「アイデアエクスチェンジ」に元電通の吉良俊彦さん

元電通社員で、現在日本と中国の大学で教鞭をとるかたわら、メディアのコンサルティングをおこなっていらっしゃる吉良俊彦さんが丸の内インターネット「アイデアエクスチェンジ」にご登場です。吉良さんが書かれた『ターゲットメディア主義』は、以前、黒犬通信でもご紹介したことがあります。(→黒犬通信バックナンバー
メチャクチャおもしろいお話ですよ。
アイデアエクスチェンジ「吉良さんの巻」

エド・はるみさん、ありがとうございました。

本日でエド•はるみさんとの契約が終わりました。昨年11月、首都圏のJR東日本の主要路線で、一週間、3万5千枚のエドさんのポスターを貼ったときには、本当に多くの方々に見ていただき、小社で行っている資格の認知度も一気に上がりました。また、この半年間、小社初めてのテレビCM(フジテレビの「新報道2001」)にご出演いただき、エドさんには心より感謝申し上げます。これからも変わらぬご活躍をお祈りしています。

『生物と無生物の間』(福岡伸一著)

 本屋ではもう何度も目にしていて、でもなぜか手が伸びなかった本。ところが、先週土曜日の早朝のNHKラジオ(「土曜あさいちばん」内「著者に聞きたい本のツボ」6:15-6:24放送)で著者のインタビューを聞いて興味を持ち、早速買って読んでみました。
 生物は、物理、化学、さらには地学と並んで、ボクがまったくダメな科目(こうやってみると、理科系の科目はすべてダメだということになります)。この本を読んでいても、生物学の話よりもボクが興味を持つのは、発見や研究を巡る人間模様。特に、ロザリンド・フランクリンという、DNAの構造発見のきっかけとなるX線解析(と書いていても、このことが何をさすのか、よくわかっていませんが)の研究者の話には、哀れさを感じてしまいました。
 著者が研究者としてどれだけの実績をお持ちなのか、それはまったくわかりません。が、生物学のライターとしては、たいへん優れた方なのではないかと思いました。

Power of internet

 モスクワに住んでいる大学時代の友人から、「あなたのブログのコメントが、村上龍のメルマガで紹介されていた」というメールをもらいました。肝心のボクは、そのメルマガのことは知らないし、見てもいないのですが、「あ、これが幻冬舎の編集部の方が言っていた話なんだ」。友人には、全く知らせていなかったのですが、友人いわく、「power of internetを感じた」。

 日本人も世界各地に飛んでいって、インターネットの時代、お互いに連絡を取り合うことが簡単になると、かつて、華僑の人たちがそうであったように、いろいろな情報が交わされて、人の移動が始まるのだろうと思います。友人がモスクワにいる間にぜひロシアを訪れてみたいと思っています。

甲府訪問

昨日は、甲斐犬のふるさと山梨を訪問。(でも、甲斐犬は一頭も見かけず!)
2年に一度くらいは、甲斐犬愛護会が韮崎の釜無川土手で行う展覧会を見に出かけますが、昨日は甲府市をお取引先の方々にお会いするために訪問しました。
甲斐犬たちの代わりに迎えてくれたのは、駅構内にあるヴァンフォーレ甲府のヴァン君と、南口にあるたいへん立派な武田信玄の像。

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再びオシム

 今朝の朝日新聞にグラーツ(オーストリア)の自宅にオシムを訪問した記者によるインタビュー記事がでていてうれしかった。オシムが日本を去ったのが今年の1月4日。元旦の天皇杯決勝ではスポンサー席から近いところにオシムがいて、ハーフタイムの懇親会場ではオシムのそばに座ったのですが、ご迷惑かと思って声をかけられませんでした。野球の野村監督と同じように、オシムはビジネスマンのボクらにインスピレーションを与えてくれる存在だと思います。
 ボクがオシムを好きな理由はいろいろとあるんだけど、ひとつはカネだけで彼が動かないこと。日本に来るときも、契約金のことはあまりとやかく言わなかったと聞いています。そして、サッカーに情熱を持ちつつも、常に冷めた目で見ていること。(「一般の人々はサッカー界に対して敬意を払い過ぎている。サッカー界で起こっていることに、もっと批判的になり、要求すべきだ。」)
 昨晩、村上龍の『無趣味のすすめ』に関連して書いた「渇望」ということにつながるのですが、オシムはこんなことを記者に言っています。「サッカーをプレーするのは難しい。(中略)成功したいなら、多くを犠牲にしなくてはならない。すべてを手にした子供が、すべてに犠牲を払うのは難しい。両親、環境に恵まれ、車やオートバイ、テレビなどすべてを手にしたのなら、サッカーをすることが何になるのだね。そういうことはサッカーとは相反するものだ。」
 もうひとつオシムに関して思うことがあります。それは、彼の存在、彼の考え方は、グローバル化する世界の中でのひとつの生き方を示していること。サッカーそのものがまさにグローバルなビジネスとなっています。成金たちがチームオーナーとなり、試合は世界で放映され、多国籍企業のスポンサーシップなしには成り立たない。そんな時代のサッカー界の中で、カネだけのためにオシムが日本に来たとは思えないし、インタビュー記事の中では、日本と今後、どんなかかわり方をするのか、という記者の質問にこんな風に答えています。
 「今もあなたと話している。6年過ごした国なのにあっさりと切れるものではない。友人、親切な人たちがいる。これは人生において意味を持つことだ。」
 カネの力はものすごく大きくて、ボクらの気持ちも生き方も変えてしまうほどだけど、でも最後に残る思い出は友人や親しい人たちと過ごす時間のように思います。どれだけグローバルな時代になったとしても。
 
 

『無趣味のすすめ』(村上龍著、幻冬舎刊)

 雑誌「ゲーテ」に連載されたエッセーに3つの文章を加え単行本にまとめたもの。3年前、「ゲーテ」の創刊号にでていた「無趣味のすすめ」についての、このブログで書いたコメントをご覧いただいた幻冬舎の編集部の方から献本いただきました。(だからと言って以下に書いたことに遠慮はありませんよ!)
 村上龍の小説はほとんど読んだことはありません。高校生の頃、「限りなく透明に近いブルー」を読んだことがあるくらい。それにテレビ番組「カンブリア宮殿」で見る村上龍は、ゲストにちょっと遠慮というか、こびるようなところがあって、村上龍らしくない気もします。でもこの『無趣味のすすめ』のようなエッセイでは、遠慮しない村上龍がいるので好きです。
 この単行本の中でも、好きな文章と言葉をいくつか見つけました。
「小規模で孤独な環境から出発し、多数派に加入する誘惑を断固として拒絶すること、それがヴェンチャーの原則である。」(→これはまさに、ボクらが発行した「Small Giant(スモールジャイアンツ)」そのもの!)
「恋人のときはお互いを見つめ、結婚後は共に未来を見つめる、という言葉がある。(中略)その言葉はビジネスパートナーについても当てはまる。」(→ビジネスパートナーとの関係は、ときには夫婦関係同様、だましだまされ?!)
「目標は、あったほうがいいという程度のものではなく、本当は水や空気と同じで、それがなければ生きていけない。目標を持っていなければ、人は具体的にどういった努力をすればいいのかわからない。」(→残念ながら、目標を持っていない人や会社は多い)
「情熱について語ることと、情熱という概念を自らの能力の一部とすることは、まったく違う。」(→情熱を口にする人は数多いても、情熱を持って生きている人は少ない)
「充実した仕事のためには心躍るオフの時間が必要だというのは、無能なビジネスマンをターゲットとして、コマーシャリズムが垂れ流し続ける嘘である。」これと同じようなものとして、「アイデアというものは常に直感的に浮かび上がる。しかし直感は、長い間集中して考え抜くこと、すなわち果てしない思考の延長線上でしか機能してくれない。」そして、これらの言葉は、この本の一番最初の文章であり、雑誌の創刊号にでていた「無趣味のすすめ」に還っていくのです。(「真の達成感や充実感は、多大なコストとリスクと危険感を伴った作業の中にあり、常に失意や絶望と隣り合わせに存在している。つまり、それらはわたしたちの「仕事」の中にしかない。」)

 でも、今回、この本の中で、ボクが一番納得している文章は以下のようなものです。
「そもそもたいての人は、挑戦する価値のある機会に遭遇できない。何に挑戦すればいいのかもわからない。挑戦する何かに出会うのも簡単ではない。(中略)出会うことに飢えていなければ、おそらくそれが運命の出会いだと気づかないまま、すれ違って終わってしまうだろう。」残念だけど、ほとんどの人間は、運命の出会いを生かすことができないまま、この世での生を終えてしまっているような気がして、こう書いている自分もその一人なのではないかと、心細くまた焦りを感じてくるのですが。
 村上龍は、「日本には何でもある、希望以外のすべてがある」という趣旨のことを言ったと記憶しています。その通りなのでしょうが、ボクは今の日本の悲劇は、豊かな社会ができあがり、日本人が飢えを、そして渇望することを忘れてしまったことなのだろうと思っています。
 幻冬舎編集部のIさん、ありがとうございました。
 

セカンドキャリアに備えてIT資格を

昨日昼食をごいっしょしたパソコンスクールの経営者の方からお聞きした話です。

そちらのお客さんである某銀行は、行員の退職後のセカンドキャリアの準備の一環として、マイクロソフトオフィススペシャリストを取得させているそうです。銀行にいるときには、「ねえ、これどうなってるの?」とか、「これやっといて」なんて感じでパソコン仕事は部下に任せていたようなオジサンたちも、関連会社や子会社に移るとなると、自分でやらないといけない。そこで、セカンドキャリアを紹介する条件として、MOSやMCASの取得を義務化しているという話でした。

団塊世代のPCスキルや知識はかなり高まっているとは思うのですが、まだまだこのような企業内のニーズはあるように見えます。

もっと自信を

 今日はWBCで日本が韓国に勝って優勝したので、なんとなく元気が街に溢れています。丸の内、有楽町界隈でも、午後は街頭でテレビを見ている人たちがたくさん。
 日本って、もっと自信を持った方がいい。野球のことだけでなく、ボクらの国について。別に急に国粋主義者になったのではないけど、去年さまざまな地方を回ってあらためて思ったことは、日本の自然の多様性、美しさ(ただし、雄大さにはかける)、繊細さ。北海道から九州まで、日本って、観光立国に本気になれば、ものすごい可能性があるはずと、感じました。でも、それに気づいていないのは、ボクら自身だし、美しい自然をダメにしてきたのも、ボクらの都会への憧れであったり、つまらない娯楽施設やうるさいだけの街頭看板だったり。
 どんな国でありたいのか、どんな社会を作りたいのか。もっとボクらは自分の頭でしっかり考えつづけていくことだと思う。モノを作ってアメリカに買ってもらうことばかりやっていても、結局、「アッシー君」として使われ、「貢君」扱いされるだけ。ボクみたいなアメリカ大好きでも、アメリカ政府になんでも決められて、自主性のない日本が残念でしょうがない。
 日本人って、もっと力を発揮できるはず。もちろん、アメリカやEUとは違う力の発揮の仕方で。彼らには彼らの力の発揮の仕方があって、戦略も異なるはず。ボクらはボクらの力をもっと客観的に見てみると、きっと、新しい可能性が見えてくるはず。

広告ビジネスモデルの終焉

例年4月の始めにサンフランシスコで行われるWeb2.0 Expo。今年はきっと参加者がかなり減るのではないかと思います。ボクも残念ながら今年は不参加。雑誌エコノミスト誌に、広告に頼ったネットビジネスの時代は、再び終焉したしたという記事が出ています。(一度目は、2001年4月)
エコノミスト(The end of the free lunch-again)

韓国企業の野心的な農業投資

3月19日のフィナンシャルタイムスに出ていた記事ですが、韓国の大宇ロジスティックスという会社がマダガスカル(インド洋に浮かぶ島の国)で、ベルギーの半分ほどの広さの土地を99年間借款して農業事業を行おうとしていたことを知りました。ところが、これを植民地主義だとするマダガスカルの新大統領がこの契約を一方的に破棄したということです。
 韓国は世界で4番目のトウモロコシ輸入国で、マダガスカルでトウモロコシを生産しようとしていたようです。これからどうなるのかわかりませんが、韓国のある意味、攻撃的な政策には驚きます。日本の商社も同じような規模の投資を行っているのか?
FT

『日米同盟の正体_迷走する安全保障』(孫崎亨著)

 著者は1966年外務省入省、2002年防衛大学校教授に就任、そして今月退官予定。帯には「アメリカ一辺倒では国益を損なう大きな理由。インテリジェンスのプロだからこそ書けた日本の外交と安全保障の危機」とあります。著者はオバマ政権の外交も過去の政権から大きく変わることがないこと、アメリカの利害と日本の利害は必ずしも一致しないにも関わらず、日本はアメリカ一辺倒の罠に絡めとられていることを繰り返し説いています。
 北方領土に関する英米の「陰謀」(ロシアと日本の間に溝を作り、両国の間に問題を残しておこうという)、アメリカの本当の意図を理解することなくアメリカの外交政策に乗っかっていく日本、都合の悪い政治家を排除しようとする対日政策など、国際政治はボクらの理解を超えた深みがあるのかもしれません。
 大学でちょっとだけ国際関係論を勉強したボクには、おもしろい本でした。

Homeless tent city

スタインベックって、好きな作家の一人。「エデンの東」、「怒りの葡萄」、そして犬とのアメリカ国内旅行を綴った「チャーリーとの旅」の3冊がお気に入り。大不況時代のオクラホマが舞台の「怒りの葡萄」とは異なるのですが、カリフォルニアのホームレスの人たちのテント村の写真を見ていて、スタインベックのことを思い出しました。
→ロイター
"Homeless tent city in California"

買い物かごのなかの小犬たち

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自転車の買い物かごに入れてもらった小犬たち。

辞任か自殺を(Resign or go commit suicide)

日本の新聞でも報道されていることですが、AIGのボーナス支給に関して、上院議員のグラスリー氏(共和党)が、AIG経営陣に対して、「謝罪したあと、辞任するか、自殺をしろ」という物騒な発言を行ったとか。英語でなんて言ったのか、ネットで調べてみました。「日本人は頭を下げて謝罪するじゃないか、日本人に倣え」なんてことも言っています。日本人としては、なんと反応すればいいものか。
Grassley on AIG execs: Quit or suicide


金の切れめは縁の切れめ

 日本が買っているアメリカ国債のお金の一部も、AIG救済に使われ、そしてその一部は、トレーダーたちの過大なボーナスと消えていく。大盤振る舞いした経営陣のもと、大盤振る舞いに慣れきった社員たち。AIGのデリバティブ・トレーダーなんて傭兵といっしょで、組織に対する忠誠心なんてないんでしょうし、「恥」という言葉も他人ごとなのでしょう。縁をつなぎ止めておくには、金しかないということか?
 AIGが破綻していたならば、最大の被害を被ることになっていたゴールドマンサックス証券は、OBの財務長官のサポートも受けながら、ちゃっかり火事場泥棒みたいな動きをしたようだし。こういうのを、Shame on you. というのでしょうか、オバマ大統領?!

仕事と恋愛の違い

 仕事でお付き合いがある方(アクセンチュア出身のキャリアコンサルタント)が、本を出されたということでお贈りくださいました。羽方さん、ありがとうございます。タイトルは、羽方康著『SEの転職力』(日本実業出版社刊)。

 この本の中でおもしろかったたとえ話がひとつ。恋愛の場合には、「この人と別れたいからあの人(新しい人)とつき合いたい」ということはない。ところが仕事の場合には、「この会社がいやになったから、新しい会社に入りたい(転職したい)」という人がわんさか。

 「あの会社に入りたいからこの会社を辞める」というのが自然なのであって、「この会社を辞めたいからあの会社に入りたい」というのは不自然だ、と。

 どちらにしろ、恋愛はなくても((カレ、カノジョがいない時期はあっても)生きていけるけど、仕事はないと生きていけないものだというのが、根本にある違い。

53年間分の家計簿

 昨日(3月14日)の読売新聞・読者の欄(「気流」)に、「53年間分の家計簿、パソコンで再編集」という投書がありました。北九州市在住の78歳の方ですが、2年前からパソコン教室に通っていて、「覚えは遅いが、丁寧に教えてもらい、面白くなってきた。最近、表計算ソフトの使い方を習い、古い家計簿をパソコンで作り直すことにした。」
 結婚後毎日つけてきた家計簿は53年間分になり、「パソコンでは昨年分からさかのぼって1年ずつ作成」、「表計算ソフトを使うと、総額がすぐに表示され、大変便利だ」とお書きになられていました。
 シニアの間でも、こうやってパソコンに親しむという方が増えているように聞いています。小社で運営しているMOSも、81歳で合格された方がいらっしゃいます。北九州市の方にもご紹介したいものです。
81歳の合格者

ブランドの力

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これだけだと、ただのプラスチックゴミ箱。(150円くらい?!)

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メリルリンチの社長が、ゴミ箱に10万円使っていたという記事がありました。アップルのシールだけでは10万円には見えてきませんが、楽しい雰囲気にはなります。ちょっとした工夫。

東京駅地下

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 いったいいつからこうなったのか、東京駅地下には常に何十人かのホームレスの人たちが集まっています。彼らを見ていていつも思うこと、それは、「彼らはどこから来たのか。今日なにをするのか。これからどこに行くのか」ということ。住む家もなく、仕事もなくなった時、24時間をどうやって過ごせばいいのか。

追っかけママ

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新聞や電車の中で見かけるビデオカメラの広告。「ママはあなたの追っかけです」。追っかけの行く末は、モンスターピアレンツかな?

Honest John

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先輩経営者にごちそういただいたレストランのトイレで見た注意書き。意味はお読みになられた通り。

ただのオプション

 今回のアメリカの金融危機に関していろいろな議論が出ています。資本主義の終焉だと言い出したり、懺悔本を出して印税を稼いでいる経済学者までいるわけですが、ボクは単純なので、根本の問題のひとつは、金融機関におけるボーナスの払い方にあると思っています。いくらかの修正はあったとしても、資本主義にとってかわる経済や会社の仕組みなんて、そう簡単には出てこないはずです。
 将来にわたって利益が実現されていく金融商品の製造、販売、あるいは売り買いにおいて、担当者は想定される利益の現在価値の何割かを、年末のボーナスとしてもらう仕組みになっています。ところが将来にわたって想定される利益は、大きく市場が変化する中で必ずしも確実なわけではありません。大きなリスクを持つ商品、別の言葉で言うと非常にギャンブル性の高い商品を作っても、一見、非常に大きな利益がでている時、金融機関はその担当者に大きなボーナスを払ってきました。ましてや、自分が作った非常にリスクが高い商品を無知蒙昧なる投資家に売り払ったあとは、知らぬ存ぜぬです。
 世界的に有名な金融機関がそんなバカなことをやっているはずないよね、なんて思うのは部外者だからで、実態は本当にずさんだったと言えます。
 個々人の社員には、実は「ただのオプション」(free option) が与えられているようなもので、会社のリスクと費用で大きな利益を上げた時にはその何割かをもらう、大きな損失を出したときには仕事を失うだけという、非常に一方的な関係がずっと成立していました。ボーナスは、現金で支払われます。ここで、ボーナスの支払いを現金ではなく、自分たちが作った商品で受け取るような仕組みにすれば、きっと金融機関に働く人間たちは商品の設計にもっと責任を持ったはずです。
 この前、大阪のクラブの女性が帰宅途中、350万円もの現金を奪われる事件がありました。水商売の人たちは、現金で給料やボーナスを取っていらっしゃるのかと思いますが、実はこの方たちのほうが、ある意味ではアメリカの金融機関の連中よりも、自分の仕事に責任をとっていらっしゃいます。ボクは夜のお仕事の詳細はよく知りませんが、お客さんがツケのお金を払わないときには担当のおねえさんたちは自腹でお店に支払いをしていると聞きます。ところが金融機関の連中は、会社にリスクを背負わせ、損をした場合にも、いっさい自腹で穴埋めをしたりはしません。
 この仕組みは別の言い方をすれば、「利益は資本主義、損失は社会主義」、あるいは「会社の利益は自分のもの、会社の損は会社のもの」という仕組みです。まさにモラルハザードです。こんなことを何年、何十年もやっている業界が、高給を取り続けること自体が犯罪的なことだと思います。メリルの前の社長は、自分の社長室を変えるのに億単位の金を使い、10万円のゴミ箱を使っていたという記事を読んだことがあります。今回のアメリカの金融危機で、1、2の例外をのぞけば逮捕された人間が出ていないことが不思議なくらいで、そんな業界が世界をリードしてきたことも、ふざけたことだと思っています。

 

不況の効用

 不況がいいとは思っていませんが、不況にも効用はあるかと思います。
無駄の見直し、不要なモノを買わないとか。でも一番の効用は、思考停止状況から一気にエンジンがかかって思考開始状況になることか。もちろん、さびついたり、バッテリーが上がってしまったエンジンでは手遅れですが。

 ハワイとかマニラもいいのですが、冬のない場所では長くは暮らせないです。冬、結構好きです。あまりの寒波は確かにこたえるのですが、冬も時にはいいし、必要。
 経済の冬(不況)は、仕事や生活を見直すいいチャンスだと思っています。

「初めて使うQ&Aサイト」(日経パソコン特集記事)

日経パソコン(3月9日号)の特集記事(ページ66)で、Officeに特化したQ&Aサイトとして、弊社で運営しているmoug.net が紹介されています。

moug.net

なぜアメリカは戦争を続けるのか(Why We Fight)

 2005年サンダンス映画祭でドキュメンタリー賞を受賞した作品。NHKで放送されたものだと思いますが日本語訳付きですべての内容をYouTubeで見ることができます。偶然見つけましたが、非常にいい作品です。
この作品からは、アメリカが軍事主導の国であり、現代の経済植民地主義国家であることを非常に強く印象付けられます。雇用を支える軍需産業、地元の雇用を優先して考える議員、メディアや国民に事実を伝えないで都合のいい方向に持っていこうとする政府とシンクタンク。アメリカ国民にさえも嘘を平気でつくのであれば、ましてや「極東のひ弱な国」の政府や国民に嘘をついたとしてもまったくおかしくないと思っている方が健全なのではないでしょうか。
 これまでの大統領たちはすべて、いつの間にか、この産軍複合体のクモの巣に取り込まれていったように見えます。オバマはその例外になることができるのか?(この映画を見ていると、オバマもその例外にはなりえないのではないかと、悲観的な予想をしたくなります)
 日本の戦後60年の歴史を考える上でも参考になります。
NHK 

北京から帰国

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ホテルの部屋から。

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数年前、アイセックのインターンとしてオデッセイに来ていたチェンチェンが、案内してくれた北京の現代美術のギャラリーが集まった一角。かつては工場団地。


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地下鉄の通路で見かけた若者たちの「蹴鞠」。


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北京空港で。宇宙飛行は国のプライド。

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北京から帰りの飛行機から見た、おもしろい形の島。(クリックしてみてください。上の島の形が、は虫類が走っているようにも見えます)

雑誌"Economist "(エコノミスト)のスタイルガイド

雑誌「エコノミスト」のHPで、記者が文章を書くときの「スタイルガイド」(文章の書く際の注意点を集めたもの)が掲載されていることに気づきました。英語の文法など、われわれにも参考になる内容です。
「エコノミスト」のスタイルガイド

「よい商品ほど広告をしなければならない。」

前佐賀市市長の木下敏之さんのメルマガに、含蓄ある言葉が紹介されていました。
「よい商品ほど広告をしなければならない。」松下幸之助の言葉だそうです。
メルマガ「夕張希望の杜の毎日」

アメリカの金融危機のスケール

 雑誌「エコノミスト」の記事"America's banking crisis_Worse than Japan?" (2009年2月12日付け)の結論は、「日本の金融危機よりもひどいことになるかもしれない」というものです。「失われた10年」の期間中、さんざん日本にアドバイスして来たアメリカですが、いざ自分のことになると他人事に口出しをするみたいにはできないだろうなと思いました。日本の場合は、世界最大の債権国であり、対外的な債務はない状況で危機に直面しましたが、アメリカは世界最大の債務国であり、ドルの価値を維持していかないと借金を繰り返していくこともままなりません。オバマも含めて、アメリカの政府高官は、アメリカ経済は大丈夫だ、ドル高はアメリカが望むところだと、しきりに口先では言っていますが、本当にそうなのか?われわれ日本がアメリカの都合のいい財布としてこれからもさんざん利用されるのではないか?(それに対して中国は、日本のような弱腰ではないでしょうから、尖閣諸島の領有権の問題など、アメリカの力が弱まるに連れて、日本にとっても面倒なことになっていくでしょう。)
 これまで30年にわたって肥満と借金漬けの体質になったアメリカ社会にとって、アルコールや麻薬をたたれるのと同じような苦しみをこれから経験していかないといけないのでしょうが、そんな取引相手のおかげで成長を維持してきた日本にとってもたいへんな状況になっていることは言わずもがなです。
 今年予定されている選挙、政権交代の可能性も、国際政治の大きな展開の中で考えておいた方がいいのではないかと思っています。われわれ日本人がずっと見たくないと避けてきていることですが、大きな国際政治の中で、日本の政治は動いてきたわけで、これからもそうあるでしょうから。
 最後に、この記事に対する読者からのコメントもおもしろいです。日本も含めた世界各国のひとたちのコメントが見られます。その反応も感情的なものから皮肉っぽいものまで、いろいろとあります。
エコノミスト "Worse than Japan?"

もし松本清張が生きていたら

 
 MOS/MCASを始めとする資格制度の、アジア各国の代表が集まった会議に参加するために北京に来ました。着いたばかりの昨日は、数年前、アイセックの短期留学生として数ヶ月うちの会社でインターンシップを経験した中国人学生のチェンチェンと会い、すこしだけ北京市内を案内してもらいました。北京は二度目ですが、人や車の多さ、スモッグ、道の広さ、そして巨大都市であることが強い印象です。今回もほんの数日だけ、ほとんどホテルの中だけなので、たいした印象も持ちえず、気分転換は食事だけです。ただし、(チェンチェンに言わせると日本の中華料理は日本風の中華料理ということですが)、ボクはどうも「日本風の中華料理」でないとダメなようです。

 ところで、二日前の小沢さんの公設第一秘書の逮捕、どのような文脈で起こっている出来事なのか?北京、東京、ワシントンの大きな力関係の中で起こっていることなのか?自民党と検察、自民党と米国政府の持ちつ持たれつの関係は?なぜこの時期に、国内、国外で、さまざまな出来事、政府高官たちの発言が続くのか?松本清張が生きていたら、きっと奥深い推理を披露してくれただろうにと思います。

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佐川明美さんが「アイデアエクスチェンジ」に

元マイクロソフト社員で現在シアトル在住の佐川明美さんが「アイデアエクスチェンジ」にご登場。ボクと同じAFSの経験者で、スタンフォードビジネススクール留学のご経験もあります。大和証券、マイクロソフト(東京、シアトル)で勤務後、この10年ほどは、シアトルでベンチャー企業の経営をされてきました。
アイデアエクスチェンジ「佐川明美さんの巻」

ひな祭り?!

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 ひな壇はありませんが、カイ姫とクウ太郎のツーショットです。

戦争よりかずっとまし

 ずっと晴れない気分にさせてくれる経済状況が続いています。きっとこの状況は今年一杯続くと考えておいた方がいいようにも思います。もしかして来年夏くらいまでこんな感じかも知れません。どのくらいこれが続くのか、FTなどを読んでいても誰も答えを持っていないように思います。Wall Street でも占いに頼る人が出ているという記事を読みました。
 ボクがこのごろよく思うのは、1920年代、30年代の世界不況のとき、時代の雰囲気、人々の生活はどうだったのかということ。そして、第2次大戦の間、負け戦を必死に闘っていたボクらの祖父母たちの世代はどんな気持ちで生きていたのかということ。あの頃は、いまほどマスコミが発達しておらず、ラジオや新聞でニュースを知るしかなかったのでしょうが、いまのように連日皮肉屋さんたちのコメントを聞かされていると、素直に希望を持つことさえも難しく感じられることがあります。だからかもしれませんが、ここ数年、ボクはあまりテレビを見なくなりました。
 どんなに経済の状況がひどくなっても、戦争になるよりかはましだと思っています。ずっとましだ、と。この混沌と混乱の解決策として、世界規模の戦争だけは起こしてほしくないです。それさえも避けることができなければ、人類には地球上でリーダーとして生きていく資格がないだけでなく、存在していく資格さえもないのかもしれません。
 ボク自身としては、こんな時代こそ、自分が今働いている現場で、知恵と勇気をしぼりだして問題解決にあたっていかなくてはと、思っています。そんな気持ちさえもなくなってしまったら、オ・ワ・リ。

桐野夏生「優しいおとな」

 読売新聞土曜日朝刊に連載していた堤清二/辻井喬さんによる「叙情と闘争」が1月末であっけなく終わり、がっかりしていたのですが、代わって大好きな作家のひとりである桐野夏生さんによる小説が2月から始まりました。おかげで読売新聞を土曜日朝刊だけは(コンビニやスタンドで買って)読み続けています。
 「近未来の渋谷に生きるストリートチルドレン」とNGO職員がこの物語の主人公たちで、昨日で連載の4回目が終わったのですが、とてもおもしろいストーリーが展開しそうで、今後が楽しみです。
 スカイエマというひとによる挿絵もとてもいいです。(上の写真は、第4回目、下の写真は第1回目から3回目まで)

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「アイデアエクスチェンジ」に吉田望さん登場

 ポッドキャスティング「アイデアエクスチェンジ」にメディアプランナーの吉田望さんが登場。吉田さんとは仕事でもおつきあいがあったのですが、大学のテニスサークルの先輩でもあります。吉田さんは東大の学生なのに、われわれ一橋のサークルにも所属されていました。そのあたりのことも含めて、電通ご出身の吉田さんの広告ビジネスのお話をどうぞ。
アイデアエクスチェンジ「吉田望さんの巻」