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科学的根拠をもとにした漁獲

今日の朝日新聞朝刊に、このままだと日本では魚が獲れなくなるというインタビュー記事が出ていた。水産会社の社員で輸入を担当してきた方と、近畿大学で水産業の研究をしている先生の話が紹介されていた。
二人とも同じような内容の話で、魚が獲れなくなってきていることについて大きな見解の違いはないように思う。
この「オピニオン&フォーラム」のページをまとめるとこんな話になる。
1 世界中で魚の消費量が増えている。日本は「買い負け」するようになり、求めるようには魚が輸入できなくなっている。
2 日本で魚の水揚げが減っているのは、科学的根拠を基に漁獲高を管理するルールが機能していないから。漁業者はできるだけとりまくる。獲りすぎに気づいていても成魚になる前の小さい魚まで獲ってしまう。
3 他国では漁獲枠を定める調整が機能しているケースがあるが、日本では行政の調整機能が働いていない。科学者、政治家が科学的根拠を基に制度を作ったノルウェーの例がある。
4 本来豊かなはずの日本の海で、この先も獲り続けられる持続的なレベルに戻す取り組みを進めないと、魚は確実に不足する。

この前、医療関係者と話していたら、医療の分野では「エビデンス(証拠)に基づいた議論」というのは20年くらい前から話題になっているという話を聞いて驚いた。エビデンスという言葉が一般化したのはこの数年のことのように思うから。

至る所で課題が噴出し、ちゃんとした解決策を見つけていくためにまず事実関係をきちんと把握、理解しましょうということで、「エビデンス」という言葉が頻繁に使われるようになったという印象。難しいのは、それぞれの立場があるため、自分に都合のいい「エビデンス」を求め、主張する傾向があること。次には、「エビデンス」の理解では合意ができたとしても、「これでは食っていけない。俺の生活をどうしてくれる」となって、開き直りの議論を展開するグループが出てくること。なかなか難しい。

高速道路での事故の目に見えない被害

昨日、甲信越エリアから帰ってくる際に、関越自動車道の上り車線3カ所で追突事故があり、事故渋滞のため30分以上自宅到着が遅れたのではないかと思います。
3カ所は距離にして20キロか30キロの範囲内だったように思いますので、対応に当たった警察関係者、高速走路管理会社の皆さんは、処理に追われたことでしょう。
誰も好き好んで事故を起こそうなんて思っているわけではないのですが、高速道路での事故渋滞は非常に多くの人に迷惑をかけます。どこかに迂回するわけにもいかず、途中で一般道に降りてカーナビの言いなりになって左に行き、右に行っても、結局長時間になることが多いように思います。そんな時には、やっぱり高速でノロノロ動いていた方が早かったかも知れないなんて思ったりもします。
高速道路関係者にぜひ教えてもらいたいことがあります。
年間、事故渋滞のため、一体どれだけの時間が無駄になっているのか?一日の事故件数、それによって引き起こされる渋滞時間、その影響を受ける人間の数。一日一回の事故で30分のロスが発生して、それに千人の人が影響を受けたとすると、延べにして500時間のロスです。それを365日にすると18万2,500時間になります。それとも、一日の事故による渋滞は30分程度ではなく、もっと大きいのでしょうか?
自動車保険の会社はどんな人間が事故を起こしやすいのかという統計データを持っていると思います。
高速道路関係者には、ぜひ事故渋滞を減らすために、もっと色々なデータや情報をオープンしてもらいたいです。事故渋滞で発生する目に見えていない時間的ロスをぜひ減らす努力をしていただきたい。

岩波新書「四国遍路」(辰濃和男著)

今年に入って四国に毎月帰省しています。最寄りの空港からレンタカーして実家に帰りますが、その道中、国道を歩くお遍路さんたちを見かけます。特に、GW中には数多くのお遍路さんたちを見かけました。一人で歩く人もいれば、二人で歩く人たちもいます。国道にはトラックなども多数走っているので、ところによっては危なっかしいのではないかと思います。事故に遭うことなく志を遂げることを祈るばかりです。

「四国遍路」は朝日新聞の天声人語を書いていた名ジャーナリストが、1999年70歳を目前にしながら、何度かに分けて88カ所を歩いた体験を記したもの。ご本人にとって四半世紀ぶり、2度目となる88カ所めぐりだったそうです。「文章の書き方」(同じく岩波新書のロングセラー)の著者だけあって、とても読みやすい文章です。いつかこのような文が書けるようになりたいと思います。

空海が始めた四国という場を舞台にした小宇宙の物語。これまで数知れない名もなき人たちがその物語を一歩一歩辿りながら、新しい自分を見つけ、人の情けにふれ、自然の偉大さを発見する旅としてきたのではないかと思います。

いつかぼく自身、お遍路さんの旅に出ることもあるかもしれません。四国88カ所とは限らないかもしれませんが。