『この国は誰のものか』

今月に入って、自転車に乗る回数がかなり増えているのですが、去年と比べると、力の入れ方が格段に落ちていると言われています。今日も風が強かったせいもあって、夕方、1時間ほど自転車に乗るにも、自分自身で叱咤しないと走れませんでした。去年はこの時期、富士ヒルクライム大会に出たのですが、今年は9月末のホノルル・センチュリーライド以外、これといった目標を立てていないのも良くないようです。自転車雑誌で夏の間のイベントを見つけて、1、2、参加してみようと思っています。

タイトルの本は、現役の企業弁護士である、牛島信さんによるエッセイ集です。「この国は誰のものか、という問いは、この国のステークホルダーは誰かという問いであるにとどまらず、そのステークホルダーが不当に無視されているのではないかという疑問の提起でもある。」 著者のいうステークホルダーが、我々国民の一人ひとりでなくして、一体、誰であろうかと思います。200ページほどの短いエッセイ集ですが、敵対的買収、株主代表訴訟、コーポレート・ガバナンスなど、毎日のように新聞をにぎわせているテーマを考えるヒントを与えてくれる本です。一番最後のエッセイで、裁判員制度のきっかけを作った、矢口洪一最高裁判所長官の話が出てきます。この文章だけでも、この本の価値はあると思います。