もともと支給なんて想定していないのでは?

年金の問題がわれわれ庶民の関心事になり、次の選挙でも重要なテーマになってくると思います。8月20日号の『日経ビジネス』(「終わらない話」のコーナー)で、しまむら会長の藤原秀次郎さんが、「現在の年金制度は、給付の適正化よりも、保険料の徴収に力点が置かれた歪んだ仕組みとしか思えない。こんなやり方は民間ではとても通用しない」と書かれています。

先々週、ルーマニアに訪問した会社の社長からお聞きしたのですが、年金制度は歴史的にはプロシアの宰相・ビスマルクが始めた制度で、支給開始年齢はその頃と今もほとんどかわっていない60歳前後。つまり100年以上の間、変っていない。当時の平均寿命は50歳に満たないくらいだったそうで、60歳から支給されるということは、一体、どれだけの人が、年金を受け取ったのか?現在に直して言えば、平均寿命が70歳後半だとすると、85歳とか、90歳から年金の支給が始まる、ということになります。これらのことをどのように考えればいいんでしょうか?

  • ビスマルクは、もともと、年金なんて払う気はなかった?
  • 平均寿命が大幅に延びた現在、同じような支給開始年齢を維持していくことは、もともと無理?
  • うまく機能してきた年金制度なんて、そもそもあるのか?

現在の年金制度においては、戦後、あまり払っていないような世代の人たちのために、われわれ現役世代が払い続けていて、われわれの代には、払った金額さえ返ってくるのかどうか、分からない状況です。最初に大盤振る舞いしすぎています。さらには、年金の掛け金をどれだけ無駄遣いしてきたことか・・・(二束三文で売りはたいているグリーンピア、雇用保険でできているのでカネの出先は違うのかもしれませんが、京都の「私の仕事館」など、あげていけばきりがないのではないかと思います)

僕は勉強不足なので、直感的な言い方になりますが、どうもあまり政府の年金制度なんてものは、もともと頼りにできないのではないか、という気になってきます。以前も書いた記憶がありますが、国は頼りにしない、きちんと働いて、自分で自分の経済基盤を作っていく。それしかないです。今、僕が払っている年金は、うちの親のために払っている税金だと考えるのが、正しい認識かと思います。たいへん腹立たしい話ですが。