愛南町外泊

TBSのドラマ『笑うマトリョーシカ』で主人公が育った場所として愛媛県愛南町の外泊が選ばれていた。原作者は神奈川県生まれ。どうして愛媛県愛南町(ここはぼくが小学校から高校までの時間を過ごした場所)に設定したのか?作家は松山で生活したことがあるとも聞いている。松山滞在中に、外泊の石垣の集落を訪れることがあったのだろうか。

愛南町に住む同級生にテレビドラマのことでLineのやりとりをしたら、実際に撮影が行われたそうで、同級生の知り合いが食事を撮影クルーに届けたとか。高岡早紀さんと水川あさみさんが愛南町に来てくれたなんて、うれしくなるね。

テレビで久しぶりに見た外泊の海と山は美しかった。30数年前、東京で生まれ育った友人家族といっしょに東京からフェリーに乗って四国に着き、それぞれのクルマでいっしょに高知と愛媛をめぐったことがあった。その時外泊の民宿に一泊したのだけど、地元の友人の情報では外泊の民宿の数も減っているそうだ。結局、きれいなところでも空港からの距離があるものだから(高知あるいは松山の空港からクルマを飛ばしたとしても3時間以上ゆうにかかる)、都会から来る人は少ないのだ。

愛南町の友人からのメールには、地元の人たちは外泊の海と山の美しさに気づいていないということだった。それはそうだろうな。「美人も三日で慣れる(飽きるだったかな?!)」というたとえに倣って言うと、美しい景色にも慣れてしまう。ぼくもそんな外泊の人たち(愛南町の人たち)の一人だった。コロナ前、東京に出てきている高校の同級生たちと会ったとき、「われわれが育ったところは美しかったんだね」という話になった。失ったわけではないけども、愛南町を離れて長くなってからようやく気づいたこと。それはわれわれだけでなく、地方出身者の多くに起こっていることだと思う。