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『戦争のなかで考えたこと(ある家族の物語)』

先日101歳でお亡くなりになった日高六郎の著作の一つ。
中国の青島で生まれ、旧制高校から東京帝大を卒業する間、学校の休みには青島にある実家に帰省していたこと、日本の言語空間に制約されることなく、日本と中国の間を行き来しながら、保守的であるが中国人に親愛的な考えを持っていた父との会話から考えを深めていったことなど、作者の成長の過程において影響を与えたさまざま出来事について、たいへん興味深く読みました。

作者の本はほかにはあまり読んだ記憶がありませんし、この方に関して、さまざまな評価があるようですが、この本に関して言うと、たいへん読みやすく、また現在の日本の東アジアにおける困難な状況を歴史的なバックグラウンドから、的確に指摘されているように思います。たいへん共感を持ったとも言えます。この本の中で指摘されている日本敗戦の原因は、残念ながらいまも変わらず残っているどころか、だんだんと強くなっているように感じます。

この半自伝的な作品を読んでいて思ったのですが、この作品を基に映画を作ってみると面白い作品になるのではないかと思いました。