『「ふるさと」の発想』(西川一誠著、岩波新書)

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 カイは右耳の中が汚れてしまって炎症気味。今回2回目の治療。薬を入れてもらい、掃除。かなりよくなりました。
動物病院開店1時間前に行ってしまったので、そばの公園の芝生の上でカイをそばに、本を読みました。西川一誠著『「ふるさと」の発想_地方の力を活かす』。著者は自治省の役人から、福井県副知事を経て、現在知事をなさっているかた。
「ふるさと納税」の提案者として知られる方です。
 昨年初めて福井を訪問したので、興味を持って読ませていただきました。この本のなかで書かれていることで、驚いたこと。
1 明治時代初期の国税収入のおよそ三分の二(多いときには九割)は、地租であった。そして、その最大の納税地域は、新潟県と北陸地方(富山、石川、福井)であった。1887年(明治20年)には、この地方の納めた国税は、東京が納めた税の約四倍であった。
2 1965年には、太平洋地帯にある五都県(東京、千葉、神奈川、静岡、愛知)に約一兆円、当時の国家予算の四分の一を超える額が投資されている。これに対して、日本海側(新潟、富山、石川、福井、鳥取、島根)は、全体予算の一割弱(約2700億円)が投資されたに過ぎない。
3 1965年から10年間の累計では、太平洋ベルト地帯への総投資額は約24兆円、日本海側への投資額の四倍以上である。
4 明治期の人口統計によると、1873(明治6)年当時に最も人口が多かったのは約140万人の新潟県。当時、東京府は約110万人で五番目である。
5 人口82万人の福井県では、毎年約3000人の若者が進学や就職などにより県外に出て行く。そのうち戻ってきてくれるのは約1000人。毎年約2000人が減ってゆく計算である。福井県で成長する若者が出生から高校卒業までに受ける行政サービスの総額は、一人当たり約1800万円。ざっと計算して数百億円規模の公的支出が、大都市へと流出しているのと同じことである。

 これらのことを読まされると、地方の活性化は、地方のこととしてほったらかしておくのではなく、国家プロジェクトとして取り組むべきと思いました。現在の東京の繁栄は、東京の人間の努力の結果ではなく、国家政策、そして上京していった地方人の活躍の結果とも言えることかもしれません。これまで、首都圏を優先した投資方針を考え直し、地方を復活させるための投資を行っていかないと。
 表日本、裏日本という、ちょっと嫌な言い方がありますが、これは一種の地域差別だなとさえも感じました。裏表は実は反対になっていてもおかしくないはずですから。
 この2年ほど、東京をでて、さまざまなエリアを訪問していますが、地方の衰退を強く感じています。ボク一人ができることなどたいしたことはありませんが、これは本当にたいへんな課題だと思っています。
 西川知事、頑張ってください。