オフィスの掃除

 会社で社員に掃除をさせる会社があります。もしかして、結構多いのかもしれません。楽天の三木谷さんからも、社内の掃除は社員でやるようにしているとある朝食会で聞いたことがあります。(実際にそうしているのかどうか、詳細は知りませんが) 工場を持つメーカーなどでは、掃除がとても大切な業務の一つになっているのではないかと思います。日本の成功しているメーカーの工場は、とてもきれいです。

 僕が尊敬している経営者のお一人、日本電産の永守社長も、ダメな会社(特にメーカー)に共通している点として、社員の遅刻と汚い工場をあげていらっしゃいます。

 社内の規律や情報の漏洩、セキュリティ、社員間のコミュニケーション、そのようなことを、ずっと、いろいろと考えていて、社員(もちろん、社長も含む)が、掃除をやることのメリットはかなりあるなと思うようになりました。掃除というのは、実は奥が深い作業ではないか?!

 話が飛びますが、家の中で、掃除や皿洗いなど、子どもに手伝わせている家庭はどのくらいあるのでしょうか?子どもが自分の部屋で勉強を適当にやっていれば、大体の日本の親御さんはそれで良しとしているのでしょうか?そのような親御さんたちは、実は生きていく上で一番大切な成功の秘訣のひとつを子どもたちに教えないまま終わっていますよ!

 掃除や皿洗いを家庭でもやらないので、会社でも当然、そんなことはやらないでいい、ビル管理会社が派遣してくる清掃担当の人たちがやってくれるもの、自分はもっと「偉いのだ」と思っているサラリーマンが大半なのかもしれません。掃除をやる時間があるなら、もっと「付加価値の高い作業」を自分はやっているべきだ、と主張する声も聞こえてきそうです。

 あるいは、そのような人たちは、たぶん、「仕事をきちんとしているのだから、なんで、俺(私)が掃除なんてしないといけないのか?」となるのでしょう。そのセリフって、「勉強やっているのだから、掃除はお母さんがやってよ!」という子どもに通じるものを感じるのですが、いかがでしょうか?

 僕自身、掃除の価値を十二分に理解していませんでした。「もっと付加価値の高いことを、俺はやるべきだ!」という声の主の気持ちが分からないわけでもありません。僕もかつては結構そう思っていました。でも、実際には、掃除はすべての高付加価値作業や仕事の前提条件ですね。お寺などで修行すると、早朝から掃除をやりますが、普段の生活(家庭とオフィス)でも同じことが大切だなと思います。