吉良俊彦著『1日2400時間発想法』(プレジデント社)
posted at 2010.07.01
「アイデアエクスチェンジ」にご登場いただいたこともある、元電通社員でメディアコンサルタント、大学教授の著者の最新著作。僕は吉良さんのお書きになられた『ターゲットメディア主義_雑誌礼賛』のファンです。この本を読んだあと、ぜひ吉良さんにお会いしてみたいと思い、共通の知人経由でお願いして「アイデアエクスチェンジ」にご出演いただきました。(吉良さんとの「アイデアエクスチェンジ」)
最新のご本の副題は、「他人の時間を盗めばアイデアは生まれる!」と軽いノリなのですが、中身はいたってマジな本です。ただし、読みやすさは抜群です。僕自身、共感することがたくさんありました。また、吉良さんが提案されている「1日を2400時間にする13箇条」の一番にあげられている「画一的な生活からの脱却」は、ここ数年僕も意識して心がけていることです。たとえば、自分で勝手に「新日本紀行」と銘打っている全国各地のお取引先訪問。3年ほど前から、各地でお世話になっている学校、企業の方々を訪問していますが、自分の脳の中を活性化するのに役立っていると、自分では感じています(大した脳ではないので、効用は限られているかもしれませんが)。13箇条には以下のようなことが続きます。
2 自分の常識が人の常識ではない。
3 学ぶことの蓄積がないとアイデアは生まれない。
4 同一視点発想からチャンネル変換型発想へ。
5 5W1Hで考えよう。5W1Hは万国共通の状況設定語。
6 自己評価をするな。他人からの評価を素直に受け止める。
7 「難しい言葉」は自尊心の表れ。だから「簡単な言葉」で話す。
8 ポジティブシンキング。
9 自分自身は何割バッター?(目標達成率の認識)。
10働かなければ失敗しない。
11自分の会社、学校、家族の悪口を言うな。それは自分に対しての悪口。
12上流に戻れ。
13仕事や学業のレベルは必ず上がっていく。だから難しいことにチャレンジ。
このなかのいくつかは読めばわかりますが、他のものは本を読んでいただかないとわからないでしょう。だからぜひお読みいただきたい。
各章にはさまざまな本や人物の発言からの引用があります。僕の心にずっと残っているのは、清原和博の2000本安打達成を祝す、イチローの以下のような言葉。
「2000本という表に出ている結果よりも、4000とか5000とか、数字は分からないですけど、多くの失敗を繰り返してきたと思います。その数だけ悔しさがあったと思いますし、それに対して共感します。」
努力した者だけ、チャレンジした者だけが、同じように努力し、チャレンジした人間のことを理解しうるのではないかと思います。