「ターゲット・メディア主義ー雑誌礼賛ー」を読む
posted at 2006.06.25
電通出身の方(吉良俊彦氏)が書いた本を読んでいます。ターゲットを明確に絞り込んだメディアとしての雑誌を論じたものですが、マーケティングに関わっているすべての人に参考になる本です。
「黒犬通信」でも何度か書いていますが、僕は雑誌が大好きです。定期購読しているものを含めて、毎月20冊くらい雑誌を買っています。雑誌大国とも言えるアメリカに行くと、必ず10冊くらい買ってきます。そういう僕ですから、この本は読まないといけない本といってもいいくらいでした。
内容は、是非お読みいただきたいのですが、おもしろいと思った点をひとつ紹介します。僕はあまり世代論に与しないのですが(それは僕自身が、特定の世代に属しているという意識がまったくないからでしょうが)、いわゆる「団塊の世代」(だいたい1966年から1971年の間に大学で学生時代を過ごした世代)にいつて、詳細な分析をしていて、戦後の日本経済への貢献を認めつつも、以下のような欠点を持った世代であるとしています。
- 学生運動のため、学べなかった。
- 目立つような活動をしなかった学生が、一般企業になんとなく就職し、現在の地位を築いている。
- つまり、ろくに学べず本気で闘わず、在籍していた大学名のおかげで一流企業に就職した。
- 学生時代に覚えた麻雀のなごりで、いまだに麻雀だ、ゴルフだ、宴会だと、会社の仲間とつるむ習性がある。しかもつるむ費用は会社持ち。
- 行動も思考も仲間と一緒じゃないと気が済まない。
- 英会話ができなくても、「日本人だから日本語をしゃめる」というモットーを掲げて、かたくなに学ぼうとしない。
- 団塊の世代にとって生きるうえで大切なのは、個人の実力より、仲間意識。
これを読んでいて、本当に笑ってしまいました。団塊の世代って、こんなにせこい人たちなんだ、ということを初めて知りました(!)。林真理子の小説に、こんな感じの広告代理店の部長みたいな人が、時々出てきますね。吉良さんは、親の背中をみて子は育つようなことを書かれていて、それによると、団塊ジュニアも、あまり大した世代ではないことになってしまいますが、いかがなものでしょうか?
作者は1956年生まれですので、団塊の世代の後に属します。僕は1959年生まれなので、作者と近い年代です。団塊の世代に関する観察は、電通にお勤めの間の、社内・社外の団塊の世代の人たちとのお付き合いからのものでしょうか?一度お聞きしてみたいです。