『断弦』(有吉佐和子著)

没後30年、有吉佐和子がブームになっているようですが、今年に入って何冊か彼女の本を読んでいます。ボクの中でもちょっとした有吉佐和子ブームが起こっていて、すでに5、6冊の文庫本作品を買ってきています。

今週末は、『断弦』(文春文庫)を読みましたが、この連作集に含まれるひとつの作品が彼女のデビュー作『地唄』。この連作集、有吉佐和子が23、24歳の頃、昭和30年前後(1955年前後)に書き上げた作品のようですが、非常にすばらしい出来具合に驚きました。
「若き有吉佐和子の圧倒的筆力と完成度の高さに酔う!」という裏表紙の解説にある言葉はまったく誇張ではありませんでした。

敗戦から10年ほどたった日本の地唄の世界における新旧世代の断絶、親子の確執を描いた作品。現代にもつながるテーマ。映画作品にしてもきっと面白くなるのではないかと思いました。

夏の終わり

今月もあっという間に終わりが近づきつつあります。
先月末、アメリカで世界学生大会があり、7名の日本人学生と2名の社員といっしょにロサンゼルスから1時間ほどのアナハイムに行ったのも遠い過去のことのように感じられます。いつものことですが、大人は会議、会議で、せっかく歩いてすぐのところにあるディズニーランドにも一度も入園することなく帰ってきました。

先週末の日曜日には日帰りで久しぶりの福岡。九州工業大学で情報教育を教えている先生の授業風景を拝見し、そのあと昼食をしながらお話しさせていただきました。
日本の情報教育、特に高校レベルの情報教育に関しては、一体、なにをやっているのやら?英語とITは実践的な教育あるいは訓練が必要だと思いますが、そもそもこのふたつ、日本の学校制度(あるいは授業の実施方法と言ったほうがいいでしょうか)には、合っていないのでは?中学、高校での英語は必須から外せばいいだろうし、科目「情報」もやるのならもうすこし真剣に取り上げないと、いまのままでは意味ないのでは?このごろ、グローバル人材を巡る議論に飽きが来ています。

この前新聞で有吉佐和子がまた読まれ始めているという記事がありましたが、今年に入って、何冊か彼女の小説を読んでいます。今月も一冊。先日は、福岡で空港に行くまですこし時間が空いたので天神の大手書店で何冊か彼女と安岡章太郎の文庫を買ってきました。それらの文庫はすべて新潮文庫。あと20冊ほどで読んだパンダがもらえる100冊分のシールが集まります。9月末までには100冊達成して、3代目になる読んだパンダをゲットしなくっちゃ。

もうすぐ夏も終わり。秋が待ち遠しいけども、去り行く夏にもなんとなく愛着が残る。