愛南町外泊

TBSのドラマ『笑うマトリョーシカ』で主人公が育った場所として愛媛県愛南町の外泊が選ばれていた。原作者は神奈川県生まれ。どうして愛媛県愛南町(ここはぼくが小学校から高校までの時間を過ごした場所)に設定したのか?作家は松山で生活したことがあるとも聞いている。松山滞在中に、外泊の石垣の集落を訪れることがあったのだろうか。

愛南町に住む同級生にテレビドラマのことでLineのやりとりをしたら、実際に撮影が行われたそうで、同級生の知り合いが食事を撮影クルーに届けたとか。高岡早紀さんと水川あさみさんが愛南町に来てくれたなんて、うれしくなるね。

テレビで久しぶりに見た外泊の海と山は美しかった。30数年前、東京で生まれ育った友人家族といっしょに東京からフェリーに乗って四国に着き、それぞれのクルマでいっしょに高知と愛媛をめぐったことがあった。その時外泊の民宿に一泊したのだけど、地元の友人の情報では外泊の民宿の数も減っているそうだ。結局、きれいなところでも空港からの距離があるものだから(高知あるいは松山の空港からクルマを飛ばしたとしても3時間以上ゆうにかかる)、都会から来る人は少ないのだ。

愛南町の友人からのメールには、地元の人たちは外泊の海と山の美しさに気づいていないということだった。それはそうだろうな。「美人も三日で慣れる(飽きるだったかな?!)」というたとえに倣って言うと、美しい景色にも慣れてしまう。ぼくもそんな外泊の人たち(愛南町の人たち)の一人だった。コロナ前、東京に出てきている高校の同級生たちと会ったとき、「われわれが育ったところは美しかったんだね」という話になった。失ったわけではないけども、愛南町を離れて長くなってからようやく気づいたこと。それはわれわれだけでなく、地方出身者の多くに起こっていることだと思う。

Philip Guston

ロンドンでの最終日、飛行機に乗る前にTate Modern に行き、Philip Guston展を観ることができた。彼の作品をじっくり見たのは初めて。大きなインパクトを感じる作品群。
https://youtu.be/kdNHInly8zc?si=3a4bixWQVXd9U9q_https://youtu.be/IDbovOp_0zA?si=O-OGEuTt--1Ljxm_、どちらも彼のことを知るのに参考になった。

『マルセル・デュシャン アフタヌーン・インタビュー』(河出書房新社)

マルセル・デュシャンに、かれに関する著作がある雑誌「ニューヨーカー」の記者だったカルヴィン・トムキンズがインタビューした記録。デュシャンのことはたいして知っているわけではなかったけど、ちょっと理解しがたい現代アーティスト(現代アートの父?)と思っていたので、このインタビューを読んでちょっと印象が変わった。
一時チェスに熱中していたこと、生活は簡素で、カネに縛られること、伝統に縛られることから自由であることを心掛けていたこと。「こうあるべきだ」ということからは自由であったこと(自由であろうとしていたこと)など、彼の作品を理解するしないの前に、ぼくにとって最適なマルセル・デュシャン入門の本となった。このあとも、デュシャンのことを調べてみようと思う。
この本は装丁もとてもセンスのいい仕上がりになっている。表紙のデュシャンの写真も素晴らしいと思う。

光文社新書「美術の力」(宮下規久朗著)

副題に「表現の原点を辿る」とありますが、その原点とはこの本の中では主に宗教的なものを指しています。
この本で高島野十郎(1890-1975)という画家のことを初めて知りました。福岡県立美術館に彼の作品が多く展示されているようなので、いつか休みに、日帰りででも彼の作品を観に行きたいです。
また、長崎の殉教者たち(1597年豊臣秀吉の命で26名のキリスト教者たちが処刑された事件)を描いたフランスやイタリアの画家たちの作品がヨーロッパで作られたこと、アール・ブリュットに関する著者の考えなどもおもしろく読ませてもらいました。
ぼくのような素人にも美術に関して飽きずに読ませてくれることに感謝しています。

さよなら、2015年。

from met museum japanese section

マスク

マスク

先日、東京都庭園美術館で開催している「フランス国立ケ・ブランリ美術館所蔵 マスク展」を観に行った。アフリカの仮面は素晴らしい!小さい頃からどうしてか知らないけど、アフリカの彫刻は好きだ。
庭園美術館は、去年の11月にリニューアルオープンしてから初めて行ったけど、この空間は素敵だ。最後に行ったのは、2010年のロトチェンコ展だったはずだから、庭園美術館は5年ぶり?!

写真のマスクは、数年前、ベルギーにタンタン美術館を訪問した時、ブリュッセルの蚤の市で、1000円か2000円で買ったもの。アフリカのどっかの国で作られたものだと聞いたけど、本当かどうか、怪しい。でも、この穏やかな女(?)の表情が気に入っている。

'Ernie III' (2010) by Thorsten Brinkmann

8月2日、3日の週末版FTで見つけた写真。
Ernie III by Thorsten Brinkmann
ベルリンのギャラリーで展示されている作品。
こちらのHPの写真ははっきり、くっきり。
http://weekly-wii.pintpiping.com/best-photos.latest.ways.168617066372999.picks.1268717.ws
ギャラリーのHPは、こちら
我が家のカイさんとちょっと似ている。

ポンピドゥーセンター「情熱の果実」展@兵庫県立美術館

兵庫県立美術館
昨日土曜日朝、兵庫県立美術館であったオープニングパーティに、日本ポンピドゥーセンター友の会のメンバーの一人として参加。
期間中、チャンスがあればまた訪問したいです。

すこし時間があったので、横尾忠則の美術館も訪問。ただ、実質上の休館中だったので、一部のフロアーのみを見たのみ。残念。

横尾忠則現代美術館

横須賀美術館ー大好きな場所の一つ。

昨日、横須賀美術館に「国吉康雄」展を観にいきました。戦前、日本を出てアメリカで活躍した画家。2時から、美術館内で、国吉の映画製作を希望する映画監督(五十嵐匠)とシナリオ作家によるお話がありました。生まれ故郷の岡山でも、国吉のことをきちんと伝えていないという嘆きを五十嵐さんから聞きましたが、本当のところはどうなのでしょうか?

横須賀美術館は大好きな場所の一つ。昨日のような晴天の日は特に、この美術館はとても素敵なデートスポットになります(と言っても、ボクは独りで行きましたが)。
横須賀美術館

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「国吉康雄」展

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美術館内から海をみる。


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空がきれいだった。


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空と海が大好き!うちのクウ太郎君のクウは「空」、カイさんのカイは「海」。

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中村正義展(練馬区立美術館)

練馬区立美術館で開かれている「中村正義」展を見に行きました。新聞で知った本展覧会ですが、期待以上の作品集で感動しました。作家は、若くして日展のスターとなるも、因襲と権威主義の日本画壇に反旗を揚げ、その後は病いとの闘いに52歳で倒れたそうです。

ちょうど今日は、武重邦夫(映画監督)×中村倫子(中村正義長女・中村正義の美術館館長)の特別対談「父をめぐる旅-異才の日本画家・中村正義の生涯」もあって、とてもおもしろかったです。

この日本画家のファンになって帰ってきました。4月1日まで展覧会はあるようなので、もう一度見に行きます。


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展覧会バナー

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「芸術とは過去から未来にわたる人間の精神に反抗することではあるまいか」