの。

「師」と「士」

今朝の朝日新聞の朝刊で、日本の教員の地位が国際的に見て保護されていると言えるかどうかを確かめるため、ILOとユネスコが日本に調査団を送ることになったという記事を見ました(社会面)。また、朝日ではここのところ、「ドキュメント・医療危機」というタイトルの連載を行なっていて、医療関係者、特に勤務医の現状に関して、警鐘を鳴らしています。

教員というよりも、教師という言葉のほうがなじみがあるのですが、医師にしろ、教師にしろ、「師」という漢字を含みます。広辞苑には、学問・技芸を教授する人(例:教師)、専門の技術を職業とする者(例:医師)などとあります。ちょっと気になるのは、この二つの「師」に対する評価というか、尊敬というか、それらがこの数十年の間に急速に落ちてしまっているのではないかということです。教師も、医師も、その重要性は、数字(お金)では表せないほど高いものです。

もうひとつ、職業を表す漢字で、「士」というものがあります。「士」は、なじみのあるところでは、「弁護士」、「公認会計士」、あるいは「税理士」などに入っています。いずれも、プロフェッショナルであるべき仕事かと思います。広辞苑にでているひとつの意味は、「一定の資格・役割をもつ者」、とありますが、その前には、「学徳を修めたりっぱな男子」ともあります。悪徳弁護士とか、不正に手を貸す会計士とか、あまりほめられたものではない「士」の記事を読むことがありますが、このような「士」には、高い職業倫理を求めたくなります。

変貌する豊洲

久しぶりに、家から丸の内のオフィスまで自転車で通勤してみたのですが、結構、疲れました。今年は、トレーニング不足で、これから9月末にむけて、できるだけ走らないといけないと感じています。

会社に行く途中で、豊洲を通るのですが、このエリアの変貌には驚かされます。IHI(石川島播磨工業)の工場跡地は、マンションやショッピングモールに変わっています。今大人気のキッザニアも、ここにあります。高層マンションがどんどんと建っています。昨日は初めて船橋にあるららぽーとに行き、人の多さにびっくりしたのですが、ここ豊洲にもららぽーとがあります。どちらも三井不動産の事業。

豊洲の隣にある東雲も同様に、タワー型を含むマンションがぞくぞくと出来上がっています。ここも大きく変貌しつつあります。

20数年前、前回の不動産バブルの最中、東京湾沿いにある倉庫や工場を大開発していけば、東京にはまだまだ土地はある、と言われていました。そのとき、IHIも含めて、東京電力などの大型株はものすごい値上がりをしたことを覚えています。同じ頃、三菱地所があげた丸の内マンハッタン計画も含め、20数年前の話が着々と具現化してきたことを感じます。

豊洲からさらに都心部に近づいたところにある月島あたりには、ちょっとした長屋のような家も残っていて、その背景に高層マンションが建っていたりします。豊洲や東雲あたりは、古くからあるアパートと新しい開発が並立しています。会社からの帰りには、晴海を通ったのですが、このあたりの開発もすごいものがあります。もし東京オリンピックが実現したら、晴海にメインスタンドをというような話があると新聞で読んだことがあります。どちらにしろ、東京は恐ろしいくらいに再開発が進んでいます。

オレンジジュースの値上げ、映画『パッチギ!』

朝、近くのダイエーでびっくり。某メーカーのオレンジジュースが、これまでの398円から、一気に470円に大幅値上げされていることに、気付きました。新聞記事で、オレンジジュースの原料価格が高騰しているという記事を読んでいたのですが、小売段階での値上げを見ると、現実のものとして実感します。ユーロが対円で、最高値を更新していますが、ヨーロッパから輸入されている商品も、値上げが続出しているようです。

僕は通貨(為替)に関しては、円高論者で、いつまでも輸出産業に頼るべきではない。大体、これらの輸出産業はすべて製造業であって、これからはもっとサービス産業が強くならない限り、日本の更なる発展はないと思っています。(決して、製造業の重要性を否定するものではありませんが) とにかく、異常に低く抑えられてきた金利を段階的に上げていくべきだと思います。(現在の円安の一つの理由は、国内外の金利差にあるとされています)

夜は、映画『パッチギ!LOVE&PEACE』を観たのですが、喧嘩のシーンで始まり、また終わりにかけても喧嘩のシーンが続く、観る側にも、エネルギーを要求する映画。(パッチギって、韓国語で、「頭突き」という意味?) 在日朝鮮(韓国)の家族をめぐる話です。中村ゆりが、けなげだけども、芯の強い女の子を演じていて、好感を持ちました。韓流ブームが来るまで30年ほど前の、芸能人が在日であることを口に出すことさえも出来なかった頃のお話です。(映画の中で、「在日なくして、紅白歌合戦なんて、白組も紅組も、成り立たなくなるのにね」、というセリフがあります。ただ、今でも、芸能人が自分のアイデンティティをなかなか公言できないという状況は大なり小なり、変わりがないのかもしれませんが)

この前、ビジネス誌『日経ビジネス』の特集号で、日本国内における、ゲイやレズビアンを対象としたビジネスの紹介記事があって、日本のメジャーな経済誌の一つが、ゲイやレズビアンを取り上げるということに、ある意味では、感動しました。それほど、日本社会においても、多様性を表立って認めよう、という動きがあるということでしょうから。

どちらにしろ、マイノリティの人たちの歴史や価値観、日本社会をどのように見ているのか、それらを映画を通してでも、知ることができることは、いい勉強になります。以前、フジテレビでは、中国から日本に来て、娘がアメリカの大学に行くことをサポートし終えるまで、日本に不法滞在しているお父さんの番組がありました。マイノリティの目に映る日本、日本人を知ることは、新しいものの見方を教えてくれることがあります。

高松

昨日は久しぶりに四国・高松に、数時間滞在。30年近く前、大学生だった頃、新幹線や夜行列車で愛媛に帰るときには、宇野・高松(宇高)連絡船に乗って四国に渡っていました。(その連絡船が着くあたりにできているホテルで、会合を開きました。) 高松には学生の頃の思い出がいくつかあります。

高松出張中、東京でお付き合いのある会社社長のご不幸をお聞きし、ショックを受けました。まだ53歳の若さだったのに。心よりご冥福をお祈りしています。

日刊新聞法

某・新聞社の経営者の方とお話していて、初めて日刊新聞法なる、商法の例外規定があることを知りました。勉強不足でした。この法律で、新聞社の株式の売買に制限がかかっているそうです。いくつかのサイトで見た情報だと、冷戦中(1950年、昭和25年)、共産主義的なオーナーの手に新聞社が所有されないようにするために、日刊新聞の発行を行なう新聞社の株式譲渡を、大幅に制限することを可能にした法律だそうです。

今日お会いしたトップの方も、これまでのビジネスモデル、これまでの読者層では、新聞社の存続はありえないとおっしゃっていました。透明度の高い経営、規制緩和、自由化、競争などといったことを声高に叫ぶことの多いマスコミ。ご自分たちの業界にとっては、ずっと対岸の火事だと思ってきたことが、広告収入が落ち込み、足元に火が迫ってきていることを、ひしひしと感じていらっしゃるのではないかと思います。新聞の後は、テレビでしょうか?今日お会いした方も、今のテレビのような、はっきり言って、視聴者を愚弄しているメディアが、世論の形成に最も影響力があることは、恐ろしいことだというご意見でした。

エルジェ生誕100周年

Photo_2 夜、ベルギー大使公邸で、タンタンの製作者、エルジェの生誕100周年記念パーティがありました。オデッセイコミュニケーションズも、タンタンをキャラクターとして使っている関係で、パーティに参加。写真は会場入り口でお客さんたちを迎えるタンタンとスノーウィー。

2009年には、スピルバーグがアニメでタンタン映画を公開することになっています。楽しみです。

英治出版のブログより

弊社で発行している『グラデュエーション デイ』を発売していただいている、英治出版のブログで、『ビジョナリーピープル』とあわせて読むことを提案していただいています。

こちらをご覧ください。

メトロのキオスクにある雑誌

Wwd 半蔵門線・表参道駅のホームにあるキオスクに、WWD(Women's Wear Daily)の日本語版タブロイド誌があることに気付きました。場所によって、売っている雑誌の品揃えも違っていることに、ちょっと感心しました。WWDは、アメリカの有名なファッション業界の雑誌で、この雑誌の編集長だった人間をとりあげた本を読んだことがあります。WWD JapanのHPをみると、表参道以外にも、11の地下鉄駅のキオスクで販売しているようです。

今日は午後遅くに、オデッセイ通信にも登場いただいた、株式会社ゼットエムピーの谷口社長を訪問。ロボット製作に挑戦しているベンチャー企業です。メーカーのベンチャー企業は、僕があまりなじみのない分野なので、勉強させてもらいました。谷口さんのインタビューは、オデッセイのHPで、見ることができます。

『この国は誰のものか』

今月に入って、自転車に乗る回数がかなり増えているのですが、去年と比べると、力の入れ方が格段に落ちていると言われています。今日も風が強かったせいもあって、夕方、1時間ほど自転車に乗るにも、自分自身で叱咤しないと走れませんでした。去年はこの時期、富士ヒルクライム大会に出たのですが、今年は9月末のホノルル・センチュリーライド以外、これといった目標を立てていないのも良くないようです。自転車雑誌で夏の間のイベントを見つけて、1、2、参加してみようと思っています。

タイトルの本は、現役の企業弁護士である、牛島信さんによるエッセイ集です。「この国は誰のものか、という問いは、この国のステークホルダーは誰かという問いであるにとどまらず、そのステークホルダーが不当に無視されているのではないかという疑問の提起でもある。」 著者のいうステークホルダーが、我々国民の一人ひとりでなくして、一体、誰であろうかと思います。200ページほどの短いエッセイ集ですが、敵対的買収、株主代表訴訟、コーポレート・ガバナンスなど、毎日のように新聞をにぎわせているテーマを考えるヒントを与えてくれる本です。一番最後のエッセイで、裁判員制度のきっかけを作った、矢口洪一最高裁判所長官の話が出てきます。この文章だけでも、この本の価値はあると思います。

「しけのあるうちにイカリを巻け」

『できる会社の社是・社訓』(新潮新書)で知ったのですが、大洋漁業(現在のマルハ)の創業者・中部磯次郎の言葉です。海がしけているうちに船を出せ、天候が治まってからではもう遅いとして、リスクをとる重要性を教えてくれています。それから大洋漁業の寄付で出来た大学が、神奈川工科大学だということも、初めて知りました。

この本の中には、いろいろな会社の創業者たちの思いが詰まった言葉が紹介されていますが、一番最後にでているこの「しけのあるうちにイカリを巻け」というのが、一番気に入りました。でも、検索すると、中部磯次郎の情報はあまりネットにでていなくて、残念な思いがします。

蛇足ですが、この本の中に、サントリーの話もでてきます。サントリーの社是は、

  1. 開拓者精神
  2. 品質本位
  3. 海外発展

だそうですが、この開拓者精神というのが、「やってみはなれ」ということにつながっていて、サントリーのユニークさだとされています。で、ここからが本当の蛇足なのですが、70周年記念の社史「サントリーの70周年」のなかで、サントリー出身の直木賞作家、山口瞳と開高健が、創業者の鳥井信治郎が艶福家であった噂を確かめるために、退職社員のものを訪れます。そのときの以下のような会話が、社史にでているそうです。

  • 「どんなときにも10人はいましたな」
  • 「十人?女性が?」
  • 「そうだす」
  • 「・・・・・・」

他社の社史には、これだけ破天荒で、読者を酔わせるものは存在しないと、『できる会社の社是・社訓』の著者はしています。こんなおおらかな会社がもっとあれば、ビジネスもおもしろくなると思うんですけど、どうでしょうか?ただし、サントリー100年史には、そのような遊び心、洒脱さは感じられないそうです。

地元の有隣堂、三省堂でも

地元駅前の本屋さん(三省堂および有隣堂)でも、『グラデュエーション デイ』の平積みが。特に有隣堂では、2箇所で平積みにしてくれていました。ありがとうございます。

ところで、ダイエーに行くと、宮崎のキャンペーン。そのまんま東のCM効果は抜群ですね。数百億円程度のCM効果はあるのではないでしょうか?

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ちょっとハッピー!(@三省堂有楽町店)

Photo 出版の経験のある人からは、初めての本が、書店に並んでいるのを見ると、とてもうれしくなる、ということをよくお聞きしていました。

オデッセイで初めて出した本『グラデュエーションデイ』が、三省堂有楽町店の1階で、平積みになっている様子を、見つけて、ちょっとハッピー!ケータイのカメラで撮ってきました。

この本のPRを担当しているNさんを、僕の大学時代の同級生(現在、某・ビジネス誌の副編集長)のところに、今日、営業に送ったのですが、彼女からも、「いい本を出したじゃない!」とお褒めの言葉をもらったのも、ちょっとハッピー!なことのひとつ。

パーティーなどにも参加いただいた方たちからも、パッと忘れられてしまうような本ではなく、長く価値を持つ本では?と言われていて、よかったなと思っています。

山形の犬は健全!

山形の柳沼さんから、ブルーノ君の近況が送られてきました。メールを拝見していると、毎日3、4時間ほど、野山を散歩しているそうで、犬も飼い主も、いたって健康的な状態のようです。柳沼さんにとって、命の次に大切な釣具類をかじったりすることもないとか。我が家の黒犬カイと僕は、なんとも複雑な関係で、こうやってPCに向かっていたり、本を読んでいたりする時間が、家にいるわずかな時間のなかでも多いので、「あんた、もっと注目してよ!」といわんばかりに、不在中、僕の本をかじっていきます。買ってきたばかりでまだ読んでいない新刊や、大学時代からとってある本の何冊かもやられていて、これまで合計すると50冊ほどの本、それから革製品もやられています。この前なんて、恋愛小説を、ハードカバーが両面、食いちぎられる状態にまでされ、「恋愛小説なんて読んでなくて、♀の私ともっと遊んでよ」、といわんばかり。我が家だけではなく、現代人の、飼犬との関係は、複雑になっていますね。柳沼さんちは、飼い主、飼犬ともに、心身両面で、健康的な感じがします。(写真は、野山で木々をかじって遊ぶ、健全な(!)山形の黒犬)

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『国家は僕らを守らない』

朝日新書の新刊。「愛と自由の憲法論」と副題にあります。専修大学の若手の先生(田村理教授、1965年生まれ)が書かれた本です。憲法とは、国家=権力に余計なことをさせないための規範である。人権は国家=権力に余計なことをさせないことでまもられる。そのためには、国民は自立した個人であることが求められる、と書かれています。

この本の中に、憲法第15条が紹介されているのですが、15条は公務員の選定、罷免を規定していて、その第一項と、二項には、いかのようにあります。

  1. 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
  2. すべての公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。

大学は一応、法学部。憲法は好きな科目でした。でも社会人になって、現実の社会で起こることに慣れきってしまって、「あ、憲法では公務員はこうなくちゃだめだ、となっているんだ」と、とても新鮮に感じました。

公務員の皆さんには、是非とも、この2文を、毎朝でも、読み上げていただきたいものです。

日本国憲法、一度、読んでみません?結構、おもしろいですよ。

隣のオフィスのOffice ストーリー

マイクロソフトのオフィス2007に関する、現在進行中のキャンペーンです。要・チェック!

http://www.microsoft.com/japan/office/2007/story/04/default.mspx

主婦の起業(aotenブログから)

丸の内起業塾in Fukuokaに参加された三浦織江さん。元A航空のスチュワーデスで、専門学校の講師などを経て、化粧品の会社を設立。これから頑張って、自社の商品を世に問おうとされています。

今週から新たなaotenブログとして、三浦さんの「為せば成るか?起業家への道!」がスタートしました。三浦さんの事業、うまく行くかどうか?皆さん、応援してあげてください。

Sympathy for the devil

5月13日付けのFinancial Times (Life & Arts セクション)に、Sympathy for the devil (悪魔への同情)という特集記事がでています。日本の新聞でも報道された、オーストラリアのかわいい「悪魔」、タスマニア・デビルという動物が、口のまわりなどにできる癌のため、絶滅の危機に瀕しているということです。

ちょっとネットで調べてみると、タスマニア島にしか生息しない、このかわいい悪魔のために、たくさんのHPができています。たとえば、Save The Tasmanian Devil というサイト。英語だけでなく、日本語でも情報はたくさんでているようです。

ちょっと見ると、うちの黒犬たちと似てなくもなく、リラックスしたポーズなどは、黒犬たちそのままです。

南半球の国にはまだ行ったことがないのですが、カンガルー、コアラだけでなく、オーストラリアにはユニークな動物たちがいそうなので、一度、行ってみたいです。

日経新聞「人間発見」

今日の夕刊から、日本国際交流センターの山本正さんとのインタビューが始まっています。6、7年ほど前に初めてお会いして以来、時々、お会いさせていただいています。国際交流の分野で、一貫した仕事をされてきた方です。

母の日

アメリカでよく買う雑誌に、Technology Review というMITが発行している雑誌があります。その雑誌のHPを見たら、内容が充実していて感心しました。「アップル製品のデザインの秘密」というおもしろい記事がでています。

ところで今日は、母の日。皆さん、電話くらいしました?

一年でも最高の陽気

宝くじが当たったわけでもなく、急にモテ始めたわけでもないのですが、今日のような陽気の日は、一年でも最高の一日かと思います。久しぶりに(以前住んでいた)柏市に行って、日立柏サッカー場で、柏と大分の試合を見ました。国立などとちがって、こじんまりとしている日立柏サッカー場は、観客席とフィールドがつながっていて、観戦には最高です。午後4時から始まり6時には終わりましたが、最高のサッカー日和でした。

『司馬遼太郎・歴史の中の邂逅』

司馬遼太郎の歴史小説はほとんど読んだことがないのですが、エッセイはかなり読んでいます。なぜかわからないのですが、歴史小説というものを読み続けることができず、何冊か試してはいるのですが、いつも、途中で投げ出してしまいます。

これまででている文章の中から、歴史上の人物に焦点をあてて書かれたエッセイを取り出してまとめてある、『司馬遼太郎・歴史のなかの邂逅』(中央公論新社)がおもしろかったです。特に、1969年に、雑誌「諸君」に発表していた「織田軍団か武田軍団か」を何度か読み返しました。この中で特に印象に残ったのが、以下の文章:

  • アメリカ人というのはもともと玄人というものを頭から否定する精神があるんじゃないでしょうか。そして素人が集まって何かやるときの共通項といえば合理主義しかありません。これは理屈に合っている、というのは素人ならみんなが賛成する。玄人の集まりだとそうはいかないことが多い。ここが現代にいたるまでアメリカ社会が他を抜いて進化した一つの要素でしょうか。

日本の政財界のエライ人たちが、愛読書としてあげることが多い、司馬遼太郎の作品ですが、エライ人がしばしば上げる名前であるがゆえに、司馬遼太郎を敬遠している時期が長くありました。でも、司馬遼太郎とは意見が合いそう。たとえば、

  • 「秀吉が死ぬと徳川時代が三百年続くでしょう。これは管理社会などとてもいえたものではない。能率などはどうでもいい。人間をいかに反乱させずに安穏に暮らさせるか、この目的で組織された社会です。」(「織田軍団か武田軍団か」)

    →いくら平和でもこんな社会ではあまり暮らしたくない!

  • 「戦国時代というのは庶民にとって苦しい時代だったろうといわれているけども、決してそうでもなかったようです。戦国時代のほうが明るくて、風通しがよくて、個々人の人生に可能性があったように思いますし、むしろ平和な江戸時代のほうが暗かったような感じです。」(「大坂城の時代」1972年発表)

   →僕にはこちらの時代のほうが(徳川よりも)ずっとおもしろそう! 

「司馬遼太郎が考えたこと」というシリーズが、新潮から全15巻ででています。いつか読んでみようと思っています。

悲しき狭小国家

日本の国土の狭小さにまつわる話、三つ。すべて今日見聞きしたことです。

1朝日の夕刊一面に、市谷の防衛省のそばに建つ38階建てのマンションが、迎撃弾ミサイルの飛行コースの方角と、完全に重なってしまうことがでています。車でたまにこのそばを通ったときに、防衛省のとなりの高層マンションに住む人がいるのかな、と思っていたのですが(いつミサイルが飛んでくることやら)、記事によると38階建てのマンションは、予約で完売だとか。(でも、この記事を読んでキャンセルする人がでるのでは?)

2 同じく朝日夕刊の2面には、「小学校の隣に仮出所者の施設」を建てようとしたプランが、地元の人たちの大反対で、暗礁に乗り上げているという記事(場所は福岡市)。代替の土地があるのか?

3 飛行機を操縦するのが趣味という人から聞いた話。アメリカでは、自家用飛行機を持つ人が、何万といるそうで、自分の手で飛行機を作る、DIY市場も立派に存在しているとか。(組み立てキットが数十万円で発売されている)実際、個人愛好家向けの、厚いカタログを見せられました。日本では、さまざま規制があって、調布の飛行場でも、個人で飛行機をとめているのは、その人も含めて、10人か、20人程度だとか。移動の自由を味わわせてくれるのが、飛行機。

今日お会いした方は、アメリカでもよく飛行機を飛ばしているそうです。アメリカは、自己責任の原則がしっかりしていて、規制緩和が進んでいるそうです。

はやり土地は広いほうがいい・・・土地の話になると、アメリカやカナダ、オーストラリアなど、羨ましくなります。

再び、映画『バベル』について

けさ、と言っても、正確には昨日ですが、朝日新聞の朝刊で、作家・沢木耕太郎が、『バベル』は大いなる野心のもとに作り上げられた作品だったが、登場人物たちがチェスの駒のように動かされ、内面を演じることが出来なかったがゆえに、「傑作」たりえなかったとしています。ただ、沢木も、菊地凛子を除いて、としています。

たとえ「傑作」ではなかったとしても、菊地凛子の演技と、この映画で使われている音楽、そしてモロッコの風景だけでも、この映画を観る価値は大いにあると思います。実は、僕はこの映画をGWの前半と後半に2回観てしまいました。一週間で2回、同じ映画を、映画館で見るのは、本当に久しぶりの経験でした。それほど、この映画には魅力がありました。

大学経営に関する興味深い提言

これから大きく変化していくであろう、大学経営に関する興味深い提言。すでに始まっていますが、経営統合、M&Aも普通のことになっていくのでは?

http://headlines.yahoo.co.jp/column/bp/detail/20070502-00000000-nkbp-bus_all.html

イラク戦争

僕もそうですが、イラクでなにが起こっているのか、ほとんどの人はもう関心をなくしてしまっているのかもしれません。実は、イラク戦争は03年3月からの43日間で終わったのではなく、そこから始まったと言えるくらいなのに。

今朝の朝日新聞読書コーナーに、『イラク占領』(パトリック・コバーン著)という本が紹介されています。評者の東京外大の酒井啓子さんによると、著者は、超一流のイラクウォッチャーだそうです。イギリス・インディペンデント紙のジャーナリストです。

パトリック・コバーンと並んで、酒井さんが、パレスチナ報道の第一人者として名前を挙げているのが、ロバート・フィスクこのロバート・フィスクが、自著("Great War For Civilization")について、2006年4月、MITで行なった講演のポッドキャスティングがあります。ロバート・フィスクの紹介は、ノーム・チョムスキーが行なっています。1時間40分ほどの講演ですが、3、4回ほど聴き、そのつど、新しい感動がある話でした。

『イラク占領』の中でも強調されているようですが、ロバート・フィスクの講演の中でも、現在のイラクは、完全な無法地帯となっていて、ジャーナリストたちは、武装された一部の安全地帯の中でのみ、取材せざるを得ない状況になっていることがでてきます。まったく現場取材は不可能なようです。

イラク戦争は43日の前書きのあと、泥沼化した本編がずっと続いている状態で、どうやって終わるのか、その筋書きも見えないありさまです。日本の自衛隊がイラクで活動していたことなど、前書きと本編の間の、ちょとしたエピソードでしかなかったのではないかと思います。ロバート・フィスクは、講演の中で、「イラクが産油国ではなく、主要輸出物がアスパラガスだったら、アメリカはイラクに行っていたのか?」と問いかけています。

映画「Year of the Dog」 ホームページ

5月4日、アメリカで公開される映画のホームページ。よくできています。犬のファンでなくても感心するはずです。音楽、ビデオ、アニメをうまく使ってあります。メニューから、Tricks and Tips を観てください。芸をどのように教えるのか、ビデオで教えてくれます。

Tim O'Reilly on education

Tim O'Reilly への電話インタビュー。Web 2.0 と教育、独学の重要性、オライリーが評価するウェブサービスなどについて、コンパクトに知ることができます。このインタビューの中で、おもしろいと思う人間は、往々にして、独学の人間の方が多いように思う、という意見を出しています。また、教える人間が、教えていることにどれだけ情熱を持っているか、それが生徒の学習意欲を決定づける、ということも。日本だけではないのでしょうが、型にはまった学校教育はもしかして、弊害の方が多いのかもしれないです。大学入試に焦点を合わせた日本の学校教育(これは韓国も同様かもしれませんが)、勉強しなくても卒業させる大学(新卒採用の面接で、勉強の話をしないで、アルバイトやサークル活動で「社会性を磨きました」という大学生が多くて閉口します)。

この前、雑誌で、zozotown  を創業した前澤友作さんのインタビューを読みましたが、早稲田実業高校で、学年で一人だけ大学進学しなかったとか。HPもとてもオリジナルティがあっていいと思いますが、彼も、日本には珍しい独学の人でしょうか?

http://www.edtechlive.com/audio/OReilly.mp3

Dreaming In Code

Salon.com (2000年前後のアメリカにおけるドットコムブームの代表的サイトのひとつ)の創業者のひとりで、テクノロジー責任者だったScott Rosenbergの本。彼のポッドキャスティング でこの本のことを知りました。ソフトウェア開発の持っている難しさについて、参考になる話です。まだ日本語訳はでていないようですが、どこかのIT系出版社で出されてはいかがでしょうか?

GWに思う

Golden Week (GW)。いつの間にか、日本は祝日の多い国になってしまっています。修学旅行から始まって、団体行動にならされてしまっているので、一斉にみんなで休みをとらないと、自分一人では休みがとれない気持ちになってしまったのでしょうか?僕もそのような日本人の一人かとは思いますが、高校在学中に1年間アメリカに行ったことで、同級生からは1年遅れ、大学4年生では一切就職活動をせず、さらには、最初に入った20人程度の職場は同期がひとりだけ。そんな経験を経てくると、だんだん、大多数とは違った行動をとることに、恐怖が少なくなってきます。逆に大勢で移動している団体の観光グループなどを見ていると、少々、違和感を感じるように。

ビジネスだけでなく、学問のテーマなどもそうだと思うのですが、最初のアイディアやインスピレーションは、一人の人間が孤独に耐えながら、生み出していくもので、それらを実現していくには、お金の問題さえなければ、集団の意思決定などではなく、やりたい人間の強い意志で進めるべきなのだろうと思います。

昨日、一橋大学の石倉洋子先生から、6月末に東京で開催される、イノベーションをうむインフラというテーマの討論会のご案内をいただきました。時間があれば、僕も参加させていただこうと思っていますが、とにかく、小さい頃からの教育を変えない限り、イノベーティブな社会を作っていくのは難しいように思います。子供に、いい大学をでて、大企業の社員や公務員として、安定したキャリアを望む両親が相変わらず多いとしたら、根本的に日本人のDNAが保守的なのかとさえ思えてきます。

でも、これからのビジネスは、そんなことを言ってはいられないので、日本人の(というよりも、「日本社会の」)DNAを変
えていくことを始めないといけないですね。僕は決して日本人がイノベーティブではないと思っていないです。日本社会に張り巡らされた、目に見えないルール
や考え方が、日本人をイノベーティブ
ではなくしているのだと思います。時間はかかると思いますが(急激な革命でも起きない限りは)、変えていくことはできるはずです。

受刑者の社会復帰をITで支援する会社

ヤフーのニュースで初めて、このような勇気ある会社があることを知りました。

プリズニーズ株式会社

「財政的幼児虐待」

新聞の読書コーナーで、すごい言葉を発見。

「財政的幼児虐待」。何のことかと言うと、膨大な公的借金を、次世代に先送りしていること。このくらい激しい言葉を使わないと、国や地方自治体の借金に、国民が反応しないと思われているのか?