Hotel California

今日の鷲田先生の「折々のことば」(朝日新聞朝刊)で紹介してされていたHotel Californiaの歌詞に引っ掛けた黒田ノミックスの揶揄はどんぴしゃりだ。

You can check out any time you like
But you can never leave.

チェックアウトする気があるなら、いつだって、いいよ。
でも、お前はそんなことできっこないだろう。

この頃、黒田さんの発言に変化が見られるという話だから、これまではその気もないと思われていたけど、チェックアウトする気があることをほのめかし始めたということかな?
でも、本当にHotel Californiaから出ていくことができるのか?

『ツール・ド・ランス』が二宮清純さんのご紹介で日経夕刊に!

 日経の「エンジョイ読書」という紙面(11面)、「目利きが選ぶ今週の3冊」というコーナーで、アメリカン・ブック&シネマ(当社の出版社)発行の『ツール・ド・ランス』が紹介されています。選んでくれたのは、スポーツ・ジャーナリストの二宮清純さん。二宮さん、ありがとうございます。(彼、愛媛県の出身だったはず)

『ツール・ド・ランス』

 あ、もうひとつ今日の日経夕刊で目に入ったのは、58億円含み損の記事。

 ついこの前、地方自治体でもデリバティブ取引で含み損を抱えているところがあるという記事が一面にでていた記憶。リーマンショック以降、学校法人の多くが同様の含み損を抱えているとさんざん報道されましたが、また今日の夕刊にも、名古屋の学校法人が58億円の含み損を抱えているようだと言う記事。

かつて金融分野で働いていたので言いますが、アマチュア(自治体や学校法人)が、ダウンサイド・リスク(意図せぬ方向に市場が動いたとき、被るリスク)が限定されていないような投資商品を買うなんて、ご法度の最たるもの。少々のえさ(普通よりも高めの金利)につられて、「ドルが90円切ることないですよね」「日経平均が9000円割ることなんて考えられないですよね」、だからこんなリスクとってみませんか?、なんて話に飛びつくなんて、金融機関にはめられていると同じ。

学校法人にはさまざまな税制上のメリットや生徒ひとりあたりの補助金などがあるはずなのに(つまり税金で支援を受けている!)、そんなところが「財テク」でちょっとでも多く金稼ごうという姿勢は疑問。

Money as debt

wonga イギリスのネット消費者金融

日経ビジネス(10月4日号)に紹介されている、オンライン専業の消費者金融。少額、短期のローンを全自動で高速融資。年利2689%。

イギリスには上限金利がないそうだ。過去、導入が検討されたとき、業界団体、専門家だけでなく、消費者保護団体まで導入に反対したとか。理由は、生活維持のために短期資金を必要とする人が、融資を受けられなくする可能性があるからというもの。日本とはまったく違う発想。

wonga

円高なのか、円安なのか?

 FTやEconomistを読んでいると、名目的には円高になっているかもしれないが、実質的にはまだ円安である、この10年ほどずっと円安であったにもかかわらず日本経済は拡大しなかった、海外市場でも日本製品のシェアはどんどん低下してきた、日本は世界の消費者が求める商品を提供できていない、グローバル市場への対応に遅れをとった。そんな記事が目につきます。
 一方、日本の新聞を読んでいると、15年ぶりの円高水準だ、急激な円高に政府はまったくの無策だ、このままでは企業はやっていけない、中小企業はもう死にそうだ。そんな記事ばかりです。
 立場が違うとこれだけ見方、感じ方が違うものかとも思います。頭では円安(理論値ではそうかもしれない)、でも気持ちで感じるものは円高(だからもっと円安にしてくれ!)というところでしょうか。
 確かに、何年か前から昨年くらいまで、日本に来る海外の友人、知人たちが口を揃えていっていたことは、「日本のホテルは安くなった」ということ。彼らにとっては円安だったのかも。彼らの羽振りもよかったのでしょうが。
 主要国の自国通貨を安くしようとする競争はどうなっていくのか?お互い、自国通貨を低くして輸出で稼いで時間稼ぎということを、順番にやりあいっこできればいいのですが。
 日本に対する主要国の本音は、これまでさんざん円安を容認してきたじゃないか、時間をあげたのに国内の規制緩和は進めず、自分から変化しようとしない、小泉以降は総理をとっかえひっかえしている。リーマン以降、こっちだって余裕ないんだからしばらく円高を受け入れなさいよ、というところでしょうか。

金とドル。

 8月24日付けのWall Street Journal で読んだ記事です。 
しばしばインフレ・ヘッジとして買われる金(ゴールド)ですが、あるアメリカの調査会社が1978年からのデータを調べたところ、インフレと金の相関関係は思われているほど強い関係がないようです。正の相関関係の場合、1、負の相関関係の場合、−1。0はばらばらの動きで関係なし。調査によると、金とインフレの相関は、0.08ということなので、かなり弱い関係。
 インフレと関係ないとなると、金の価格に影響をあたえているものはなにか?それはドルだそうです。過去30年、ドルと金の相関関係は、−0.65だそうです。つまりかなり強い負の相関関係があります。一方が上がると片一方は下がり、一方が下がると片一方が上がるという関係。
 もしこれが正しいとすると、今後の金価格はドルに対する信任次第。
 
 われわれ日本人にとって問題なのは、たとえ金価格が上がったとしても、金の値段がドルベースだということ。金価格の値上がり分は、ドルの値下がりで帳消しになりがち。

企業価値向上の長い道

 日経新聞夕刊に連載されている「人間発見」、今週はフィデリティ・ジャパンの蔵元康雄さんのインタビュー記事が続いているが、おもしろい。ご紹介されている企業、たとえば京セラ、丸井、ニトリ、キーエンス、イトーヨーカ堂、しまむら、コメリなどがまだ地方の知る人ぞ知る優良企業として、全国的に名を知られるまえからアナリストとして訪問され、各社の経営者とのお付き合いの中から気付かれたことを、インタビュー記事の中でお話になられている。

 各社とも、真の企業価値向上のために、地道な努力を継続された結果が、現在見る姿につながっているかと思います。参考にさせていただきたいです。

メガバンクの株主総会、国立訪問

 午前中、みずほフィナンシャルグループの株主総会が、当社オフィス前の東京国際フォーラムであったので、ちょっと顔を出してみました。2階席まで出席者。さすがメガバンクと言いたいところですが、中身は多くの株主総会同様、おもしろくありませんでした。日本の大企業の経営者はもっと堂々とすればいいのにといつも思います。国会の質疑応答みたいな、模範解答の繰り返しばかりで、自分の言葉で語る役員はほぼ皆無。形式主義の日本なのでしょうがないのかもしれませんが、まるくおさめて早くこの時間を終わらせたいという意思が露骨にでているのが、株主総会。
まあ、株主の中にも、「ちょっとおじいちゃん、それは質問なの、それとも単なる愚痴?」という方が結構いるので、議長の社長もじっと我慢しながら対応。
この前、「ディベートは勝ち負け、ダイアローグは自分が変わる可能性を楽しむこと」みたいなことを書きました。株主総会の質疑応答は、ディベートとも言えないし、ダイアローグとも言えない。一体、なんと言えばいいのか?時間をかける価値のある応答を期待したいです。
 午後は、母校の一橋大学の国立キャンパスを訪問。マーケティング担当の社員といっしょだったのですが、主目的は今回新たに作った「オデッセイコミュニケーションズ奨学金」の授与式のため。杉山学長、盛副学長、金田副学長同席のもと、奨学金の対象となった4名の学生さんたちとお会いしました(一名は病気欠席)。詳細については別途ご報告します。
 国立訪問は何年かぶりですが、国立ICからキャンパスに直行、直帰。残念ながら、国立駅の周辺には一歩も進まず。でも大学通は相変わらずきれいな町並み。国立南口は素敵な街です。

アップルがマイクロソフトを追い越した日。

 去年11月12日このブログで「アップルがマイクロソフトに追いつく日?」という話を紹介しました。この時点では、アップルの時価総額は1800億ドル、それに対してマイクロソフトは2500億ドルでした。ちなみに1998年にはアップルの時価総額は50億ドル。
 それから半年経った今週、アップルの時価総額はマイクロソフトを越えてしまいました。5月26日の株式取引終了時の時価総額はAppleが2221.2億ドル(約20兆円)で、マイクロソフトは2191.8億ドル(約19.74兆円)。
 そして今日28日、アップル躍進の原動力になっているiPadが日本でも発売されます。
「アップルがマイクロソフトに追いつく日?」

藤巻健史さんへのお願い

 アエラの特集「日本経済は破綻しない」にちらっと目を通す。日本経済は「破綻する派」の藤巻さんは、マーケットの反乱は目前に迫っていると主張。藤巻さんは朝日新聞系のメディアでよく拝見するけど、言っていることはいつも同じ。これだけ円安論者なんだから、ご自身の資産はドルを始めとする海外資産で運用しているのだろうとしか思えない。こんなことも言っている。「もう手遅れだ。資産を米国株などの海外に移したほうがいい。円とともに資産をなくすのは避けるべきだ」。ここまで言われるのだから、まさかご自身の資産を(必要以上に)円で運用されていないですよね。
 おっしゃっていることには共感することも多い。「日本の政治や経済に市場を取り戻し、高齢者偏重の分配政策をやめるできだった」。(そのあと、「もう時間はない」とされているが)
 10年以上も前だったか、日本電産の永守社長が、いまはなき日経金融新聞でこのようなことを発言されていた。「自社の株価は低いという経営者がどれだけ自社株を持っているのか、有価証券報告書などで調べてみると、ほとんど持っていないことが多い。本気で会社をやっているのであれば、借金してでも自社株を買え。」と。
 藤巻さんはこれだけ日本経済の破綻を言われているのだから、金額はお聞きする必要はないけども、海外資産への投資比率くらい、公表してもらえないものだろうか?