映画「バベル」

菊地凛子がアカデミー助演女優賞にノミネートされたことで有名になった映画。モロッコ、メキシコ、東京の3箇所で起こる悲劇が、一見、オムニバス形式で別々のことのように始まりながら、いつのまにか、きれいに結びついていく。(最初、モロッコと分からず、風景はアフガニスタンかと思えた)

菊地凛子が年頃の女子学生の危うさを、痛々しいくらいに演じていて、素晴らしかった。ブラッド・ピットと、ケイト・ブランシェットのモロッコにおける悲劇は、同じくモロッコが舞台となっている、映画「シェルタリング・スカイ」を思い出させてくれた。

3つの悲劇が結びつき、ひとつの円が出来上がるとき、コミュニケーション手段が発達し、グローバル化する世界に僕らが住んでいることを、感じさせてくれます。でも、それぞれの国で、場所で、家族で起こる悲劇には、一人ひとりの人間のおろかさや過ちがあり、心を通い合わせることを求めている人間がそこにはいます。

昨晩は、少々疲れ気味だったので、2時間20分の映画は少々ヘビーでした。体調のいいときに、もう一度みたい映画。繰り返しになりますが、映画は素晴らしかったし、菊地凛子が特に良かった。テーマ音楽は一度耳にすると忘れられない不思議な音楽です。

この映画の監督は、メキシコ人だそうですが、9・11にまつわる映画も作っているようなので、是非それも見てみたいです。

バベル公式サイト

うれしいコメント

大学の後輩に当たる友人から、『グラデュエーションデイ』に関して、好意的なコメントをいただきました。春山さん、ありがとうございます!

僕が大学生のとき、聴いた講演で一番印象に残っているのが、作家・安部公房。当時、1、2年生の学ぶ、小平の教室でお聞きしたので、大学の前半のいつかのことだと思います。お話の内容は覚えていませんが、とにかく、お話がシャープで、こちらの頭の中まできれいに整理整頓されて、一瞬、賢くなった錯覚さえも覚えたことを記憶しています。安部さんのお話は、『グラデュエーション デイ』の中に入っているようなスピーチとは、まったく違いましたが、自分が魅力を感じる人のお話を聴くことは、大きな影響を与えてくれます。『グラデュエーション デイ』の中から、ひとつでも自分が気に入ったスピーチを見つけていただければ、うれしいです。

追記

『グラデュエーション デイ』の公式サイト(4月27日付けの投稿)に、プロモーション担当のNさんが、ジョディ・フォスターの似顔絵(らしきもの!)を書いていますが、実物のほうが、ずっといいような気が・・・

英語で記事を読む

今朝の朝日新聞の社説に、「謝る相手が違わないか」という意見がでていました。安倍総理が、アメリカに謝っているのかの印象を持ったので、英語ではどうなっているのかなと思って、asahi.com に関連記事を探してみたら、以下のような記事がありました

Abe apoligies to 'comfort women'.

気になったので、ニューヨーク・タイムスのサイトでも関連記事(Japan's leader walks thin line with remarks on sex slaveryー日本のリーダーは、慰安婦問題での発言で、綱渡り)をチェック。最近日本でも名前が知られている、マイク・ホンダという日系の下院議員は、「ブッシュ大統領は、慰安婦として犠牲になったわけではないのに、謝罪を受けいれるなんて、お門違いだ」と、もっともなコメント。

決して、アメリカだって、日本のことを糾弾できるほど、聖人君主だとは、到底、思えませんが、それを言ってみても日本にとってなんらのメリットはないです。ニューヨークタイムスの記事にもあるのですが、南京虐殺事件にしても、慰安婦問題にしても、誤った事実が世界に流れている、ということであれば、第三者(たとえば海外の研究者)も含めて新たな調査を行なうしかないようにも思いますが、いかがでしょうか?

しかし、こうやって、みんながアメリカに相談に行き、お願いに行き、また弁解に行くわけですから、いつのまにか、自分が世界の主だというように勘違いしてきますよね。アメリカにいる韓国系、中国系の人たちは、戦時中の日本軍の行いに関して、アメリカ政府に訴え、日本の拉致被害者たちも、アメリカ政府に支援を求めにいきます。みんなの言い分を聞き、利害を調整している、町の親分みたいです。

でもその町の親分も、イラク問題では、泥沼状況。石油は、アメリカにとって最重要な資源なので、そのためにはどんなことでもやるよ、という怖さを感じます。でも、いつかは、「栄光ある撤退」は避けられないでしょうね。

「リクルートのDNA」

今日は、話題になっている「リクルートのDNA」を読んで午後が終わってしまいました。この本は、第1章が真髄で、他は逸話を集めたもので、適当に読み飛ばしておいてもいいくらいです。(全部、きっちりと読んでしまいましたが・・・) 第1章(「企業風土について」)、それから、第3章(「成功する起業家の条件」)は、すべての会社経営者、起業家にとって、参考になるのではないかと思います。

この本の中で、一息ついたのは、昭和43年、まだ社員数が200名程度だった頃、日経新聞に800万円の一面広告を出して、400名の応募、2名採用、そのうち、1名はすぐに退社。1名の採用のために、800万円の求人広告費を使ってしまった、というくだり。弊社もそうですが、リクルートさんには、「授業料」(!)を払っている企業は、かなりの数になりますから、こんなエピソードを聞くと、リクルートも最初は人集めで苦労していたんだなと、少々、慰められます。

福沢諭吉とジョン・F・ケネディ

新聞の朝刊で、福沢諭吉 国を支えて 国を頼らず(北 康利著、講談社)という本の書籍広告を見ました。同じ著者の本で、『白州次郎 占領を背負った男』 というのがあって、白州次郎ファンの僕は、こちらは読んでいます。

アメリカ大統領のケネディは、就任演説の中で、"Do not ask what the country can do for you, but ask what you can do for the country" と問いかけました。国があなたにできることではなく、あなたが国にできることを自問しなさい、と。

福沢諭吉とケネディが言ったことはまったく同じだなと、本のタイトルを改めてみています。

アメリカの携帯電話

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海外通話には使えるコーリング・カードはあるのですが、アメリカ国内の通話に使えるカードがなくなってしまいました。以前はそのようなサービスがあったのですが・・・(どなたか、そのようなサービスご存知でしょうか?)

アメリカ国内の通話であっても、ホテルから電話すると、馬鹿にできない費用になるので、アメリカの使い捨て携帯電話を、カリフォルニアの知人に買ってきてもらいました。モトローラ製のかわいいケータイです。もちろん、度数が切れると追加料金を払って、使い続けることができます。

ところで、今日は、つくばエキスプレスに初めて乗って、筑波まで行ってきました。流山、柏の葉、守谷あたりも、どんどん開発が進んでいて、驚きました。これからも発展する可能性を感じました。

カイのいたずら

今日は久しぶりに、札幌日帰り出張。夜は、LBO(Library by Odyssey)の打ち上げパーティがあったので、夕方に東京に帰ってくるために、札幌市内には3時間ほどしかいられませんでした。往復の飛行機の中で、『あなたはコンピュータを理解していますか?』(梅津信幸著)を読みましたが、たとえを上手に使った本です。コンピュータ初心者におススメの本。著者は、茨城大学の先生。授業を受けてみたいです。

ところで、カイ(♀の甲斐犬)のいたずらがこの頃激しくなって、困っています。今夜も、写真集をやられてしまいました。もっと注目して欲しいということだと思うのですが、僕の本を何冊も、かじります。もう、目も当てられないような状況に。表紙はボロボロ、300ページほどの厚さの本で、かじってしまいます。カイとの関係は、Love & Hate というところです。

高校生のオフィスマスター

米子工業高校の学生さんの記事(日本海新聞)です。ご参考までに。

デービッド・ハルバースタム

73歳の、まだ現役で活躍中の方がなくなる、それも交通事故で。とても残念です。デービッド・ハルバースタムは、『ベスト&ブライティスト』が代表作になるのかもしれませんが、僕にとっては、『栄光と狂気ーオリンピックに憑かれた男たち』がベストです。

カネと名誉がオリンピックの代名詞となってしまっている昨今、黙々とボートに取り組んだ若者たちの話です。英語版アマゾンのレビューもご覧ください。僕は、10年以上前に、英語でこの本を読み、本棚のどこにあるのかもわからないのですが、また読み返してみようと思っています。

『グラデュエーション デイ』出版記念パーティ

先週金曜日に、青山の某・カフェで、出版記念パーティを行ないました。大勢の方々にお越しいただき、盛況のうちに終えることが出来ました。そのときの様子は、『グラデュエーション デイ』公式サイトをご覧ください。

甲斐犬×YouTube

久しぶりにYouTubeを見ていたら、甲斐犬の動画をいくつか発見!下記のリンク先の動画は、秀逸です。甲斐犬を愛するものとしては、たいへんうれしくなりましたし、作者の甲斐犬に対する愛情を感じました。アルゼンチン映画『ボンボン』もそうでしたが、有名人はでていないかもしれないけど、感動を与えてくれる作品に出会えると、とてもうれしいです。この動画からは、ひとつの可能性を感じました。

https://www.youtube.com/watch?v=geXYUTKt-wc&mode=related&search=

社是・社訓

リクルート創業者の江副さんが書かれた『リクルートのDNA-起業家精神とは何か』(角川oneテーマ21)が売れているとか。新潮新書でも、『できる会社の社是・社訓』という本が今月出ています。他の会社の社訓をおもしろく読んでいます。

このなかでも、リクルートの「自ら機会を創り出し機会によって自らを変えよ」というのは、確かに出色の出来栄えだと思います。最近では、グーグルの"Don't be evil." がおもしろい。

女性とコンピューター

アメリカでも女性のコンピュータ・サイエンス(CS)専攻者の数が減ってきているというブログを、ティム・オライリーが書いています(オライリー・レーダー4月21日付け)。 1985年、CS学位を受け取った人全体の38%だった女性が、2003年に28%まで減っているそうです。ただし、女性に限ったことではなく、男性においても、CS専攻者の数が減っていくのではないかという危惧も紹介されています。

原因のひとつは、CSがつまらなくて、変ったオタクたちの勉強である、というイメージが強すぎるのではないか?そのイメージを払拭するために、コンピューターと社会のかかわり、コンピューターがどれだけ世の中を変えていく力を持っているのか、一人ひとりの個人がやりたいと思っていることとコンピューターがどのように関わっているのか。そういう、全体像を考えさせること、教えることを、もっと進めていかないといけない、としています。

(僕個人のことですが、高校生のとき、物理にまったく興味が持てず、赤点すれすれで単位を取りましたが、違う教え方をされていたら、物理をもっと楽しめたのではないかと、ずっと思っています。それから、法学部に入ったのに、法律の勉強が苦痛で、これも抽象的な法律学ではなく、ケーススタディに基づいた、身近に考えることができる教え方をされていたら、法律の勉強に、もっと関心が持てたと思っています。)

日本も、プログラマーやSEの仕事が、3K仕事みたいになっている、という話をよく聞きます。そのせいで、IT業界でキャリアを築きたいという人も減っているとか・・・いろいろと批判はあるでしょうが、ホリエが残したプラスの面のひとつは、ITに携わる若い世代が、社会にインパクトを与えうるのだ、ということを示したことだと思います。

ウェブ2.0が流行り言葉になり、バブルだ、という意見もあります。でも、ウェブ2.0を支える根本的な思想のひとつは、民主主義ということです。その意味で、ウェブ2.0は、特に日本において、重要性を持っていると、僕は思っています。教育とウェブ2.0、政治とウェブ2.0、行政とウェブ2.0、地域社会とウェブ2.0、ビジネスとウェブ2.0、など、あらゆる分野で、ウェブ2.0が、既存のやり方に問題提起をしています。コンピュータを勉強する、ITを仕事にする人たちにも、自分たちのスキルやテクノロジーを使って、社会を良くしていくことに、関心を持っていただきたいです。

コンピューター・サイエンスの重要性を広めていくこと、ウェブ2.0の意味を考えていくこと。結構おもしろいテーマではないでしょうか?

今年最高の映画のひとつ『ボンボン』

Dscf0979 今年最高と言っても、2004年アルゼンチン作品です。そして、実は、この映画、昨年、ニューヨークで一度観た映画です。(普段の日の夜だったので、映画館にはあまり人が入っていませんでしたが)それ以来、ずっと記憶に残っていました。もう一度主人公たちに会いたくなって、今日、有楽町のシネカノン(有楽町ビックカメラの入っているビルの7階)に会いに行きました。

(左の写真は、映画ポスター)

主人公はガソリンスタンドをくびになった、疲れた初老のおじさんと、ファニーフェースの犬。ハリウッドスターも、美男・美女もまったく登場しません。貧しく、心優しい人たちばかりです。97分の短い映画ですが、きっとこの映画を見た人の表情は穏やかで、平和な気持ちに満たされているはずです。

犬好きはもちろんのこと、動物が好きな人、あるいは怖い顔をしているけど、根は優しい心を持っているすべての人におススメ!

映画公式サイト (主人公たちの動画を見てください)

出版記念パーティとカーペンターズ

NHKで放送されているカーペンターズ番組を見ながら、この文章を書いています。この番組を作った人、きっとカーペンターズのファンでしょうね。もちろん、僕も。車の中、飛行機の中などで、iPodに入れた音楽やネットからダウンロードした講演などをよく聞きますが、カーペンターズの音楽も、よく聴いています。お昼には、まだ持っていない、カーペンターズのCDを3枚ほど、アマゾンで注文したところです。

夕方から、青山のカフェで、『グラデュエーション デイ』の出版記念パーティがありました。昨晩、このパーティのためにサンフランシスコから帰ってきた甲斐があって、多数の方々にご参加いただきました。インターンシップで、オデッセイに数週間来ていた大学生から、仕事でお付き合いのある会社関係の方々、この出版プロジェクトで主要な役割を果たしていただいた皆さんまで、ありがとうございました。それから、風が寒い中、受付を手伝ってくれたオデッセイの社員のみんなも。

本、音楽、それからソフトウェアもそうですが、何かを作っていくこと、人を感動させる何かを作ることができれば、素晴らしいと思います。

サンフランシスコ・エトセトラ

サンフランシスコに着いた日の夕方に、ビジネススクールで一番仲良くしてもらっていたキューバ系アメリカ人の友人家族と一緒に食事をしました。彼の長男(小学校6年生)は、レストランでも食事が来るまで、ニンテンドウDSに夢中になっています。アメリカでもニンテンドウの人気はたいしたものです。(左の写真)

作家カートボネガットが死去。友人家族と食事をした市内のレストラン(ノース・ビーチ地区)付近にあった本屋のガラスにも、カートボネガットの写真が。(真ん中)

サンフランシスコ名物のビル。かつては立派な建物だと思っていましたが、最近は巨大なビルが増えているので、小ぶりに見えてしまいます。そのユニークさには変りはありませんが。(右)

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Web 2.0 Expo最終日

Dscf0975 今日がWeb 2.0 Expo最終日。残念ながら飛行機の都合で、朝(8時半から始まる)一部のプログラムを見てから、すぐに空港に向かいます。もうひとつ残念だったのが、『グラデュエーション デイ』を、ティム・オライリーに手渡すことが出来なかったこと。会社のひとと話をすると、昨日が彼の奥さんの誕生日ということで、自宅に帰ってしまっていて、最終日も会場には来ないだろうとか。本のほうは、日本から手紙を添えて、お送りしようと思います。昨日会場であった海部さんの冗談では、Web2.0を商売にして、儲かっているのは、オライリーくらいだ、というくらい、彼のところは、Web2.0のカンファランスでも活躍しています。

Web 2.0 Expo の続き

Dscf0962 日本からの参加者も多数ある、Web 2.0 Expoですが、シリコンバレーに住んでいる大学時代の同級生にも偶然会場で会いました。海部美知さん。ブログ(Tech Mom From Silicon Valley) でも有名だから、ご存知の方も結構いると思います。会場そばの安ーい、タイ料理屋で、がやがや話しました。

今日は、グーグルのエリック・シュミットとジョン・バッテル(『サーチ』の著者)の対談がメイン・イベントでしたが、出展企業でいくつかおもしろいビジネスプランを持っているものがありました。昨日のジェフ・ベソス(アマゾン創業者)もそうですが、このレベルの経営者たちの話を聞いていると、刺激と励みになります。

Web 2.0 Expo

Dscf0948 昨日からサンフランシスコで開催されているWeb2.0 Expoに来ています。これだけのイベントを組織しているオライリーメディアの力には感心します。世界数十カ国から、数千人の人間が参加しているのではないかと思います。一年に一度でもいいので、このようなイベントに顔を出すことで、アメリカのネットビジネスの動向を、肌で感じることができます。

『人民は弱し 官吏は強し』

最相葉月さんの『星新一』の影響で、星新一著『人民は弱し 官吏は強し』を読み始めました。解説は、鶴見俊輔。鶴見さんの著作も時々読みます。

「新聞社ー破綻したビジネスモデル」

元・毎日新聞の常務取締役だった、河内孝さんによる、絶対に新聞では読むことのできない、新聞業界の分析とこれからへの提言。書店でもよく売れているようです。初めて知る新聞業界内部の話がたくさんでてきます。とてもほめられたものではない販売競争、印刷されたまま配達されない「残紙」問題など、エリートが書いてやくざが売ると、揶揄される新聞業界の裏側を知ることができました。

この本と、池田信夫さんによる、『電波利権』を読むと、新聞、テレビのマスコミの病理がよくわかります。(新聞を始めとするマスコミのことを知れば知るほど、「あんたたち、人のことを批判する資格あるの?」と問いかけたくなります) ちなみに、この『新聞社』と『電波利権』、どちらも新潮社からでている新書です。

河内さんの真摯な姿勢、および提案(毎日、サンケイ、中日が協力して、読売、朝日に対する第3極を作ること)には、共感と関心を大いに持ちました。

新聞業界も供給過剰になっていて、根本的に過剰設備を抱えていること、にもかかわらず、商品内容に大きな差別化がないこと(普段、朝日、日経、サンケイ、日経金融、日経産業、それからFinancial Timesを読んでいますが、サンケイはちょっとユニークです)、市場が国内に限られていること、経営者がいないこと(記者をやっていた人には、会社経営のノウハウはない)などなど、一般の産業において同様、プロの経営者がはいって、きっちり経営しないと、「これりゃ、駄目だな」と思います。(マッキンゼーでもやとってみては?)

あとがきで、『新聞社』の著者である河内さんが、この本を世に問うことを決心した理由として、新聞自体が、「書かれざることへの慢心」を持っていることへの危惧、山本七平の『日本はなぜ敗れるのかー敗因21か条』の中の一節にある、人間の危機意識のなさをあげています。僕もこの頃、日本が戦争に負けたということにすごく興味を持っています。日本人のDNAにある「欠陥」とまでは言いませんが、近・現代日本人の考え方、方法論には、根本的な問題があるように思えてなりません。明治以来の富国強兵政策は、中国、アメリカとの戦いで、まず「強兵」が破綻し、90年以降のバブルの崩壊によって、「富国」が大きな問題をさらしています。

僕は一介のビジネスマンですが、ビジネスが繁栄していくためには、自由な考え方、自己表現が可能な社会が必須なのではないかと考えています。そういう意味で、特定の企業集団と、官僚・政治家に管理された今の日本のマスコミが、健全な社会や繁栄していく経済活動のために、いいのかどうか、非常に疑問を持っています。

努力するオプティミストで行こう!

今日の朝日新聞・朝刊一面トップの記事は、「生保38社不払い284億円」の見出しです。自分のところの義務がわからないような商品を、日本を代表する保険各社が販売していることが、残念です。生保だけでなく、損保でも、不払いの問題があります。一体これってどういうことなんでしょうか?思いつくことを書き上げると、

  1. 保険会社もよく把握していない商品を販売している(事務処理=バックオフィスがついていっていない)
  2. 顧客側もよく理解しないまま商品を購入している(僕も自分が入っている保険の内容をほとんど理解できていないです)
  3. もしかして、お客から言われなければ、払わなくてもいいや、というような体質があるのか?
  4. もともと、複雑な保険商品自体が存在することに疑問をもつべきかもしれない(デリバティブを使った金融商品などは、一般顧客はほとんど仕組みを理解できていないはずです)

僕の場合、20年ほど前、会社の同僚から紹介された生保の営業の方とお付き合いがずっと続いていて、ほとんどその人の言うままという状況です。契約内容なんて、きっちりと理解しているなんて言えません。これではまずいと思いつつも、ずっとそのまま。この間、1度か2度、契約内容を変更していますが、この程度で終わっているのは、この営業の方が「良心的」に、僕に対応してくれているのかもしれません。

われわれ、少々、不安症候群過ぎるように思います。死んだり、病気になったりしたときにそなえるのであれば、シンプルで、使い方がすぐにわかるような保険で十分でしょう。あまり最悪のことばかり考えていないで、でも、ノウテンキなばかりでなく、「努力するオプティミストで行きたいです!

Code of Conduct by Tim O'Reilly

ブロガーの「行動倫理」とでもいうようなものを、(ウェブ2.0で日本でも有名になった)ティム・オライリー(Tim O'Reilly) が提案しています。1、2週間前の、ティム・オライリーからのメルマガでも読んでいました。(世界中で反響を呼んでいるようで、今週初めに訪問していたマレーシアでも、4月10日付けの地元の英字新聞New Straits Timesで紹介されていました。)

佐川さん来訪

昨日朝、マレーシアから帰国したばかりでしたが、午後には、シアトルから一時帰国されていた佐川明美さん(元マイクロソフトのプロダクトマネージャ)、IT Media の藤村さん、元マイクロスソフトの柳沼さんがご来社されました。そのときの記念写真つきで、佐川さんのブログに紹介されています。この写真では見えませんが、僕の足元には、カイ(♀の甲斐犬)がいます。佐川さんからは、ブルーツースを使ったワイアレスの商品を見せてもらいました。音質がいいので、みんなで感心。

本は安い!

本を読まない、特に若い人が読まないと、よく聞きます。社内でも、本どころか、新聞さえも、読まない人がいるようです。時間の「使い方」、あるいは時間の「つぶし方」として、本ほど、安上がりのものはないと思うのですが・・・きっと本の楽しみを教えてもらわなかったのでしょうか。

最相さんの最新作品『星新一ー1001話をつくった人』を読みましたが、これをお書きになるのに、4年も、5年もかけられたとお聞きしています。560ページほどの本ですが、2300円(税別)。多くの人は、本は高い!と感じているのかもしれませんが、僕は、本は安い!と思っています。だって、一冊の本を書くのに、作者は一体どれだけ骨身を削っていることか。そして、多くのことを、一冊の本が教えてくれます。

明日から、書店の店頭に『グラデュエーション・デイ』が並びます。よかったら、読んでみてください。オデッセイのオフィスがある新東京ビル地下1階の大手町書房では、平積みにしてもらっています。

発展するマレーシア

Dscf0930 Dscf0924 月曜日、火曜日と、マレーシアのクアラルンプールで会議があり、週末から行っていました。火曜日深夜の飛行機に乗って、今朝成田に着き、午後から出社。マレーシアは、思い出の多い国で、大学4年生のときに初めて行って以来、仕事でも何度か訪問したことのある国です。今回は、10数年ぶりの訪問。

首都機能を移転したプトラジャヤ(Putrajaya)、F1が行なわれたサーキットも拝見しました。クアラルンプール市内も、続々と高層ビルの建設が進み、ほとんどすべての個人は、携帯電話を持ち歩いています。ケータイと高層ビルは、発展する都市における、経済のグローバル化のシンボルのように思えます。

左の写真の真ん中にふたつ建つのが、ペトロナス・タワー。このタワーの29階にあるマイクロソフト(マレーシア)のミーティング・ルームを借りて、会議がありました。

それから、偶然にも、市内のホテルで、日本からの知り合いに遭遇。お互いにびっくり!

最相さんとのインタビュー

先週末から『星新一-1001話をつくった人』を読んでいます。LBOでご活躍いただいた、作家・最相葉月さんの最新作です。あと1、2章のところまで来ていますので、今晩か明日には読み終えたいです。

さて、最相さんとのインタビューが、オデッセイのHPに出ていますので、お読みください。そして、『星新一』の本も!

後輩のブログから

バンカーズ・トラスト時代の後輩で、今はシアトルで日本企業の対米進出に関わるコンサルティングを行なっている大澤さんが、従軍慰安婦問題に関して、意見を書いています。アメリカの司法制度を参考にしながらの意見、興味をもって読ませてもらいました。

ピンポイントマーケティング

朝出会う人たち

毎朝、同じような時簡に黒犬の散歩をしていると、何人もの人たちと顔見知りになります。出勤途中の仕事人、子供を駅まで連れて行くお母さん、宗教団体の新聞を配達している人、僕と同じように犬の散歩をしているたくさんの人たち。お互いに目があって、声をだして挨拶をしたり、黙礼のままで済ませたり。名前も、年齢も、どこにお勤めなのかも知りませんが、挨拶するときになんとなく元気がないようだったりすると、ちょっと気になります。

WGBHのポッドキャスティング

ボストンにある、WGBH(アメリカ各地にある公共放送の中でも、有名な局のひとつ)のポッドキャスティングを昨日から聴いています。さまざまなスピーチや講義があり、楽しんでいます。チョムスキーの講演もいくつか含まれています。

お薦めの本とDVD

マドンナのコフェッション・ツアーのDVDを見ました。最高のプロフェッショナルによる、最高のパーフォーマンスのひとつだと思いました。お薦めです。

もうひとつのお薦めは、『この社会の歪みについてー自閉する青年、疲弊する大人』(野田正彰著)。LBOにご出演いただいた、堀切和雅さんユビキタス・スタジオから出ている本です。今の時代を考えるヒントになります。

今日社会人となる新人たちへ

多くの会社では、今日は新入社員を迎えた一日だったと思います。オデッセイも3名の新人の人たちが入社してくれました。今日の朝刊各紙には、マイクロソフトが、Day 1 (It's a new day.  It's a new office.) という、新入社員の初めての一日と、マイクロソフトオフィス最新版をかけた広告を出していました。

20数年前、僕は就職活動もせず、偶然出会った会社にお世話になることになりました。その会社の新人は、同じように偶然入社することになった東大のM君と僕のふたりだけでした。入社式だとか、社長の訓示だとか、そんなものは一切経験したこともありません。

社会人となる新人の人たちには、他と異なることを恐れず、なにかに自分を賭けていくことを勧めたいです。「和して同ぜず」という言葉がありますが、最初から和することと、同ぜずということのバランスをとることなんて、なかなか出来ないです。もしかして、この二つを両立させることは、不可能かもしれないと思うことがあります。であれば、少なくとも、「同ぜず」だけでも実現したい。自分が信じるものに、他がなんと言おうと、進んでいくことができれば、たとえ失敗してもいいのではないかと思います。すくなくとも、今の世の中、第2新卒だなんていって、20代後半での転職も普通のことになっていますから、20年前、僕らの就職時と比べれば、圧倒的にリスクは低くなっています。

今月13日前後には、全国主要書店に、『グラデュエーション・デイ』が並びます。この春新入社員になった人たち、かつて新入社員だった人たちにも、読んでいただければ、うれしいです。24名のメッセージは、大学卒業生にむけて贈られたメッセージですが、きっと新入社員の人たちにも、感動してもらえるメッセージがあるはずです。

春を感じた一日

今日は春を十二分に感じた一日でした。素晴らしい陽気、そして満開の桜。明日の朝、公園の桜が、夜になって降り始めた雨に負けずに、まだ花を咲かせていたら、黒犬を連れていって、桜の木の下で写真を撮りたいです。

ところで、最相さんの最新作品、『星新一ー1001話をつくった人』が、今日の朝日新聞の書評コーナーで大きく取り上げられていました。最相さんからお贈りいただいたご本は、明日から読み始めようと思っています。まだ1ページも読んでいないのですが、手にとってみるこの本からは、最相さんの代表作のひとつになるのではないかという予感がします。

さきほど、『巨像も踊る』を読み終えました。IBMを再建したガースナーの本ですが、読み終えて作者に対して、強い好感を持ちました。たとえ再建に成功したとしても、あくまでも自分はIBMにおいては「部外者」であり、IBMに一生をささげている人たちこそが、主役であったというようなコメントには、謙虚ささえも感じました。この本は、経営学部などで、巨大企業の再生の成功談として、主に、企業文化の活性化などの面から取り上げられることが多いようですが、僕はガースナーその人に一番興味を持ちました。アメリカにおける公立学校教育の向上のための活動を行なっていること、投資銀行の功罪、他のIT企業の経営者に関する感想、企業と社会の関係など、個人的な意見として述べられていることに、感心しました。

社内の読書会で、IBMの創業者、『トーマス・ワトソン・シニア』の伝記を読んでいるのですが、『巨像も踊る』は、併せて読むととても参考になります。「トーマス・ワトソン・ジュニア」の伝記もあって、この後には、それも読んでみるつもりです。