「させて頂く」を、やめ「させて頂く」

 昨日の読売新聞夕刊に、東大の御厨貴先生が、「させて頂く」という表現の横行に関して書かれていました(「いやはや語辞典」)。実はボクもこの「させて頂く」には、閉口することがあって、どうしてそんなにすべての自分の行為に、「させて頂く」と言わないといけないのか、少々疑問に思います。口にする人が、まさか自分の存在そのものを、生かされているものと思っているとは見えないのですが。
 もうひとつ閉口しているのは、すべてのものに「さん」付けする傾向。「大学さん」、「学校さん」、「企業さん」となんにでも「さん」をつけたがる。「大学さんへの営業は、今年はこうやっていきます」みたいな感じで。いったいいつからこんなに馬鹿丁寧になってしまったのか。
 本当の丁寧さややさしさ、謙虚さって、「させて頂く」や「さん付け」とは違うところにあると思いますが、「さん付け」と「させて頂く」で、無難に、丁寧で、謙虚な姿勢を示していますということになるのか? 御厨先生は、「させて頂く」の横行に関して、「主体性なき逃げの姿勢」だとしています。「拝聴させて頂きます」!