格付け会社「ヴィジオ」

今朝の朝日新聞(オピニオンページ)の「ザ・コラム」というコーナーで、大野編集委員が、ヴィジオというフランスの格付け会社を紹介している。90年代半ばまで10年間金融業界で働いたボクも初めて聞いた社名。

この会社は、SRI(社会的責任投資)に参考となる格付けを提供している会社だという。採点には、財務データよりも、コーポレートガバナンスや環境、雇用への取り組みを評価基準としている。この会社の格付けで、東京電力は2年も前からかなり低い評価を受けていて、とりわけ評価が低かったのが企業統治部門。100点満点中、たったの2点だったという。3.11以降の東電を見ると、この格付け機関の「宣託」のあまりにも正確な「先見性」に驚く。環境部門も悪く、07年の柏崎原発の放射能漏れ事故後の情報公開があまりされていない、自然エネルギーへの熱意がないということで、7点しか与えられていないとか。

記事によると、ヴィジオから情報を買っているのは100機関、欧州勢が大半で、日本からは2社のみ。

今年改めて思ったことだけど、日本はまだまだ「発展途上国」モデルから卒業できていないのかもしれない。多くの企業は、目先の利益、利害を優先し、個人や家族、コミュニティの利益に配慮することが不十分に思う。理念も持たず、ただ大きなものに流されていくだけ。理念では食えないと思っている人が多いけど、理念がないから付和雷同になり、利益率も低い企業活動しかできず、ある程度の豊かさを達成しているのに幸福度が低い社会になっていると言えるのではないだろうか。