「35歳から出世する人、しない人」(佐藤文男著)

著者は僕の大学時代の同級生で、ヘッドハンターとして成功しています。いつものことですが、新著を出されるたびに、わざわざ本を持って挨拶に来てくれるマメな人です。ポッドキャスティング「アイデアエクスチェンジ」にもでてもらっています。→アイデアエクスチェンジ「佐藤文男さん編」

以上、著者との個人的な関係があることをお断りしたうえで、ご本を紹介しますが、僕のようにもうとっくの昔に35歳を過ぎてしまった人間でも、まだまだ「出世したい」「出世しないといけない」とプレッシャーを自分にかけている人には、読んで学ぶことが多い本です。

ただ、「出世」と言っても、昔よく言った「立身出世」とは少々意味合いが異なります。著者が問うているように、「自分なりのオリジナルな生き方を目指しているか」「自分なりの美学や信念を持っているか」ということからすると、「出世」がどういうことを意味するのか、それは読者によって違ってくるのではないかと思います。

これら以外で、著者の言葉で共感した点をあげておきます。

1気配りというのは意識して身につけるべき一種のスキルだ。

2「キャリア」の定義は、「他社でも通用する専門性」。他社でも通用するかどうかを考える際には、漠然とした社内の評価ではなく客観的に判断できる数字で表せる実績(成果)を基準にすることがポイント。

3日頃からの整理整頓、清掃が大切。ため込んでいる物を捨てることが、変なこだわりや先入観を捨てることにもつながり、心のリセットができる。

4会社の看板がなくても食べていける人間になれ。

5普段会えない人に会いに行っているか。

以上、著者に対するひいき目もあるかもしれませんが、若い人たちはもちろんのこと、まだまだ働かないといけない中高年にも役立つアドバイスに満ちた本です。